魔法少女まどか☆ゴースト 〜命を紡ぐ物語〜   作:スターダストライダー

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早速次話投稿です!
3番目のライダー、ネクロムの登場が待ち遠しいです……。


2. これが、仮面ライダーの力……

目の前に突如として現れた、「魔女」と呼ばれる怪物に襲われたタケル。

その時、新たに登場したキュゥべえと名乗る生き物と、とっさに契約し、仮面ライダーゴーストとなったのだが、未だに理解が追いついてこなかった。だが、今ここで戦わなければ、この魔女を倒さなければ、自分の身もそうだが、まどか達にも被害が出るかもしれない。

 

「(そんな事、させるかよ……!)」

 

改めて意志を固めたタケルは、ガンガンセイバーを構えて、

 

「うぉぉぉぉぉぉっ!」

 

と叫びながら、手下らしき骸骨達に立ち向かった。骸骨達は怯む事なく、手に持っている槍で応戦した。

 

「ふっ! やぁっ!」

 

タケルは、初めての戦闘とは思えないくらいの剣さばきで、骸骨達をなぎ払った。ガンガンセイバーの一太刀を受けた骸骨達はバラバラに崩れていった。

 

「(……何だ? 何となくだけど、誰かとこんな風に遊んだ事があるような……?)」

 

不意にタケルは、戦いながら、どことなく懐かしい感覚がした。以前にも、誰かと剣では無いにしろ、棒切れみたいなもので勝負していたような、そんな事を考えていた。が、目の前に迫ってくる軍勢が、その思考を瞬時にかき消した。

 

「……っても、今はそれどころじゃ無いよな!」

 

タケルは再び戦いに集中した。

 

「……にしても、数多すぎだろ⁉︎」

 

タケルの言う通り、骸骨達の数は一向に減る気配が無い。このままでは、ジリ貧だ。

 

「トリガーを引くと良い。それならより強い魔力で攻撃出来る」

 

不意に遠くからキュゥべえのアドバイスが聞こえてきた。

 

「分かった!」

 

無我夢中で返事をしたタケルは、指示通りにトリガーを1回引いてから押し込んだ。すると、タケルの背後に目玉のような形をした魔法陣が出現した。

 

『ダイカイガン! オレ!』

「よーしっ!」

 

タケルは右の中指と人差し指を立てて、目の前に持ってきて、陰陽師のような格好で、右足に全神経を集中させた。そして飛び上がり、右足を突き出すと、

 

『オメガドライブ!』

 

という音声と共に、目の前に固まっている骸骨達に向かって蹴りを入れた。

 

「うぉらぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」

 

タケルは叫びながら、先頭の骸骨の頭に蹴りを入れると、骸骨は雄叫びと共に砕け散った。その衝撃波を受けて、後方の骸骨達もまとめて一掃された。タケルが降り立つと爆炎が上がり、その場にいた骸骨達は完全に消滅した。

 

「やった……のか?」

 

ふと辺りを見渡すと、自分を斬りつけた鎧武者の姿をした魔女はいなくなっていた。どうやら逃げたらしい。

やがて周りの景色が変わっていき、辺りは、最初に見た時と同様に森の中に戻っていた。木々の間からは夕日がうっすらと見えている。

 

「やった……! やったぞ! 俺、あいつらを倒せたぞ! ありがとな、キュゥべえ! ……って、あれ?」

 

キュゥべえにお礼を言おうとしたタケルだが、なぜかキュゥべえの姿は無かった。魔女がいなくなった為、どこかに行ってしまったのだろう。しばらく辺りを見回していると、足元に何かが落ちているのが見えた。

 

「ん? 何だこれ?」

 

それは2つのアイコンだったが、さっきまで使っていたアイコンとは別物のようだ。

タケルは変身を解く為に、オレゴーストアイコンをベルトから取り出した。

 

『オヤスミー』

 

と言う音声と共に、タケルは元の姿に戻った。それから、オレゴーストアイコンと先ほど見つけたアイコンを見比べてみた。それらは、1つは赤色の、もう一つは黄色のラインが入っているアイコンだった。

 

「ひょっとして、こいつも戦う時に使えたりするのか……?」

 

そう呟いていた時、タケルはある事を思い出した。

 

「……あっ! ヤベェ! みんなの所に戻らないと……!」

 

タケルはアイコンをポケットに入れて、大急ぎでまどか達のいるであろう寺に戻っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だが、タケルは気づいていなかった。彼が走り去る姿を、同い年ぐらいの男女2人が驚いた様子で見ていた事に……。

 

「どういう事、なの……」

「なぜ、あいつが仮面ライダーに……⁉︎」

 

特に、少年の方は目の前で起きた事が信じられないと言った表情を浮かべている。

 

「こんな事、今までの時間軸(・・・)では、起こり得なかったはず……」

「くっ……!」

 

少年がタケルの元に向かおうとしたが、少女がその手を掴んで止めた。

 

「……想定外の事が起きている以上、まだ動く時じゃ無いわ。もう少し様子を見て、慎重に対処すべきよ」

「……そう、だな」

 

少年もようやく落ち着きを取り戻して、肩の力を抜いた。

 

