魔法少女まどか☆ゴースト 〜命を紡ぐ物語〜 作:スターダストライダー
ようやく「ゴースト」の方でも3人が協力しあえる時が来ましたね!ただ、フミバァちゃんが亡くなられたのはちょっとショックでしたけど……。
その後も様々な場所を、反応を辿りながら進んでいくと、同じマークが各方向で発見された。
そして、タケル達が向かったあすなろ市の市役所付近でも、また一つ魔女の口づけと同じ刻印が発見された。
「見っけ! 魔女のマークだ!」
「さっきよりも反応が強くなってるな」
サキが自身のソウルジェムを見て呟いた。
「じゃあ、魔女のいるところに近づいているんですね」
「おし! とっとと魔女を見つけて海香達を助けようぜ!」
「おうよ!」
俄然やる気になったタケル、アラタ、みらいを尻目に、かずみは1人佇んで、ポツリと呟いた。
「私、出来るかな……」
「?」
「かずみちゃん?」
「かずみ……?」
タケル達は思わずかずみの方を向いた。
「さっきの魔女との戦い。カオル達が連れてかれたのは、私のせいなの。もしもあの攻撃でまたアラタ達が巻き添えになったらって思ったら……」
かずみの脳裏には、以前タイミングを見誤って攻撃して、危ないところだった事と、5時間ほど前に起こった事が重なっていた。
その事を思い出して気分が悪くなったのか、かずみは頭を抑えた。
「……そう思うと、魔法が打てなかったの」
「かずみ。けど、それは……」
「私、魔法少女なのに、こんなんじゃダメだ……」
ますます落ち込むかずみを見て、機嫌が悪くなったのか、またみらいがかずみに近寄ってその頭を叩いた。
「うぐ……」
「またかよ⁉︎」
タケルが驚いていると、みらいが叫んだ。
「このバカチン! 君に足りないのは、自分を責める事じゃなくて……」
「はいはい。みなまで言わない」
すると、サキがみらいの口を塞いで、かずみの方を向いた。
「そんなに気に病んでも大丈夫だ、かずみ」
「サキ……?」
「その時が来れば、かずみに必要なものが分かる」
その目は、強い信念を持った目つきだった。それを見て、かずみは思わず尋ねた。
「……もし、分からないまま、魔女と戦う事になったら?」
その問いに答えたのは、隣にいたアラタだった。
「大丈夫だぜ。なんせ、そのために俺達がこうしているわけだからな」
「そうだそうだ!」
アラタがかずみの頭を撫でると同時に、ようやく口元が解放されたみらいが強く頷きながら叫んだ。
「そうだぜ。俺には守りたいものがあるから、そのために戦ってるし、誠司やみんなだってそれぞれの思いを持って戦ってる。そんなにすぐに見つけなくたっていいんだ」
「うん。私はまだ、魔法少女になろうか迷ってるし、ちゃんと叶えたい願いも見つかってないけど、かずみちゃんにも、何か守りたいものがあって魔法少女になったんだよね。だったらその……。その事をもっと誇っても良いんじゃないかな?」
「まどか……、タケル……」
かずみが思わず涙ぐんでいると、アラタがこんな言葉をかけた。
「『迷った時は、自分の心に従え』。父さんが教えてくれた言葉だ。だから、もっと自分のしたい事に正直になれよ」
「……うん!」
それを聞いて、かずみも元気が出たようで、力強く頷いた。
と、その時、別方向から里美がやって来るのが見えた。
「サキちゃん! みんな!」
「里美?」
「あれ、里美さん? 星斗達と一緒にいたんじゃ……?」
皆が疑問に思う中、里美は息を整えてから言葉を続けた。
「ニコちゃんが出現ポイントを2つに絞ったの」
「えっ?」
「これを見て」
そう言って里美が手に持っていた地図を広げて、タケル達に見せた。地図にはA、Bの2つの赤マルが記されている。
「この2ヶ所よ。ニコちゃん達は今、Aに向かってるわ」
「随分と離れてるね」
サキがそう呟くように、確かにその2ヶ所は距離がそこそこ離れている。こうなると、サキチームはここからさらに2組に分かれて行動する必要がある。
そう思っていると、里美が即座にチームを2つに分けた。
「サキ、みらい、アラタ、タケルチームはB地点に向かって。私とかずみちゃん、それからまどかちゃんの3人でニコちゃん達と合流するわ」
「(……? やけに判断が早いな……)……了解」
サキが、里美の即決に一瞬訝しんだが、一刻を争う事なので、そのまま承諾した。
対するタケルは、まどかと別行動をする事に少し不安を抱いていた。
「まどか……」
「う、うん。大丈夫……。かずみちゃんや里美さんと一緒にいるから……」
まどかはそんなタケルの不安を払拭するかのように笑みを浮かべた。
