~μ’s Forever Lovers~ μ’sic Start! 作:絢未
だいぶだいぶ適当かもですが、一応完結です。
「……んぁぁ、っんぅ……うぅ」
重い身体を起こして目を開けると、バッとオレンジ色の光が差し込んできた。
身体はいろんな線が付いている所為であまり動けないけど、周りを見渡すくらいならできる。
部屋の窓際には夕日の光が当たって光り輝いている赤髪があった。
「真姫ちゃん」
そっと名前を呼んでみた。それでも、返事は無い。小さな声で呼んだから聞こえなかったのかな。
そのとき、真姫ちゃんがスッとこっちに振り返ってきた。そのまま私のところまで来て、ベットの横にある丸椅子に腰を掛けた。
そのまま私の右手をギュッと握ってきた。右手をじーっと見つめているだけで、特に何もしてこない。
「ねぇ、にこちゃん……目、瞑ってくれる……?」
素直に目を瞑り、何をされるのかと思えば今度は左手を……いや、左手の薬指をそっと握られた。
突然のことに、頭が追いつかない。すぐさま小さな箱がキィィィ――と開き、薬指に指輪がはめられた。
「目、開けていいわよ」
目を開けて左手を見ると、夕日に照らされてキラキラと輝くダイヤの指輪があった。こんなもの、いつ用意したんだろう。こっちに飛んでから買ったのか、前から用意していたのかは分からないけれど……。とにかく、嬉しい。
「っ、こ、これ……どうしたのよ」
なるべく平静を装っているつもりだけど、多分装えてない。それだけ心の内はドキドキしている。
「別に。……手術成功祝いみたいなものよ。それと、婚約指輪……」
こんなこと、はじめてで。されると思っていなかったプロポーズ。すると思ってなかったし、第一籍は入れられない。
「……ほんと?でも、籍は……」
「式だけなら挙げられるし、籍にこだわらなくたっていいじゃない。私はにこちゃんといれるだけで幸せだし」
にこちゃんといれるだけで幸せ!?あぁ、なんて幸せなフレーズなの……。
私は無我夢中、自分の身体が手術明けだなんて考えもしないで真姫ちゃんに飛びついた。
「真姫ちゃん!大好き大好き大好き~っ!!すぐしよっ、結婚するわよ!!」
「ちょ、ちょっと!手術明けなんだから落ち着いてよっ、それと病院では静かにね。……日本に帰ったら、すぐにしましょ」
真姫ちゃんはそれだけ言って、私のほっぺに軽くキスをした。
~♡~♡~
あの夜のこと、私は二度と忘れない。
にこちゃんが事故に遭ってから数日。私がお見舞いに行くと、部屋の中から声が聞こえてきた。
”もう踊ることはできない”
そう医者に告げられた日の夜のことだった。
それは泣きながら自分自身に訴えている声。事故に遭った自分への、怒りや、悲しみなどがその声に紛れていた。
「……なんで、よっ……なんで、なんで……もう、踊れないのっ……!なんで、なんでこんなことになるのよっ……嫌だよっ、もう一回……まだ、踊りたいっ!また、みんなで踊りたいのにっ……」
だから私は決めたの。
にこちゃんを、もう一度踊らせる。と。
~♡~♡~
「にこちゃん!真姫ちゃん!ほら早く、こっちこっちー」
結婚式の後、μ's全員である場所に来ていた。
もちろん、真姫ちゃんもにこも着替えてある。ドレスのままこんなとこ来れないもの。
「穂乃果ー、ちょっと待ちなさいよーっ!主役はにこと真姫ちゃんなんだからぁー」
どんどん入口へと走っていく穂乃果。大人になっても変わらないのね。
今、全員でアキバドームに来ている。みんなでここを借りてやることなんて、あれしかない。
せっかく真姫ちゃんが、私の体を治してくれたんだから、しない手は無い。
9人だけのライブ。9人の曲。μ'sの曲。
私が叶えたかった夢、今叶う!
「にこっち、踊るのは数年ぶりやろ?大丈夫なん?」
希が衣装に着替えながら私にそう訊いてきた。
「心外ねー。踊れない間、家で何してたと思ってるのよ、もう」
毎日のように、自分たちの踊る姿を見ていた。また、こんな風に踊りたい。そう思いながら。
「さぁ!9人しかいない、本当に最後のライブ。にこのために集まってくれてありがとう!お客さんはいないけれど、みんな楽しんでみんなを笑顔にする気持ちでいくわよ!」
舞台袖、バシッと決めてステージに飛び出すため私はそうみんなに言った。
もうすぐ、始まる。
「1!」
「2!」
「3!」
私たちの。
「4!」
「5!」
「6!」
最後のライブ。
「7っ!!」
「8!」
「9!」
今日のμ'sコールはにこの担当。
「μ's!!!」
「「「ミュージック、スタートっっっ!!!」」」
~♡~♡~
今でも家に飾ってある、9人だけのライブで撮ったμ'sの集合写真。
それは、μ'sの――、
――私とにこちゃんの、宝物。
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