南方のとある鎮守府に熱い男がいた
その名は庭球提督
「泥まみれに生きるってかっこ悪いって思ってるんじゃないですか?見ろよ!この作品を!」


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庭球提督の熱血指導

夏が始まる

 

 

 

 

 

少し汗ばむ南方海域

 

 

ここはトラック泊地からさらに南へ100キロの海上

 

そこに一人の男性の声が響く

 

「諦めんなよ!諦めんなよ、お前!どうしてそこでやめるんだ、そこで!ダメダメダメダメ!諦めたら!応援してる人たちの顔思い浮かべてみろって!BOSSまであともうちょっとのとこなんだから!」

 

これが私の提督さん、通称庭球提督、神通さんにおんぶされながら嬌声をあげている

 

「でも提督さん、私も榛名さんも大破してるよ。絶対に帰った方がいいよ」

 

「そうかもしれない!でもね苦しい時ほど、笑ってごらん」

 

私はイラッとした

 

ああ、こうなったらもうだめね

 

「は、榛名は大丈夫です!?」

 

「ひえーーーー?」

 

「榛名さんも馬鹿言わないで。ここで進撃したら大変なことになっちゃうよ。神通さんも反対だよね?」

 

「いいえ、勝ち負けなんか、ちっぽけなことです。大事なのは本気だったかどうかです!」

 

ちえ、この人ももうダメか

 

味方になりそうな人を探すため周囲を見渡す

 

今日は霧島さんを除く金剛さんたち3姉妹と軽巡神通さんにおんぶされている提督さん、そして私、正規空母瑞鶴の6人で出撃した

 

ボスまであと一歩まで来たけれど、先ほどの戦闘で提督さんも含め全員ボロボロ

 

一度は撤退ということ話になったのだけれど

 

そこに最大の障害が現れた、提督さんである

 

進撃すると言って選択画面でもう1時間も駄々をこねている

 

「頑張れ頑張れそこだ!諦めるな!絶対積極的にポジティブに頑張れ!深海棲艦だって頑張ってるんだから!」

 

もう、うるさい!

 

お?話の分かる人、金剛さんが来た

 

金剛さんは提督の背後から忍びより、一撃!

 

「いつまでも馬鹿言ってんじゃないデース!ほら、さっさと帰るデース」

 

見事な手刀で提督さんを気絶させた

 

提督さんを背中から失った神通さんも正気にもどったのか、目を白黒させている

 

「あれ?わ、私、出撃してからの記憶がありません」

 

かわいそうに、提督さんと身体的接触を行うとその艦娘は性格がアグレッシブな方向へ変わってしまう

 

この前なんて肩を触れられた羽黒さんが真夜中の廊下で一人正拳突きをしていた

 

トイレに起きた私はその姿に少し漏らしそうになった

 

「ズイカーク?ぼーっとしてるデース。帰るデスよー」

 

「う、うん。そうね。帰りましょう私たちの鎮守府に」

 

ようやく涼しい風が吹いてきた

 

 

 

 

 

 

 

今日は厄日、週に1回の秘書艦の日だ

 

翔鶴姉は先輩たちと買い物に行っちゃった

 

私もクレープ食べたかったな

 

書類も多いし、気が滅入るなあ

 

右を見ると、

 

提督さんは電話で大本営の偉い人と話している

 

「気にすんなよ!くよくよすんなよ!大丈夫、どうにかなるって」

 

『・・・・!・・・。』

 

「その崖っぷちが最高のチャンスなんだぜ!艦娘の力を出し切れるんだから!崖っぷちありがとう!最高だ!」

 

その言葉と共に受話器をガシャンと叩きつける

 

大本営の人、お疲れ様です

 

 

 

 

変わって今日は演習の日

 

相手の鎮守府にやってきた

 

「秋津洲(あきつしま)のように、日本一になるって言ったろ!お前ら、昔を思い出せよ!今日からお前は秋津洲だ!」

 

もう、やめてよ。恥ずかしいなあ

 

だから演習に来たくなかったんだ

 

演習開始前のミーティングで私は既に疲労困憊

 

演習相手が奇異の目で私たちを見ている

 

私はせめてもの抗議の視線を返す

 

コレと一緒にしないでください!

 

「君たちの目指しているところ、それは日本の海じゃない、世界の海なんだよ!それも世界の海の頂点だよ!」

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

はあ、負けちゃった

 

提督さんは演習中、終始「気合いだ!気合いだ!」とアニマルさんのようなことを言うから

 

みんなそっちが気になって演習どころじゃなかったよ

 

潮ちゃんなんか恥ずかしさのあまり泣き出しちゃった

 

提督さんが手を振って駆け寄ってくる

 

「ドントウォーリー!ビーハッピー!」

 

もう!ほんと、誰か助けて!

 

 

 

 

 

南方海域に戻ってきた

 

前回のリベンジ、編成は一緒

 

「できる!できる!できる!絶対にできるんだ!!!」

 

神通さん以外みんな何か悟ったような顔をしてる

 

「もっと熱くなれよ、熱い血を燃やしていけよ!艦娘はなあ、熱くなった時が本当の自分に出会えるんだ!だからこそもっと熱くなれよおおおおおおおおおお!」

 

「本気になれば自分が変わります!本気になればすべてが変わります!」

 

「さあ打ち上げてごらん、心の花火を」

 

この言葉を合図に戦闘の火ぶたが切って落とされた

 

 

 

「人も艦娘もラブからはじまる!」




お正月も明け、再び普段の生活が戻ってきます

嫌だなあ、そう思ったときにこの作品が少しでも励みになれば幸いです

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