ゲーム小説 幻想水滸伝Ⅱ   作:月影57令

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プロローグ 三年後

 トラン共和国の大統領に就任しない。その意思を発表した時、周囲の人間には驚かれた。だけど僕の意思は固かった。表向きの理由は、色々上げたりした。言い訳のようなことを。もっともらしい理由を。だが本当の理由は違う。旧赤月帝国の外敵で、現在も領土争いによって敵国のような状態になっている、ジョウストン都市同盟。その場所でこれから戦乱が起こる。それを知っているから、死んでしまう人達を知っているから行動を起こしたい。それが本当の理由だ。大統領になんてなったら戦争に参加できないからね。それにもう一つ、理由みたいなものもある。

 

 原作、僕の知識だと戦乱にはフリックも参加するのだ。しかし……この世界におけるフリックは、恋人であるオデッサさんが死ななかったので、戦士の村に戻って幸せな結婚生活を送っているのだ。故に、僕がフリックの代わりを務めないと原作通りにならない可能性がある。……まあ原作通りにならなくても、都市同盟側が勝たなくても問題ないっちゃないんだけどね。ジョウイ・アトレイドと彼が治めるハイランド王国が戦乱を制して統一国家を作ってもそれはそれで善政を敷いてくれると思うし。でもなぁ……僕の知識では民間人が多数虐殺の憂き目に遭うのだ。それはできれば何とかしたいよ。

 

 そう思うので、トラン解放戦争が終わり、新体制を作る際に大統領にはならないと宣言した。とりあえず、ここまで戦いまた戦いの日々だったので、しばらくは休みたい。それから都市同盟に行っても間に合うだろう。……あの少年兵部隊は助けられないけど。どうやっても救えない人はいる、か。僕の手は全てを救えるほど大きくない。それはわかっている。わかっているつもりだ。だけど――。

 

 

     §

 

 

 いつも、俺のそばには君がいた。楽しい時、苦しい時、嬉しい時も、悲しい時も、出会ったあの日から、ずっとそばにいたんだ。俺達は共に笑い、共に泣き、共に喜びを分かち合い、共に同じ道を歩んできた。思いが、いつだって共にあったから。

 

 そして、長い月日が流れた今だって、俺と君は共にいる。俺達の思いはいつだって共にある。だから――。

 

 

     §

 

 

 ――27の真の紋章・生まれいずる――

 

 最初に『闇』があった。『闇』は長い、長い時の狭間に生きていた。『闇』はあまりに長い間寂しさの中で苦しんだ為に、ついに『涙』を落とした。

 

 『涙』から二人の兄弟が生まれた。『剣』と『盾』である。

 

 『剣』は全てを切り裂くことができると言い、『盾』はいかなるものにも傷つけられないと答えた。

 

 そして二人は戦うこととなった。戦いは7日7晩続いた。

 

 『剣』は『盾』を切り裂き、『盾』は『剣』を砕いた。

 

 『剣』の欠片が降り注ぎ、空となった。『盾』の欠片が降り注ぎ、大地となった。戦いの火花が星となった。

 

 そして、『剣』と『盾』を飾っていた27の宝石が『27の真の紋章』となり、世界が動き始めたのである。

 

 

     §

 

 

 しばらくグレッグミンスターで暮らした。新体制作りにもそれなりに協力した。大統領となったレパントは僕もオデッサさんもマッシュも新体制に加わらないので渋い顔をしていたが。そうして少しばかりの時間が過ぎた頃、原作と違って旅に出たいと周囲に申し出た。とりあえずかつての仲間であるビクトールのところを訪れると言って。僕について行くと言って聞かなかったグレミオとテッドを連れて、ジョウストン都市同盟に向かった。そこで傭兵隊の隊長をやっているビクトールを訪ね、傭兵隊の一員にならせてもらおう。

 

 

 

 そうして、二人の人物は戦乱に巻き込まれていく――。

 







後書き
 大統領になるべき人物が一傭兵になるとか無茶ですよね。でも推敲前は大統領になって、職務を務めた後に傭兵にしていたんだぜ……。アホだろ、この作者。

 この設定が受け入れられない人は読むのをやめておいた方が無難です。
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