魔法少女まどか☆ゴースト 〜命を紡ぐ物語〜   作:スターダストライダー

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今回は、第1回魔法少女兼仮面ライダー体験コース(?)が始まります。


12. あいつらは一体、何者なんだ……?

放課後。まどか達は、星斗と合流してから、先にショッピングモールで待っているマミと隼人の所に向かった。

まどか達がたどり着くと、マミが小さく手を振って合図をしてくれた。各々、軽い軽食を済ませて、少し休憩してからマミが言った。

 

「さてと、それじゃあ魔法少女兼仮面ライダー体験コース第1弾、張り切って行ってみましょうか。みんな、準備はいい?」

「準備になってるかどうか分からないけど……」

「俺とさやかは一応これを持ってきました」

 

そう言って、さやかと誠司は布に包まれた、細長いものを取り出した。

 

「そういや、さっきからずっと持ってたけど、それ何?」

 

タケルが尋ねると、2人は胸を張って布を取った。そこにあったのは、2本の金属バットだった。

 

「そ、それって野球部の備品ですよね……? いいんですか?」

「さっき体育倉庫からガメってきたんだ。普段余ってるから、持ってきても誰もバレやしないし」

「何も無いよりはマシだもんね」

「……けど、魔女とか使い魔とかにそんなの通じるか……?」

「まぁ、そういう覚悟でいてくれるのは助かるわ」

 

星斗が疑問に思う中、マミはとりあえず微笑んでそう言った。

 

「晶は何持ってきたの?」

「え、えぇっと、僕は、これです」

 

そう言ってカバンから取り出したのは、自転車に付属しているヘルメットだった。

 

「お母さんから、何かあったら先ずは頭を守るように言われてたから、それで……」

「いやいや、地震ならまだしもこれは違う類だぞ?」

「うぅ……」

 

隼人にそう指摘されて、落ち込む晶。それを慰めつつも、御成はポケットからお守りを取り出した。

 

「拙者は寺院の息子たる故、やはりこれが一番かと……」

「う〜ん……。お守りねぇ……」

 

マミが曖昧に呟いていると、タケルがお守りを見てある事に気付いた。

 

「……御成。そのお守り、安産のだぞ」

「んなっ⁉︎」

 

御成が驚いて文字を覗き込むと、確かに『安産祈願』の文字が刻まれている。これではちゃんとご利益があるか、分かったものじゃない。御成が意気消沈し、皆が苦笑していると、次は仁美が持ってきたものを紹介した。

 

「私はこれを持ってきましたわ」

 

そう言って手に持ったのは、最新式のスタンガンだった。

 

「これなら、魔法少女でない私でも自分の身くらいは守れますわ」

「……仁美にとって、魔女はストーカーみたいな不審者なのか?」

 

ある意味本格的で、ある意味どこか認識がズレているような持ち物に、皆は反応に困った。気を取り直したさやかが最後にまどかに尋ねた。

 

「……で!まどかは何持ってきた?」

「えっ? えぇっと、私は……」

 

まどかは慌ててカバンからあるものを取り出した。

 

「……ノート?」

 

まどかが手にしたのは、いつも持ち歩いているピンク色のノートだった。まどかが開いてタケル達に見せたページには、色はまだつけていなかったが、マミ、ほむらが変身した魔法少女姿に、タケル、星斗、隼人、マコトが変身した仮面ライダー姿、さらにはまどか自身が魔法少女になった姿の絵が描かれていた。隣には、武器として弓矢が描かれている。

 

「おぉ……」

「こ、これって……?」

「と、とりあえず、衣装だけでも考えておこうと思って……」

 

まどかが詳細を説明し終える前に、タケル達は大爆笑していた。あまりの恥ずかしさに、まどかは顔をこれでもかと紅くしていた。

 

「おもしれー! うっはっは!」

「……うん。意気込みとしては充分ね」

「こりゃあ参った……! あんたには負けるわ!」

 

