魔法少女まどか☆ゴースト 〜命を紡ぐ物語〜   作:スターダストライダー

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連日投稿です。
久々にタケルが変身します。


8. あなたには関係ない

タケル達がまどかを探していたちょうどその頃、まどかは頭の中に響く謎の声に導かれるように、改装中の部屋の中を歩いていた。

 

「どこにいるの? あなた、誰……?」

 

しばらく進んでいくと、さっきよりもハッキリとした声が聞こえてきた。

 

『助けて……!』

 

まどかが部屋の中央辺りに差し掛かった時、頭上にあった、ボイラー用のエアダクトがガタガタ揺れて、蓋が外れた。と同時に、そこから何かが転がり落ちてきた。

 

「きゃあ!」

 

思わずビックリして叫んだが、すぐに落ち着きを取り戻して、改めて転がり落ちてきたものを観察した。

それは、長い耳を垂れ下げた、白い猫のような生き物だった。背中には赤い丸模様があり、よく見るとあちこちに傷がついていて、ひどく衰弱している。

見た事のない動物だったが、まどかは、何となくその生き物に見覚えがあるように思えた。

 

「(この子、どこかで……。……って、今はそれどころじゃないよね⁉︎)」

 

とりあえずまどかはその生き物を抱き抱えた。

 

「ねぇ、大丈夫⁉︎」

 

生き物は、その声に反応したのか、うっすらと閉じていた目を開けた。その瞳は深紅に輝いており、何かを訴えかけているように思えた。

一刻も早くこの生き物を動物病院に連れて行かなければならない。そうまどかが思っていたその時だった。

鎖がジャラジャラ鳴るような音がして、不意に目の前に視線を向けると、いつの間にか、そこには顔見知りの人物がいた。

 

「ほ、ほむらちゃん……?」

 

そこにいたのは、今日転校してきた、暁美 ほむらだったのだ。

 

「そいつから離れて」

 

ほむらは冷淡な口調でそう告げた。よく見ると、服装も異様な程変わっている。まどかは何故か分からないが、その様子に恐怖した。

 

「だ、だってこの子、怪我してる……」

 

まどかがそう言うと、生き物はまどかにギュッとしがみついた。

 

「……相変わらず汚い真似をするのね」

 

そう言ったほむらは、靴音を辺りに響かせてまどかに近づいた。おそらく狙いは自分が抱いている生き物なのだろう。そう思ったまどかは必死に抵抗した。

 

「だ、駄目だよ! 酷い事しないで……!」

「あなたには関係ない」

 

ほむらはあっさりと言い切って、また前進した。

 

「だってこの子、私を呼んでた! 聞こえたんだもん! 『助けて』って!」

「……そう」

 

しかし、それで止まるほむらではない。どうする事も出来ずに怯えていた時だった。

 

「このやろー!」

 

と言う叫び声と共に、白煙がほむらを襲った。

ほむらが突然の事に驚いており、まどかが声のした方を見ると、そこには誠司が消化器をほむらめがけて噴射しており、その後ろにはタケル達がいて、さやかと御成がまどかの名前を必死に呼んでいた。

 

「! みんな!」

「まどか、こっち!」

「まどか殿! さぁ、早くこちらへ!」

 

仁美と晶はどうすれば良いのか分からずオロオロしている。誠司が応戦している内に、まどかはタケル達の所に駆け寄った。消化器の勢いが弱まり、誠司がほむらのいる方に消化器を投げ捨てると、タケルはまどかの手を握った。その時、タケルは初めてまどかが抱えているものの正体を知った。

 

「! キュゥべえ……⁉︎」

「? タケル君? この子知ってるの?」

「あっ、いや……。それよりも、早くここを出るぞ!」

 

そう言ってタケルはなぜキュゥべえが怪我を負っているのか気になったが、とにかくまどかの手を掴んだまま走り出した。

 

「出口まで走るんだ!」

「は、はい!」

 

