ダンジョンで全てを焼き尽すのはナニカサレタヨウダ   作:獅狼

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日記成分は冒頭のみ

おおお、遅れました……仕事で体力・気力が底を尽きてなかなか筆(指)が進まず……

頑張りました、楽しんでいただけると幸いです


おらりおにっき

◎月×日

 

漸く絶対安静を解かれ、ダンジョンや鍛練以外は許されたので久しぶりに日記を書こうと思う。

 

今日はバベルに散歩しに行った。

ヘファイストスファミリアの店を見て回ったが、やっぱりメインは剣で、どうもしっくり来ない、実体剣と言うと、当たるように作られていなかったり、速度が乗っていないと威力がでないものではないのか?

 

遠距離武器は弓、弩あとマスケット銃。単発式の銃が微かにある程度だ。

恩恵の効果を考えれば納得なのだが不満が残る。

確かに銃は弾込めて引き金を引くだけだから恩恵は無関係な程度だが……

 

 

なんとなくムカついたので扉叩き(ドアノッカー)の案をマスケット銃とかを作っている人に叩きつけてきた。

ただの銃と言うのもあれなので銃弾を魔石でとか火薬に魔石の粉末を混ぜるとか、むしろ代わりに魔石の粉末をとかまあ、簡単に思いつく程度の案をまとめて。

 

 

 

 

 

◎月◇日

 

昨日、紙束をぶつけた相手に身元を特定された。

というか、ファミリアホームに特攻を仕掛けてきた、試作品を大量に持って。

 

訓練場になぜかある的を相手に試射してみたが、素の銃では鉄板を撃ち抜けはしたがその先の的に致命傷を与えられるほどの威力がなかった。

まあ、火薬が粗悪だから、黒色火薬レベルしかないから仕方がない。

魔石弾頭は中々に面白い、榴弾と言うべきか、貫通能力は皆無だが魔力を魔力を込めてから射つと衝撃で魔力爆発を起こす。

問題は八割以上暴発すると言う点、発射時の衝撃で爆発するのだ。銃身はかろうじて無事であったが銃口から出た魔石が爆発する。手元から30センチ

 何故か中級回復薬(ポーション)で回復できる程度の傷しか負わなかったのだ。以前の俺であれば万能薬(エリクサー)を使わないと後遺症が残るレベルであったと思われる。

 自分の耐久の高さに驚きながらポーションを飲んで弾薬に魔石の粉末を混ぜたものを使う。普通に撃つだけだと火薬量の差から威力が下がっていたが、魔力を込めてみると炸裂、引き金を引かずに弾が飛び出た。

 どうやら、魔石の粉末は魔力の許容量が微小になっているようで、簡単に魔力爆発を起こすようだ。今回は発熱が火薬に着火することになったようで、魔力爆発には至っていなかったようである。魔石の粉末を代わりに弾薬としたものを撃ってみたが、威力が段違いであった。

 銃職人曰く、自分で試したときは此処までの威力はなかったとのこと。魔力値相当高いのでは?と言われたが、比較対象が現在居ないのでわからない。

 

 

 

 

◎月□日

 

 

 昨日の実験を元にもう改良品を作ってきたらしい。

 15ミリ対魔物拳銃、恩恵を受けた者以外には扱えない超大型の拳銃、火薬の代わりに魔力を込めることで爆発する魔石粉末を用いた特殊弾の使用を前提としているため、強度を優先した結果、引き金(トリガー)も恩恵のない人間には引くのが難しいほどに難くなった。

 ライフリングは刻まれていないため弾は真直ぐ飛ばない。故に有効射程は短く、精々中距離と呼ばれる程度でしかない。更に魔力を瞬時に大量に注ぐことで規格以上の威力を叩き出せるが、そうするとさらに弾は大きくぶれることになる。そのため、実用距離はさらに短くなり、誤射を防ぐためにはまさに扉を叩くような距離まで近づく必要が出てくる。

