俺はある時、ふと思った。
人は死んだらどうなるのだろうと。
俺は死んだ。
けど、死んだらどうなるのかやはり分からなかった。
いや、今の状況の意味がわからなかった。
確かに死んだよ、駅で電車待ってたら人にぶつかってさ。
バランス崩したところに電車来てさ。
死んだよ、うん、確かに死んだ。
で、ここどこよ?
「いや君落ち着きすぎでしょ」
いつの間にか目の前にボインな女性が立ってた。
やばい、しかも超美人、惚れた。
「結婚と出産と破産と離婚を前提に付き合って下さい。」
「よし、君が最低なゲスだというのはよくわかった」
はて、今のプロポーズに変な所あったかな?
まぁいいや。
「いや、よくないよ、てか本題に入らせてよ」
「どうぞどうぞ」
「はぁ‥‥コホン、私はオーディン、君達人間で言うところの最高神であり全知全能の神と言うやつだ」
ほう、オーディンとは美人だったか?
ヨボヨボのジーさんだった気がするが?
「この姿は君の好みだよ、神に存在という概念はないからね、それと前言を撤回したいが、私は君達が称えてくれるほど全知全能ではない、全知ではあっても全能ではない、むしろ無能だ」
確かに好みの姿だが自虐ネタはいらん。
「ネタではなく性格だよ、これでも己の愚行を悔いているんだ、つまるところ、本来ならば使者に君に伝えさせるのだが今回は私の落ち度でな」
「あー、先の展開読めたわ、つまりあれだろ?俺が死んだのはアンタのせいってわけだ」
「‥‥」
いや、そんな悲しい顔しなくても。
「で?話ってそれだけ?俺ってば地獄?天国?どっちにいくの?」
「だから君は落ち着きすぎだ、少しは私を責めようとは思わないのか」
「うーん、さっきアンタが言った通り使者ってのが来てたらキレたかなぁ、でもアンタが直接来た、それだけで誠意の程はうかがえる、それに俺は生前に未練はない、以上」
「‥‥優しいな君は、話を戻そうか、君は、天国にも地獄にも行けない、私のせいで世界の理から外れてしまったからな、故に輪廻転生もできない、魂が消えるだけだ」
消えてないじゃん。
「ああ、だから、せめてもの償いだ、君を好きな世界に転生させてやる、私の力で、だ」
好きな世界って言われてもなぁ、てかそれはアンタが大丈夫なの?
「世界はなんでも構わんよ、漫画でも、アニメでも、ゲームでも、ドラマでも、なんでもいい、特典も5つまでつけよう」
わーい太っ腹ー。
「んー、じゃあ、俺が生前、一番好きだったアニメに行きたいな、『魔法少女リリカルなのは』の世界、で特典だけど選んでいいの?」
「もちろんだ」
「じゃ、一つ目ね、まずはスキル『大嘘つき』かな、二つ目は魔力資質『闇』と『氷』の変換資質、三つ目が武器は『銃剣』、四つ目は魔力資質『無限魔力』、んで、五つ目が『オーディンも一緒に転生』」
「は?」
いや、そんな不思議そうな顔しないでよ。
「だってさ、さっきいったじゃん?アンタの力で転生させても大丈夫なのかって、でもアンタは答えなかった、てことは大丈夫じゃないんだろ?んじゃあ一緒に行こうぜ、デバイスでも使い魔でもなんでもいいからさ」
「君は、君は馬鹿なのか?そんなことをすれば‥‥」
他の神に狙われる?
どうでもいいんだよねぇそんなの。
だってさ、俺の
『僕の正体で過負荷なんだよ?』『そもそも、無理矢理でもつれてくよ?』『めだかちゃんが』『僕にそうしたように』『今回僕は電車に』『勝てなかったけども』『君を助けたい気持ちは本物だぜ?』
だってさ、あれから変わることができたんだもん、それはきっと神のおかげなのだろうから。
「っはははははは!まったく、面白いな君は、ならば私も抗うとしよう、世界にな」
こうして『僕』は「俺」になり、世界を渡る。
新しい世界に行ったら生前出来なかったことをしよう。
例えば人を救うとかさ。