ソード・オブ・ジ・アスタリスク   作:有栖川アリシア

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策略

「えっ……!?」

反射的に飛びのく綺凛。だが、一歩遅かった。次の瞬間、彼女を中心として直径五メートルの範囲が陥没するように巨大な穴をうがった。

 

「綺凛ちゃん!!」

飛び込んで腕を伸ばす斑鳩

 

「大丈夫か?」

「え、えぇ、助かりました」

ほっと安堵を衝く斑鳩。だが、無常にも、その縁は崩れ去る。

斑鳩はとっさに彼女の身体と頭を抱きかかえる。そして、二人の身体が暗い穴の底へと吸い込まれた。

そして直後、衝撃を感じた。

 

 

「(――水中か!?)」

すぐさまウェイトを外し彼女と同時に浮き上がる。

 

「大丈夫、刀藤さん?」

「あ、ありがとうございます、助かりましたぁ、私、泳げなくて…」

「そうなんだ、にしても…ここはどこだ?」

水面から天井まで20メートルはある。横の広さは、どのくらいあるかわからない。

 

「バラストエリアでしょうか?」

「バラストエリア?」

「えっと、つまりアスタリスクはメガフロートですから、バランスを取るための重りとして水を利用しているのじゃないかと思います」

「ほぉ、ってことは点検用の出入り口があると思います」

「んじゃあ、それを探すか――って、上手くすんなり帰してくれるわけないよね」

「はい?」

斑鳩は水中をにらむ。すると、その水中からこちらをにらんでいる一匹の竜もどき。現れたのは、蛇に近い竜もどきと呼べるものがいた。

 

「棗先輩、あの竜、上にいた子たちと同じ感じがします」

「ってことは、核ありスライムってところか…あんまりいいニュースじゃないね」

「んじゃあ――ウォーターブレッシング」

そういうと、水中でも呼吸が出来る魔法を使う。

 

「ちょっと潜るよ」

そういうと、全速力で近くの柱まで彼女を抱えて泳いでいく。そして、水面より上の柱の壁を削り、小さい空間を作り出し、斑鳩と綺凛はその足場のようなところに上がる。

 

「んじゃあ、とりあえず凍らせますか」

斑鳩は、絶対零度の冷気を極太のレーザーのように発射して攻撃をおこなう。

すると、水面に着弾すると同時に、周囲一帯の水が一瞬にして凍り付く。

綺凛が息をのむ中、斑鳩はエリシュデータをきらめかせ

 

「んで、こうだ、ライトニング・フォール!!」

それを出来立ての氷に突き刺すことによって周囲に電撃を走らせる。直後、氷が一気に爆発した。

 

「ま、一件落着っと」

水しぶきが舞い上がり、二人の髪をもてあそんだ。

 

 

 

 

 

 

「――ってことは、棗先輩ってこの世界の人間じゃないんですか?」

「まぁな…この事実を知っているのはリースフェルトとクローディアだけさ」

斑鳩の削った柱の壁にもたれながらいう。斑鳩は、この壁で少し休憩を取ることにしたのだ。そんな中、彼女はこちらを少し泣き出しそうな顔で見てくる。

 

「どうして棗先輩は、闘うんですか?」

「え?」

ずいぶんと唐突な質問だ。

 

「――誰かの力になりたい、それと、越えたい人物がいるのさ」

脳裏に浮かぶのはこの世界で本気を出した人物の顔。

 

「越えたい人、ですか?」

「まあね」

その質問に斑鳩が頷く。彼女の顔は一色だが

 

「もしかして、界龍の生徒会長の……」

「あぁ――っくしょん」

少し気が緩んだのか、盛大なくしゃみをかます。

 

「んー濡れネズミのままじゃ、冷えるな」

「そうですね、タオルも濡れちゃいましたし…くちゅんっ」

身体が冷えているのは彼女も同じようだ。というか、ただでさえ氷が剥き出しなのだ、思いっきり冷える。

 

「せめて、濡れた服くらいは乾かせたらいいのですが…」

「そうだな…乾かす、乾かす…やってみるか」

「ほぇ?」

「んじゃあっと」

そういうと、斑鳩は左手をきらめかせスカーレッド・ファブニールを取り出し、地面に突き立てた。

 

 

 

数分後――

 

「おほぉ~あったけぇ~」

「あったかいです~」

若干、人には見せられないような頬の緩んだ顔の斑鳩と綺凛がいた。

 




前書き(謝罪)のようななにか

ユリス「おい作者、なぜ更新が遅れた?」

作者「えっ、いや、そりゃねぇ・・・色々とあったのさ?」

ユリス「本当か?まさか、様々な書類に手間取って遅れたとは言わせんぞ」

作者「…(なんで、わかるの彼女?)」

ユリス「黙秘は図星ととるぞ?――お前をやるのは最後だと言ったな」

作者「あ、あぁ」(^^;)

ユリス「あれは嘘だ――鋭槍の白炎花(ロンギフローラム)!!」

作者「うわぁぁぁぁぁあああああ」(×_×;)

作者より、更新遅れて申し訳ありませんでした。<(_ _)>

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