「咲き誇れ――
ユリスは火炎球を飛ばして攻撃してくる。狙いは紗夜だ。
だが、斑鳩は間に入りそれを打ち払う。そこに計ったかのように
「天霧辰明流剣術初伝――
そこに綾斗が剣を切り裂いていく。
「バースト!」
紗夜の双単銃で綾斗の攻撃を逸らす。斑鳩は、そこからユリスに向かって水月を繰り出す。
水月は、単発で水平蹴りを繰り出す体術だ。ユリスはそれを両手で防ぐが、斑鳩はサマーソルトキックのようなもの繰り出し、ユリスを横に吹き飛ばす。
「なっ!?」
「ユリス!」
斑鳩に向けて綾斗がとびかかってくる。
「天霧辰明流中伝――
走りながら体を捻ってから両手に持った剣で一閃してくる。斑鳩は、すぐにユリスの相手を止めて綾斗の方に足を向ける。斑鳩は、ソニックリープからデッドリー・シンズを繰り出す。そして、綾斗がかなり吹き飛ばされる。
「紗夜――」
「ユリス――」
綾斗と斑鳩お互いそういうと同時に翔けだす。裂帛の気迫と共に、お互いがぶつかり合う。
「「――ッ!」」
お互いの剣がぶつかり合う。同時に、その衝撃で障壁が揺らぐ。そして、何撃がぶつかり合ったと同時に、お互い後ろからの援護射撃が始まる。
紗夜の攻撃は綾斗に、ユリスの攻撃は綾斗に飛んでくる。
「咲き誇れ――
魔法陣から巨大な火炎竜を飛ばすユリス。その数は先ほどのアマリリスより少ないが、それでも厄介だ。
「
剣を左から右へ、右から左へ素早く水平に連続で振るい、そこから青白い残光と共に4連続で振るう技を繰り出す。その呑竜を退くと、その呑竜の中から綾斗が飛び出してくる。見れば、してやられたという顔の紗夜。
「天霧辰明流剣術初伝――肆シ蜂!!」
素早い移動から繰り出される剣による突き攻撃を繰り出してくる。
斑鳩は、綾斗の胸元に向けて極太のレーザーのように発射する。当然
「――がはっ!!」
綾斗は障壁に叩き付けられる。
「綾斗――!!」
「――バースト」
無表情な紗夜がその言葉を言うと同時に、ユリスを光の奔流が襲う。同時に彼女も吹き飛ばされ綾斗と同じところに叩き付けられる。
綾斗とユリスは、叩き付けられるが、すぐに意識を取り戻す。
「やはり、あの二人は恐ろしいな」
「ほんと、同感だよ」
ゆっくりと立ち上がる綾斗とユリス。
「恐れられているみたいだな、俺ら」
「当然、だって私と斑鳩だもん」
無表情で言う紗夜。斑鳩は、紗夜の方を見るとどうやらいくつか傷を負っているみたいだ。
「紗夜、まだやれるか?」
「――うん、まだ大丈夫」
「(まったく、こいつは――)」
斑鳩は手をかざすが、それを拒む紗夜。
心の中で半ば彼女が綾斗の幼馴染ということに少し嫉妬する斑鳩。
「四十一式煌型粒子双砲ヴァルデンホルト――《バースト》」
再び現れたヴァルデンホルトを構えた紗夜。空気を振るわせる衝撃と共に光の奔流が襲い掛かる。
「ユリス、掴まって!」
綾斗は彼女を抱き寄せ、大きく真横へ跳ぶ。爆風に煽られて地面を転がりながらも、二人はすぐに立ち上がって体制を整える。
「――とんでもない威力のようだな……」
紗夜の攻撃は直撃を避けても爆風に巻き込まれるだけで相当なダメージだ。
「まだまだ――」
斑鳩は間髪入れずにヴァルデンホルトと同じ規模のレーザーを繰り出す。
「連射だと!?」
「走って、ユリス!」
外周を回るように駆けだす綾斗とユリス。それを追うように背後で爆発が何度も巻き起こる。
そんな中だった。
「――なっ!?」
次の瞬間、綾斗の閃撃が煌めく。しかし、今回のは斑鳩からではない。そして
『沙々宮紗夜、
紗夜の校章が敗北を告げた。