備考
・二次創作(IS
・百合
・ゲス
・変態
・お漏らし
ホラー映画を借りてきた。
別に他意は無い。ただ見たかった、というのが建前である。
ホラー映画が好きという人種には二種類いる。純粋にホラーというジャンルが好きなヤツ。そしてホラー映画を見て驚いている人を見て楽しむヤツ。
後者はゲスだの何だのと言われるのだが、自分は後者に当たる。間違いなく、後者だ。つまり、自分はコレに限ってはゲスと呼ばれようと「ああ、そうだ」と言ってのける自負がある。
別にホラーというジャンルが嫌いな訳ではない。もちろん、好きだ。和ホラーも、洋ホラーも好きだ。ゾンビも好きだし、チープなお化けモノも好きだ。
他のジャンルもそこそこに好きだし、一番と言われるとパニック系の映画が好きだったりするが……まあソレは前述してる事で想像してくれるとありがたい。驚いている人を見るのも好きなのだ。
ともかくとして、自分はこのホラー好きという好みを人にそれほど吹聴していない。何故か、と言われれば困るのだが……。人を釣り上げるのには適さないのだ。
やれ、人を驚かせて喜ぶ人間だとか。
やれ、人を怖がらせて愉悦に浸る人間だとか。
自分はそんな趣味……ではあるが、決してソレを好んでしていないのだ。怖がらせたい訳ではなくて怖がっている姿を見たい。ん? だから怖がらせているのか。まあどうでもいい。
さて、そんな善人の皮を被っている事を自覚している自分の目の前には同じクラスのラウラ・ボーデヴィッヒさんがいる。
左目に眼帯をした、銀色の髪の可愛い女の子だ。少しばかり性格がキツめなのも実に自分の好みだと言える。慎ましやかな胸も、透き通りそうな白い肌も、実に、素晴らしい。
変態? 何を言うか。先ほども言ったように自分はホラーに関してのみゲスの類だ。他は極々普通な善人なのだ。
「ゴメンね、ラウラちゃん。急な頼み事で」
「ふん……まあ他ならぬお前の頼みだ。あとちゃん付けするな」
「うふふ、ゴメンね」
善人らしく微笑みを浮かべて彼女の隣へと座る。
ホラー映画を借りてきたのには他意はない。見たいから、なんて建前だ。
ただラウラちゃんを怖がらせたい一心なのだ。自分は悪い。だから謝っているのだ。だからもう悪くない。あとは怖がらせるだけである。
ラウラちゃんとの関係は別に大したことはない。ホラーに関してはゲスな考えを持っているだけであって自分は極々普通に善人なのだ。人がいい、と言っても問題はない。
専用機も持っていないけれど、ISに関してはそれなりに知識は保有しているので技術屋として一目置かれている存在にはなっている。
何故ISの知識をそれほどに保有しているか? そんなの可愛い女の子を自分の領域に連れ込む為に決っている。何度も言う様に自分はコレに関してはゲスの類だ。
ともかく、頼み事というのはなんてことはない。
――ホラー映画を見たいのだけれど一人だと怖いので、一緒に見よう。
そう言っただけである。何度も言うように嘘は言っていない。ホラーは怖いモノだ。
ラウラちゃんはキョトンとしていたけれど、善人たる私の頼みに二つ返事で了承を伝えてくれた。――釣れた、と感じて悪い笑みを浮かべそうになったが我慢した自分は実にゲスだ。
「それで、そのホラー映画は何だ?」
「えーっと、コレなんだけど……」
取り出したのは極々普通の――とは言うけれど一般的には普通ではないのだろう。まあ自分達の世界では普通な和ホラーの映画だ。
洋ホラーの様に驚愕で恐怖を伝えるよりも、個人的には和ホラーの様にじわじわと這いよる恐怖で怖がらせたい。怖がってるのを見たい。
都合のいい事に、というよりはISの知識量で天災様に比肩しそうな自分はどうやら優遇されている様で一人部屋なのだ。頑張ったかいがあったというものである。
そんな一人部屋で、少し大きめのテレビを点ける。借りてきたデータを読み込ませながら、照明を暗くしていく。
「ん? 何故暗くする?」
「え? ホラーを見る時は暗くしないといけないんだよ?」
「そうなのか? ……まあお前が言うならそうなんだろう」
ゴメンね、ラウラちゃん。別に明るくてもいいんだけど、欲求の為だから。
