やはり俺に彼女が出来るまでの道のりはまちがっている。   作:mochipurin

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UA20000いってました!ありがとうございますありがとうございます......!

どうも草プリンです。目を一瞬だけ閉じただけなのに、気づいたら朝になってました。やっと眠気が取り戻せた......?(そういうことじゃない)

あと、最近知人に、
「お前のSS読んだけど、あれって弓道部にしかわかんねんじゃねーの?」
と言われました。対する私の回答は

「じゃあみんな弓道部になればいい」

全人類弓道部化計画...開始!

(※ただし作者はマネージャーの模様)

では7話です。どうぞ!



7. 彼は彼女と下準備にかかる

「高い......高すぎるッ!!俺はもうだめだ!」

「や、あの」

「いいから行け!」

「うるさい」

「あで」

的前の手刀が後頭部に突き刺さる。

「あのねー比企谷くん。だから袴とゆがけ(矢を射る際、右手につける皮製の手袋のようなもの)、あと矢は、うちの道場のお古をあげるって言ってるでしょ?比企谷くんは弦と足袋さえ買ってくれればいいんだって」

「や、最初は俺もそのお言葉に甘えようと思っていたんだが、この陳列されている弓道具のお値段を見るとさすがに......」

一番安いのですら、全部揃えようとしたら最新ゲームハード買えてお釣りがくるとか誰が思うの?それをタダでもらうっていうんだから誰だって遠慮するだろ。

「んーじゃあもう廃棄なのかなぁ......捨てられるらしかったから、ぜひ比企谷くんに引き取ってもらいたっかったんだけど......」

「あ、捨てるんなら心置きなく頂戴致します」

「そう言うと思ったよ、現金さんだねぇ......あ、単純に誰も使わなくて邪魔になっただけであって、別に汚いからとかそんな理由じゃないからそこんとこは安心してね」

「やっぱタダよりいい買い物はないよな」

うんそうだねー矢までもらうんだもん。ならちゃんと射場に上がって射てるようになるまでは弓道してもらわないとね、最低一ヶ月はかかるだろうけど頑張ろうね」

「え"......」

は、ハメられた?!

「ちょ、的前さん、来週から夏休み......」

「お古とは言え矢までもらうんだもん。もちろん射てるまで頑張るよね?」

アカン、このままやと俺の至高の夏休みが弓道に奪われる......!

「そ、そうだ!的前がさっさと早気を治して依頼を達成すれば、弓道をしなくて済むんじゃ−」

「却下♪」

ああ......

「タダより恐ろしい買い物はないとはまさにこのことか......もう絶対にうまい話と的前は信じない」

「いいじゃんいいじゃん。弓道してる時の比企谷くん、少なくとも学校でいる時よりは目が生き生きしてるよ?楽しいでしょ?弓道」

「うぐ、まあ最近はちょっとだけ楽しいと思うようになってはきたが......」

「でしょー?弓道楽しいもん。もういっそ体験入部なんて止めて弓道部に正式に入ってくれてもいいんだよ?」

「さすがにそれはちょっと、な。奉仕部から許可という名の追放受けてるつっても、ずっと放置し続けられねえし。そもそもだ」

やっぱり依頼もこのままってのは、さすがに良くないよな。

「そもそも?」

ちょっと踏み込んでみるか。

「的前が早気を治してからじゃないと、俺は弓道部にはテコでも入らねえ」

「う......そこでそのネタを持ち込むのは反則だよ......よし、もうここでこれ以上お喋りしてもお店の邪魔になるだけだし、弦と足袋買って帰ろっか」

やっぱりか、今の話の逸らし具合からして、ふむ、タイミングもいいしここいらでいっちょ聞いておくか。

「なあ的前、隠すのはもうやめよう」

「えっ......何を、かな?」

あーこりゃ黒だな。

「......お前、早気酷くなってるよな?」

「......比企谷くん、一回買うもの買ってからお店でよっか」

「あいよ」

俺たちは店を後にした。

 

✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎

 

弓道具店から出たすぐの公園のベンチに二人で腰掛る。公園内に遊具などがあるが、すでに6時を回っているため、子供の影はなく、恐らく俺と的前しかいないだろう。的前の真剣な表情からして、このぐらい静かな空間の方がちょうどいい。

「んーどこから話せばいいのかな......」

「できれば少し前に、的前が弓道をしたくないって言った理由から頼む。なんだかんだいってあれもうやむやになってたからな」

「ん、わかった」

 

そこから的前は早気になったであろう原因、その経緯を事細かに話してくれた。

要約するとこうだ。同じ門下生の男が、的前の射形、主に大三から引分けにかけてに突っかかってきた末、口論になったそうだ。段位は両者ともに変わらないのだが相手は歳上、それにも限らず一歩も引かず激しい言い合いが続いたらしい。どうやら的前がそこまで奮いたたせる理由があるらしいが、そこははぐらかされてしまった。

口論は他の門下生によって止められたらしいが、的前とその男は厳重注意を受け、両者、もう一度同じような問題を起こせば、娘だろうがなんだろうが関係無しに、破門されれしまうんだそうだ。これが的前が早気になった原因、そしてこの出来事が起こったのが、総体終了した次の日、つまり奉仕部に依頼してきた前日、ということになる。

 

感想

普通、早気ってこんな理由でなるものなんですか?