 銃職人(ガン・スミス)が持ってきた鎧相手に試射したところ、すべてを粉砕することに成功した。すべてに大穴を開けることができた。

 ただ、弾薬に魔石、弾頭にダンジョンモンスターのドロップアイテムを加工したものを使っているため、一発一発の値段が高い。無駄撃ちは出来そうにないな、またしばらくメインは剣になりそうだ。

 

せめて刀が欲しい。

 

 

◎月▽日

 

 魔石粉末の弾薬を見て零した俺の台詞を覚えていたようで、また詳しく書いて持ってきてくれと言われた。

杭打機(パイル・ドライバー)の武器化、射突型ブレードのことだろう。偶然にも村で作ってもらって、ろくに使わなかった使い捨ての粗製があるのでこれもつけて叩きつけてやろう。

 やっぱり、どこにでも同志はいるようだ。

 

 

 

◎月△日

 

 さすがにやっていた銃とは違って一日で試作品ができるほどではなかったようだ。

 まあ、今日は鍛錬の許可ができたのでユウカと剣で試合をした。やはり寝たきりのせいで戦いの勘が鈍っている。前ならわかっただろうフェイントや誘いによく引っかかってしまっていた。

 このままでは団長の冒険者入門(門は門でも鬼の門)、を受けることになってしまう!!

 

 

 

◎月鬼日

 

 鬼さんと零点零零零零零壱‰組手をやっ―――z___|

 

 

◎月☆日

 

 

 

 

 

◎月♧日

 

 なぜか昨日の記憶がない。

 しかし、ちゃんと活動していた覚えはある。ただ、なぜか何があったのかを覚えていない。

 

 

◎月♤日

 

 遂に射突型ブレードの試作品が持ち込まれた。

 前回の拳銃と同じく、魔石粉末を利用した爆裂式の杭打機構だ。問題は爆発による空気膨張……なのかな?その排出に杭を完全に打ち出すことが必要で、試験運用では杭の再利用も何度かできたが、実際に使うと歪んですぐに使えなくなるから杭は消耗品とのこと。

 浪漫には出費がかさむな……儲けねば。

 

 

◎月♡日

 

テスターとして仮名15ミリ対硬装甲魔物拳銃(ドアノッカー)と仮名:一式射突式ブレードを装備してダンジョンへ行くことになった。

同行者はなぜか団長とカオス殿。なぜ10と7レベルが……それもベテランも大ベテランだ。

おっと、そろそろ出発だ。急がねば

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◎月●日

 

目が覚めたらまた二週間が経過していた。

記憶にあるのは……

・実験として剣で壁を削りながら移動

・いつもよりモンスターの湧く数が多くなる。

・20層ぐらいで急に壁が沈み始める

・ヘルハウンド(頭が骨でその頭を飛ばして攻撃してくる変異種)が壁天井地面から大量に湧き出す。

・一回り二回り大きな二つ首の犬が出始める。

・三つ首の巨大な犬が現れる。

対警備組織規格外六連超振動突撃剣(グラインドブレード)を呼び出す。

 

 

ああ、また死んだのか………ヘルハウンドの群れに対してドアノッカー

二つ首、オルトロスに一式射突型ブレードを使ってみたが、こういう時は広範囲攻撃か広範囲にばらまける、そんなエモノが欲しくなる。

あれ、でもケルベロス倒した覚えがないぞ?

 

 

あ、思い出した、あれヘルハウンドじゃなくてバジリスク(DMC4)だ!!

 

 

名前:アームズ・F・O

種族:ヒューマン

レベル 2

筋力 SS  4500

耐久 SSS 5000

器用 S  964

敏捷 SS 4800

魔力 Ex  5300

炎熱耐性 F 389

【銃士】

【突師】

【精神耐性】

【狂気】

 

《魔法》

全てを焼き付く暴力(オーバードウエポン)

・召喚魔法

・全てを焼き尽す暴力を顕現する。

・発動中、使用者は限界を超える。

・発動中、使用者は死なない。

・死に瀕したとき、自動で発動する。

・発動時間は耐久に応じて変動。

・詠唱式

【彼の者、人を揺り籠より地獄へ落とし

     彼の者、救いの手を振り払い、全てを焼き尽す。

        ____我は継承せり、すべてを焼き尽す黒き鳥】

 

