仮面ライダーディケイド ~The World of Drive~ 作:日昇 光
脳細胞をトップギアにして書かせていただく所存です。
たぶん。
追田班は殺人現場の一つである湖に来ていた。
「被害者の男はこの石場に倒れていたってわけだ」
「現さん、見立ては?」
「五箇所で同様の変死体。おまけに死亡推定時刻はほとんど同じときた。こりゃあ組織的な犯行だろうな」
進之介と「現さん」こと追田班班長、追田現八郎警部が状況の分析を進める。一ヶ月ほど前に警部に昇格した現八郎にとって、これが最初の事件だ。
「109…まさか犯人はデパートの店員か?そうだ、これしかねぇだろ進之介」
「現さん…」
「わざわざそんな証拠残して行くか普通。私が犯人ですって言ってるようなもんだろ」
捜査というよりただ写真を撮っていた士が口を挟んだ。
「...わ、分かってるよ…じ、冗談だ、冗談…っていうかなんだお前、偉っそうに。しかもさっきから何で写真なんか撮ってんだ。そりゃ鑑識の仕事だろうが」
「俺の趣味だ。いいだろ?」
そう言って士は現八郎にカメラをむけ、慣れた手つきでシャッターを切った。
「趣味って…おい何撮ってんだ!...ったく、渡せ!」
士はカメラを奪おうとする現八郎を身軽にかわし、よろけた背中にまたカメラを向ける。
「勝手にさせてくれ。俺はとにかくこの世界を写す。まずはそれからだ」
「何だよ、この世界って」
二人の様子を呆れた様子で見ていた進之介が口を開いた。
「そのままの意味だ。俺はこうする事でしか、自分の世界を見つけられないからな」
「…何言ってるかさっぱり分からない」
謎の沈黙が訪れる。そんな中、不意に鳴り出した現八郎の携帯の着信音が響き渡った。
「もしもし……何ですって!?」
驚愕の声を挙げる現八郎に、士と進之介が駆け寄った。
「分かりました。すぐに戻ります。…おいみんな!いったん署にもど…」
その時だった。急に体が重くなる感覚が彼らを襲った。皆、スローモーション映像のような動きをしているが、士と進之介はその影響を受けていないようだ。
「これは…重加速か!?どうして…しかも何でお前動けてるんだ!?」
すると、背後から禍々しい姿をした人型のロボットの様な物体が一つ近づいてくる。ロイミュードだ。既に進化体になっており、片腕は斧と同化したような形をしている。
「…ロイミュード…!!」
「あれがこの世界の怪人さんか」
士はバックルを取り出して腰に装着し、カードを装填した。
「変身!」[KAMEN RIDE DECADE]
両脇からは十ほどある影が、上空からは数枚の四角い板が士に重なり、その姿を戦士へと変えた。
「お前、仮面ライダーなのか…?」
「まあな」
「…倒す…仮面ライダー…倒す…!」
ロイミュードは斧を振りかぶり、士に駆け寄ってくる。
その動きはどうにも無駄があり、まるで新しい玩具を買い与えられた子供のようだった。
「危ないな。刃物ってのはこうやって使うんだ。よく見ておけ」
[ATTACK RIDE SLASH]
赤く揺れる刃がロイミュードを切り裂く。よろめいたロイミュードはそのまま後方に下がった。
「どうした?もう終わりか?」
距離を詰めながら士は挑発を入れる。しかし次の瞬間、その挑発に乗るように、同型の怪物が他に四体現れた。
「まさか今回の事件、こいつらの仕業か!もういい、考えるのはやめた!」
しばらく戸惑っていた進之介も青いドライバーを装着し、赤と白のミニカーらしき物を装填する。
「変身!」[シグナルバイクシフトカー! ライダー! デッドヒート!]
入り乱れた戦いの場に、また新たな戦士が加わった。
「なるほどな。お前がこの世界のライダーか」
「さっきから世界とか何とかよく分かんないけど、俺は市民を守る仮面ライダー、ドライブだ!」
その様子を忌々しく見つめる目が木陰から覗いた。
「この世界にも歪みが生じてしまった…あるはずのない存在が動き出そうとしている……おのれディケイド……!!」
ベージュのロングコートに身を包んだその男は、光る幕の中へと消えていった。
タイプデッドヒートってあんまり出ませんでしたよね。
僕は結構好きなのでゴースト&ドライブでデッドヒートドライブが出ると知った時は舞い上がっちゃったんですが、結局映画でも数分しか出なかったんですよね…
おのれディケイド…!!