他の5人もそれに続いて、非常口のある方へ全速力で走った。

攻撃が収まったのを確認したほむらは、左手を一振りして、白煙を薙ぎ払った。そしてまどか達を追いかけようとした時、周りを不気味な気配が包んだ。やがてその空間は、まるで別世界のような外観に変わった。

 

「こんな時に……」

 

ほむらは苛立ちながら、先を急いだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同じ頃、1人の少年もまた、周りの空間が一変するのを目撃した。

 

「……始まったか」

 

そう呟く少年の右手には、青色のラインが入ったアイコンが握られていた……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、まどか達は、必死にほむらから逃げるように走っていた。

 

「な、何よあいつ⁉︎ 今度はコスプレで通り魔かよ⁉︎」

「もう不思議ちゃんってレベルじゃねぇぞ⁉︎ なんか本当にヤベェ……!」

「あ、足が、疲れる……!」

「頑張ってください、晶君! もう少しですわ!」

 

それから、さやかは走りながらまどかの腕に抱かれた生き物を凝視した。

 

「つーか何それ⁉︎ ぬいぐるみじゃ無いよね? 生き物?」

「分かんない……。分かんないけど、この子を助けなきゃ!」

 

そんな中、タケルはポケットの中にあるオレゴーストアイコンが熱くなっているような気がした。と同時に、嫌な気配が強まっているのを感じた。

 

「(さっきよりも気配が強くなってる……。これってまさか……!)」

 

タケルがそう思っていると、途中から異変に気づいた。

いくら走っても、一向に非常口に辿り着かないのだ。

 

「……ねぇみんな? 非常口ってこっちであってるっけ?」

「あってるはずですけど……」

「お、おかしいですな……?」

 

他の6人も異変に気づき、思わず立ち止まった。そして、周りの空間が不気味に変わっていくのに気づいた。

 

「あ、あれ⁉︎ 非常口は⁉︎ どこよここ⁉︎」

「変だよここ……! どんどん道が変わってく……!」

「な、何だよこれ⁉︎」

「あーもう! どうなってるのさ⁉︎」

 

まどか、さやか、仁美、誠司、御成、晶がパニックになっている中、ただ1人、タケルだけはその正体を察していた。

 

「(これって、やっぱり魔女の結界……! くそ! 巻き込まれちまったか……!)」

 

まどかは訳も分からず辺りを見回していると、不意にあるものが見えた。

 

「や、やだ……! 何かいる……!」

 

よく見ると、それは綿帽子のような姿をした、この世のものとは思えない生き物だった。

 

「(使い魔……!)」

 

タケルは瞬時にそれが魔女の使い魔であると理解した。

 

「ひっ……⁉︎」

 

それを知らない仁美は思わず後ずさったが、背中が皆に当たったので振り返って見ると、いつの間にか周りを使い魔が囲んでいたのだ。

 

「か、囲まれてますぞ⁉︎」

「あ、あぁ……!」

 

晶も頭が混乱しているのか、口をパクパクしている。

使い魔は、獲物を見つけて歓喜しているのか、奇妙な歌声を発しながら7人に近づいていた。

 

「じょ、冗談だよね……⁉︎ あたし達、悪い夢でも見てるんだよね⁉︎ ねぇ、みんな⁉︎」

「お、俺に聞くなよ⁉︎」

 

さやかと誠司が喚いていたが、状況は変わらない。このままでは7人とも無事では済まないだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そう、7人全員(・・・・)がただの人間ならばの話だが……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……? タ、タケル君……?」

 

不意にタケルがまどかの手を離して前に出た。その事にまどかは訝しんだ。

 

「タケル殿、何を……⁉︎」

 

皆がタケルに注目する中、本人は安心させるように声をかけた。

 

「大丈夫だ。まだ希望を捨てる事はない。みんなは俺が守る」

「な、何言ってんのよ⁉︎ あんたこの状況が分かってんの⁉︎」

「そ、そうですよ! このままじゃ、タケル君まで……!」

 

さやかと晶が慌てているが、タケルは冷静だった。

 

「心配すんなって。俺がなんとかしてやる」

 

