~μ’s Forever Lovers~ μ’sic Start!   作:絢未

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 えりうみ作品『ほんの少しでも』の続編です。

 なるべく投稿したいとは思っておりますが、私も学生の身分ですので冬休みが終わってからペースが遅くなるとは思いますが、なるべく投稿できるように精進していきます。リクエストやこんなCPがいいとか教えてくれましたら、どんどん取り入れたり書いたりしていきたいと思います。
 
 絵里の結婚相手は一般男性にするかどうかとても悩みましたが、やっぱり穂乃果にしました。そのほうが面白いので。

 では本編をどうぞΣ(・ω・ノ)ノ!


 




【絵里×海未】 止まらない泪。

 「それでそれで、絵里ちゃんがね!」

 

 あの手紙を書いた一週間後、私、園田海未は穂乃果と絵里の住む家に来ていました。ですが私はあの手紙を読んだと思われる絵里には到底会えるはずもなく……。穂乃果に絵里が仕事に出ている時間を教えてもらいました。

 

 穂乃果に『久しぶりにお話したいな』と誘われたときは悩みましたが、私も絵里のことが気になったので、話を承諾しました。

 

 久しぶりの穂乃果との会話。絵里との結婚が決まる前から少しずつ感じていたことではありますが、最近グッと穂乃果が可愛くなったように思えます。

 

 それもそのはず。絵里も穂乃果も大学生になった頃からでしょうか。自由になれる時間が増えたからか、よく二人で出掛けていたようです。私は大学時代も稽古と講義を両立していた為、穂乃果や絵里と話す機会も減っていました。ので、穂乃果の変化にも気づかなかったのです。

 

 化粧も濃いわけではありませんがしているのはわかりますし、そういう趣味があるわけではありませんが、穂乃果はいい匂いがとても強くなりました。きっと絵里を意識しているからなのでしょうが、男性にもよく声をかけられるようになったようです。

 

 そして今日。穂乃果に絵里とのことを次から次へと聞かされています。惚気話やら何やら聞かされ、もう頭が破裂しそうです。かれこれ話してもう二時間程経ってるのでしょうか。そろそろ疲れてきました。

 

 「あ、あの穂乃果……そろそろ」

 

 流石にもう限界です。こんなに楽しそうに絵里とのことを話されては、このどうしようもない気持ちが爆発してしまいます。

 

 私が疲れてきていることを察したらしい穂乃果が、『あっ、ごめんごめん』と立ち上がり、お茶を入れてくれました。

 

 「もうお開きにしよっか?いやー、今日は海未ちゃんと久しぶりにいろいろ話せて楽しかったよ!あ、そうだそうだ……結婚式、海未ちゃん来れる?」

 

 ギクッ……!

 

 ついにその話題になりましたか……。いつか来ると思っていたことですが、どう断ればいいのでしょう。何も考えていませんでした。

 

 「あ、え、えぇ……」

 

 『えぇ』を肯定と捉えてしまった穂乃果がにこにこと日時や詳細を話してきます。あぁもうダメです。私はこの穂乃果の太陽のようなこの笑顔に弱いんです。どうしたものでしょう……。

 

 一口お茶をすすり、深呼吸。

 

 穂乃果にはしっかり伝えなくては。

 

 「すみません、穂乃果。その日はどうしても外せない用事がありまして……本当にすみません。すみません……穂乃、果……」

 

 私はやるせない気持ちになり、涙が零れてしまいました。はぁ、なんで私はこんなことで泣いているのでしょう。絶対に行かないと誓ったはずなのに。

 

 「う、海未ちゃん……?な、なんで泣いてるの?そんなに穂乃果の結婚式に来れないのが悲しいの……?仕方ないよ、用事があるならさ。だからそんなに気にしないで、会える日にまたさ、会おうよ!」

 

 うっ……穂乃果が鈍感で助かりました。これ以上何か言われたらまともでいられる自信がありません。涙を拭い、もう一度お茶を飲みました。少し苦い緑茶が体の中に染みていきます。あぁ、なんて美味しいのでしょう。

 

 「ありがとうございます、穂乃果。私はこの後も稽古がありまして……そろそろ失礼させていただきます……」 

 

 席を立ち、上着を着て穂乃果に見送られて穂乃果と絵里の家を出ました。穂乃果と絵里の住むマンションのエレベーターに乗り、ロビーに降りて玄関ホールを出ると、外はもう真っ暗。携帯の時刻を確認すると、もう六時を回っていました。寒い時期なので日が落ちるのが早く足早に駅へ向かいました。

 

 歩いて数分。前からコツコツとヒールの音がしました。前をじっと見つめるとスタイルのいい女性が歩いてきました。金髪のその髪は、どこかでよく見たものと同じように……。いや、同じの髪が揺れています。私の大好きで、今一番会いたくて会いたくなかった貴女のものと同じ。

 

 そうでしょう……?絵里……。

 

