魔法少女まどか☆ゴースト 〜命を紡ぐ物語〜 作:スターダストライダー
今回から、あの仮面ライダーも登場!
グレイトフル魂の強さがハンパないですね……。
日が沈み、夕焼けも見えなくなった頃、かずみは目を覚ました。辺りを見回しても、アラタら5人や、まどか達の姿がない。寝ぼけ眼のまま1階に降りると、アラタがリビングのソファーに座って休憩していた。
「……アラタ〜?」
「おう、やっと起きたか」
「……みんなは?」
「タケル達は少し前に帰ったし、龍達も、ちょっと用事があって出かけてる。んで、俺は留守番」
「そ〜なんだ……」
かずみが大きなあくびを一つすると、お腹から、ぐぅぅぅ……、と音が鳴った。どうやらお腹を空かせたようだ。
「……私って、くいしんぼ?」
「……ははっ。まぁ俺達も夕食はまだだったし、みんなが帰ってくる前に作っとくか」
アラタは苦笑しながら立ち上がり、かずみと共にキッチンに向かった。
2人は冷蔵庫から余っていた食材を取り出し、料理を作り始めた。この日はかずみのリクエストで、ビーフストロガノフとサラダを作る事にした。
アラタがサラダに使う野菜を切っている間にも、かずみはテキパキと下ごしらえをして、あっという間にビーフストロガノフを完成させていた。
味見をしたかずみは、我ながらいい出来だと感心した。
「うん、美味しい! 私って料理の天才?」
「記憶をなくす前から、料理は基本的にかずみが担当してたからな。記憶が無くなっても、腕は衰えなかったみたいだな」
「へぇ〜」
アラタが皿に盛り付けをして、スプーンやフォークを並べていると、インターホンが鳴った。
「カオル達かな?」
「随分早いな……?」
かずみがキッチンにつけられたカメラから尋ねてきた人物を確認して、反応を示した。
「……あ、あの時の刑事さんだ」
「!」
どうやらやって来たのは、昼間に出会った女性警官らしい。それを聞いたアラタは表情を険しくした。
「……? アラタ?」
「……あ、あぁ。何でもない。俺が行ってくるよ」
アラタはそう言って玄関まで向かい、扉を開けて女性警官を迎え入れた。女性警官はアラタの姿を見て、なぜか驚きを隠せなかった。
「! あなた……!」
「こんばんは。どうかしましたか?」
「え、えぇ……。ちょっと話したい事があってね……」
女性警官はしどろもどろに答えたが、何か様子がおかしい。が、アラタは気にせず女性警官をキッチンに案内させた。
「まぁ、とりあえず中に上がってください。ちょうど今、夕食を作り終えたところですし」
女性警官も少し遠慮がちに家の中に入り、かずみが盛り付けたビーフストロガノフと、アラタが盛り付けたサラダを食した。
「あら、美味しい! これ、あなた達が?」
「うん。私、料理が出来るみたいなの」
そんな会話が続き、女性警官が半分を食べきった頃に、女性警官が口を開いた。
「こんなに美味しい料理にありつけたなら、海香ちゃん達と入れ違いでラッキーだったかも」
「「……」」
かずみとアラタは目を合わせると、本題に入るように女性警官を見て呟いた。
「今日は人前であなたを責めて、ごめんなさいね。でも私、間違ってないと思うの」
「……それって、あの時言ってた、私が悪人だって事?」
「そう。だから私達、あなたに試したの」
「……?」
女性警官が訝しんでいると、かずみは目線を女性警官から彼女が食しているビーフストロガノフに向けた。
「刑事さんが食べてるそれはね。「アクトウワカルガノフ」っていう特別な料理なの」
「要するに、食べた人の善悪が分かっちまう、変わった料理だ」
「な、何をバカな事を……」
アラタの補足説明に戸惑う女性警官に対し、今度はかずみが質問攻めをした。
「じゃあ、どうして刑事さんはあんなに早く現場に来たの? どうしてお兄さんを撃ち殺そうとしたの?」
「そ、それはあの時も言った通り、連絡をもらって駆けつけただけで、立花は危険人物だって事を知ってたから、万が一に備えて銃を……」
と、今度はアラタが質問をした。
「ならもう一つ聞くが、あんた、何で俺や龍、士道、それに海香やカオルをおびき出したんだ?」
「おびき出した? 何の話……?」
「とぼけなくたって結構。あの後あんたは電話で俺達を近くの喫茶店に呼んで、話があるって言ってたよな? 不審に思った俺は、かずみに何かあった時の為にここに残ったのさ。……んで、さっき俺があんたを迎えた時、こう思ったはずだ。「何でこいつがここに残ってるんだ」ってな」