涙を拭くほど大爆笑してからそう呟いた星斗とマミに加え、さやかは腹を押さえながら笑っていた。その頃になると、まどかはもう消えてしまいたいほど小さくショボンとしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ひとしきり笑った後、一同は昨日結界が張られた改装エリアの一角に向かった。マミがソウルジェムを取り出すと、それにつられてタケル、星斗、隼人はアイコンを取り出した。ソウルジェムとアイコンは光を発していた。

まどか達が不思議そうに見つめていると、マミが説明した。

 

「これが昨日の魔女が残していった魔力の痕跡よ。天王寺君はもう知ってると思うけど、基本的に魔女探しは足頼みよ。こうしてソウルジェムが捉える魔女の気配を辿っていくわけ」

「意外と、地味ですね……」

 

さやかがそう評価すると、マミも苦笑しながら頷いた。

それから、タケルら4人が先導して、魔女の反応を追った。が、一向にソウルジェムやアイコンの光の輝きは変わらなかった。

 

「光、全然変わらないっすね……」

「……まぁ、取り逃がしてから一晩経ってしまっているからな。足跡も薄くなってしまっている」

 

隼人が手に持っているハウンドゴーストアイコンを見ながらそう説明していると、まどかが落ち込みながら呟いた。

 

「あの後、すぐに追いかけてたら……」

「仕留められたかもしれないけど、あなた達を放っておいてまで優先する事じゃ無かったわ」

「……ごめんなさい」

「いいのよ。気にしないで」

「うん! やっぱりマミさん達は正義の味方だ!」

 

さやかがマミの紳士な対応に感激していると、すぐに表情を変えて、怒ったように呟いた。

 

「……それに引き換え、あの転校生共は、ホントにムカつくなぁ!」

「お前性格コロコロ変わりすぎだろ……」

 

さやかの性格の変わり具合に、星斗は苦笑しながらツッコんだ。

そんな中、タケルはまどかの表情の変化に気付いた。

 

「……まどか? どうかしたのか?」

「あ、ううん。何でもないんだけど……。何となくほむらちゃんやマコト君の事を思い出してね。本当に悪い子達なのかなって思っちゃって……」

「あの2人の事か……」

 

タケルは、昼間の2人の様子を思い出していた。思えば、彼らの行動には謎が多い。なぜ昨日から自分とまどかにしきりに接触しようとしているのか、なぜまどかに抱かれているキュゥべえが狙われているのか、そして最大の謎は、なぜ自分達の名前を知っていたのか。

 

「あいつらは一体、何者なんだ……?」

 

タケルは思わずそう呟いた。

 

「まどかー? タケルー?」

「あ、ごめん。今いくよ」

 

さやかに言われて、気がつくと、まどかとタケル以外は前を歩いていたので、2人は急いで後を追った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しばらく国道沿いを歩いていたが、未だに変化が見られない。さすがに気になった仁美はマミに質問した。

 

「あの……、マミさん。魔女のいそうな場所を、せめて目星ぐらいはつけられないものでしょうか? このままでは、いつまた被害が出るか……」

「そうね……。魔女の呪いの影響で割と多いのは、交通事故や傷害事件よね。だから、大きな道路や喧嘩が起きそうな歓楽街は、優先的にチェックしないと。後は、自殺に向いてそうな人気のない場所……。それから、病院とかに取り憑かれると最悪よ。ただでさえ弱っている人達から、生命力が吸い上げられるから、目も当てられない事になるの」

 

病院。そのワードを聞いて、まどか達はもちろん、特にさやか、仁美、晶は表情を強張らせた。そこには、自分達の親友がいる。

そう思っていたその時、ソウルジェムとアイコンに変化が見られた。今までと違って光の明滅が強く、頻繁に変わっていたのだ。

 

「かなり強い魔力の反応だわ……」

 

マミのその一言で、その場は緊張感に包まれた。隼人が周りにかざしながら、反応が強い方角を確認した。

 

「近いかもしれないな……。行くぞ!」

 

隼人に続いて、他の9人は後を追った。

しばらく走ると、廃ビルが見えてきた。辺りには誰もおらず、まだ日が昇っているのにもかかわらず、不気味な雰囲気を醸し出している。

 

「ここで間違いなさそうだな」

 