 バサッ、と絵里の持つ紙袋が落ちました。私に気づいた絵里は驚いた顔でこちらを見つめています。それもそのはず、だって穂乃果と絵里の同居先を知っているのはμ'sのメンバーで私ただ一人なのですから。

 

 「……う、海未……?」

 

 私は何食わぬ顔で絵里の横を通り抜けていくと、ガッ、と強い力で腕をつかまれました。何をするんですか絵里……。私に何の用があるというのです。

 

 「っ、ま、待って」

 

 体の奥底から絞り出したようなその声は小さくて、震えていました。

 

 やめてくださいよ。貴女と話せば、私は気がおかしくなって……。

 

 気づけば私はその手を振りほどいて駅に向かって走り始めていました。あの場にいれば私はまた手紙のような意味の分からないことを絵里に向けていたかもしれないからです。私は今、あの手紙を後悔しています。無我夢中で書いたあの手紙、恥ずかしくてもう一度読むことなんてできません。

 

 真っ暗な一本道を駆けるとなんだか気持ちが少し楽になりました。そのまま走っていると、後ろからカッカッカッと音が。後ろを振り返れば金髪の髪が揺れています。まさか、追いかけてくる気ですか。でも無理でしょう。もう運動なんてロクにしていないはず。稽古を続けランニングだってしている私に追いつけるわけありません。それに貴女は仕事帰りですからスーツでヒールで荷物だって、コートだって……。そんな状態で追い掛けて来ないでくださいよ……。ヒールが折れてしまったらどうするんですか。怪我でもしたら、その綺麗な身体が傷ついてしまうではありませんか。そんなことになれば、穂乃果も悲しみますよ。結婚式も近いんですから、だからやめて……。

 

 そんなことを考えていると、私の足元がふらついて私が転んでしまいました。はぁ、私が転んではダメじゃないですか。こんなんじゃ人のことを心配する権利なんて……、ないです。

 

 膝に広がるヒリヒリする痛み。暗いのではっきりわかりませんがきっと傷は深く広いでしょう。はぁ、さっきからため息ばかり。……痛いです。

 

 何とか立ち上がりトボトボと歩いているとまだヒールの音が聞こえてきました。あぁ、貴女はまだ探しているのですか?すぐに家に帰って、穂乃果にその顔を見せてあげればいいじゃないですか。私のところになんて来ないでいいんですよ。

 

 でも、会いたい。

 

 そんな気持ちが自分の心にあるのがわかりました。

 

 「やっぱり、まだ好きなんですね」

 

 貴女のことはもう諦めた気でいたんです。でも、心の中ではやはりずっと貴女のことを想っていたようで。こんなかっこ悪い姿を見せるわけにはいかないんです。貴女に会うなら、うんとお洒落して化粧もして会いたいんです。こんな姿で会いたくなんて……。

 

 「ないのに……」

 

 自分の口からそう零れたその言葉を飲み込んで、最後に一度だけ。と思い後ろを振り返りました。でもそこに、大好きな人の姿を見つけることはできませんでした。

 

 「もう、帰りましょう」

 

 また足を進めると、後ろから声が――。

 

 今一番聞きたかった声。その声を聞くと安心して、楽になって、また大好きなんだなって思えるその声。その声で囁いて、抱きしめてくれる。そんな大好きな貴女の声がしました。

 

 「海未―――――っ」

 

 ダメです。もう自分が抑えられなくなるのがわかりました。貴女に抱きしめてほしい。そんな私の気持ちが一気に身体から、目から溢れました。

 

 「――――絵里、っ」

 

 その瞬間。涙が瞳から溢れだしました。どんなに拭っても止まらないその涙。きっと、貴女にしか止められないんですよ。――絵里。

 

 ギュッと自分の身体が抱きしめられたその瞬間――更に溢れてきました。

 

 「ずっと会いたかったの、海未っ……あの手紙のことを聞きたいのもあったけど、なにより貴女をこうして抱きしめたかった。ちゃんと貴女と話したいの。謝りたいこともあるの……ねぇ、海未……?この後時間――」

 

 それを聞き、私は声を荒げていました。なぜでしょう。貴女に抱きしめられて、こんなに嬉しいはずなのに。

 

 「やめてください……!こんなの、ダメですっ……!貴女は早く穂乃果のところに帰って、早く抱きしめてあげてください!穂乃果は早く貴女に会いたいんです!だから、だから……は、やく……」

 

 そう言って絵里の腕を振りほどこうとしました。でも全然力が入らないんです。涙が止まらなくて、今にも崩れそうなんです。

 

 私がそうすると、絵里が私を抱きしめる力が強くなりました。なんでですか、なんでですか。こんなのダメですよ……。浮気ですよ。穂乃果が、穂乃果が悲しみますよ。

 

 耳元に囁いてくる貴女の声が聞こえます。っ、ダメです……。破廉恥ですよ、絵里。

 