「……」
アラタの推理に、女性警官はただ単に俯いているだけだった。すでにスプーンを動かす手も止まっている。
「あれ、もう食べないんだ。正体がバレちゃうから?」
「……黙りなさい」
女性警官がボソリと呟くが、かずみは止まらなかった。
「本当は刑事さんが手柄を立てる為に、爆弾を作ってお兄さんに押し付けた」
「うるさい……!」
「それを私に感づかれたから、アラタ達を別の場所に連れ出して、私に会いに来たんでしょ? アラタ達にバレないように、私を
「黙れって言ってるでしょう⁉︎」
女性警官は焦ったようにカッとなってビーフストロガノフが盛り付けられているお皿を吹き飛ばした。その様子を見て、かずみとアラタは冷めた目つきで女性警官を見ながら確信を得た。
「魔法の料理なんて、ふざけるのはやめなさい……!」
「さすが刑事さんだね。そうだよ。それはただのビーフストロガノフ。悪人かどうか分かる料理なんて、私には作れないもん」
「けど、これで立証したぜ。あんたが悪人だって事がな」
「……!」
女性警官が歯ぎしりをしていると、かずみが女性警官を睨みつけながら言った。
「あの時も言ったよね。物語の中では、食べ物を粗末に扱うやつは、生きてエンドロールを迎える事は出来ない、本当の悪人なんだよ!」
「! いい加減に……!」
女性警官が立ち上がり、近くに置かれていたナイフを握ると、テーブルの上に乗り、かずみに向かって突き刺そうとした。
が、すんでの所でアラタが女性警官の右手首に手刀をかまして、握られていたナイフを落とした。
と、今度はキッチンに置かれていた電話機がけたたましく鳴り響いた。
「! 耳障りな!」
女性警官は足で近くにあった電話機を蹴飛ばした。
『かずみ? アラタ? ねぇ、どうかしたの?』
『お、おい! かずみ! アラタ! 何かあったのか⁉︎』
電話越しに聞こえてきたのは、喫茶店にいるカオルと龍だった。だが、今の2人に、応答する余裕はなかった。
「案外早く本性を現したな」
「やっぱり、あなたが……!」
「……ふふふ。あなた達の言う通りよ。女が警察でのし上がるにはね。手柄が要るの」
女性警官は不敵な笑みを浮かべながら、2人の推理を認めた。が、その割にはなぜか焦りも無く、むしろ余裕が見られる。
「行き詰まっていた私の下に、立花の情報をくれた優しい人達がいてね。私はそれに乗っかったの」
「手柄……。だから爆弾が爆発する前に、お兄さんを撃ち殺すつもりだったのね」
「市民の平和を守るのが警察の使命。当然でしょう……?」
「……はっ。その警察様が、記憶の無い、か弱い女の子や俺達を殺すってか? 正義の味方が聞いて呆れるぜ。」
アラタがわざとらしく笑みを浮かべていると、女性警官の方に異変が生じた。
「大丈夫よ。あいつらは情報だけじゃなくて、力をくれたの」
その言葉と共に、女性警官の体がグニャリと歪み始めた。かずみはもちろん、アラタも警戒するように肩に力を入れた。
「力……⁉︎」
「そうよ。決して証拠を残さず、人を殺す事の出来る、絶対的な力をね!」
やがて女性警官の容姿は変態し、人間とは呼べる代物では無くなった。その姿は、まさに巨大なカマキリ。鎌のように鋭い2本の前足が2人を圧倒していた。
これにはさすがの2人も動揺を隠せなかった。
「う、嘘〜⁉︎」
「な⁉︎ こいつは、一体……⁉︎」
2人の悲鳴を聞いたのか、受話器からはカオル達の焦りに満ちた声が聞こえてくる。
『! 今のってまさか⁉︎』
『マズイぞ! 2人が危ない!』
『かずみ! アラタ!』
5人の叫び声をよそに、怪物となった女性警官は2人に突っ込んだ。
「な、な……⁉︎」
「! かずみ!」
慌ててアラタがかずみを守るように覆い被さると、2人とも体当たりされた事で窓ガラスを突き破ってベランダに吹き飛ばされた。
「何なのよこの化け物はァァァァ⁉︎」
『ガァァァァァァ!』
「! 避けろ!」
怪物は前足を振り回して、2人を斬り裂こうとしたが、2人はすぐに飛び上がって回避した。が、怪物は執拗に攻撃してくる為、逃げ回るだけで精一杯だった。
「(くそっ……! まさかこんな事になるなんて……! 俺ならどうにか出来るかもしれないけど、下手に
アラタは、ポケットに入っている何かを見ながら、この状況を打開する方法を考えていた。
