堕天使のちょこっとした冒険   作:コトリュウ

38 / 56
今回は、オーバーロード内で高い人気を誇るあの人が登場だよ!
こんなに遅い登場なんて酷いと思うかもしれないけど……。
大丈夫!
これからは活躍してくれるはずだよ!
なんと言っても、英雄の領域へ足を踏み入れた人外様なのだから、ねっ!



殺戮-8

 森の中でパナ達一行は、のんびりと歩を進めていた。

 アンがパナの曖昧な知識を基に魔法の練習をしたり、マイが籠手(ガントレット)の使い勝手を試すかのように大きな熊と殴り合ったり、色々勉強しながら帝国を目指していたのである。

 そんなある日、エ・ランテルにだいぶ近づいてきたと思っていたパナ達は、集団戦闘を行っている団体を発見していた。

 森の中の開けた場所――グリーンシークレットハウスが八つくらい設置出来そうな広場――そこで傭兵風の一団と黒いローブを着込んだ集団が殺し合っていたのだ。

 

「(うっわー、こんなとこで何やってんのよ。静かな森が台無しじゃない)」

「(全部で四十人ぐらいでしょうか? いったい何を争っているのでしょう?)」

「(パナちゃん、姉ちゃん、原因はアレじゃないかな?)」

 

 木の上でコソコソ隠れていた三人組の中から、何かを指し示すかのように人差し指が突き出された。その先に見えるは二つの大きな麻袋。通常であれば食料品を運ぶための袋であるが、今回は異なるようだ。

 麻袋の一つには赤黒いシミが見え、閉じ口からは人の足が覗いている。

 

「(えっ、あれって死体? 人の死体が入ってんの? って事はこの人達、死体を奪おうとして殺し合ってんの? 馬鹿じゃない?!)」

「(パ、パナさん、声が大きいですよ。見つかっちゃいます)」

「(でもまぁ、変な奴らなのは分かるけどさ……。黒ローブの方、なんか見覚えがあるんだけど……)」

 

 剣と魔法、そして弓矢や短刀が乱れ飛ぶ戦場に於いて、マイの瞳は戦いを優位に進めている黒ローブの集団へと向いていた。

 邪神を崇めるような宗教団体が着るであろう真っ黒なローブ。それはヴァンパイア姉妹にとって魂に刻まれた恐怖そのものだ。

 

「まさかっ、そんな……。私達を襲った――生贄にしたあの集団?」

 

「分かんないけどさ、でも――似てるよ。外見だけじゃなく雰囲気もさ」

 

 過去の恐怖と怒り――姉妹の心中ではどのような葛藤が湧きあがったのであろうか?

 パナには知る由もないが、どうやらこのまま日和見している訳にもいかなくなったようだ。少なくとも黒ローブの輩は捕まえて話を聞きたいところである。

 

「え~っと、そんじゃあ潰し合って弱ったところに乱入しようか? 黒ローブを一人生きたまま捕まえて他は殺しちゃおう。アンちゃん、それでイイ?」

 

「あ、はい。両者とも真っ当な団体では無さそうですし、構わないかと思います」

 

「だよね~、傭兵の方はどう見ても荒事専門って感じだし――って人数で負けているからこの勝負、黒ローブの方の勝ちかな? 傭兵集団はそろそろ逃げるかも」

 

 マイの言うように、傭兵風の集団は手近な仲間の死体を引っ張り、少しずつ後退を始めているようだ。まだ十数名が健在だが、全滅するまで戦うつもりもないのだろう。死体が入った麻袋を手に入れたいのは山々だが、その為に仲間を死体にするのは本末転倒と言えるのかもしれない。

 

「あらら、傭兵さん達諦めちゃったね。黒ローブの方も追いかけるつもりはないようだし、そんなに麻袋の死体が大事なのかな? まぁ、捕まえて聞いてみれば分かるか……」

 

 パナはゆっくりと背中の忍刀を抜き、中腰で構える。

 