ちゃんと彼女の隣に座って、手を掴む。ラウラちゃんはコチラを見たけれど、自分は既に画面に視線を向けている。そもそも誘った理由が『怖いから』なのだから、怖さを紛らわせる為に手を握ったのだ。建前上。
ホントはラウラちゃんを逃がさない為だ。ゴメンね、ラウラちゃん。善人だけど、ゲスでゴメンね。直すつもりはないけど。
ああ、可愛い。なんてラウラちゃんは可愛いのだろうか。
始まった頃はチラチラとコチラを見ていたけれど、その内映画に集中するようになり、驚く場面でちゃんと驚いてくれる。
その驚きようと言えば、もう、筆舌し難い程に愛らしかった。「ひぅ」と、可愛い声を出しながら背筋を伸ばすのだ。普段の強気な様子からはまったく考えれない。実に、実に素晴らしい。ああ、可愛いよラウラちゃん可愛いよ。
一頻り、満足して、映画も終わり立ち上がって電気を点けようとすれば僅かな抵抗を感じる。暗闇に慣れた目で確認すれば袖先を摘んでコチラを見上げているラウラちゃんの顔が映った。
不安そうに眉尻を下げて目を潤ませているラウラちゃんはハッとして袖先を離して、両手を組んだ。可愛いなぁ。
「どうしたの?」
「別に! なんでもないぞ!」
なら大丈夫だよね。うん。
エンドロールのあとに驚く様な箇所があったような気がするけど、大丈夫だよね。
彼女から離れて、暗闇に潜む。画面を注視していたラウラちゃんはコチラが見えない様で、エンドロールが終わり、エピローグが始まる。罠である。
――ああ、ラウラちゃんが可愛い。怖がって、驚いてるラウラちゃんが可愛い。
熱っぽい吐息を飲み込んで、どうにかいつもの様に善人らしい仮面を被る。しっかりと被ってから、電気を点ける。
「あ、あ……」
「あら……」
力なく座り込み、顔を赤らめて顔を弛緩しているラウラちゃん。どうやら怖がらせすぎたらしい。
ブルリと震えて、更に顔を真っ赤にする。思わずニッコリしてしまった自分を誰が責めようか。
彼女を抱きしめて、頭を撫でる。自分の胸にすっぽりと収まるラウラちゃんを撫でているのには理由もある。いや、確かに彼女が可愛すぎたからという理由もあるのだけれど。
自分の顔がとても人様に見せれる様な表情でないのだ。きっと愉悦に浸って、蕩けた表情になってしまっているのだろう。
汚れた彼女を洗って――ああ、一緒にシャワーを浴びたのには理由がある。映画のシーンでシャワールームがあったのだ。そんな事でハイパーセンサーを起動させる訳にもいかず、結果的に――予定通りに一緒にシャワーを浴びたのだ。
彼女の身体を余すこと無く手で洗い、用意していたフワフワなタオルで拭いて、髪を乾かす。
一々物音でビクビクする彼女が可愛すぎて抱きしめたい気持ちでいっぱいだったけれど、我慢をする。なんたって自分は善人なのだから、変態ではない。
少し大きめのYシャツを着せて、今日はこの部屋に泊まる事を提案する。当然、下着も乾かさなくてはいけないし。
「ほら、私も怖いから、ね?」
「ふ、フッ。まあお前が怖いのなら仕方ない。お前が怖いからだぞ!」
「ありがとう、ラウラちゃん」
タッハー、可愛いなぁ!
一人部屋の都合上、一つしか無いベッドで少しだけ離れて横になる。電気も消して、部屋はまた暗闇に染まる。
少ししてからモゾモゾと彼女が動き、コチラに寄ってくる。
「どうしたの?」
「……お、お前が怖がっていると思ってな」
声が震えてるよラウラちゃん。言わないけどね。
元々準備していた物音を出せば、「ひぅっ」と小さく鳴いてコチラを強く抱きしめてくるラウラちゃん。
頭の中の天使と悪魔が囁き合う。
抱きしめようぜ? 抱きしめるしかないだろ。
なんだこの天使と悪魔。ドチラも自分だから仕方ないか。
天使さまの言う通りにラウラちゃんを抱きしめる。非常に暖かい。
次はどんなホラーを見せようかな。楽しみは尽きそうに無い。
>>主人公(善人ゲス)の設定
基本的には善人の百合女。前述しているとおりにホラーで怖がる"女の子"が好きなゲスで変態。
基礎スペックは高い。天災様に認められる程度には高い。でも目的の為の手段でしかない。
同じく技術屋である本音とは違いしっかり者の善人。中身はゲス。
身体の魅力スペックも高く、穏やかな表情の似合うお姉さん、というのが彼女。そういう雰囲気の方が釣りやすい、というのも彼女。