【_____】

・ステイタス不足

・耐性不足

・発展アビリティ不足

 

 

《スキル》

縁の下の強化人間(ブーステッドマン)

・ステイタスに加重に応じた補正がかかる。

・ステイタスに加熱に応じた補正がかかる。

・補正量は重量・熱量に比例。

 

【可能性の提示】

・見せてみろ、人間の可能性ってやつをさ

・エンカウント率上昇+

・ヘイト増加+

 

往キ帰リシ者(ワクガイ)

・上限の解放☆☆

・即死耐性+

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

←←←例の日←←←

 

 

 

ふむ、漸く回復したか、試してみたいこともある、ダンジョンに連れていくとしよう。

「アームズ、ダンジョンへ行くぞ」

「だ、団長!?なんでまた?」

「あ、同じファミリアのメンバーを誘うのはおかしいか」

「あ、いえ、そんなことは……」

「まあ、普通のファミリアでは滅多にないことだろうがな、アドンファミリア(ここ)は異端の集まり、低レベルのみで常に対処できないほどの事態も起こりうる」

「あ、はい」

「特にお前はヤバい、特に【可能性の提示】だ、エンカウント上昇・ヘイト増加、正気の沙汰じゃない。ダンジョンでエンカウントの上昇なんぞしたら大体は死ぬ、モンスターに集られてあっと言う間に終わる実際に前回の遠征では少なくとも倍はモンスターが出てきていた。【エンカウント+100%】おそらくはヘイト増加も同程度はあると考えられる。わかるか?倍の敵に出会い、他の倍狙われる。普通なら上層でも死ぬだろう。」

「……(絶句)」

「というわけで、検証しに行くぞ」

「はい!!……はい?……え」

「よっし、そうだな……カオス、何かあったときのためにお前も来い」

「仕方ないな」

「あとは任せたぞコーメー」

「はい、留守は任せてください。それでは、善き闘争を」

 

 

 

 

ダンジョンに入ってすぐにアームズに支持を出す。

「戦闘中以外は壁や床を切りつけながら移動しろ」

「え、それに何の意味が?」

「結果が出たら教える、いいな」

「アッハイ」

それから、中層にたどり着くまではモンスターが可視範囲に入った瞬間、石を指弾で飛ばし仕留めて移動した。

中層からは近くでもモンスターが湧くように成った。それもすべて即座に撃破。

ずっとアームズは壁床を削っていたわけだが、どうやら予想通りらしい。

移動するにつれ湧きが増えた、本来よりも少し強い個体が出るようになったなど、ダンジョンという生き物がイラつき、俺たちに…アームズに殺意を向けてきている。

近くを飛び回る鬱陶しい虫を払う程度ではあるだろうが、それも少しづつ強くなってきた。

 

「エフッ、エフッ、エフッ」

「ヒェ、だ、団長!?」

「……どうやら大荒れしそうだな」

「どういうことですかカオス=サン!!」

「団長が笑うのをこらえている。これは詰まる所、強敵が現れる予兆だ。

団長にとっての、強敵がな」

「え、レベル10にとっての強敵って……なにそれ怖い」

ガリガリガリガリガリガリ

剣がダンジョンを削る音が響く。

 

「あれ、そういえばモンスター………出てこなく……」

 

廿層、おそらく大異変がそろそろ起こる!!

 

「かかか、カオスさん⤴団長の顔が何やら恐ろしく」

「ああ、物凄く笑っているな」

「あれ笑っているんですか!!?」

 

ガリガリ、ギュリガギャバキッ

 

地面を削っていたアームズの剣が異常な音を立てた。

何やら剣を地面に深く抉り込ませたようだ。

しかも、アームズは大量の剣と杭のついた重厚な鉄塊をもって重量による強化が働いていて、さらに体重を乗せて地面に差し込んだみたいだ。

剣は半分以上が地面に突き刺さり、折れている。

 

「あー勿体ない」

「ククク、だが、どうやらそれが止めに成ったようだな!!」

「え?」

 

