東方永命伝   作:璃蘭

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ラストはこんな感じかな~って思っているのに、そこまで行くための話があんまり出てこない。


第三話 幻想の世界とその住人 壱

「うはぁ」

 

「おぉ、さっきまでの古い神社とは大違いだな」

 

 綺麗に手入れの施された立派な石畳。その先には、灰色の瓦屋根の小さくも無く大きくも無い、あまり特徴の無い神社が建っているが、神社の裏側に出たらしく、少し広めにとられた縁側が見える。襖は閉じられていた。右側にあるのは倉庫なのだろう。木で作られた屋根に、白い壁が見えている。ここは、人の手が入っているような木々の森に、長方形に囲まれており、地面は芝生で、きちんと刈り揃えられている。

 

「外とここでこんなにも変わるのか・・・」

 

 後ろを振り返り、上を見上げれば、古びていた鳥居は姿を変え、立派な鳥居へと変わっている。うっすらと書かれていただけだった文字も、今ではハッキリと書いてある。

 

             『博麗神社』

 

 神社の表側に出て見ると、綺麗に舗装された石畳の一本の道があり、その先には下へ降りるための階段がある。繋たちは、階段の前に立ち、ここ一帯の景色を眺めた。

 

「昔は・・・こんな感じだった・・・」

 

「あぁ、懐かしい風景だ・・・」

 

 緑一色に塗られた山や大きな森、広い竹林がある。江戸のような町並みを持つ、人間の住まう里。大きな山の麓には大きな湖が広がっている。人里から見て反対側に広い竹林が広がっている。その近くには向日葵畑の広がっている場所もあり、外の世界でずっと生きてきた繋や心にとっては、この風景に感動し、懐かしくも感じた。

 

「空気もおいしい」

 

「そうだな。こう自然が多いと空気も新鮮になるからな。外の排気ガスだらけの都市とは大違いだ」

 

 心は、胸いっぱいに空気を吸い込み、吐き出す。すると、後ろから声をかけられた。

 

「感動しているところ悪いけど、人の住処に不法侵入しているあんたらは、何者?」

 

 繋と心は振り返る。そこにいたのは、脇と肩を露出した巫女装束の服を着ている、十代前半ほどの少女が、神社の裏から歩いて出てきていた。頭には大きなリボンをしており、髪型は基本ショートショートになっている。リボンで結んでいるのは、背中より少し高い位置まである長い髪を一纏まめにしている。身長は、十代前半にしてみれば、やや高いといったところか。やはり美少女である。

 

「んー、ここは神社の境内なのだから、不法侵入はまだしてはいないと思うのだが・・・」

 

「何、御参りでもしに来たの?なら、賽銭箱はあそこだから、お賽銭入れてさっさと帰って」

 

 そう言い、彼女が指差したのは、奉納と書かれた賽銭箱。繋は苦笑する。

 

「いや、別に御参りをしに来たわけではないのだが・・・」

 

「あっそ、なら速く帰れ。ここは妖怪が来るような場所じゃないのよ」

 

 巫女は、あまり他人に興味が無いのか、そっけなく答える。

 

(それにしても、妖怪か・・・)

 

「ふむ、俺たちは、妖怪といえば妖怪であるし、妖怪で無いといえば妖怪でも無い、と答えるのが妥当だろう」

 

「ふ~ん」

 

 またもや、巫女はそっけなく答える。今度はあまり興味が無いからなようだ。

 

「でも、人外であるのは事実でしょ」

 

 その答えに、繋は苦笑する。

 

「まぁ、確かにその通りだ。外から来た人外だ」

 

「外から?」

 

 その事実に巫女は少し目を見開く。

 

「へぇ~、外から来たんだ。あぁ、だからここにいるのか」

 

 巫女は、少し繋たちに興味を持ったみたいだ。

 

「外は今、妖怪や神などの人外にとっては住み難い場所になったからな。そろそろこちらに住む場所を変えようかと思ってね」

 

「なるほど、だから最近、吸血鬼や僧侶や変な妖怪や幽霊や、小人や神や人間がここに住みだすわけね」

 

「まぁ、ここは妖怪の楽園なんて呼ばれている場所だからな。外で住み難くなった者達にとって、住むには最高の場所になっているからな」

 

「私にとっては迷惑極まりないわ。退治する妖怪とか何かが増えるだけじゃないの」

 

 巫女は、面倒くさそうな顔をする。その答えに繋は苦笑いする。

 

「まぁ、そう言ってやるなよ。彼らも生きていたんだ。強くなりたいんだ。人間と同じようにね」

 

「私をあいつらと一緒にしないでよ」

 

「とか言っておきながら、案外妖怪と中は良いみたいだな・・・。ほら、霧になってる鬼。出てきなさいや」

 

 繋は、ただ青空が広がっている空めがけて声を出す。すると、向こうからも反応があった。

 

「おぉ?私に気づいてたんだ・・・」

 

 繋と心、あとは巫女しかいないはずなのに、どこからとも無く声がする。繋は、何も言わずに屋根の上へと視線を移した。

 

 屋根の上には人型の何かが座っている。薄い茶色のロングヘアーを、先っぽのほうで一纏まりにしている。頭の左右から、長くねじれた角が二本生えている。白のノースリーブに紫のロングスカートを履いており、頭に大きなリボンをつけている。左の角にもリボンをつけ、右の角にはリボンを巻いただけの状態でつけ、首もとにも赤いリボンをつけている。紫のひょうたんを持ち、三角錐、球体、立方体の分銅を髪や左右の手首からぶら下げている。赤く光る瞳が印象的だ。彼女も美少女である。しかし、なぜか顔がほんのりと赤い。

 

「こうも簡単に気づかれるなんて、私にとって見れば初めてになるのか?」

 

 そう言いながら、彼女は屋根の上から飛び降りる。酔っているのか、少しふらついたものの、難無く着地をする。ふらふらしながらこちらにやってきた。近くまでくると、繋の隣で今まで黙っていた心が、

 

「くしゃい・・・」

 

 と言い、眉間にしわを寄せ、鼻をつまむ。たしかに、この鬼は酒臭い。そして、身長は低くめだ。

 

「あ~、今私のこと身長が低いって思ったな!このやろう!」

 

「萃香、あんたまた昼間っからお酒飲んで・・・。ふらふらしてるじゃないのよ」

 

 巫女は、そう言い、はぁ~と長い溜め息をする。

 

「しかし、まだいるみたいだな。こちらにカメラを向けている鴉が・・・」

 

 その言葉に、巫女は頭にはてなマークを浮かべ、きょろきょろと辺りを見回す。

 

「?鴉なんてどこにいるのよ。どこにもいないじゃない」

 

 彼女にとっては、一瞬だけ目を離しただけだった。それは萃香と呼ばれた鬼も同じ。

 

「?さっき私が霧になっていたときには見かけなかったぞ?」

 

 それぞれが疑問を口にし、視線を繋たちに戻すと、

 

「さすが繋、それでこそ私が認めた男」

 

「そんなことは、今まで一緒にいた中で始めて聞いた」

 

「当たり前。今初めて言ったもの」

 

 繋と呼ばれた彼の右手は、鴉の羽の生えた少女の襟首をつかんでいた。




 誰か繋や心の服装を考えてはくれないだろうか←(他人任せ)

※10/19日 神社の鳥居の方向を変更しました。
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