七剣士物語 -Seven SworD storieS- 作:重箱
茶屋を後にした男は江戸に向け歩き出していた。
「えぇっと、今の位置はここら辺だから…」
男は地図を片手に道を確認していた。
というのもこの男は生まれてこの方自分の住む村からあまり出たことが無く、出掛ける事と言えば近くの森へ薪割りをしに行くか、
知り合いの家に行くぐらいである。
「うん、多分こっちだな。」
そう言って方角を決めた、実の所いままでこの形で道を決めて
きていたが、偶然にも江戸に向かっていたのだった。
道を確認しながら歩いていると、前の方から女性声が
聞こえた。
「きゃー、やめて下さいー」
「いいじゃあねぇかよ嬢ちゃん」
「そうそう、お兄さん達といいことしようぜぇ、
ふへへへ」
あからさまにな悪漢が町娘を襲っている所だった。
悪漢の方も巨体が1人と小男が2人という男達が某世紀末のような格好で正にthe悪漢であった。
しかし武士の男は違う所に目が向かった。
(あからさまに怪しい... と言うか何故町娘が棒読みなんだ...)
そう、襲われているはずの町娘が
(なんかコイツらに関わると
やな事が起きそうだなぁ。)
そう考えていると
「おい、あんちゃん!なぁにこっちみてんだぁよ。」
悪漢の小男に絡まれてしまった。
「こちとら見せもんじゃあねぇんだぞ!!」
続けて2人目の小男にも見つかってしまった。
「いやぁ、別にただそこの女の着物が
ちょいと珍しい柄だったもんで。」
その言葉に娘はピクッと反応した。
そして悪漢の手を振りほどき
こちらに抱き着いて来てこう言った。
「お願いします。お侍様、あの男達に
付きまとわれているのです。
どうかお助けてください。」
そう言って武士の男を盾してに隠れた。
「おいおまえ!その女の味方すんのかぁ!
少しばかり図体がでけぇからって
調子に乗ってんじゃねぇ!!」
そう言って巨漢の男が武士の前に出てきた。
「いやいや、味方するなんて俺いってねーわ、
こっちは巻き込まれたんだ!」
そう言ってなだめるが巨漢は聞く耳を持たない。
「そういう事なら考えがある、お前ら
「「へい!」」
小男達が返事をすると茂みから武器を持ってきた。
そして巨漢がその武器を持つとこう言ってきた。
「おい!俺と勝負しろ買ったらその女を自由に
する。しかし負けたら有り金とその腰に
付けてる刀を置いて行きな。」
武士は
ため息混じりに返事をした。
「ふぅ… わかったよ。してやるよ勝負、
そんでそれがあんたの(剣)かい?」
「おうともよ、こいつは確か南蛮の
武器だったかで、たしか名前が
もぉにんぐすたぁだったっけなぁ。」
その武器は棒の先端の金属の球体に刺がついていて
棒の長さはだいたい斧の持ち手ぐらいの
長さぐらいある武器だった。
「さぁ、始めようぜ!どちらかが先に参ったしたら
負けってことでいいか。」
巨漢が急かすように言う。
「了解それで良い。嬢ちゃんちょっと
下がっててくれ」と女を遠ざけると
武士が刀に手を置き構える。
そして男が勢いよく抜いた刀の先には刀の刀身
ではなく赤と黄色の小槌だった。
その場にいた武士以外の全員の思考が停止した。
すこしして女が武士に問いかけた。
「あの・・・それは一体なんです?それにどうやって
あの細い鞘から出したんですか?」
「何ってそりゃピコハンだろ」
武士の男が平然と言った。
その小槌は昨今の喜劇番組にも出てくる
叩くとピコっという音のなる道具
通称ピコハンことピコピコハンマーであった。
すると巨漢の男が大声で笑ったあと指を指してきて
「おい、お侍さんよぉそんなふざけた武器で
俺に勝とうってのかい」
「別にふざけてないさ、こんな武器でもあんたに
勝てるってことだよ。」
「んだとぉ、ふざけんじゃねぇぇ!!」
武士の言葉に挑発されたのかその手に持つ
武器を振りまわしながらこちらに向かってきた。
「死ねぇ!!」
巨漢が武器を振り下ろす
「きゃあ!」女が短い悲鳴を上げる
その瞬間武士が相手の懐に武器を避けつつ
身を捻り、そして捻った体の回転を使って
巨漢の身にハンマーを打ち込んだ。
女がピコっという音がした後閉じた目を見開くと
そこには刀をしまう武士と2、3m先
で気絶したまま倒れている巨漢と
そこにかけよる小男達の姿があった