壁が地面に沈み始め、もともと広い通路が更に広大な大部屋へと変貌を遂げた。

 

「えーっと、このような前例は?」

「在る訳が無いだろう」

「……なにがおこるんです?」

「大惨事大戦だ」

 

答えると同時に大量の犬型のモンスターが床壁天井から飛び出てくる。

一見ヘルハウンドに見えないこともないが、頭が赤く燃える犬の頭蓋骨で体もどこか銃器を思わせる。

一斉に走り出し、何体かがこちらに狙いを定めたような姿勢で頭を輝かせ、文字通り頭蓋を飛ばしてきた。

「おっと」

やはりと言うべきか、アームズに攻撃が集中している。

自分に向けてのものであれば相応のもてなし方もあるが、未だレベル2には荷が勝つ。

今までのように指弾で撃ち落としてみるが、一発一発が相殺される。

口角が上がるのが感じられる。

「面白い、レベル3相当のモンスターを屠る我が指弾を相殺するか!!」

レベル3以上と見なし相応の対処を行う、左手の指弾で攻撃を相殺しつつ、武器を取り出す。

「之だ」

取り出したのは規格から外れてB級品とされたガラス玉。

 

「ほら」

飛ぶ弾は先ほどまでの石を削った者とは違い、真直ぐ突き進み飛んできた頭蓋を砕き、その先の犬に突き刺さり爆散させてさらに後ろの犬を貫いて地面を削る。

「ふむ、レベル5には足りないか」

水平撃ちで間引きを行う。

「貴様もやってみろ」

「ふぁ!!レベル3相当とか言ってませんでした!?」

「新しい獲物を試す良い機会だろう?」

「え、えぇぇぇ……」

口で文句を言いつつもその目は実に好戦的な(イイ)目をしている。

取り出したのは一つの拳銃、リボルバーもマガジンもない、中折れ式の単発銃、大口径なのは見て取れる。

実包がボトルネックにされた火薬量の多い銃弾を取り出し、装填する様はずいぶんと楽しそうだ。

轟音を鳴らし、銃弾が犬を貫通する。

銃を折り、加熱した砲身から薬莢を落とし、次弾を装填して少し遠い獲物を狙う。

――轟音

しかし、銃弾は大きくぶれ、隣の犬に当たり、表面を少し削るにとどまった。

「ブレと威力の減衰が大きいな、ライフリングは刻んでないのか?」

「技術的な問題と丈夫さを優先し、コストを加味して浪漫を求めた結果こうなりました」

恐らくは最後がメインで残りは後で出てきた問題だろう。

 

しかし何ともまあ、大量の剣を背負ってオーバースペックで駆け回りながら近距離で銃撃とか可笑しな光景だな

単発式のだから弾込めの度に剣で近くのを斬って弾込めて撃つを繰り返して………手間じゃねぇか。

 

だが、なんと言うか、弾込めに使っている手の動きが他に比べて良い。

……銃身の熱で手が熱せられているのかッ!!

燃えた頭蓋骨が近くを通り過ぎるだけでも加熱され動きがどんどん早くなる様はまるで星型エンジンの回転数のごとく……は、言い過ぎかもしれん。

ヘルハウンドの吐く炎ですら冒険者を焼き尽くせる火力を持つ、低温(アカイロ)の炎であるにもかかわらずだ。魔力様様というべきであろう……しかし、こいつらの頭蓋に憑いた炎はさらにしつこい。

ヘルハウンドの炎は魔法の炎であるため燃やすという概念を吐き出しているようなものだ。とは言っても恩恵を受けたものならば完全に着火する前に逃げ出すか倒すことは余裕だろう(鬼並感)

しかしこいつらの炎は継続的に負傷(ダメージ)を与えることに特化している。当たった場所に熱を残す。

そして戦法は集団で囲んで弱らせて殺す、まさしく狩りである。

 

しかし、相手が悪かった。

アームズは熱量に応じて強くなる。それも累乗のレベルでだ、熱くなるほどに強くなる。

炎熱耐性のおかげか今の奴の体温は部分によって40~80℃、人ならば体を構成するたんぱく質が変質して生きていけないレベルが下限である……

 