「ど、どうしたらいいんですかこの状況〜⁉︎」
かずみが涙目で上に飛び上がった時、耳につけられたイヤリングが音を鳴らした。
すると、かずみの脳裏に何人もの変わった服装の人物達が浮かび上がった。
「⁉︎ 何、今の……」
かずみが綺麗に着地してからそう呟いていると、再び怪物がかずみに襲いかかった。
「! 危ない!」
アラタがかずみに抱きついてそのまま地面を転がった。その衝撃でまたイヤリングが鳴り、今度は別のイメージが脳裏に映った。
それは、幾人もの血を流し、息絶えている人達の中で、たった1人だけ佇んでいる、自分にそっくりな少女の虚ろな表情。
「(……えっ⁉︎)」
かずみが動揺している間に、怪物は2人を捕らえ、持ち上げて首を絞め始めた。
「ぐぁっ……⁉︎ か、かず、み……!(ま、マズイ……! これじゃあ、変身が……!)」
アラタは苦しみながらも必死にかずみに手を伸ばしている。
「ぐぅ……! は、な、せ……!」
かずみが首を絞められている間にも、イヤリングはそれに呼応するかのように鳴り続いている。
『……耳障りだ』
怪物もその音に気付き、耳ごと引き千切ろうとして、イヤリングに手を伸ばした。
『耳障りだぁぁぁぁぁぁっ!』
「! や、やめろぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
アラタが涙目になりながらも必死になって叫んだ。
このままでは、殺られる。
かずみがそう感じたその時、脳裏にははっきりと写真のように鮮明に何かが映った。
〜何人もの人物が魔法陣を展開している様子〜
〜何人もの集団が、怪物と戦っている様子〜
〜アラタに似た少年や周りの人達が、泣き崩れる様子〜
〜そして、耳にイヤリングをつけて、喜んでいる自分自身〜
「その汚い手で、触るなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ」
刹那、かずみの咆哮に近い叫び声がこだましたかと思うと、かずみが怪物の手を握り足で怪物の顔面を蹴飛ばした。その反動でアラタも開放された。
「かずみ⁉︎」
突如豹変したかずみに驚くアラタをよそに、かずみは宙を舞い降りながら、
「この鈴を鳴らすのは、私だぁ!」
と叫び、指でイヤリングをチリンと鳴らした。
すると、その音に呼応して、光がかずみを包んだ。服は弾けとび、徐々に別の服がまとわり始めた。
『! お、お前は……!』
「⁉︎ あ、あれはまさか……!」
怪物だけでなく、アラタも目の前で起きた現象に驚いていた。
目の前に降り立ったかずみの姿は、短いスカートに露出度の高そうな服、長いつばの帽子、杖のような形の武器を持った、
一方、かずみの家の近くでは、
「いや〜。参ったよ。まさかかずみん家に忘れ物しちゃうとは……」
「何もこんな時間に取りに戻らなくても、明日寄ってけば……」
「そんな事言ったって、CDだけじゃなくて、財布とかも入ってたんだし、電車賃払えないから、このままだと帰れないんだもん」
まどか達がかずみの家に引き返していた。
駅にたどり着き、電車に乗って帰ろうとしたのは良かったが、キップを買おうとした時に、さやかがかずみの家に、財布の入ったカバンを忘れていた事に気付き、全員でかずみの家に向かい、カバンを取りに行こうと戻ってきたのだ。
「ここまで来たんだから、引き返す訳にもいかないわね。速やかにカバンを取りに行き次第、駅に急いで戻りましょう。あんまり遅いと、両親が心配するでしょうから」
マミの言葉に一同が頷いた時、遠くから大きな音が聞こえてきた。
「む……?」
「何でしょうか、今の……?」
「やたらとデカい音だったな」
「今のって、アラタの家から……か?」
隼人がかずみの家のある方を見つめると、今度は爆発音が響き、煙が見えた。間違いなく煙の発信源はかずみの家だった。
「何だあれ⁉︎」
「! かずみちゃん達に、何かあったのかも……⁉︎」
まどかが声を震わせながら呟いた。
「とにかく、行ってみようぜ!」
タケルが先に走り出すと、他のメンバーもタケルの後を追った。
一方、かずみの家のベランダでは、姿が変わった事に気付いたかずみが興奮していた。
「お? お? 何これ⁉︎ 可愛い! すっごいや! ねぇアラタ! 私、可愛くなれたよ!」
「! かずみ! 前!」
