仮面ライダーディケイド ~The World of Drive~   作:日昇 光

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メガウルオウダーの音かっこいいですよね



第5話 繋がり

進ノ介に捜査本部から強引に連れ出された士は、駐車場にある赤いスポーツタイプの車に押し込められた。

 

「ったく、何なんだあんたは。他の世界とか旅だとか」

 

やや苛ついた様子で、進ノ介は運転席に乗りながら言った。

 

「言葉通りの意味だ。俺はこの世界の住人じゃない……たぶんな」

 

「…本当なのか?」

 

「嘘ついてどうする」

 

士の言葉に、進ノ介は俯いて何か考えていた様だったが、すぐにキーを回してエンジンをかけ、曇のない顔を正面に向けた。

 

「分かった。もう考えるのはやめた。あんたの言ってる事が本当かどうかは、走りながら考える」

 

「…ああ、勝手にしてくれ」

 

士は面倒くさそうに呟いた後、これからどこへ行くのか、と尋ねた。

 

「何ていうかな…、まあ、秘密基地みたいなもんだ」

 

「秘密基地ねぇ」

 

「ああ…、おい、助手席はシートベルトしろよ」

 

「別にいいだろ」

 

「良くないから。仮にも警察官なんだからそのくらいちゃんとしろよ」

 

士はしぶしぶシートベルトを装着した。それを確認し、進ノ介は車を発進させたのだが、駐車場を出ようとしたところ、車の目の前に、不意に男が現れた。進ノ介が急いでブレーキをかける。

 

「うぉッ!あっぶねぇ…、まだスピード出してなくて良かった…。士、大丈夫か?」

 

「あ、ああ…、大丈夫だ」

 

士はシートベルトをさすりながら答えた。

 

「じゃあ気を取り直して…ん?」

 

進ノ介は前を向き、アクセルを踏み直そうとした。しかし、先ほどの男は、車の前から離れず、離れるどころか士たちを向いて突っ立っている。それを見た士は、驚きと呆れの混じったような表情を浮かべた。

 

「鳴滝…」

 

「え?」

 

その男、鳴滝は不敵な笑みを浮かべている。

 

「ディケイド…、君のせいでこの世界にも歪みが生まれてしまったよ…。だがそれもこれで終わりだろう…。君の旅はこの世界で終わる…ハハハハハ…!」

 

そう言うと、鳴滝は背後から現れた銀色の幕の中に、笑い声と共に消えていった。

 

「おい、今のどういう意味だ?知り合いなのか?」

 

さっぱり分からない、といった様子で進ノ介が尋ねた。

 

「さあな。まあ、気にしなくていい。行く先々でやれ破壊者だ、やれ悪魔だと騒がれてきたが、あいつの言う事はよく分からない」

 

「そうか…破壊者ね…」

 

進ノ介はやや曇った顔になった。

 

「…気になるなら追い出してくれてもいいんだぞ」

 

「いや…少なくとも俺には、あんたはそんな奴には見えない。俺は、仮面ライダーに悪い奴なんていないと思ってるからな」

 

進ノ介は元の表情に戻り、車を走らせた。

 

 

 

 

 

一方、夏海たちは霧子と剛を写真館に招き入れていた。

 

「なんかいい味出してるね。写真撮ってもいい?」

 

古ぼけた内装に、剛は物珍しそうにそう言った。許可を求める口調の割に、既に撮影を始めていた。

 

「いやぁ、気に入ってもらえて良かったです。あ、何なら現像もしましょうか」

 

栄次郎は嬉しそうにそう言った。

 

「マジすか。んじゃ、お言葉に甘えてお願いしまーす」

 

張り切る剛に、霧子は呆れるように小さくため息をした。

 

「すみません、本当いつまでも子供みたいな弟で」

 

「いえいえ。可愛げがあっていいじゃないですか」

 

ユウスケは大袈裟に手を振って答え、それに夏海が続く。

 

「そうです。ウチにも似たようなのがいますけど、そっちは本当に生意気で」

 

「弟さんですか?」

 

「いえ、居候してる男の人がいるんです。いつも下手な写真ばっかり撮って、そのくせ現像費は未だに滞納してるんです」

 

「その人は今どちらに?」

 

「ええと、彼について話すには、私達のことを知ってもらわないのいけないんですが、いいですか?」

 

夏海とユウスケは、自分達が何者なのか、何をしているのか、何をしてきたのかを語った。聞いている霧子は、初めこそ半信半疑だったが、終わる頃には全てを受け入れていた。

 

「そうなんですか…」

 

「はい。それで今、士君は警視庁に行ってます」

 

『警視庁』という言葉に、霧子も、いつの間にか話に参加していた剛も、ピクリと眉を動かした。

 

「じゃあ、主人に会ってるかも知れませんね」

 

「そうだね。もう一緒に戦ってたりして」

 

「旦那さん、警察の方なんですか?」

 

ユウスケが尋ねると、霧子は先ほどまでほとんど見せなかったような笑顔を浮かべて答えた。

 

「はい。主人は今捜査一課に配属されているんです。わロイミュード達が活動していた頃は、仮面ライダーとしても戦っていました」

 

「じゃあ、霧子さんの旦那さんが、仮面ライダードライブ?」

 

「そうです。その頃は私も警察官で、彼とは同僚でした。あ、泊進ノ介っていうんです。さっきも電話で、無事かって聞いてきたので、たぶんロイミュードと戦ったのかと」

 

「じゃあやっぱり、士君に会ってるかもしれませんね」

 

その時、剛の携帯が鳴った。

 

「お?噂をすれば進兄さんからだ。もしもし?……へぇ、分かった、すぐ行くよ。……え?ああ、やっぱり会ってたんだ。……まあ、詳しい話は後でね。……分かってるって。姉ちゃんには言っとくから。じゃあまた」

 

「進ノ介さん、何て?」

 

霧子が尋ねると、剛はニヤリと笑い、事の次第を告げた。

 

「特状課、再結成だってさ。今から行ってくるよ。あ、あとやっぱりその士って人も一緒らしいから、あんた達も来る?」

 

「いいのか?」

 

「いいんじゃない?同じライダーなんだし」

 

「じゃあ、私達も付いていきましょうか」

 

そう言って夏海は立ち上り、ユウスケもそれに続いた。

 

「あ、姉ちゃんは安静にしてろって、進兄さんが」

 

「…この状態じゃ何も出来ないものね」

 

「エイジの事頼むって言ってたよ」

 

「了解って言っておいて」

 

「はいよ。じゃあ行ってくるね。あ、現像よろしくお願いしまーす」

 

剛はヘルメットを取って、夏海達と共に、光写真館を後にした。




相変わらずの不定期更新で申し訳ありません…

ドライブとマッハ、そして「謎のライダー」のお陰で警察の捜査班が三つ助かっていますが…あれ?

数が合わないなー。おかしいなー。(棒)

まだ出てない「彼」がいますよね(笑)

次回、あの男が登場します。
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