 

ふと、若者の人間離れというフレーズが頭に浮かんだ。

 

それは置いておいて、そんなこんなで適当にB玉を撃っていると頭骸骨犬の数が減ってきた。

湧きが減少したようだ。思ったより長続きしなかったなと、少々残念に思っていると、数は少ないが頭蓋骨犬よりも大きくダンジョンが割れ、双頭の犬型モンスターが飛び出てきた。

 

オルトロス、前世ではある程度有名なギリシア神話由来の幻獣だ、ケルベロスの弟であり、姿は黒い双頭の犬で鬣の一本一本と尻尾が蛇であると……こいつは黒い双頭の犬なだけだな、尻尾も鬣も蛇ではない。しかし、強いッ!!

アームズが存在に気が付いたのか、先手必勝と銃を放つが、銃弾は弾かれ、オルトロスは平然としている。

しかし、アームズの動きは止まらない、あっと言う間に再装填を済ませて今度はさらに近づいた。

むろん、オルトロスも案山子ではない。前足を振って攻撃を行った。威力は凄まじく地面を砕き、裂いた。魔力によるものか、爪による斬撃は離れた所へと攻撃を行う。

しかし、アームズは過剰熱(オーバーヒート)による強化にものを言わせて大きく避け、それでいて遠回りに成らないように近づいた。

自分を狙う発射寸前の頭蓋骨犬を捕まえオルトロスに向かって放たせ、犬自体をも投げつける。

そんなこんなで漸く互いに手の届く距離、オルトロスにとっては最大威力をたたき込める距離、アームズにとっては、攻撃が通じるかもしれない距離。

非常に不利な状態ではあるが。アームズがどこまで強化を受けているのか解らない、もしかしたら防ぎき……いや、無理だな。あれは当たれば死ぬ。そしておそらく避けられねえ、灼熱を纏った爪はどんどんと輝きを増している。

アームズの銃が効けば生きれて、効かなければ死ぬ、そんな状態だ。

 

ライフリングの有無で銃の射程は大きく変わる。それに浪漫を詰めたとも言っていた。つまり、そもそもあれは近接設計!!

 

ドガァァァンと轟音を響かせてアームズの銃は今日一番の火力を発揮し、オルトロスの前足を吹き飛ばした。

飛ばされた前足に込められた魔力は制御を失い暴走、大爆発を起こし、周辺を炎の海へと変えた。

 

「はは、やりやがったな」

俺は前足を吹き飛ばされたオルトロスに近づき、二つの頭に両腕を使って同時にアッパーをかけて顎から上を吹き飛ばし、アームズを回収する

 

「熱ッ!!おい、お前今何度あるんだ!!」

「え、何のことですか」

「ッチ、気づいてねえのかよッ!!」

全身がすでに三桁近くにに達しているアームズを火の海から投げ出し、追いかけて外へ脱出する。

 

「炎熱耐性のおかげか?見立てではお前の体温は現在ほぼ100℃、水なら沸騰を始める状態だ、その弾込めに使った手はすでに100℃を超えているおそらく脳内麻薬もあるんだろうが、スキルの効果で今のお前はレベル4の最上からレベル5の下ぐらいになってるんじゃないか」

「え、え?マジですか!?」

「俺の見立てではな。まあ、皮膚の状態を見るに温度の高い場所が軽いやけどをする程度で済むだろう、このままならな」

「炎熱耐性ってすげー」

「いや、おそらく【縁の下の強化人間(ブーステッドマン)】による補正の助けもあってだろう、これ以上は耐性が追い付かないだろう」

「……なら早く片付けないとですね、ちょうどコイツは弾切れですし、次の新武器を……」

 

そういってバックパック(総鋼鉄製)から取り出したのは武骨な鉄塊、それに巨大ともいえる片手でギリギリ持てるサイズの筒を入れ、それを杭で押し込むとガチンと音を立てて固定された。

 

「浪漫武器その二」

 