「かずみも何かあったら連絡してくれよ」
「うん」
アラタも心配そうにかずみにそう言った。
「それじゃあ、3人とも気をつけて」
「そっちもね」
そう言って2組は、それぞれ里美が示した地点に向かって行った。
「……おかしい」
「えっ?」
かずみが首を傾げながらそう呟いたのは、里美が言っていたA地点に近づいた頃だった。
彼女の手にはソウルジェムが握られているのだが、どういうわけか、反応を一向に示さないのだ。もうそろそろ反応が強くなってもおかしくないはずなのだが、それどころか、どんどん遠ざかっているようにも見える。
「魔女の気配がないんだ」
「えっ、そうなの?」
「ねぇ、里美。本当にここなの……?」
かずみが歩きながらそう尋ねたが、何故か返事が返ってこない。
「……里美さん?」
まどかも気になって名前を呼んだが、やはり声は返ってこない。不思議に思ったまどかが振り返った時、
「……! かずみちゃん!」
「⁉︎」
まどかが振り返った時には、かずみの背後に何者かが立っており、動けないように首を抑えて拘束していた。
2人はその人物に見覚えがあった。
それは以前、商店街で魔女もどきのすぐそばに立っていた魔法少女と仮面ライダーの2人組の1人であった魔法少女だったのだ。おそらく魔法で里美に変装してかずみを襲うのが狙いだったのだろう。つまり、B地点と偽って、タケル達をそこに向かわせたのは罠だったのだ。まどかを共に連れてきたのも、少しでも疑いの目を反らすためだったのだろう。なにせ、まどかにはまだ魔法少女では無いのだから……。
「! あなた、あの時の……!」
「あんたにゃここで死んでもらう」
「! やめて! かずみちゃんを離して!」
「あんたに用はない」
少女はそう呟くと、近づいてきたまどかを軽く蹴飛ばした。
「! まどか!」
かずみがどうにかして振りほどこうとしたが、少女の力が強く、簡単には外せなかった。必死に抵抗する中、かずみはある疑問をぶつけた。
「私をトランクに詰め込んだのは、あなた達だったのね! どうして!」
「これから死ぬ人間が、聞く必要ある?」
対する少女は冷徹な目つきでかずみにそう言った。
そんな中、まどかが立ち上がって、少女に向かって叫んだ。
「もう止めて! どうして魔法少女同士で殺し合わなきゃいけないの⁉︎こんなの絶対おかしいよ!」
まどかの脳裏には、先日タケルとさやかが、杏子とほとんど無意味な死闘を繰り広げている様子が鮮明に浮かんでいた。同じ力を持つ者同士が戦う事が、まどかには未だに納得がいかなかった。
が、少女にはまどかの心の叫びが届かなかったようだ。
「……どのみちあんたはここで用済みだ。こいつと一緒に死んでもらうよ」
そう呟くと、少女は空いている右手を高く掲げて叫んだ。
「コルノ・フォルテ」
すると、彼女の隣に赤色の闘牛が出現した。
「行け!」
少女がそう命じると、闘牛はまどかめがけて一直線に突進してきた。
「! きゃあ!」
「まどか!」
まどかは怯えながらも、ギリギリのところでかわす事に成功した。相手は間違いなくまどかを本気で殺そうとしているのが、かずみだけでなく、本人も悟った。
「悪運の強い奴だね。でも、次はどうかな?」
少女がそう呟くと、再び闘牛がまどかに迫ってきた。
今度こそ危ない。そう思ったかずみは自分でも信じられないくらいに腕に力を込めて、少女の左腕を振りほどいた。
「まどかぁ!」
そしてそのまままどかに飛びついて地面を転がり、闘牛による攻撃を回避した。
「大丈夫、まどか⁉︎」
「う、うん……! ありがとう……!」
まどかの無事を確認したかずみは、少女をキッと睨みつけて叫んだ。
「あなたに構ってる暇は無いの! カオル達が待ってるんだから!」
そしてかずみは手に持っていたソウルジェムを耳に近づけてイヤリングに戻すと、そのイヤリングをつついてチリンと音を鳴らした。
「変身!」
かずみがそう叫び、光が彼女を包むと、かずみは魔法少女姿となった。
「まどか、下がってて!」
「う、うん! 気をつけてね!」
かずみはまどかを後方に下がらせると、杖を構えて戦闘体制に入った。
「……どうやら、苦しんで死ぬ道が良いらしいな」
少女は呆れ口調で呟きながら、周りにマミの戦法と同じようにいくつものマシンガンを浮かばせた。
魔法少女同士の、本気の殺し合いの火蓋が切って落とされた。
キリが良いので今回はこの辺で。
次回はかずみと謎の魔法少女との決戦。そして彼女と共にいた仮面ライダーが登場します。
次回もお楽しみに。