アラタに言われて、かずみが前を向くと、怪物が怒ったように接近して前足を振り回した。
『ふざけるな!』
「ひゃん!」
かずみはギリギリの所でかわし、距離を置いた。
「え〜っと……。ちちんぷりん!」
かずみが適当に思いついた言葉を叫んで怪物に杖を向けたが、何も起こらず。怪物は再び動き出した。
『死ね!』
「いやーん!」
「かずみ!」
ガキン! と、どうにかして杖で攻撃を受け止めたかずみは、前足を押さえつけながら、両足を浮かせて怪物を蹴り飛ばした。
『ガァァァァァァ!』
怪物は吹き飛び、地面を転がった。
「(何だろう、この感じ。体が、覚えてる!)」
かずみが自分の体を見つめながら、自分の力に驚いている中、アラタも呆然とした表情でかずみを見つめていた。
「(かずみのあの姿……! あれはあの時の……! まだ覚醒には早すぎるはずだけど、こうなったらしょうがない! 俺も……!)」
やがて怪物が起き上がり、かずみが再び杖を構え直していると、その間に、アラタが割り込んだ。
「アラタ!」
『何のつもりだ? 貴様から死にたいのか?』
「あいにくそんなつもりはない。なぜなら、ここで俺とかずみが、お前を倒す」
「……? 私と、アラタが? っていうより、アラタどうやってあいつをやっつけるの⁉︎」
かずみが困惑していると、アラタは片方の唇を上に上げて、ニヤリと笑みを浮かべた。
「もちろん、俺も戦うのさ。まぁ見とけよ。俺の変身を」
そう言ってアラタがポケットから取り出したのは、目薬をモチーフとした、手のひらサイズのブレスレット型の機械……メガウルオウダー。それを左腕に装着して、もう片方のポケットから黒と黄緑の、レンズの縁が円形のゴーストアイコンを取り出した。
『スタンバイ』
アラタがアイコンのスイッチを押すと、声が聞こえて、メガウルオウダーの窪みにセットした。
『イェッサー』
さらにアラタは、横向き状態だったブレスを垂直になるように起動させて、左側面にあるボタンを押した。
『ローディング』
すると、メガウルオウダーから音楽が鳴り響き、そこから黄緑色のパーカーが姿を現し、怪物を退けた。
「変身!」
アラタがそう叫ぶと、上部にある目薬を模した滴下ユニットのスイッチを押した。
直後、光がアラタを包み、装甲がつけられて、パーカーが上半身に羽織られた。
『テンガン! ネクロム! メガウルオウド! クラッシュ・ザ・インベーダー!』
アラタの姿は一変し、頭部は一本角、レンズのような単眼が印象的な仮面をつけた、文字通り、仮面ライダーとなっていた。
「え、えぇ〜⁉︎」
かずみも目の前で幼なじみが変身した事に驚きを隠せなかった。怪物もアラタの姿に警戒している。
『な、何だお前は……⁉︎』
「仮面ライダー"ネクロム"。覚えてなくても結構!」
ネクロムと呼ばれたライダー……アラタはそう言ってから走り出し、怪物を殴りつけた。
『ガァッ⁉︎』
勢いに押され、怪物は後ずさるが、アラタは攻撃の手を緩めなかった。
「はぁっ! オラァ!」
とにかく殴って殴って殴りつけるという荒業で、アラタは怪物を圧倒していた。
「凄い……! よぉし、私も!」
かずみも最初は呆然としていたが、気をとり直して攻撃に参加した。
『調子に乗るなぁ!』
怪物は叫びながら前足を振り回しているが、それも全て避けられている。アラタが隙を見て、怪物の真下を滑るように通り抜けて、後ろをとったところで上空に飛び上がり、思いっきり拳を怪物めがけて叩きつけた。
「えぇーい!」
かずみも地面に伸びた怪物を杖で打ち飛ばした。
『ガァァァァァァ!』
怪物が起き上がり、再び突進してきたが、すでに2人の方も準備万端だった。
「(感じる……! この昂ぶりは……!)」
かずみはどこか懐かしい感覚を覚えながら、意識を集中した。アラタもそれに続くように、
「コレで決める!」
メガウルオウダーの左側面、滴下スイッチの順にボタンを押して、背後に紋章が浮かび上がると、そこから彼の右足にエネルギーを収束させた。
『ダイテンガン! ネクロム! オメガウルオウド!』
怪物が間近に迫った時、まどか達がベランダにやって来た。
「⁉︎ あれって……⁉︎」
「かずみ⁉︎ それにあの化け物ってまさか、魔女……⁉︎」
「あのライダー……。初めて見るタイプだな」
皆が目の前の光景に驚いている中、かずみが杖を突き出して、光線を放った。
