~μ’s Forever Lovers~ μ’sic Start! 作:絢未
社会人えりうみです。
絵里が結婚するので、海未が手紙に今までの気持ちを書くという思い付きで始まった小説ですが、良ければお読みください。
サブタイをえりうみとかにしないのは、見栄えの問題です。
手紙難しかったです。
拝啓 絢瀬絵里様
雪吹雪が舞う寒さ厳しい今日この頃、いかがお過ごしでしょうか。
このたびはご結婚のお知らせをお伺いし、心からお祝い申し上げます。
ご家族の皆様もさぞお喜びのことと思います。
つきまして、ささやかですがお祝いの品をお送りいたしますので、
ご受納いただければ幸いです。
まずは略儀ですが、書中にてお祝いのご挨拶を申し上げます。
敬具
追伸
追伸とはいわず、長文失礼いたします。貴女がご結婚されると聞いて、とても嬉しく思っております。
学生時代からのお礼はたくさんありますが、少々失礼させて頂きたいと思います。
理由は後述致しますが、御式のほうは失礼ながら欠席させて頂きます。申し訳ございませんこと、お詫び申し上げます。
では、早速ですが本題の方をお読みになっていただけると幸いです。
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絵里へ
学生時代から、私は貴女のことを尊敬しておりました。
真っ直ぐにみんなと向き合い、真剣な顔でいつも練習をしている貴女の姿が凛々しく、その姿に憧れを抱いておりました。私はよく、貴女のようにみんなをまとめ、引っ張っていけるようになりたいと思って精進して参りました。でも、穂乃果のような太陽の輝きも。貴女のような金剛石の煌めきも。そのような立派なものはないのです。
私は日舞の家元の娘に生まれ、昔から武道を嗜んで――。いや、真剣に向き合っていたものです。ですので、穂乃果やことりに尊敬の眼差しを向けられることも、少なくはありませんでした。
幸い、嬉しいことによく後輩にお手紙を頂くこともありました。その手紙にはいろいろなことが書いてあり、靴箱に入っていたり、直接手渡されたりしたそのお手紙を読むのも少し楽しみでした。中には『いつも園田先輩の試合は見に行っています!また優勝できるように頑張ってください、応援しています』というような真面目な分もあれば、『園田先輩のことが大好きです。この気持ちに答えをください、校舎裏で待っています』などという直接的なものもありました。そのときは校舎裏に赴き、丁重にお断りさせていただきましたが。
でもそれは貴女も同じ。
前に見ましたよ。廊下の死角となっている場所で、後輩の方に無理やり抱きしめられて少々困惑していた貴女の姿を。また、キスされかけていたようなこともありましたっけ。
でも、それだけ貴女が魅力的だということです。
だから私はとても貴女を尊敬していました。広い心で悩みを聞いてくれたりする、心の支え――とでも言いましょうか。幼馴染に話しにくいことは、貴女に聞いてもらっていましたよね。
そんなことばかり考え、しているからこそこの気持ちに気づいてしまったのです。
私が貴女に抱いている感情は尊敬などではないということに。
それは、恋。
自覚したのは貴女が卒業するとき……。
私は見ました。
3月にしては早く桜が咲いた学院の、一番の桜の木の下で貴女と穂乃果が抱き合い、そして幸せそうに何度も唇を重ねていたことを。あのときの貴女はとても、綺麗でしたよ。
今となれば、何をしているんだと自分に言えることもできます。でももう遅いのです。
あの日は悲しくて、いや……。自分の気持ちに気づいてしまった自身への悔しさを握り締めて、家まで夢中で走りました。すぐにお風呂に駆け込み、声を上げて泣きました。
なんでもっと早く気づけなかったんだろう。
私は貴女が――、絵里が大好きで大好きで仕方がないということに。
悲しくて、悲しくて、そして悔しかった。自分を憎んだ。
それだけ貴女のことが好きだったんですからね。
この手紙は貴女に気持ちをお伝えしておきたいということもありますが、おおよそは自己満足でしかありません。結婚する貴女にとっては、私の気持ちなどどうすることもできないのですから。貴女に少しでも気持ちを伝えたい。それで貴女が振り向いてくれれば、という私のほんの少しのわがままなのです。
貴女と穂乃果が付き合い始めたと聞いたのは、あの卒業式から約2週間ほど経ってからでした。あのとき穂乃果に満面の笑みで『絵里ちゃんのこと、大好きなんだ!』と言われたとき、私はどんな顔をしていたのでしょう。
でも無理です。
あんなに眩しい穂乃果の笑顔は、目が眩んでしまって『私も絵里が好き』なんて言葉、かき消されてしまいます。所詮、私たちのファーストライブと同じなのです。
短いスカートが嫌だ。恥ずかしい。やっぱり歌えない。などと言っていた私は何も成長していません。衣装の下にジャージを履くのは逃げ。貴女に気持ちを伝えなかったのも、フラれるのが怖いという逃げです。
でも、もう隠しません。
私はもう逃げません。貴女の――絵里のことを受け止めると決めました。
私、園田海未は絢瀬絵里のことを愛しています。
今ならそう、胸を張って言える。そんな気がします。
こんなものただの憶測です。でも、もう後悔したくないのです。だからあえてこの日を選びました。
もし、ほんの少しでもこの気持ちに応えてくれるというなら。
私は貴女の結婚式の日、学院のあの桜の木の下で待っています。
そのときは必ず、口で伝えます。
貴女の――絵里のことが大好きだと。
園田海未
海未ポエマースギィ(*_*;