PSYCHO-PASS/悪意の代償   作:フィルト

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最近、日常の中で色々と忙しくなってきました。夜更かし癖がある私でも夜更かしが出来なくなるほどです...。そうですね...午前二時くらいになったら相当眠くなってくる感じですね(笑)。まあ、そんな感じで時間の合間を見つけて小説書いてます。なので、この小説を読んで楽しんで頂けたら幸いです。
でわでわ、堅苦しい挨拶は止めて。ゆっくり見ていってね!

(誤字脱字あったらすいません!)


#3 過去の産物

午前十時を過ぎたところ、桜木は局長執務室へ呼び出されている為、部屋に残されたのは執行官だけの刑事課一係のオフィスにて、清宮程ではないが、美しい女性が俯いて座っていた。

 

浪河 雷花、執行官だ。

 

長い間付き合いがあれば気づかない、否、忘れていると言った方が正しい。

浪河 雷花は結構綺麗だ。清潔とかでは無く姿が。

 

例えてみるなら母親。結婚をして子供を産んでいるという事はその容姿に見惚れた人がいるのだろう。まあ、シビュラ判定によって決められたという事もあるが、それでも相性が合うという事は『惚れた』という事だろう。しかし、産まれてきた子供にはその美しいさが分からない。分かる人がいるとしてもここでそれは例外としよう。その美しさが分からないのは『家族』だからではない、付き合ってきた時間が長いからだ。だが、その美しさが分からなくなるほどその人とは絆があるのではないだろうか。結論を言えばその絆を一係は持っている。という事だ。

 

しかし現状、その絆をもってしても浪河は変われないのだ。

 

道咲が浪河に近寄る。桐ヶ谷が「諦めろ」と言わんばかりのアイコンタクトを送ってくるが、道咲は桐ヶ谷に対してウィンクをするだけだ。

 

浪河のデスクまで数秒、道咲は昨日の事件の事から思い出し、話す内容を決めている途中、不意にオフィスの扉が開く。

 

「よぉ〜。お疲れさ〜ん!」

 

見た目、いい歳したオッサン。しかし、気を引き締めるために着ているスーツはその男の存在をより際立たせる。

 

「おっさん」と道咲。

 

その男は「はははっ!」と笑った後、付け足した。

 

「全く。いつになったら分かるんだ道咲く〜ん。俺の事は“三係のお兄さん”と呼んでくれたまえ」

 

道咲は「その歳になってお兄さんとか自分で言うか?」と疑問を持ったが口には出さないでおいた。

 

彼の名は、早瀬 鳴臣(はやせ なるおみ)刑事課三係の監視官である。

早瀬はこう見えて頼り甲斐のある人物で、言うなれば父親みたいな存在だ。

 

そんな早瀬は浪河の落ち込み具合を見ると、すぐさま浪河に近寄る。

 

「雷花ちゃん。どうかしたか?」

 

道咲は「う〜ん」と唸ってから、早瀬をオフィスの外、廊下へ連れ出す。

 

「お?どうした?」と早瀬。

 

道咲は頭を掻くと、廊下を通る他の職員に聞かれない様、声を抑えながら言う。

 

「おっさん。浪河のやつ、三年前の事件のトラウマが蘇っちまったみたいで...。俺が話しても何も返してくれないんだよ...。ちょっと放っといておかないか?俺が大切な物は命に代えても守るって知ってるだろ?だから、浪河の為にも俺が代わりにできることがあったら...」

 

早瀬は一つため息をつくと、「まあ、ちょいと行ってくるわ」と言い残すと、道咲の言葉は何のやら、呼び止める声を無視しつつ、一係のオフィスに入っていく。

浪河のデスクまで数歩、浪河の横で止まる。そして、早瀬は道咲の言葉を思い出しつつ、優しめの口調で話す。

 

「なあ、雷花ちゃん。少しは気をしっかりしろよ。まあ、あの事件後に来た俺が言うのもなんだが、何でもかんでも恐れていたら殺された仲間に合わせる面がねぇだろ。あいつ、金城っていうんだよな。監視官と執行官の関係は分かってるけど、手を貸してやるよ。上下関係なんて気にしなくていいから、俺と一係の奴らにもっと頼ってくれ」

 

早瀬の言葉が胸に来たのか、それとも今まで溜めてきた悲しみか、浪河は椅子に座りながら手で顔を覆い、泣き崩れた。

 

そして、それから二時間後。浪河は立ち直っていた。これから起こる出来事、そして過去の出来事、そして金城への復讐心を胸に、今日の業務を全うする。

 

ーーーーーーーーーー

 

「桐ヶ谷...彼の名前を聞くとあの頃を思い出すよ...」

 

金城は呟くように吐くと、美しくも闇に似た黒髪がなびく。

 