「アンはこの場から魔法で援護、マイは私が中央へ飛び出した後に外側から蹴散らして行って。話を聞く相手は私が捕まえるよ。中心にいるちょっと強そうな人でイイでしょ。んじゃ――行くよ!」

 

 戦いは、勝利を確信して一息ついた瞬間が危ない。

 いつかぷにっと萌えが語っていた言葉だ。

 当人はそう言いながら、拠点防衛戦を乗り切って喜びの声を上げていた敵対ギルドへ、嬉々として攻め込んでいたのだから頭が痛い。

 ユグドラシル運営が拠点防衛戦に僅かなりともインターバルを設けたのは、ぷにっと萌えの影響が大きいと思う。本人は否定していたけど……。

 

「首ちょんぱぁ!!」

 

 パナことパナップ最強の一撃――不意打ち状態からのクリティカル。はっきり言って過剰攻撃でしかないが、確認の意味も込めての攻撃だ。

 当然ながら、攻撃を食らった黒ローブは首どころか全身木端微塵に吹き飛んで跡形もない。

 

「あっちゃー、やりすぎたかな?」

 

「なっ? なんだお前!? 何処から現れた? いったい何をした!!」

「襲撃、襲撃! 森の中から魔法攻撃!」

「囲まれているだと?! 周囲への警戒はどうし――ぃぐあっ!」

 

 逃げ惑う黒ローブの腹から、緑の宝石と見紛うばかりの籠手(ガントレット)が突き出てきた。魔法の掛かったローブを容易く突き破り、真っ赤な血潮を噴き上げる。

 仮面の奥でマイは笑っていた。

 今まで逃げてばかりだった己を笑い、惨めに死んでいくローブの男達を笑う。

 ――これで姉ちゃんを護れる――

 マイは「ひひっ」と姉がドン引きするような笑いと共に、次の獲物へ襲い掛かっていった。

 

「貴様ら何者だ?! 我等を襲うという事が何を意味するのか判っているのか? ただでは済まんぞ!」

 

「あ~、ちょっと待ってね。貴方以外は皆殺そうと思っているから、そこで大人しくしていてね」

 

 森の闇間から飛んでくる魔力の塊を食らって弟子の一人が弾け飛ぶのを横目で確認し、高弟たるその男は声を張り上げた。しかし返ってきたのは、お茶でもしていろと言わんばかりの軽口だ。

 もはや語るに及ばず。

 

「愚か者が! アンデッドとなってから後悔するがイイ!!」

 

 十二人しかいない高弟の一人である男にとって、周囲に散らばる死体は強力な武器でしかない。たとえバラバラであっても、頭が無くとも、腹に穴が開いていても――弟子の死体であっても問題は無いのだ。

 

「出でよ! 紅骸骨騎士(レッド・スケルトン・ナイト)!!」

「はいはい、ちょっと静かにしてね」

 

 一般的な骸骨戦士(スケルトン・ウォリアー)より二回りは大きく、仄かに赤く輝くアンデッドは長剣と大楯を構え――強大な力を揮うかに見えた。

 しかし即座に頭を叩き割られ、ただの死体へと戻る。

 その間一秒もなかったであろう。

 何が起こったのか、理解する事すら難しい。

 

「はっ? なん……だと?」

「貴方ちょっと邪魔、手足切り取っておくね」

 

 刹那、何の支えもなく頭から地面へと落ちた。

 起き上がろうとしても蛆虫のようにモゾモゾと這うだけだ。

 

「な、なな、なんだこれはー?! で、弟子達よ! 助けよっ、私を助けるのだ!」

「うっさいな~、首も切っちゃうぞ。――マイちゃーん、そっち片付いた~?」

 

「ほ~い、どいつもこいつも大した事なかったよー」

 

「そっか。アンちゃーん、もう出てきても大丈夫だよ~。周辺にも変なのはいないから警戒しなくてもイイよ~」

 

「は、はい。今行きまーす」

 

