魔法少女まどか☆ゴースト 〜命を紡ぐ物語〜   作:スターダストライダー

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辻褄合わせが難しいなぁ……、と思いながら執筆する今日この頃。


35. 今のかずみはこれがいい

席に座らされ、テキパキと散髪する準備が整えられたかずみは、海香に髪を切られながら、魔法少女や仮面ライダー、そしてそれと対をなす魔女の事を説明させられた。

 

「先ずは魔法の事からね。この世界には、魔法少女や仮面ライダーをスカウトする妖精、いわゆる魔法の使者がいるの」

 

それを聞いて、後ろで散髪している海香達を見守っていたまどか達は、その妖精がキュゥべえの事だと察した。

 

「そんでもって、その妖精と契約したら、男はアイコン、女はソウルジェムって呼ばれる魔力の源を生み出すんだ」

「アイコン……? ソウルジェム……?」

「簡単に言えば、それらは皆、魔法少女や仮面ライダーである事の証でもあるの」

 

龍の説明に続き、マミがそう補足説明した。

 

「証……。って事は、これの事かな?」

 

かずみはそう呟きながら、耳につけられたイヤリングを指差した。

 

「う〜ん……。まぁ一応そういう事になるんだけど、かずみのやつはちょっと特別かもな」

「だよね。あたしとか仁美、マミさんなら、こんな風に指輪の形になるし」

 

さやかが自身の指につけられた、指輪型のソウルジェムをかずみに見せるようにかざした。

確かに、かずみのソウルジェムは、他の魔法少女とは違い、イヤリング型になっているので、かなり特殊なタイプなのかもしれない。

 

「……あ」

 

すると、海香が突然腕を止めた。しばらく停止した後、隣にいた龍に声をかけた。

 

「り、龍もどうかしら?」

「? いいぜ」

 

龍は特に気にする事なく承諾した。

と、ここでかずみがある疑問を抱いた。

 

「そういえばさ。さっきから気になってたんだけど、契約って何?」

「さっき言ってた妖精さんが、私達の願い事を、何でも一つ叶えてくれるの」

「願い事?」

「何だって構わないんですよ。とにかく一つに絞ればね」

「じゃあ、アラタ達も、願い事があって魔法少女や仮面ライダーになったんだよね」

 

かずみがそう言うと、アラタ達は頷き、自身の望みを呟いた。

 

「私は、一生サッカー出来る丈夫な体を」

「俺も似たようなもんさ。とにかく健康な体が欲しくてな」

「私は、自分の作品を認めてくれる編集者に出会うチャンスを望んだわ」

「僕の場合は、弓道が上手になりたい。それだけの事です」

「俺は……。悪い、ちょっとみんなには言いづらいもんでな」

 

カオル、龍、海香、士道が順に願いを述べる中、アラタだけは気まずそうな表情で拒んだ。よほど大きな事情があるのかもしれない。

 

「……でも、ワールドカップ優勝とか、売れっ子になりたいとかじゃないんだ」

「そんなもん、勝利は実力で手に入れるからね」

「そうそう」

「私達が欲しかったのは、才能じゃない」

「世にでるきっかけ。そんだけだ」

「わぁ、みんな凄い自信だね! かっこいい!」

「ありがとさん」

 

龍がそう呟いた時、何かに気付いた龍の手が止まった。

 

「……な、なぁ。カオルもやってみるか?」

「いいの? やるやる♪」

 

龍に誘われて、カオルもウキウキしながら龍とバトンタッチした。

 

「それで、私はどんな願い事をしたの?」

「いや、それについては、僕達も聞かされませんでした。アラタも知らないんですよね?」

「あぁ。久しぶりに会った時には、もう魔法少女になってたからな。何を願ったのかも聞いてないし」

「そっか……、気前のいい妖精さんなんだね。じゃあ、まどか達はどんな願い事をしたの?」

 

今度はかずみがまどか達に質問した。

 

「わ、私と晶君、誠司君はまだ契約してないんだ。まだ迷ってて……」

「私は……。ごめんなさいね。あまり人に話せるようなものじゃないの。八谷君や天王寺君もそうなんだけど、魔法少女や仮面ライダーになろうとする人の中には、みんなみたいにいい気分で契約するってわけじゃないの。どうしても叶えなきゃならないような、特別な事情があったりとかね」

「ふ〜ん……」

 

マミの説明を聞き、かずみもこれ以上詮索しないようにした。

 

「それに、魔法少女や仮面ライダーになる事は、命がけで魔女と戦う事を覚悟した事でもある」

「魔女?」

 

隼人の説明に、かずみは首を傾げた。その疑問にアラタ達が答えた。

 

「さっきも言ったように、妖精と契約する事でソウルジェムやアイコンを手に入れれる。けど、それらを持つ魔法少女や仮面ライダーは、代償として、魔女と戦う使命を課される」

 

……と、アラタが説明している間に今度はカオルがギョッとした顔つきになった。カオルが無言で士道を手招きして、静かに交代した。

 

「……カオル? どうかしたの?」

「え? あ、うん。なんでもない……」

「それで、魔女っていうのは、昨日の刑事さんやさっきの化け物の事なの?」

「その通り」

「……けど、今までに見た事の無いタイプだったけどな」

「そうですわね。私達も見滝原ではあのような魔女とは出くわした事はありませんし……」

「……ていうか、魔女って確か、結界の中に隠れ潜んでいて、普通は目に見えない。そうでしたよね? マミさん、隼人さん」

「あぁ。そのはずだ」

「……どういう事?」

 

