ソード・オブ・ジ・アスタリスク   作:有栖川アリシア

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作者より――

更新遅れちゃって申し訳ないです☆
気づいたら更新が一年後になっていたという事実。



赤蓮への警告とE・Y氏

斑鳩が、ユリス達とトレーニングしていたころ、六花園会議も終えたクローディアは、ホテル・エルトナのカフェで少しの癒しの時を過ごしていた。そんな中だった。

「赤蓮の総代、ここよいか?」

「え、えぇ」

思わぬ人物に驚くクローディアとはいえ、その微笑を絶やさない。

 

「すまん、そこの者、ほうじ茶を頼む」

「かしこまりました」

近くにいたウェイターにそういってクローディアの方を向き直る界龍の総代范星露(ファン・シンルー)

 

「――さて、唯お茶に居合わせたというわけではないぞ、赤蓮の総代」

まるで腹の中を見透かしたようにいう彼女。

「あらあら…さて、ご用件をお伺いしましょうか」

「そうじゃな、まぁ、《絶天》のことについて、お前さんにいくつか直に聞きたくてな」

「…といいますと?」

「あやつのこと、どこまで知っておる?」

「…彼のことですか、クローディア・エンフィールド個人としてお答えするとすれば少しというところです」

「赤蓮の総代としては?」

「同じことですよ」

「そうか…」

やってきたほうじ茶を一気に飲み干す彼女。

 

「赤蓮の総代、私個人として言っておくが、アヤツがこの世界にとって毒になった時、儂は貴様らの学園に行くからな」

「それは、宣戦布告と「あぁ、受け取ってくれて構わない」――そうですか」

二人の間に剣呑な雰囲気が流れる。その空気を打ち破ったのも、また范星露(ファン・シンルー)だった。

 

「とはいえ、儂はよっぽどのことがない限り貴様らには関わらんよ、道は示してやるものじゃからな」

「…えぇ、心得ていますよ」

そう言いながら、席を立ってその場を離れる范星露(ファン・シンルー)

「(…全く、困ったものです)」

そう言いながら、再び手元のティーに口をクローディアはつけた。

 

 

 

一方

 

トレーニングルームに向かう途中、斑鳩は珍しい人物に遭遇した。

「あっ、斑鳩」

「おう、沙々宮とレスターじゃないか」

「よ、斑鳩」

不思議な組み合わせだが、まぁ色々あったのだろうと思っている。

 

「これから、綾斗のところか?」

「そんなところ、斑鳩は?」

「勿論、二人と一緒さ」

そう言いながらトレーニングルームに向かう。トレーニングルームに入ると、案の定、リースフェルトと綾斗一試合終えていた。

 

「ほほう、これはまた意外な組み合わせの来客だな」

こちらを面白そうに見ているリースフェルト。

 

「紗夜にレスター?どうして二人がここに?」

綾斗の言葉と共に、紗夜は一歩前に出てユリスに向かって人差し指を突き付けた。

 

「ずるい」

「は?」

「(は?)」

斑鳩も内心リースフェルトと同じ反応をする。

 

「ずるいって……いったいなにがだ?」

「ここのところリースフェルトは綾斗を独り占めすぎ、これは明らかに私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律違反、改善を要求する」

「……こいつの扱いが独占禁止法に抵触するとは知らなかった」

呆れた顔をするユリス。

 

「おーおーよかったじゃないか、綾斗~うらやましいなー」

と機械がしゃべるように棒のように綾斗に向けて言う。

 

「とぼけてダメ、ネタは上がってる」

「(ん?刑事ドラマものかな?)」

「ここしばらく綾斗とリースフェルトが放課後二人っきりで密室にこもって人に言えないような行為に耽っていたことはすっかり調べがついている」

「(ありゃーいかがわしい行為…か…)」

と思いながらいると、リースフェルトが顔を真っ赤にしながら言ってきた。

 

「ひ、人聞き悪いことを言うな!私達は《鳳凰星武祭》に向けて訓練を積んでいただけだ!というより誰から聞いたそんな与太話!」

「情報源は秘密……情報通のE・Y氏からとだけ言っておこう」

「おのれ夜吹!」

「(すでにバレバレというレベル)」

「大体リースフェルトは普段から綾斗に引っ付きすぎ、この前だって昼食で偶然席が一緒になったふうを装をってたけど、不自然極まりない」

斑鳩は、その羨ましさに綾斗の足を小突く。そして、これ以上関わるのは面倒なのでレスターと向き直った。

 

 

 

 


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