 気が付けば、その場で動いているのは三人と一匹だけであった。

 仮面の少女が二人、そして村娘のような女が一人。他は一匹の蛆虫と、森の栄養となるであろう死体だけである。

 

「さぁ~てっと、最低限の治癒はしてあげるからお話聞かせて頂戴。貴方達は此処で何をしていたの?」

 

「ふざけるな……ふ、ふざけるな……私は、私は高弟だぞ。盟主様に仕えるう……最上位の……多く、多くの弟子をを、を持つううぅ……」

 

「あ、あれ? ちょっと聞いてる? おーい、私の声が聞こえてますか~? って仕方ないなぁ。人間種魅了(チャームパーソン)の魔法で会話出来るようになるかなぁ?」

 

 転がっている芋虫は何処か遠くを見ているようだった。

 視線はパナを捉えず、声も聞こえていない。訳の分からない呟きを繰り返したかと思えば、いきなり盟主様とやらの偉大さを唱え始める有り様だ。

 はっきり言って人間種魅了(チャームパーソン)が有効なのかどうか――異世界では初めての使用となるので、パナとしても少し気になる。

 

「――やぁ、久しぶりだね友達。私だよ、覚えているでしょ? まさか友達の顔を忘れてしまったの? 私になら何でも話してくれるって言っていたでしょ。ねぇ、此処で何をしていたのかな? 教えてよ友達」

 

「ああ、ああぁ……、なんだお前か。今まで何処に居たんだ? こっちは大変だったんだぞ。もう少しで同朋の遺体を持って行かれるところだったんだ」

 

 パナを不思議そうに見つめる蛆虫は、身体をモゾモゾさせながら今までの苦労を語る。自らの手足が斬り落とされている事など気にもしないで……。

 

「ん? 同朋って?」

 

「な、何をを……何を言っていぃる? カァ……ジットゥとととクレェェマ……ティーイヌではないいいいかぁ」

 

 蛆虫が小刻みに震え出し、言葉も聞き取り難くなる。これが人間種魅了(チャームパーソン)によるものか、それとも抵抗(レジスト)によるものかは分からない。

 

「ちょっと大丈夫? ……それでねぇ友達、私達の組織ってなんて名前だったかなぁ?」

 

「お主、ふふざけて――いいいるのかぁぁ。めいしゅううう様率いいいるズーらあぁーノぉーンのををを一員であるあるあるる事を忘れれれた訳では、訳ではあははははぁばばばらばっ!!」

 

「うげっ!」

 

 パナの目の前で蛆虫は弾けとんだ。

 穴という穴から血反吐をまき散らし、身体の中身をぶちまけて蛆虫は肉片と成り果ててしまった。

 人間種魅了(チャームパーソン)にこんな酷い効果があったなんて初耳である。異世界に来たことで多少の変化はあると思っていたが、ドン引きするほどのスプラッタ仕様になっているとは予想の枠を超えていた。

 これではまるで口封じに殺したかのようである。

 魅了なのに封殺とは此れ如何に?

 パナは自らの頭に浮かぶ人間種魅了(チャームパーソン)の効果内容を熟読しながら、「人に危害を加えるはずないのになぁ」と首を捻るばかりであった。

 

「パナちゃん何してんの?! 殺しちゃったら話聞けないよ」

 

「ち、ちょっと待って! 私が使ったのは人間種魅了(チャームパーソン)だよ。お友達になるだけの魔法だよ。それで弾け飛ぶなんてっ、――そんなに私と友達になりたくなかったって事?!」

 

 ちょっとショックなんですけど~、っとパナは訴える。

 抵抗(レジスト)するにしてもそこまで嫌がるなんて、自分が恐怖公扱いされているようで精神的にキツイ。

 

「あの~、今のはどう見ても別の魔法によるものだと思いますけど……。パナさんの人間種魅了(チャームパーソン)に反応して媒体を殺したのではないでしょうか?」

 

「え? 反応して殺すって――あぁ、情報漏洩を防ぐ為ってこと? そんな魔法がこの世界にはあるの? ふぇ~、そんな魔法聞いた事も無いや……」

 

