魔法少女まどか☆ゴースト 〜命を紡ぐ物語〜   作:スターダストライダー

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今回は戦闘回です。
ここで新しいオリジナル仮面ライダーも登場します。


34. 私達(俺達)だって、戦える!

異様な気配を感じた方へ走っていったかずみは、路地裏の方に足を踏み入れた。しばらく奥へ進んでいった時、かずみは思わず立ち止まった。目の前に何人もの女子が倒れていたからだ。

 

「ま、待ってかずみちゃん……。……は!」

「これって……⁉︎」

「どうなってんだ⁉︎」

 

後を追いかけてきたまどか、タケル、アラタも目の前の異変に気付いた。

 

「大丈夫⁉︎」

 

慌ててかずみとタケルが近場の女子に寄って容態を確かめる為に体を起こして見ると、女子の顔は茶色のようなドロッとした液体に覆われていた。

 

「きゃっ……⁉︎」

「な、何だこれ⁉︎」

「! かずみ! タケル!」

 

2人が驚いていると、アラタが2人の奥の方を見て叫んだ。振り返ると、先ほどまで倒れていた女子達がムクリと起き上がり、突然操られているかのように4人に襲いかかってきた。

 

「えっ⁉︎」

「うわっ⁉︎」

「いや〜!」

 

かずみが悲鳴をあげながら耳につけていたイヤリングを前に掲げた。すると、イヤリングがソウルジェムに形を変えて、淡い光を発した。女子達の顔に覆われていた液体は、ソウルジェムの光を浴びた影響なのか、ペロリと剥がれ落ちて、地面に垂れ落ちた。

 

「(やっぱり、魔法だ……!)」

 

再び女子達が倒れていくのを見て、かずみはそう確信した。手に持っているソウルジェムは今一度イヤリングの形に戻った。

 

「何だってんだ、今のは……」

 

タケルが困惑していると、別方向から悲鳴が聞こえてきた。4人が声のした方へ向かうと、路地の奥に、巨大な人と水玉のような化け物が合体した怪物……魔女がいた。その目の前には、女子生徒が腰を抜かして怯えている。

 

『キタナイ……イタイ……ナイテル……』

 

魔女は涙を流しているような表情を見せて、女子生徒に近づいている。

タケルとアラタは目を合わせると、走り出して、魔女に飛び蹴りをした。魔女が倒れている間に、2人は女子生徒に駆け寄った。

 

「大丈夫ですか⁉︎」

「早く逃げてください!」

「は、はい……!」

 

女子生徒は言われるままに大通りの方へ走っていった。2人のもとにまどかとかずみが駆け寄ってきたところで、魔女も起き上がった。

 

「これって、昨日と同じ……!」

「また出やがったのか!」

 

まどかが怯える中、タケルは彼女を安心させるように前に立った。

すると、かずみが一歩前に出た。

 

「アラタ、まどか、タケル! 下がってて!」

「かずみちゃん⁉︎」

「見ててね、私の魔法を!」

 

そう叫ぶと、かずみはイヤリングを指でつついて音を鳴らし、

 

「変身!」

 

と叫ぶと、服が弾けとび、次々と黒色の魔法少女服に変貌した。帽子を被り、リボンをしっかり締めた後、杖を片手にカッコよくポーズを決めた。のだが……。

 

「これ以上の狼藉は……」

「か、かずみ!」

「かずみちゃん、ちょっと待って⁉︎」

「ちょ、お前スカートは⁉︎」

 

3人が慌てふためいたように叫んだのが気になって全身を見回していると、なぜか下半身をスカートで覆われていない事に気付いた。顔を赤くしたかずみは慌てて一旦変身を解除し、再び魔法少女の姿に変身した。今度はスカートもちゃんとつけられている。

 

「よ、良し。今度こそ大丈夫……。……アラタ、早く変身して!」

 

かずみがアラタにそう催促すると、アラタは隣にいたタケルと目を合わせた。そして意を決したかのように頷いて前に出た。

 

「タケル、行けるか?」

「おうよ! まどか、下がってるんだ!」

「う、うん!」

 

タケルに言われてまどかは後方に下がった。一方、タケルも前に出たのを見てかずみは慌てて叫んだ。

 

「た、タケル! あなたは早く逃げてよ⁉︎」

 