「今だ! はぁっ!」
『ぎゃあぁぁぁぁぁぁ!』
怪物が吹き飛ばされると同時にアラタも飛び上がり、右足を突き出すと、
「くらえぇぇぇぇぇぇぇぇっ!」
強烈な飛び蹴りが炸裂し、怪物を地面に叩きつけて爆散させた。アラタがかずみのそばに着地すると、煙が晴れて、女性警官が倒れている姿が確認された。
「! 皆の衆! あれを!」
「あの時の女刑事じゃねぇか! じゃああの魔女は、人だったっていうのか……⁉︎」
「そんな事って……⁉︎」
まどか達が困惑している最中、カオル達が慌てて戻ってきた。
「かずみ! アラタ!」
「大丈夫か⁉︎ ……って、お前ら、その格好……!」
龍がいち早く2人の姿の変化に気付いた。かずみがいち早く振り返り、一同を見ながらニッコリと笑って呟いた。
「聞いてみんな。私、魔法が使えるみたい」
かずみがそう言うと、突然アラタに向かって倒れこんだ。
「! かずみ!」
慌ててアラタが変身を解除する前に抱きかかえた。
「だ、大丈夫⁉︎」
「かずみちゃん!」
カオル達だけでなく、まどか達もかずみに近寄った。当の本人は、
「……あ、晩御飯まだだった」
と呟いた後、グッスリと眠りについた。
「……えっと、どういう状況これ?」
「俺に聞くなよ……」
一同が呆気にとられる中、海香は女性警官の近くに何かが落ちている事に気付いた。拾ってみると、それはグリーフシードによく似たものだった。
「(これは……)」
嫌な気配を感じ取った海香は、それをポケットにしまった。
「ん?」
と、今度は誠司が辺りをキョロキョロし始めた。
「どうかしたか?」
「いや、誰かに見られてる気がして……」
「誰もいませんよ?」
「気のせい……か」
次に、まどか達はアラタの姿に着目した。
「……ていうよりもアラタ。その格好……」
「ん? あぁ、これな」
そう言ってアラタはかずみをカオルに預けて、メガウルオウダーからネクロムゴーストアイコンを取り出して、元の姿に戻った。
「まぁ、あれだ。これは……」
「アラタも、仮面ライダーだったのか⁉︎」
「そうそう。……って何でお前らその事知ってんだ⁉︎」
アラタはまどか達が仮面ライダーの事を知っていた事に驚いていたが、士道が何かを察したように、まどか達に尋ねた。
「仮面ライダーの事を知っている、ということは、あなた達もひょっとして……」
「……あれ? あんた達も知ってた? って事は……」
さやかがぼんやりと呟いて、一同が顔を見合わせてからしばらくの沈黙の後、
『えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ⁉︎』
絶叫が家の近辺にまでこだました。
「じゃああんた達ってその……、魔法少女とか、仮面ライダーだったりする⁉︎」
「そ、そう言うお前らこそ!」
そう。今回出会ったアラタや龍、士道、カオル、海香、そしてかずみ。彼らもまた、あすなろ市を拠点とする、魔法少女及び仮面ライダーの一員だったのだ。
互いに困惑する中、とりあえず落ち着きを取り戻した一同は、状況を整理しつつ、事の次第をアラタが説明した。
「なるほど。あそこにいる刑事が魔女に化けた。それで突然かずみが魔法少女である事を思い出した。って事か」
「まだ完全に思い出してるかは分からないけどな」
「とりあえず、今日はもう遅いわ。続きはまた今度にしましょう」
海香はそう提案した後、女性警官に近づいた。
「そういやさ、その人どうすんだ?」
「後の事は私の方で何とかするわ。この手の事は適任だから」
「そっか……。それなら」
海香に任せれば問題無いだろう。そう思ったまどか達は、未だに戸惑いを隠せないまま、一先ず家に帰る事にした。
「……チッ。仕留め損ねたか」
その様子を、2人の少年少女が見ていた。
「あの魔女もどきをあんなにもあっさり倒しちまうのか。……面倒な事になってきやがった」
少年はかずみとアラタの方を睨みつけながら呟いた。すると、少女が口を開いた。
「とはいえ、テストは成功だな。この調子で、もうちっと味の具合を確かめてみるか」
「あぁ、いいぜ」
2人はそのままその場から姿を消した。
彼らが一体何者なのか。その正体が明かされるのは、もっと先の事になるだろう。
いよいよ仮面ライダーネクロムが参戦!
本編でも、もうそろそろタケルとアランが仲間になりそうですね。
次回もお楽しみに。