「えっと、その、たぶんですよ。パナさんの魔力とは違う反応が有りましたから、多分そうなんじゃないかなぁ~っと……」

 

 自信無さげに話すアンであったが、その魔力観察眼は大したモノである。能力値で言えばパナに遠く及ばないはずなのに、己の技能を上手く使いこなしており、効率良く魔力を扱う優れた魔法詠唱者(マジック・キャスター)と言えるだろう。

 無駄の多い何処かの信仰系魔法詠唱者(マジック・キャスター)とは大違いである。

 

「ん~となると、この人は結構重要な人物だったりして? さっきズーラーなんとかって聞こえたんだけど……それって」

 

「間違いないよ、あの黒いローブは忘れたくても忘れようがないからね。アタイ達を追っかけ回していた奴等だ」

 

「今回も誰かを追いかけていたのでしょうか? あの麻袋に入れられている死体は……」

 

 その場に居た全員の視線が転がっている二つの麻袋へ向けられる。

 一つは縛り口が開いており、人の足が見えていた。

 

「ちょっと御免なさいよ~。恨まないでね~」

 

 袋から死体を引っ張り出すなんて気分的に嫌なものだ。人間の死体なんか何十万と転がっていても其の上を口笛吹きながら散歩できるが、死体そのものを扱うとなれば面と向かい合う事になって不快感が募る。

 虫の死骸が道端に転がっているか、ベッドの上で潰れているか――。

 背景として意識の外に有るか、食卓の上にのぼってきて目と目が合うか――。

 そんな違いなのかもしれない。

 

「うっわ~、裸の女性だよ。でも胸とか腹とか背骨とか潰されて酷い有り様。表情も魔王様に嬲られたみたいに絶望塗れ。あ~ぁ、女性にこんな酷い事するなんて最低だよ。結構綺麗な人なのにね~」

 

 麻袋の中身は、真っ二つにへし折られた若い女性の死体であった。

 両の手はボロボロで、歯は何本も折られており、内臓はペチャンコ。見るからに多数による暴行であろう。女性一人に対しこのような真似をするなんて、信じられない下劣さだ。人間に対し慈悲の心など有りはしないが、弱き異形種を助けていたアインズ・ウール・ゴウンの元メンバーとしては怒りを覚えてしまう。

 

「パナさん、こっちの袋には真っ黒に焦げた死体が入っています。ほとんどが炭化しているので性別すら分かりませんが……」

 

 もう一方の麻袋は更に酷い状況のようだ。少し引っ張るだけで形が崩れてしまうので袋から出す事も叶わない。

 一体どのような恨みを買えばここまで徹底的に殺されるというのであろうか?

 何百人も細切れの肉片にしてきたパナが言う事ではないが、殺し方としては確かに残虐非道と言ってしかるべきであろう。

 この行いをした者は、まともな神経を持ち得ていない。

 人を捨てている化け物だ。

 

「ん? でもちょっと待ってよ。さっき同朋って言ってなかった? 同朋って仲間の事でしょ? って事は……この死体はズーラーさんのお仲間さん? もしかして私って、仲間の死体を取り戻そうとしている人達を殺しちゃったの?」

 

「えっと、そう……なるのでしょうか?」

 

「別にイイじゃん。ズーラーの奴等はアタイ達にとって敵なんだから、殺しちゃっても構わないって」

 

 パナ自身、特に罪悪感が有る訳でもないが、一生懸命仲間の為に頑張っていた人達を――不意打ち乱入してぶち殺したのはとっても快感……じゃなくて何となく居心地が悪い。

 モモンガが傍に居たら「故意じゃないのですから大丈夫ですよ、次頑張りましょう」と励ましの言葉をくれたかもしれないが……。

 これがもしるし★ふぁーだったら「うっわ、最高! 仲間の死体回収時を狙うなんてマジ堕天使! 堕ちてるわ~」と死体蹴りをかましてくれただろう。

 まぁ、たっちさんの説教よりはマシ――かな?