ずいぶんと楽しそうな顔で己の体重を超えそうなそれを付けた腕を動かし、調子を見ている。

「確かに、ずいぶんと軽く感じます」

シュッシュとこぶしを突き出す動きはずいぶんと軽いものだ、重量物を腕につけているとは思い難い。

 

「準備ができたのならば早々に戦場へ戻って来てはくれないかね?」

カオスが一人奮闘し(喰い漁り)ながら声をかけてくる。

「げ、なんて地獄絵図」

アームズが戦場(食事風景)を見てそうつぶやくのも仕方がない。

カオスの体から牙を備えた鳥が飛び出し、弾丸のように犬に突き刺さり内部から食い破る、腕が大蛇になり食い千切る、足から伸びた闇が大口を開け、食らう。

どれもこれもZ指定間違いなしのひどい攻撃だ。

「えっと……あそこに入って行っても大丈夫でしょうか?」

「俺たちは大物を優先する、残り……六体か、ひとまず一体は任せたぞ」

「はい!!」

駆け出すアームズを見送り、俺も動き出す。

やることは単純、寄って殴るだけ。それで頭を砕き、胴を吹き飛ばしす。

あるいは手刀で首を、胴を切り落とし、手を刺し込み魔石を直接体から抜き出す。

 

そうすればあら不思議、あっと言う間に五体のオルトロスは灰に塵に……

「ドロップアイテムはなし、死体も残らぬとはな」

魔石を抜いたものはもちろん、頭をつぶしたものも魔石を残して消えていた。

魔石は……

 

「炎が中で揺らめいている様だな」

さて、アームズのほうはどうなったか

「団長殿、手が空いたのならば手伝ってはくれないか?」

カオスが助けを求めてくるが……全身から大量の獣を呼び出して殲滅を行っている。

数も、質もカオスの方が上だ、大丈夫そうだな。

アームズは……右手に鉄塊を、左手に剣をもって正面にオルトロス、周辺の犬を相手に大立ち回りを演じている。

犬は大半がカオスに食い散らかされているので数は少ないが、居ればオルトロスに集中している間に背を撃たれる。

それがわかっているのか、オルトロスの挙動に気を向けながらも最優先に犬をつぶして回っている。

右腕の鉄塊も相当丈夫に作られているようで、それで殴打するときもある。

犬の数がわずかになったところで攻勢に転じた、灼熱を宿すオルトロスの爪を溶かされながらも剣でいなし、避けて、右に見える頭による噛み付きを新しい剣を噛ませることでかろうじて防ぎ、右の首の根元に右の拳を叩きつける。

「…激ノォォォ……リットォォォォ!!!」

爆音、炸裂音、租借音に交じって轟音と共に遠くから叫び声が聞こえた。

アームズの右腕から放たれた杭はオルトロスの首の肉を大きく除けるように減り込み強大な衝撃をその身に打ち込んだ。衝撃は相当なものだったようで、踏ん張って打ち込んだはずのアームズも弾かれて駒の様に回転しながら数メートル後ろに吹き飛んだ。

しかし、アームズはそこで止まらない。

バックパックから新しいものを取り出し、鉄塊に再装填、周辺の犬を新しく取り出した剣で切り払い、再び瀕死の一つ頭になったオルトロスへ駆け出す。

「撃滅のぉぉぉセカンドブリットォォォ!!!!」

衝撃を逃がすのに必死だったオルトロスが動き出した、その瞬間にアームズが今度は左前足の肩に拳を叩きつけた。

先ほどよりも凄まじい音、まるで空気の壁がぶつかって来るような音だ。

オルトロスは左半身が見事に粉砕されて最早虫の息、しかし、それでも十二分に人を殺せる存在であることに変わりない。

残った頭が苦しそうにしながらも口内を輝かせる、ブレスだ。

先程の爪よりも魔力が練り上げられている。

うん?このまま倒したらアームズも魔力暴発で道連れになるんじゃねえか………

 