 

「なんていうか、あれだな。的前が結構すごいやつだってわかったわ」

「......私なんてすごくないよ、むしろすごいのは比企谷くんじゃない?弓道初めて一週間足らずで、弓道部員に危機感与えるとか、なかなかできることじゃないよ」

「いや、俺なら口論に持ちこむ前に折れて負けてるからな」

「え、そこ......?」

そこ?ってなんだよ。普通?歳上相手に口論まで持っていける?歳上の男に女の子が立ち向かう図は漫画で十分です。

「じゃあ次は早気になった理由かな。これはすごい単純、ただただ部活が始まって、練習を再開したからだと思う。私は部長なんだから、みんなを引っ張っていかなきゃないんだぞーって、頑張れば頑張るほど早気が酷くなっちゃって......」

的前の頰から一筋の涙が溢れる。

「ごめんね、原因は私事からきたことなのに、こんな依頼につき合わせちゃって......ん」

ぽんぽんと頭を撫でてやる。悪いな、こんな状況で出来るとしたら、兄スキルしか発動できねえんだわ。

「帰るぞ」

「......うん」

返事はしたものの、立ち上がらない的前。

「どうかしたか?」

「んーん、なーんでもないよっ!」

「うお、なんで急にそんな元気になんだよ。びっくりするだろ」

「気にしなーい気にしなーい。さ、帰ろ!」

「お、おう」

女とはよくわからない生き物である。

 

✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎

 

「あれ?小町ちゃんだ」

「あっ、的前さんとお兄ちゃんじゃん。奇遇だね〜いま帰り?」

「うん、弓道具買ってきたその帰り。小町ちゃんもまたコンビニ帰りかな?」

「そうなんですよー、やっぱり夏はアイスじゃないと締められませんよねー......ん?弓道具を買ってきた、つまり街に行ったてこと?!デート、デートだよね?このこの〜お兄ちゃんもこんな可愛い人とデートに行くなんてすみに置けないな〜」

「か、かわっ......」

「はぁ......あのな小町、俺とデートとかなんの罰ゲームだよ。的前に失礼だろ、謝りなさい」

あと、お前が奇遇を装って待ち伏せしてたのもバレバレだからな。コンビニ帰りとか言ってるけど、どう考えも歩いてきた方向が真逆。

「どう考えてもお兄ちゃんの方が失礼だと思うな。さすがにそこまでとはひどいとは......失望したよ」

「ほんとだよ、失礼しちゃう」

「いやなんでだ」

「まあこんなごみいちゃんは放っておいて、的前さん」

「ん、何かな?小町ちゃん」

「今日晩御飯を つ い 作りすぎちゃったんですけど、よかったらご一緒にどうですか?」

「確かに両親も妹も今日は、道場に隣接してる宿場に泊まっていくらしいから、こっちとしては実に魅了的なご提案なんだけど、いいの?」

「はい!こっちもいろんな話聞きたいですし、このけちいちゃん、全く弓道の話してくれないんですよ」

「じゃ、じゃあお邪魔させてもらおうかな」

いや、なんでそこで俺を微妙に上目遣いで見てくるんだよ。反則だろそれ。

「まあ飯くらいならいいんじゃないか?」

「お、別に求めてはなかったけど、お兄ちゃんの同意も得られたらし、家にレッツゴー!」

どちらにせよこうなってたってことなのね、知ってた。

「な、なんだかごめんね。お邪魔することになっちゃって」

「いや、的前は悪くねえよ」

「全面的に小町の策略が悪いから」

「あ、あはは......」

さて小町は待ち伏せしてまで的前を家に招き、何をするつもりなんだろうか。

 

 

 

絶対ろくなことじゃねないよな......

 

 

 

 

 

 

 

 




いかがでしたでしょうか。家に的前ちゃんを招き入れた小町の策謀とは...?!
飯ですね、知ってます。

さあ、今日は金曜日、つまり週末なわけですが、果たして作者は投稿できるのか?!


多分できません。許してください。

ではまた次回!

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