ここは廃棄区画の地下。鉄骨が露出するビルの地下を利用しているが、室内ホログラム並びに、立体ホログラムを使用することによって、その一室はまるで高級感漂うホテルのようになっている。

 

金城は携帯情報端末が映し出す、立体ホログラム内の人物と通話している。そのホログラムに写るのは二十代半ばの男性。茶髪のロングヘアだが、後頭部辺りで一つに結んでいる。

その男は金城に向かって丁寧に話す。

 

「あの、『悪意の代償事件』の事ですか?」

 

その問いに金城は疑問の顔をしてから薄っすらと微笑む。

 

「ん?ああ、違う違う。それよりもっと過去の話だ。僕が子供の頃の話。彼女から桐ヶ谷と言われるまで気づかなかったなぁ。やっぱり、子供時代と大人時代では、顔つきも雰囲気も違うもんね」

 

金城はテーブルに置いてあるコーヒーカップを手に取ると、一口飲む。そしてそれを優しくテーブルへ戻すと、近くのソファにもたれかかる。

通話越しの男は少し気まずそうな顔をすると、金城に問う。

 

「例の件ですが...」

 

金城はそんな男の顔を見ると、いつも通り微笑みながら言う。

 

「ああ、それなら今から一時間後に起動してくれればいい。その際、君は公安局の数人を巻き込めばいい。ただでさえ人員の少ない公安局だ。たった数人消しただけで、捜査は厳しくなるだろう。できる?気翔君」

 

その聞き入る声が終わると、その男、気翔 隼人(きしょう はやと)は「もちろんです」と一言言うと、通話を終了した。

 

設置してあるスピーカーから流れるクラシック音楽を聴きながら、金城は一人呟いた。

 

「あの時の過去が今のようだ...。桐ヶ谷君。君は来てくれるかな?」

 

ーーーーーーーーーー

 

千代田区にそびえ立つ環境ホログラムを纏った高層ショッピングモール。それはセントモールと呼ばれる建物で、この店さえあれば大体の食料が手に入る為、年間の来客者数は他の店を圧倒する。

そんなセントモール内部、七階の電気店内の室内ホログラムの裏に手動式解体用爆弾を仕掛ける男がいる。気翔だ。この道までの街頭スキャナは金城の仲間である女のハッキングによって、気翔のサイコパスを正常のまま辿り着かせた。

 

虫も殺せない善良な市民が行き交うモール内。シビュラシステムができてから、市民達は皆善良である。否、善良であると思っている。思いたい。

 

気翔は爆弾を設置し終えると、他に持っていた手榴弾を体に巻きつけ、解体用爆弾の起爆スイッチを右手に持ち、手榴弾のピン全てに通した紐を左手に持つ。

気翔はそのまま立ち上がると、その場で声を荒げる。

 

「おい!お前ら!!動くな!地面に伏せろ!言う事を聞かないと起爆させる!!」

 

周りは善良な市民。こんな滅多にない恐怖の“レアケース”を目にした市民は悲鳴を上げながら気翔の言葉に従う。従うしかないのだ。今まで生きてきて自分の命に関わる出来事に巻き込まれた事がないのだから。

そしてその恐怖とともに、ストレスも比例して上昇していく。

 

ーーーーーーーーーー

 

『エリアストレス上昇警報。千代田区大手町セントモール内にて、規定値超過サイコパスを計測。当直監視官は執行官を伴い、直ちに現場へ急行してください』

 

公安局内の放送が職員に異常事態を知らせる。

 

二係、三係は共に別の事件の捜査に出ている為、残された一係が担当となる。

警察車両が並ぶ地下駐車場にて、運搬ドローンからドミネーターを抜いた浪河は桜木に向かって言う。

 

「桜木さん。行きましょう。一刻も早く」

 

その眼には復讐心を宿しているようにも見えた。

道咲はそんな浪河を尊敬の意味を込めて一つ鼻で笑う。桐ヶ谷はドミネーターをホルスターへ入れた後、浪河を横目にパトカーへ乗り込む。

桜木は感心したように言う。

 

「私が局長と話してる時、何かあったのね」

 

道咲がパトカーへ乗り込み、桜木と浪河も続き、パトカーへ乗り込む。

桜木がパトカーをオートドライブに設定した時、浪河は桜木に向かって言った。

 

「私は...道咲が大切な物は命に代えても守るって決めてるように、私は過去の事も未来の事も、真実からは目を逸らさないって...決めましたから」

 

まだ明るい都会の中、一つのパトカーが現場へ急行する。




どうでしたでしょうか?この小説に関して、こうした方が良いとか、ここが良いとかあったら是非教えてください!
作者のガラスのハートを砕かない程度で...。
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