だが、タケルは逃げる事は無かった。なぜなら……。

 

「行くぜ!」

 

タケルもアラタと同様にアイコンを取り出して、腰にゴーストドライバーを展開させたからだ。かずみが驚く中、アラタも隣でメガウルオウダーを左手首にセットした。

 

『スタンバイ』

 

2人はアイコンのスイッチを入れてからゴーストドライバーやメガウルオウダーにセットした。

 

『アーイ!』

『イェッサー、ローディング』

 

アイコンがセットされると、パーカーが飛び出して辺りを旋回した。

 

『バッチリミナー! バッチリミナー! バッチリミナー!』

 

「「変身!」」

 

2人同時にそう叫ぶと、タケルはレバーを引いて押し、アラタは上部のボタンを押した。それと共に、パーカーがそれぞれの上半身に羽織られた。

 

『カイガン! オレ! レッツゴー! 覚悟! ゴゴゴゴースト!』

『テンガン! ネクロム! メガウルオウド! クラッシュ・ザ・インベーダー!』

 

「えぇ〜⁉︎」

 

アラタだけでなく、タケルも仮面ライダーに変身した事にかずみは驚いて叫んだ。一方、2人は互いの姿を見あっていた。

 

「へぇ、変わった変身の仕方だな。ゴーストドライバーじゃないんだ」

「まぁな。俺は契約した時からずっとこれで変身してるし。あっ、ちなみにこの姿は"ネクロム"っていうんだ」

「俺のは"ゴースト"だぜ」

「シンプルだな。まぁ、ここはひとつ、お手並み拝見とさせてもらうぜ!」

「あぁ! 一緒に協力して戦うぞ! かずみも頼むぜ!」

「えっ⁉︎ う、うん」

 

2人がかずみの隣に立ち、動揺していたかずみも気をとり直して、キリッとした顔つきになって魔女の方を睨んだ。

 

「……というわけで改めて、これ以上の狼藉は、許さーん!」

 

3人は飛び上がり、魔女に攻撃を仕掛けようとした。が、それよりも早く魔女が仕掛けてきた。

 

『ガァッ!』

 

魔女は先ほど女子達につけられていた液体を体内から吐き出し、3人に浴びせた。

 

「にょわ〜⁉︎」

「わっ⁉︎ これってさっきの……⁉︎」

「みんな! (頑張って……!)」

 

3人の様子を見ていたまどかも必死に応援している。

 

「このっ!」

 

タケルは身を翻し、ガンガンセイバーで斬りつけようとしたが、今度は後ろにあったいくつもの手が伸びて、タケルを叩きつけるように手を振り下ろしてきた。

 

「う……!」

 

勢いに押され、吹き飛ばされて倒れたタケルは、そのまま転がりながら魔女と距離を置いた。

魔女は標的を変え、アラタに向かって手を伸ばしてきた。アラタは難なく回避していたが、すぐ近くに、最初の攻撃で視界を遮られたかずみが突っ立っているのが見えた。それを発見した魔女は攻撃対象をかずみに変えた。

 

「! かずみ!」

 

アラタが慌ててかずみの前に立ちはだかったが、張り手を数発受けて、かずみと共に後ろに吹き飛ばされた。

2人が目を回しながら近くのゴミ袋の山に落下したところで、後を追いかけていたさやか達が合流した。

 

「かずみ! アラタ!」

「だ、大丈夫ですか⁉︎」

 

対するかずみは体についたゴミを払いながらカオル達に向かって叫んだ。

 

「ペッペッ……。み、みんな逃げて……」

「何言ってんのよ! あんたを置いていけるか!」

「そうよそうよ!」

「心配すんな、かずみ!」

 

すると、さやか、マミ、仁美、御成、星斗、隼人、カオル、海香、龍、士道の10人が前に出て、ソウルジェムやアイコンを取り出した。

 

「「「「私達(俺達)だって、戦える!」」」」

「えっ⁉︎」

 

かずみが驚く中、先に隼人と星斗がアイコンのスイッチを入れた。

 

『『アーイ!』』

『バッチリミロー! バッチリミロー! バッチリミロー!』

『バッチリミテー! バッチリミテー! バッチリミテー!』

 

「「変身!」」

 