タケルはまどか達に背を向けて、腰にゴーストドライバーを出現させた。その光景に、背後から皆が驚いている雰囲気を感じた。

 

「(出来る事ならみんなには内緒にしようって思ってたけど、こればっかりはしょうがないよな……)」

 

タケルはそう思いながら、オレゴーストアイコンをポケットから取り出してスイッチを入れた。それをバックルの中に入れて閉じると、そこからパーカーのようなものが飛び出して、周りの使い魔を追い払った。

 

「な、何だこれ⁉︎」

『アーイ! バッチリミナー! バッチリミナー! バッチリミナー!』

 

皆が困惑する中、タケルは右の人差し指と中指を立てて意識を集中させると、いつものように叫んだ。

 

「変身!」

 

そしてレバーを引いて押すと、全身に装甲がつけられてパーカーが上半身を覆い、仮面が装着された。

 

『カイガン! オレ! レッツゴー! 覚悟! ゴゴゴゴースト!』

 

仮面ライダー"ゴースト"となったタケルは、ガンガンセイバーを出現させて、手に握った。

それを見たまどか達の驚き方は様々だった。

 

「え、えぇ⁉︎ タケル君……⁉︎」

「な、何あれ……」

「あぁ……⁉︎」

「タ、タケル⁉︎ 何だよその格好⁉︎」

「ご、ゴースト……?」

「へ、変身とは、何と羨ましい事か!」

「とりあえず、他のクラスの奴には内緒にしとけよ!」

 

若干1名だけ違うリアクションをしていたが、タケルは気にせずまどか達を守るために、使い魔に立ち向かった。

 

「はっ! たぁっ!」

「凄い……!」

「あれが、タケルなのか……?」

 

他の6人は呆然としながら、目の前で親友が戦っている姿を見て、次第に恐怖心が薄れていた。

次々と使い魔を斬り倒していくが、一向に数が減らない。

 

「ほんとに数だけは一丁前に揃えてくるな……。だったらこれで!」

 

そう叫んだタケルはムサシゴーストアイコンを取り出してスイッチを押してからバックルに入れ替えた。

 

『アーイ! バッチリミナー! カイガン! ムサシ! 決闘! ズバッと! 超剣豪!』

「! 姿が変わった⁉︎」

「ムサシって、タケルが憧れてるあの宮本 武蔵の事よね……?」

 

ムサシ魂となったタケルは、二刀流で迎え撃った。先ほどよりも軽く薙ぎ払えるようになったが、未だに使い魔の軍勢は途切れない。それどころか、奥から湧いてくるようだ。次第に周りが再び使い魔に囲まれてしまった。

 

「くっ……! さすがに多すぎるぜ……!(星斗がこっちに向かってるって事は、多分こっちの事も気づいてるはずだ……! あいつがここに来るまで、耐えるしかない!)」

 

そう自分に言い聞かせて、必死に斬りまくって対抗したが、数の多さには、まだ経験の浅いタケルは苦戦を強いられてしまい、後ずさってしまう。

だが、それでもタケルは挫ける事は無かった。

 

「まだ諦めねぇぞ……! 何がなんでも、まどか達は、守ってみせる……!(頼む……! 間に合ってくれよ……!)」

 

タケルが使い魔を睨みつけながら、星斗の援護を望んでいた時、不思議な事が起こった。

上空から鎖が落ちてきて、タケル達の周りを囲むように置かれると、そこから黄色の光が7人を包んだ。

 

「あ、あれ……?」

「な、何なの……?」

「こ、これもタケル殿の力なのですか……?」

 

御成がそう言ったが、タケルは否定した。

 

「い、いや違う! これって一体……?」

 

タケルが困惑していた時、背後から女性の声が聞こえてきた。

 

「危ないところをよく頑張ったわね。でも、もう大丈夫」

 

皆が振り返ってみると、そこには3つの男女の人影があった。

 

 

 

 




WIXOSSの映画公開が待ち遠しいです!

次回は、遂にあのライダーが登場!
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