SONIC:ancient's romance   作:高機動ちくわ

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第8話

修行を始めて3日も経つ頃、ソニックはほぼ完璧に技を扱えるようになっていた。一瞬の内に無数の打撃を繰り出す姿は、まるで激しい曲で踊っているかのようであった。

 

 

ソニック「ハアァアアッ‼ … どうだい、エスピオ?上手くなっただろ。」

 

エスピオ「うむ、完璧だ。今となってはお主の方が上手やもしれぬ。」

 

 

エスピオは心底驚いていた。自身が何ヵ月もかけて編み出した技を、ソニックはたった3日で会得してしまったのだ。これを世間では『才能』と呼ぶのだろう。

 

だが…まだ合格とするには時期尚早である。最期の課題が終わっていないのだ。

 

 

エスピオ「ソニック、一段落したらひとつ、自分と手合わせを願いたい。」

 

ソニック「手合わせ?俺と勝負するのか?」

 

エスピオ「そうだ。強い技を手に入れても、実戦で生かすことが出来なければ意味が無い。一度実戦を行うことで技の使い勝手を確認するのだ。」

 

ソニック「成る程な…OK!その手合わせ、受けてたつぜ!」

 

 

 

 

 

 

さらさらと流れる川のほとり、山の斜面から転がり落ちたのであろう大岩にエスピオは目印の縄を掛けた。

 

 

エスピオ「ルールは簡単だ。自分はこの岩を守り、それをお主が破壊する。日が暮れるまでに破壊できれば合格、修行は終わりだ。」

 

 

ソニックは空を見上げた。日は空のちょうど真ん中で輝いていた。時間はたっぷりある。

 

 

ソニック「OK、さくっと終わらせて免許皆伝といこうぜ!」

 

 

エスピオ「意気は良し…それでは、最後の修行だ。自分も全力で挑ませてもらうぞ…いざ、参らん‼」

 

 

合図と共にソニックが先手を打つ。エスピオの隣をすり抜け、大岩の前に立つ。

 

 

ソニック「へへっ楽勝だぜ!後は岩を…うっ!?」

 

 

手裏剣が右頬を掠め、岩に突き立つ。振り向くとそこにエスピオの拳が迫っていた。ソニックの視界に火花が散った。

 

その場に崩れ落ちるソニック、その首筋を掴み、思いきり投げ飛ばす。地面に叩きつけられるもすぐさま体制をととのえる。

 

 

ソニック「へぇ、手加減無しだな?」

 

エスピオ「本当に手加減して無ければ、今頃お主の眉間には手裏剣が立っているぞ?」

 

ソニック(エスピオを何とかしないと、大岩には触らせて貰えないな…)

 

 

ソニックは丸くなり、スピンアタックを仕掛けた。エスピオは難なく躱し、手裏剣を投げようと構えた。だがそこで急旋回したソニックに、懐に飛び込まれてしまった。

 

 

ソニック「隙ありっ!」

 

エスピオ「ぬぅッ!」

 

 

もろにスピンアタックを受け、エスピオの体が宙に浮いた。ソニックはさらにホーミングアタックで追撃し、エスピオを吹き飛ばした。派手な飛沫を上げて、エスピオは川に突っ込んだ。

 

 

エスピオ(くっ…しまった!)

 

 

すぐさま水面に上がったエスピオだが、ソニックは既に大岩の前に立っていた。

 

 

エスピオ「最早間に合わんな…」

 

ソニック「勝負あり!だな。 ハアァァッ‼」

 

 

ソニックは大岩に次々と打撃を打ち込んだ。大岩に無数のヒビが走り、粉々に砕け散った。

 

 

 

 

紅く染まる夕陽を眺めながら、二人は体の疲れを癒していた。

 

 

エスピオ「やれやれ、まさかああも簡単に敗れてしまうとはな。何はともあれ、必殺"ドロップズ・ドリル"の免許皆伝、心から祝福しよう。」

 

ソニック「"ドロップズ・ドリル"?それがこの技の名前なのか?」

 

エスピオ「そうだ。"雨垂れ石を穿つ"という、東の国のことわざからとった名前だ。例え小さな努力でも、積み重ねることで大意をなすことができる、という意味だ。」

 

ソニック「へえー…成る程な。」

 

エスピオ「そう、努力の積み重ね、それはすなわち修行!ソニック、我々は修行を重ねることでさらに上を目指すこともできる!これからも多くの修行を…」

 

ソニック「ちょっWait,wait!落ち着けって」

 

 

エスピオが熱く語り始めた時、ソニックの端末に着信が入った。相手はテイルスであった。

 

 

テイルス『ソニック!大変だよ、エッグマンのゴーレムがたくさん現れたんだ!』

 

ソニック「OK、場所を教えてくれ。すぐに向かう!」

 

テイルス『それが…僕の秘密基地を取り囲んでいるんだ、ソニックが来るのを待っているってさ。』

 

ソニック「…‼ 分かった、全速力でそっちに行く。何かあったらすぐにまた連絡してくれ!」

 

 

ソニックは通信を切り、すぐさま立ち上がった。

 

 

エスピオ「何かあったのか?」

 

ソニック「なあに、俺にかかればあっという間さ。それより修行、ありがとな。必殺技、早速試してくるぜ!」

 

 

ソニックは風を残し、あっという間に走っていってしまった。エスピオが後を追いかけようとした時、ベクターから連絡が入った。

 

 

ベクター『エスピオ!仕事が入ったぜ、カオティクス探偵事務所に集合してくれ!』

 

エスピオ「!…承知、今から向かう。」

 

 

ソニックのことは気になるが、カオティクスの仕事をおろそかにはできない。彼は一人でも大丈夫だと言っていたし、心配は無用だろう。エスピオは、その場を後にした。

 

 

 

 

 

 

月あかりに照らされた道を、ソニックは走り続けた。目指すのはテイルスの秘密基地である。

 

 

ソニック「待ってろよ、テイルス。すぐに助けに行くからな!」

 

 

風を切り、ソニックは走り続けた。

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