『カイガン! アリトル! レディゴー! 覚悟! ドキドキゴースト!』

『カイガン! ハウンド! ヒァウィゴー! 覚悟! オーオーゴースト!』

 

続いて、マミ、さやか、仁美の、見滝原の魔法少女達が前に出て、

 

「「「変身!」」」

 

と叫び、光が全身を包むと、魔法少女に変身した。

 

「では、拙者も!」

 

今度は御成が前に出てアイコンのスイッチを入れた。

 

『アーイ! バッチリミナー! バッチリミナー! バッチリミナー!』

 

「変身ですぞ!」

 

『カイガン! シーザー! レッツゴー! 覚悟! ゴゴゴゴースト!』

 

御成が仮面ライダーシーザーに変身すると、次はカオルと海香がソウルジェムを突き出し、

 

「「変身!」」

 

と叫ぶと、服が弾け飛び、魔法少女の服装にコーティングされた。

カオルはオレンジを基調とした、フード付きの動きやすい感じのジャージ姿になり、ソウルジェムは右膝の辺りにつけられている。一方、海香は修道服を連想させるような白色の姿になった。ソウルジェムは額につけられている。

2人が変身したのを確認した龍と士道も、アイコンのスイッチを入れて、ゴーストドライバーにセットした。

 

『『アーイ! バッチリミテー! バッチリミテー!』』

 

「「変身!」」

 

『カイガン! バルログ! ヒァウィゴー! 覚悟! オーオーゴースト!』

『カイガン! テル! ヒァウィゴー! 覚悟! オーオーゴースト!』

 

2人の上半身にパーカーが羽織られ、龍は、青い二本角の仮面をつけた仮面ライダー"バルログ"に、士道は一本角と緑色のギザギザのラインが入った仮面をつけた仮面ライダー"テル"に姿を変えた。

 

「嘘……」

 

目の前で10人もの知り合いが、自分と同じ力を持っていた事を知り、かずみは腰を抜かしてしまった。一方、その事を知っていたアラタは立ち上がって、みんなに言った。

 

「みんな、協力プレイ頼むぜ!」

「了解!」

「かずみ、見ておきなさい」

「行くよ、みんな!」

「それじゃあ、見滝原チームとあすなろチームの共同戦闘!始めるわよ!」

「「「「はい!」」」」

 

マミとカオルの掛け声と共に、合流したタケルを含む12人は一斉に拡散した。

 

「はぁっ!」

「こっちですわよ!」

「そらそら!」

 

さやかと仁美、龍が素早く魔女の周りを動き回り、魔女を翻弄させていた。

 

「おぉ、なかなかやるな、さやか、仁美」

「まぁね! あたしだってそれなりに経験積んできたから!」

「このぐらい、どうという事はありません!」

 

続いて、御成、隼人がガンガンミラー、ガンガンガンマンを取り出して中距離から攻撃している中で、士道が横に並んだ。

 

「援護します!」

『ガンガンアロー!』

 

士道が取り出したのは、弓矢の形をしたガンガンアローだった。

 

「ふっ!」

 

士道が矢を魔女に向けて、弓を引いて、エネルギーを溜めた矢を放ち、魔女に命中させた。

 

「おぉ! 射抜きましたぞ!」

「さすがは弓道の達人といったところだな」

「ありがとうございます」

 

続いて、タケル、星斗、アラタ、カオル、海香が上空に上がって魔女の手を引き伸ばしていた。

 

「今よ!」

 

海香の合図と共に他の4人はバラバラに旋回し、魔女の手を全て絡ませた。そして動きが止まったところを、5人で協力してきつく縛った。

 

「よっしゃ!」

「うまくいったな!」

 

続いて、海香が手に持っていた本を開き、ボールを形成すると、カオルに向けて放った。

 

「ナイスパス!」

 

カオルがそれを胸でトラップしてから、魔女に向かって、

 

「パラ・ディ・キャノーネ!」

 

勢いよくボールを蹴って、魔女に直撃させた。さすがはクラブチームで活躍しているだけの事はあって、その一撃は強烈なものだった。

 

「凄い……! みんな、凄いよ! ね、まどか、誠司、晶!」

「う、うん!」

「そ、そうですね」

「タケル達の事はある程度分かるけど、アラタや他の4人も凄いな……」

 