 

「うむむ、ズーラーさんは悪い人達だから問題無し。としても仲間の死体を取り戻そうとした心意気に免じて埋めてあげましょう。マイちゃん、死体を埋める穴をいっぱい掘ってちょうだい」

 

「え~、そんな事しなくてもイイと思うけど~」

 

「こらこら、罪を憎んで死体を憎まず――だよ」

 

「……? ちょっと違うような気もしますけど……」

 

 何だかニュアンスが違うような? そんな違和感を口にするアンは放っておいて、パナはせっせと死体を集め埋葬の準備を始めていた。

 もちろん、死体の懐から金銭を回収するのは忘れない。

 

 マイがその拳で地面を抉り、アンが死体を投げ入れ、パナが土を被せる。

 見事な連携で二十余りの墓を作り、ついでに落ちていた傭兵達も一緒に埋葬。そしてパンパンと手を合わせて南無南無と唱えた頃には、すっかりと夜が明けていた。

 

「うんうん、なんだか異世界に来て初めてイイ事をした気がするよ。んふ~~、清々しい朝だね~」

 

「あの~パナさん、私達を助けてくれたのはイイ事なのでは?」

「そうそう、美人姉妹を神獣から助けた――なんて吟遊詩人が歌にしそうだよ」

 

 自分から美人と言うか?! なんて突っ込みたいのは山々だったが、実際美人なので田舎娘としては「ぐぬぬ」と唸るしかない。

 それにヴァンパイア姉妹を助けたのは成り行きであってパナの善意によるものではなかったのだから、善行かと言われると首を捻るところである。

 

「まっ、其れは其れとして……、そろそろエ・ランテルって街かな?」

 

「はい、森を北へ抜ければ大きな城壁で囲まれた街が見えるかと思います。百年前は結構な賑わいの街でしたけど、今はどうなのか……」

 

「それと冒険者が結構居たよね~。近くにアンデッドだらけの平野が有るからって理由らしいけど、今もそうなのかなぁ?」

 

 ヴァンパイア姉妹が逃走中に立ち寄った街らしいが、流石に昔の出来事なので信頼できる情報とは言い難い。ならば実際に自分の目で確認すれは良いだけの話なのだが――。

 

「むぅ~、どうせこの街にも追手が来ていたり、討伐通知なんかが届いていたりするんだろうな~。街へ入って食べ歩きなんか出来ないだろうなぁ」

 

 パナの脳裏には――田舎娘の人相書きが街中に張られ、賞金首として通知されている光景が浮かぶ。

 あれだけ多くの騎兵を出して追いかけてきたのだから、簡単に諦めたりはしないだろう。兵士や冒険者も動員して血眼で捜索しているはずだ。無論、エ・ランテルでも。

 

「一度どんな様子か確認しておきたいところだけど……。私一人ならこっそり入れるかな? うん、それなら大丈夫かも」

 

「えっ? パナさんそれって私達はお留守番って事ですか?」

「ずるいずるい! アタイも街見物したーい!」

 

 自分達がお尋ね者になっている事など何処吹く風。

 ヴァンパイア姉妹は結構図太い神経をしているのかもしれない。

 

「まぁ大丈夫そうなら皆で行ってもイイけど……、まずはそのエ・ランテルって街が見えるところまで移動しよう。流石に兵隊だらけだったら難しいだろうし」

「はい、分かりました」

「ほいほ~い」

 

 朝日の木漏れ日が差し込む森の中を、パナと姉妹は北へ向かって進み始めた。

 その先に何が待ち構えているのか……露ほども知らずに――。

 




遂に来てしまったんだよ!
エ・ランテルだよ!
魔王様の冒険拠点だよ!
ばったり出くわしたらヤバいんだよっ!
隠密能力フル回転でさっさと通り過ぎるべきだよ!

とは言え、ハッピーエンドを手繰り寄せる絶好の機会かもね!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。