 「なんで貴女はいつも人のことばかり……私は、私は今貴女を、海未を抱きしめていたいのよ。そりゃ、浮気なんて指摘されたら否定できないし、穂乃果には見られたくないけどね?あんな手紙寄越したのは海未じゃないの。気になって気になって夜も眠れないのよ。穂乃果を抱きしめたって、キスしたって何したって頭に浮かぶ顔は海未……貴女なのよ……だから最近は穂乃果に怒られてばかり。『穂乃果以外の女の子のことかんがえてるでしょ!』って、怒られるのよ。だから最近は穂乃果と仲が良くないのよ。ねぇ、どうしたらいいの?私、わからないわよ。海未の気持ちが……」

 

 震える声でそんなこと言われたって、私だってどうしたらいいのか分かりませんよ。なんで私のことをそんなに……。あんな手紙を読んで、なんで嫌いにならないんですか。

 

 「そ、そんなことあるわけないです。穂乃果は楽しそうに貴女との惚気話を聞かせてくれました。あんなに楽しそうな穂乃果は久しぶりに見たんです。『早く帰ってこないかな』ってつぶやいたりもしてました。だから貴女はこんなところにいるべきじゃないですっ!」

 

 ほら、またそうやって抱きしめる力を強くするんですか。こんなの穂乃果に見られたらどうなってしまうのでしょうか。怖くて、でも、今はこうしていてほしいです。

 

 「やっぱり来ていたのね……家に。貴女がそこまで言うなら、今日はここまでにします。でも今度はちゃんと貴女の本音を口できかせてね?」

 

 あっ、嫌です。絵里の腕が身体から離れてしまいます。お願い、もう一度だけでも抱きしめてほしいです……。

 

 「っ、え、絵里……」

 

 気づけば私は絵里の名前を呼んで、絵里に抱き着いていました。こんなこと初めてで、ドキドキが止まりません。自分でも何をしているんでしょう。

 

 「う、海未……?どうしたのよ急に。って、大丈夫!?その膝……転んじゃったの?もう、急に走るからよ。びっくりしたんだからね、久々にあんなに走ったわよ」

 

 私は膝の痛みがきてその場に崩れ落ちてしまいました。やっぱり歩けそうにないです。痛いです。

 

 立ち上がろうとしても、生まれたばかりの小鹿のようになってしまって。絵里に肩をかしてもらって、近くのベンチへと腰を掛けました。そのまま絵里はコンビニに絆創膏を買いに行き、軽く手当をしてもらいました。でも、傷があまりにも深く絆創膏は何枚も使いました。両膝を怪我した所為で歩くのが難しかった私はなんとか一人で帰ろうとしましたが、あまりにも見ていられなかったようで絵里にタクシーで家まで送ってもらってしまいました。まったく、情けない話です。

 

 絵里にも『本当は歩けるけれど、少し絵里に甘えたかった』なんて口が裂けても言えません。やっぱり誰にも言えないですね。

 

 「あの、絆創膏代とタクシー代を……」

 

 車中でそういいましたが、まるで相手にしてくれませんでした。『少しくらいカッコつけさせて』とウインクまでされては何も言えません。その仕草にキュンとしてしまったなんて、誰にも言えません。今日は秘密がいっぱいできてしまいましたね。

 

 家に着いて、私だけ降ろしてもらうと絵里が口を開きました。

 

 「海未は本当に結婚式の日に待っててくれるの……?」

 

 絵里はなぜか目にうっすら涙を浮かべていました。

 

 一度は躊躇いました。でももう逃げないと誓ったのです。

 

 「はい。絵里のこと、ずっと、いつまでも待っていますよ」

 

 そして絵里は微笑んで、それと同時にドアは閉まり車は走り去っていきました。

 

 まったく、意地悪な運転手さんです。もう少し絵里と話していたかったのに。

 

 そのまま家に入り、お風呂に苦労しましたが一日は終わりました。

 

 後日、保健委員だったことりに怪我の手当をちゃんとしていただきました。

 

 

 

 それから三週間後が経ち、ついに結婚式の当日を迎えました。

 

 『海未ちゃんは結婚式行かないんだよね?』

 

 当日の朝、ことりに電話をもらいました。

 

 「はい。きっと気が狂ってしまうので……来るとは思っていませんが、一日音ノ木坂で待っていようと思ってます。それから先は、前に話した通りです」

 

 『そっかぁ……頑張ってね、海未ちゃん』

 

 私が絵里のことを好きなのは、ことりだけには打ち明けていました。だから、結婚式の日のこともすべて教えていました。

 

 さぁ、おめかしの時間です。

 

 とびっきりの私で、学院に向かいましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 二時間ぶっ通しで書いてしまいました……。

 英検と漢検の勉強があるのになにをやっとるんだ。

 本当は二話で終わりにさせたかったのですが無理でしたね。次には終わりにしたいですが、少々熱が入りすぎました。

 音ノ木坂学院の桜の木はオリジナル設定です。

 次は甘い話にしたいのですが、難しいですねぇ……。

 まぁあまり期待しないでください。

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