「滅殺のぉ……ラストブリットォォォォ」

最後に打ち込んだ杭は鉄ではなかった。

「消し飛べ!!」

反動で右が跳ね返される勢いそのままに左を打ち込み、そのままさらに回転、バックパックを肩から外し、盾として構える。

打ち込まれた杭が発光、そして爆発。

オルトロスの胴と頭から大爆発が起こり、周辺のモンスターと地形を骨や肉が削り取り、空気の壁が剥がす。

アームズが盾としたバックパックは総鉄製であるにも関わらず、七割以上が原型をとどめておらず、辛うじて背に付く緩衝材とそれに隣接する鉄板のみが歪みながらも無事なだけだ。

そしてその姿は300mは後ろに吹き飛び、地面を50mほど転がり何とか止まることができていた。しかし、無理をした……体中が体温を下げるために汗を出して即時蒸発して蒸気を上げている。

 

「なんということだ、()が58も巻き添えで消滅したぞ!!」

カオスが58殺されたらしい。

「なに、どうせ当たり障りのないレベルのものしか出していなかったのだろ?」

「地竜の口が巻き込まれた」

「おっとそれは……オルトロスじゃ補充にならんか」

「足りんな、あれは強い個体でもせいぜいレベル5程度だ、それよりも見ろ……拙いぞ」

 

先ほど大爆発が起きた場所、クレーターが盛り上がり、罅が入り始めた。

 

「この配置はまずいッ!!」

急ぎ、アームズを回収する。

「熱ッ!!貴様ッ!!熱過ぎるぞ!!」

「そういわれましても……はぁはぁはぁ……くそ……熱い…死ぬる……」

「早いお帰りだな」

「はは、おい、こいつ……体温が120あるぞ汗が即座に蒸発しているぞほら水だ、飲め、ついでにかけるぞ」

ドジュゥゥゥ!!!

「……おい、なんだこれは……」

「水の蒸発が凄いな……とても人体で起きる現象じゃない」

 

2ℓの水がかけ終わる時には服も乾き切っていた。

 

「そんなことよりもいよいよ出てくるぞ」

地面から俺の背丈はありそうなイヌ科の動物の脚が出てきてクレーターの縁をつかむように爪を食い込ませ、その姿を現した。

 

「クククッ、ハハ……ワハハハハハハ!!!!」

「え……」

「これはこれは……なんとも」

 

三つの頭、一つは目を閉じていたが、こちらを認識した時にゆっくりと目を開けた。

全ての頭が目を覚ましたケルベロス……コイツは……

 

「面白い!!隻眼の黒竜に逢った時と同様の圧力ッッッ!!!!アレと同レベルの化け物(モンスター)かッッッ!!」

「なに」

険しい顔でカオスが俺の言葉に反応する。

「つまり、あいつは……」

「レベル10、最低でもだ!!」

「まて、レベル10だと、モンスターのランクでか!!」

「そうだ、一般的な冒険者がレベル8~10でレイドを組んで漸く安全に倒せるそんな化け物だ」

「……お前の強さ測定に対する信憑性は折り紙付きだがな……要するにそれは討伐不可能だと言う事だろう!!!」

「案ずるな……俺は黒竜の爪、牙を既にへし折った経験がある」

視線はケルベロスから外さない。ヤツは寝ぼけた一つの頭の意識がはっきりとするのを待っているのだろう。だが、いつでも動き出せると言わんばかりに一定の距離を開けた状態でゆっくりとこちらを伺うように歩き始めた。