かずみは子供のように興奮しながらはしゃいでいた。

彼女の脳裏には、目の前で行われている戦闘にどことなく見覚えがあった。

 

「(私、覚えてる……! 次にカオルと士道が化け物の動きを封じて、その隙に海香が魔法で化け物を読み取る!)」

「さぁ、大人しくしなさい!」

「はい、ごめんよ!みんな、手伝ってくれ!」

「分かった!」

 

カオルの指示で、周りにいた何人かが魔女の上に乗っかり、魔女の動きを阻害した。その間に海香が本を開き、

 

「イクス・フィーレ」

 

魔女に向けて、真っ白なページを見せた。すると、魔女の体からいくつもの文字が浮かび上がり、本に吸い寄せられて、その文字がページに刻まれた。

 

「なるほど。あぁやって敵の弱点を見つけるのね」

「なかなかに面白い魔法だな」

 

ベテランとマミと隼人が、あすなろ市の魔法少女や仮面ライダーの戦いを感心しながら見ていると、かずみが杖を振りかざした。

 

「そんでもって最後は私が!」

「えっ⁉︎」

「! マズい! まだ早いぞ⁉︎」

 

アラタがボタンを押そうとした時、かずみの動きに気付いて慌てて動きを止めた。

 

「ちちんぷりん! えーい!」

 

が、それに気づかずにかずみは光の球を上空から放った。ところが、光の球が飛んでいった先には、アラタと海香がいたのだ。

 

「!」

「わっ⁉︎」

「危ない!」

 

マミとタケルが咄嗟に2人に飛びついて、その場から離れた事で、直撃は免れた。

 

「はっ⁉︎」

 

一方、連携が取れずにタイミングを間違え、危うくアラタと海香を怪我させそうになったかずみは動揺して、2人のそばに駆け寄った。

 

「アラタ! 海香!」

 

すると、魔女は絡みついていた手を振りほどき、暴れだすと、上に乗っかっていたカオル達は慌ててその場から離れた。

 

「うぉっ⁉︎」

「やばっ! 逃げちゃう!」

「くっ! 待て!」

 

隼人がガンガンガンマンで撃ちまくったが、魔女は素早く上空に飛び上がり、遠くに逃げてしまった。

 

「に、逃げられちゃった……」

「それよりも、2人の方は大丈夫なのか⁉︎」

 

近くで見守っていたまどか達もアラタ達のところに駆け寄った。

 

「ご、ごめんなさい! 私、記憶通りに動いたのに」

「これくらい平気だぜ。心配すんなよ」

 

かずみが必死に謝るのをアラタは片手で制した。他のメンバーも労いの言葉をかけた。

 

「まぁ、いきなり『以前の』かずみの本領発揮とはいかないよ」

「気にしなくていいですよ」

 

だが、かずみの表情は暗い。

 

「……そう、私は以前のかずみじゃない……」

「(かずみ……)」

 

海香が心配そうにかずみを見つめた。海香の視線が気になったのか、かずみは海香の方を向いて呟いた。

 

「海香、怒ってる?」

「いいえ。あなたの調子も考えずに勝手に動いていた、こっちにも非があるわ」

「で、でも……!」

 

かずみは立ち上がって叫んだ。

 

「やっぱり、友達に攻撃を仕掛けた、私の気が済まないよ!」

「かずみちゃん……」

 

アラタ達が目配せして、どうしようか悩んでいたが、少ししてから何かを決めたようにかずみに言った。

 

「う〜ん。それじゃあ、お仕置きタイムとするかな」

「そうね」

 

海香がそう言うと、本を開いて、背後に美容院を出現させた。

 

「わわっ⁉︎」

「凄ぇな、海香の魔法ってこんな事も出来るのかよ……」

 

まどか達も、海香の魔法に感心していた。

 

「それじゃあ中に入って、さっぱりしましょ。あなたの髪を、かずみの中のモヤモヤした疑問ごとバッサリね」

 

 




というわけで、今回からカオル、海香、龍、士道も魔法少女及び仮面ライダーとして参戦します。
龍と士道が使う英雄アイコンについては、もうしばらくお待ちください。
次回はかずみに魔法少女や魔女の事を教える回です。

次回もお楽しみに。
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