「(……まさか、彼がこれから起こり得る運命を変えるきっかけになるとでも言うの……?)」

 

少女はタケルの後ろ姿を見つめながらそう考えていたが、すぐに首を横に振った。

 

「(……まさか、ね。彼の場合は最もありえないはずだもの……)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ねぇ! そっちにいた⁉︎」

「ううん、いないよー」

「こっちにもおりませんぞ!」

「どこにいるんだろう……」

 

一方、まどか、タツヤ、さやか、御成は、一向に見つからないタケルを必死に探していた。御成がいくら探しても発見出来ず、急遽4人で捜索していたのだが、どこにも見当たらないのだ。次第に焦りと不安が4人の間に漂い始めた時、近くの森の中から声が聞こえてきた。

 

「お〜い……!」

 

その声に、まどかはハッとした。

 

「今のって、タケル君の……⁉︎」

 

まどかが振り返ると、森の中から汗だくになって走ってきたタケルが姿を現した。

 

「タケルにーちゃ!」

「タ、タケル殿!」

 

タツヤが駆け寄って、タケルの足元に抱きついた。他の3人もタケルに駆け寄った。

 

「タケル君! 大丈夫なの⁉︎」

「よくぞご無事で……! お怪我はございませんか⁉︎」

「つーかあんたどこに隠れてたのよ⁉︎ 4人がかりでも全然見つかんないし……!」

 

3人からの質問責めに対して、タケルは落ち着かせるように誤魔化しながら説明し始めた。

 

「こ、この森の中に隠れてたんだよ。ここなら誰にも見つかんないかと思ってさ……」

 

それを聞いて、まどか達はようやくホッと息をついた。

 

「なーんだ、そういう事だったのね……」

「さすがにそこまでは思いつきませんでしたぞ……」

「心配したんだよ……! 昼間のニュースでやってたみたいに、タケル君がいなくなっちゃうんだもん……! もしタケル君がこのまま戻ってこなかったら、私、私……!」

 

不意に涙を浮かべたのを見たタケルは、慌ててハンカチを取り出してまどかの眼に溜まった涙を拭いた。

 

「わ、悪いな、心配させちゃって……。今度から気をつけるよ」

「う、うん……」

 

とはいえ、今回はキュゥべえとの契約によって難を逃れた訳だが、もし自分にキュゥべえの言ってたような素質が無ければ、本当にまどか達とは一生会えなかっただろう。改めて、タケルは先ほどまで体験した出来事に恐怖した。

 

「……あれ? タケル、その服どうしたの?」

 

さやかがタケルの服を指差して呟いた。見ると、タケルの服は斜めに破れており、肌が丸見えだった。それを見て、タケルは魔女に斬られた時の事を思い出した。だが、その肌には傷口が一つも見当たらなかった。契約によって、傷が治ったのだろう。タケルはとりあえず誤魔化しておく事にした。

 

「あぁ、これ、隠れてた時に木に引っ掛けちゃってさ。それでこんな風に破れちまったんだ」

「そ、そうでしたか。では、私のお古を貸してさしあげましょう」

「いいよ、いいよ。別に大したもんじゃ無かったし……。それよりも、そろそろ帰らなきゃな。もう夕方だし」

「あっ、そういえば……」

 

まどかが空を見上げてそう呟いた。どうやらタケル探しに必死で今まで気づかなかったようだ。

 

「時間取らせて悪かったな。また今度たくさんやろうな!タツヤ」

「うん!」

「いい子だな、タツヤは」

 

元気よく返事したタツヤに、タケルは頭を優しく撫でてやった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「じゃ〜な〜」

「また月曜日にね〜」

「バイバ〜イ!」

「さよならですぞ!」

「まったね〜」

 

それから5人は解散し、自宅に戻っていった。

1人になったのを確認して、タケルはポケットから、オレゴーストアイコンを取り出して、夕日に照らした。

 

「これが、仮面ライダーの力……」

 

タケルはポツリと呟いた。

 

「(まだ全然分かんない事だらけだけど、この力があれば、いろんな人を守る事が出来るって事かな……?)」

 

タケルはまどか達の事を思い浮かべながら、自然と笑みを浮かべた。

 

「……まっ、とりあえず頑張ってみますか」

 

タケルはオレゴーストアイコンをポケットにしまってから、家に向かって川沿いを歩いていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「とりあえず、彼を仮面ライダーにする事は出来たし、第1段階はクリアしたと見てもいいだろう」

 

その様子を、離れた所からキュゥべえが夕日に負けないぐらい赤い瞳をらんらんと輝かせながら見ていた。

 

「……君にはすまないと思っている、天王寺 タケル。でも、彼らを救うには、これしか方法が無かったからね」

 

キュゥべえは、タケルが遠くに見えるのを確認してから、

 

「さてと、それじゃあ最後の仕上げに入ろうか」

 

と呟いて、タケルの後を追うように駆け抜けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この日から、タケルの日常は大きく変動する事を、本人は当分気づかない事だろう。




キュゥべえの様子が本編と違うように見えたそこのあなた。
そう思うのが普通です。
が、実はそこに、このシリーズの醍醐味があるのです。とはいえ、真相は随分先に明らかになると思いますが……。

次回もお楽しみに。
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