「………確か、レベル8の時だったか?気分転換と称し、世界をめぐる旅に出たのは」

「そうだ…む、どうしたアームズ」

「____我は継承せり、すべてを焼き尽す黒き鳥ィィィッッ!!!!】」

「な……」

「【恐いヤツは消してしまえばいい。オレにはそれができるらしいんで!】」

「おいバカやめろ!!」

「なに、どういうことだ」

「敗北フラグだ!!団長!!何とかなら」

ないかと繋がるはずだったのだろう、しかし、いつの間にかアームズの背には六つのチェーンソーが纏められた狂気が背負われ、動き出していた。

〔不明なユニットが接続されました〕

〔システムに深刻な障害が発生しています。直ちに使用を停止してください〕

「馬鹿な!!早すぎる!!」

前回のものと比べ、起動が早い

「離れるぞ此処は近すぎるッ!!」

空気が熱が伝えてきたので急ぎカオスをつかみ、退避する。

そのとき全体像を見ると、前回はあった推進器(ブースター)が無い。

どうやって動くというのだろうか……

そんなことを考えると、アームズが動き出した。

一歩二歩と歩き出し徐々に早く、そして走り始める。

広げたままのチェーンソウを地面に擦らせその刃が赤熱するほどの回転数で加速、あっと言う間にケルベロスまでの距離を詰める。

むろん、ケルベロスからの接近もある。初期位置の中心でぶつかるそんな速さだ。

「なに!?ブースター無しだと無茶苦茶な!!」

「……キャラが崩れているぞカオス」

「無茶を言うな、そんな余裕があるか!!」

アームズの武器が広げた状況から円柱を作るように纏まり、さらに全体が高速回転を始めた。

魔力(エネルギー)が漏れているのか、摩擦のせいなのか電気の様なモノも纏いながらより一層回転数を跳ね上げた。すでに陽炎で刀身は歪んで見える。

「凄まじいな……」

「生物系のモンスターならアレを耐えることなど……」

「否」

真直ぐに突き出されたミキサーよりも酷い挽肉製造機がケルベロスとぶつかる。

ギャガガガガガガガ!!!!!!

けたたましい音を立てながらケルベロスの爪と牙でその前進は止められた。

しかし、未だ狂気を感じさせるそれは動きを止めず、そのままケルベロスの爪と牙(武器)を砕こうと回り続ける。

ケルベロスも回転を止めるまではいかないのか、解らない程だが細かく弾かれつつ抑え込もうとさらなる力を籠める。

「な、止めた、いや…止まった?」

「推力の問題だな、推進器が在れば倒せはせずとも轢くことは出来ただろう。なんにせよ力不足だ、やられる前に手を出すが、戦える間はやらせよう」

「いや、しかし………」

「俺にも準備がある、解れ」

魔法を使えない代わりに持っている力の準備を始める。

気力、魔力の代わりに存在する俺のステイタス。

スキルの【気力解放】【気の掌握】をより活性化させるための呼吸をしながら、気を全身に巡らせてさらに練り上げる。

本来戦闘をしつつ行うそれを丁寧に行い、十分に、十二分にッッッ!!!!

 

 

 

「まだか、勇次郎!!そろそろヤバいぞ」

カオスの声に目を開けると、回転速度が落ち、更に押し込まれ始めているアームズの姿が見て取れた。

「見ていたが本気にアレはヤバい!!グラインドブレードで爪も牙も欠けていないなんてどんな強度だ!!」

「物理的な強度と魔力による強化だな、ここまで時間を稼げただけで在り得ないトンでもオーバースペックだな、あの武器は」

レベル2がレベル10とぶつかって一瞬でも拮抗できる時点でそれは度が過ぎた異常(イレギュラー)だ。

だが、お陰で勝つ算段は付いた。

二人、足手まといが居て更に此処はダンジョンの中(せまい)、遊びたいところだが……眼前の敵を倒す、団員を守る、両方共を同時にこなさなければいけないのが団長で在り、最強である俺のつらいところだな(満面の笑み)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この後、無茶苦茶喰らった。byオーガ

 

この後、全力で蘇生した。byカオス

 




ただのカズマのは
衝撃のファースト・ブリット
撃滅のセカンド・ブリット
抹殺のラスト・ブリット
ストレイト・クーガーのは
衝撃のファースト・ブリット
壊滅のセカンド・ブリット
瞬殺のファイナル・ブリット

アームズはカズマからとっているが、抹殺じゃなくて滅殺になっている。
理由は魔石パイルで爆散させるから……ではなく単純に記憶違い。
しりとりみたいに覚えていた結果です。



さーて、これでレベルが3になったアームズ・F・Oくん
原作開始時にはレベル5か6にはなっててもらおうと思っていたりします。


そして未だわからない第二の魔法。
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