数日後
「やぁ斑鳩、おはよう」
「おはよう、斑鳩」
「存外早かったな」
「あぁ、おはよう」
朝のトレーニングを終え、クラスに入るとユリス、紗夜、綾斗に出迎えられる。
「にしても綾斗、お前どうしてドアの前に?」
「ちょっと紗夜と飲み物を買いに行こうと思ってね」
「そういうことか」
と思いながら席に着く。周囲を見て見るといつも朝うるさいやつがいない。
「そういや夜吹は?」
「さぁ、どこなんだろう?」
見渡すがいない。そして、授業前のホームルームの鐘が鳴り全員が席に着く。少しざわざわしているが。そして、担任の谷津崎先生が少し苦々しそうな顔をしながら教室に入ってきた。
「なぁ、今日の先生、ものすごく不機嫌じゃないか?」
「まぁ、人間だからね、なんかあったんじゃないの?」
マジレスしてくる綾斗。聞きたいのはそういうことじゃない。そして、少し髪をくしゃくしゃしてストレスを発散させるような動作をし
「あー、えーと、なんて言えばいいんだかな…転校生が来たぞ」
「えっ…」
クラスの一人がそんなことを言う。無理もない、転校生という言葉はこの六花で使われてはいけない言葉だ。
「あぁー色々とあると思うがな・・・このクラスに新たな仲間が加わる、はいれ」
そういうと、前の扉から一人の女子が入ってくる。綺麗な銀髪と雪のような白い肌、そして雰囲気の変わった紅の瞳が凄絶な間での美しさを際立たせている。だが彼女から放たれるその気迫に充てられた一部のクラスメイトは言葉を失う。そして、斑鳩のすぐ近く、ユリスも半ばその姿を見て気絶しかかっている。というより、もはや表情が凄い。涙を流しているのか、気絶しているのか、驚いているのか、とにかく様々な表情が混ざった顔をしている。
「(うわぁ、これは酷い)」
斑鳩は、ユリスを一瞥し視線の先の転校生に目を向ける。この六花でしかもこの時期となれば一人しかいない。
「(案外、手続きに手間取ると思っていたんだけどな…)」
そして、聞こえてくるのは、光近が聞きなれた声。
「はじめまして星導舘のみなさん、オーフェリア・ランドルーフェンです、これからよろしく」
視線の先の黒板の前には、オーフェリアが星導舘の服を着ていた。
放課後
「ふぅー」
「お疲れ、オーフェリア、ほら」
初日の通過儀礼とも言える質問攻めで昼休みをつぶされ、授業も終わり斑鳩はオーフェリアの下にやってきていた。オーフェリアは斑鳩から缶の飲み物を受け取る。
「やっぱり文武両道をモットーとしているだけあって、教育の質が違うわね?」
「質なんてわかるのか?」
「まぁね、こういうのもあれだけどレヴォルフ学院の先生は、無気力だったからね」
「へぇ~」
斑鳩は彼女の近くの椅子に座る。
「どうだ?」
「なんか嬉しいわ」
「なにがさ?」
「こういう風にね、なーんにも心配しなくていいことよ」
「ははは、そりゃいい」
斑鳩も飲み物に口をつける。
「それに、斑鳩もそうだけどユリスと再び肩を並べることになるとは思ってもいなかったからね」
どこか黄昏るように言葉を交わす二人。その二人を祝福するかのように、夕陽がお互いの髪と顔を照らす。
「それでオーフェリア、住む尞はどうなったの?」
「ん、生徒会長さんの取り計らいで二人部屋だって」
「ほぇ~そんで場所は?」
「女子寮でなんか、会長の話だと、まだその住人には話を通していないんだって」
「…通していない?」
どこか嫌な気配しかしない。むしろ、こんな事が出来るのは彼女しかいない。
「オーフェリア、いくぞ!」
「えっ、ちょっと!」
彼女の手を引いて、校舎を走り出す。斑鳩はえもいえぬ高揚感と達成感、それに嬉しさに包まれる。
そして、全てが始まったあのはじまりのあの場所に着くや否や
『な、なんなんだこれは一体!?』
女子寮の一部の部屋から悲鳴が上がった。
このとき、心何か新しい何かが始まったのではないかと感じる斑鳩であった。
作者より~報告コーナー~
ユリス「おい作者、幾らなんでも長すぎやしなかったか?」
作者「いや、これはですね…こっちも人生のビックイベントがありまして・・・」
紗夜「ビックイベント(嘲笑)」
作者「うわ、エグ…」
ユリス「まぁ、何はともあれ、無事決まったんだし、良かったではないか・・・」
紗夜「来年からニートにならずに済むね、やったね作者」
作者「なんやかんややって4月から10月までかかったからね~」
ユリス「そうか…まぁ、いいだろう、ネタは出来ているんだろうな?」
作者「モチのロンで…たぶん」
唐突にのど元に突き刺さるヴァルデンホルト
紗夜「次はないと思え・・・たとえ、ドライバーズライセンスがあってもだ!!」
作者「え、なにその無理ゲー」
そういうことで、更新が遅れてすいませんでしたーー!
これから、ガンガン更新していく予定ですので、宜しくお願い致します!!
<(_ _)>