星斗はアリトルゴーストアイコンの光り具合を見て、確信した。

不意に、顔を見上げた御成が何かを目撃して叫んだ。

 

「み、皆の衆! あ、あれを!」

 

御成が指さしたその先には、ビルの屋上にOL風の女性が佇んでいるのが見えた。

 

「ま、まさか……」

 

誠司がそう呟いた時、女性は何もない空間に足を踏み出して、地上に向かって転落していった。

 

「きゃあぁぁぁぁぁっ!」

「わぁぁぁぁぁぁぁっ!」

「のわぁぁぁぁぁぁっ⁉︎」

 

まどか、晶、御成は身を寄せ合って絶叫した。

 

「! やばっ……⁉︎」

 

タケルと星斗が慌ててアイコンを構えた時、いち早くマミが駆け出して、

 

「変身!」

 

と叫んで、魔法少女の服に姿を変えてリボンを操って、落ちてくる女性をギリギリのところで受け止めた。そのままゆっくり地上に降ろして寝かせたところで、全員が女性に駆け寄った。

 

「あ、危なかった……」

「何だってあんなところから飛び降りようとしたんだよ……」

 

まどか達が疑問に思う中、マミは女性の首元を確認した。そこには、不思議な痣が刻まれていた。

 

「魔女の口づけ……。やっぱりね」

「魔女の、口づけ……? 何ですか、それ?」

 

仁美が尋ねると、隼人が答えた。

 

「魔女の呪いによってつけられた紋章だ。心の隙を突かれた際にこれが刻まれる。これをつけられた人は、自殺の衝動に駆られる」

「じゃあ、これが例の不可解な事件の真相……」

「そういう事だ」

 

晶が言った事を星斗は肯定した。まどかは気になってマミに尋ねた。

 

「マミさん、この人は……」

「大丈夫。気を失ってるだけね」

「おそらくこの口づけをつけた張本人は、この廃ビルの中だ。急いで追いかけるぞ!」

「はい!」

 

皆は一斉に廃ビルの中に入った。タケルら4人を先頭に、辺りを警戒しながら見渡していると、誠司が何かに気付いた。

 

「みんな! あれ……!」

 

誠司が指さした方向を見ると、そのには先ほど女性につけられていたものと同じ紋章が浮かんでいた。

 

「見つけたぜ!」

「今日こそ逃がさないわよ……」

 

マミが自信に満ち溢れる声でそう呟くと、タケル、星斗、隼人は腰にゴーストドライバーを出現させた。そして、アイコンのスイッチを押して、バックルにはめ込んだ。

 

『『『アーイ!』』』

『バッチリミナー! バッチリミナー! バッチリミナー!』

『バッチリミロー! バッチリミロー! バッチリミロー!』

『バッチリミテー! バッチリミテー! バッチリミテー!』

 

タケルは人差し指と中指を立てて、星斗は拳を高く掲げてからゆっくりと下に下げて、隼人は 右手を左胸に強く当てて、意識を集中させてから、3人同時に叫んだ。

 

「「「変身!」」」

 

3人は同時にレバーを引いて押した。

 

『カイガン! オレ! レッツゴー! 覚悟! ゴゴゴゴースト!』

『カイガン! アリトル! レディゴー! 覚悟! ドキドキゴースト!』

『カイガン! ハウンド! ヒァウィゴー! 覚悟! オーオーゴースト!』

 

仮面ライダーに変身した後、隼人は誠司の持つバットと晶の持つヘルメットを、マミはさやかの持つバットに手を当てた。途端に、バットやヘルメットの形状が変化した。

 

「おぉ〜!」

「凄い……!」

「気休めだけど、これで自分達の身を守る程度の役には立つわ。絶対に私達のそばから離れないでね」

「「「「「「はい!」」」」」」

「よっしゃあ! 命、燃やすぜ!」

 

タケルは気合いを入れてから、まどか達と一緒に結界内に入っていった。

背後にほむらとマコトが見つめていたのにも気づかずに……。

 

 

 




いよいよWIXOSSの映画公開が間近に迫っている……! 楽しみしかない!

次回は戦闘回です。
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