さやか達の会話についていけず困惑していたかずみに対し、アラタ達は丁寧に説明した。

 

「魔女は呪いの力で、不安や怒りみたいな、あらゆる負の感情を人々に植え付けてその人達の心を絶望に追い込んでいく」

「それとは対称的に、そういうだ人達を助けていくのが、俺達仮面ライダーや魔法少女の役目でもあるんだ」

「呪いを祓い、みんなを救う力。それが、僕達に与えられた、魔法と呼ばれる希望でもあるんです」

 

士道が、かずみの前髪をザックリ切りながらそう結論付けた。

 

「じゃあ、その為に私達は魔女と戦わなくちゃならないんだね」

「そ、そう……」

「だな……」

 

かずみが納得したように頷く中、アラタ達はなぜか気まずそうに答えた。かずみやまどか達もその態度に疑問に思う中、誠司がある事を尋ねた。

 

「……なぁ、ちょっといいか?」

「……はい」

「さっきから気になってたけど……」

 

誠司が鏡に映るかずみの姿を指差して呟いた。

 

「散髪って、ここまでバッサリ切るもんなの?」

 

そう。誠司の言う通り、かずみの髪は、昨日までとは違い、腰まであった長髪は綺麗さっぱり無くなり、アホ毛が目立つ短髪へと変貌していたのだ。これにはかずみも疑問に思ってしまった。

 

「……前の私もみんなには切ってもらってたの? こんな風に」

 

すると、アラタ達は慌てふためきながらある事実を告げた。

 

「す、スンマセン! 実は全部初めてっす!」

「か、カッコつけちまって……!」

「「「「「「「「「「えぇぇぇぇぇぇっ⁉︎」」」」」」」」」」

 

まどから見滝原組は思わずそう叫んでしまった。

 

「い、今魔法で戻すから!」

「じゃあ、このままがいい」

 

海香が本を開いて魔法で修正しようとした時、かずみが、鏡に映る自分を見つめながらそう呟いた。

 

「今のかずみはこれがいい」

 

その表情は、どことなく清々しいものだった。それを聞いたアラタ達も、顔を見合わせながら頷いて納得した。

 

「だって、記憶が人を決めるんじゃ無い。人の足跡が記憶になるんだからね」

 

かずみが、決まったと言わんばかりにキメ顔を作って語ったが、残念ながら途中で跳ね上がった一本のアホ毛が、その雰囲気を台無しにしてしまっていた。

 

「で、でもアホ毛は直しましょうね」

 

海香が苦笑しながらワックスを塗ってアホ毛を直していたが、再びアホ毛が跳ねて、かずみが何かを感じ取ったかのように立ち上がって叫んだ。

 

「違う! これ、魔女を感じるよ!」

「え?」

「魔女を、ですと⁉︎」

「でも、ソウルジェムは反応してないわよ?」

「アイコンもだな」

 

さやかと隼人がアイコンを取り出してみたが、これといった反応は示していない。そうこうしているうちに、かずみが何かに導かれるように美容院を飛び出していった。

 

「あ、かずみ!」

「……ひょっとして、ジェムより感度が高いのかしら?」

「いや、そこ気にするとこかよ?」

「とにかく追いかけるぞ!」

 

星斗に続き、まどか達もかずみの後を追いかけた。

しばらく走っていると、かずみがある路地の一角を見つめているのを発見したが、その表情は険しい。

 

「かずみ、ここで何か感じるの?」

「ぞわぞわするけど、違うみたい……」

 

かずみが首を横に振りながらそう呟くと、海香が言った。

 

「魔女の中には、一定の法則に従って人を襲うものもいるわ。おそらく今回もその類かもしれないから、そこから逆算して、魔女の次の狙いを突き止めましょう」

 

海香の言葉を受けて、一同は頷いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とはいえ、歩行者天国になっている今の街中から、闇雲に魔女やその手がかりを見つけるのは容易では無い。走りながら、まどか達は魔女のいそうな場所を推測していた。

 

「さっき襲われてたのは、みんな若い女の子達ばかりだったよね……」

「でも、ガングロこそ多かったけど、制服着てたりとか、金髪とかもいたから、バラバラだよな」

「それじゃあ、法則も何もありゃしないじゃん⁉︎」

「あ〜ん! 気配は感じるのに〜!」

 

かずみが頭を抱える中、海香も捜査が難航している事に唸っていた。事実、彼女の頭からは今朝のように角が見え始めており、アラタ達は次第に焦り始めていた。この状況でまた海香が暴走したら、魔女探しところではなくなってしまう。

 

「何か手がかりがあれば……! もしくは共通点や、ポッと思い浮かぶ何かがあれば……」

 

その言葉を聞いて、かずみがふとある事をポッと思いついた。そして何を思ったのか、かずみは別方向に足を運び、ホットドッグの専門店に入っていった。しばらくして、かずみがいくつかのホットドッグを買って戻ってきた。

 

「ほい、みんな!」

「いや、ほいじゃなくて⁉︎ 食べてる場合じゃねぇだろ⁉︎」

「いーから、みんなも分け合って食べて!」

 

かずみにそう言われて、まどか達は仕方なく人数分に分けて、休憩がてら、ホットドッグを食べてみた。

しばらくして皆が食べ終えた時、海香は唐突にこう呟いた。

 

「……分かったわ。魔女の狙いが」

「「「「「え⁉︎」」」」」




キリがいいので今回はこの辺で。
次回はいよいよ魔女との決戦です。

次回もお楽しみに。
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