僕が「そこ」に辿り着いたのは偶然……ではなかった。奪われてしまったティントだが、シュウが援軍を送ってくれると伝令があった。だから彼らと合流しようという腹積もりだったのだ。そして――。
「うぁぁぁああああああ!!!!!!」
その現場には、リオウがいた。大地に体をごろんと横たわらせたナナミと共に。まさか!?
「リオウ!!」
僕達はそれぞれに彼に名前を呼びながら駆け寄る。だが、血に塗れたナナミには、生気が全く感じられなかった。
「ナ、ナミさん。うそ、嘘だよね。そんな……」
「ティル! 回復魔法だ!!」
テンガアールは信じられないと顔を覆い、ビクトールは素早く指示を出す。僕は。
「――気合!」
破魔魔法で蘇生を試みた。だが、
「……だめ、だ。目を覚まさない!」
「諦めんな! まだ!」
「くっ、――優しさの雫」
ぽちゃんと雫がナナミに降り注ぐ。だが、彼女が目を開けることは、なかった。
「――あああああああああああああああああ!!!!!!!!」
リオウはずっと叫んでいる。まるで壊れてしまったかのように。オウランが気付けに頬を張るが、まるで反応せずに叫び続けている。
ぞくり、とした。壊れる。その感覚は知っている。僕だって、僕だってこの手で父を――。
「駄目だ……ナナミは」
「嘘ですよね、そんな。ナナミさん……やだ、そんなの」
ワカバがぽろりと涙をこぼす。だけど、この二つの回復魔法で息を吹き返さないのは。そもそも輝く盾の紋章を持つリオウがいて回復していないはずがない。つまり、
「ナナミは……死んだ」
§
その場で呆然としかけた僕達だが、そこに山道の反対側から、シュウとアップルを先頭に兵士が到着した。その時になってようやくそばに壮年の剣士がいることに気づいた。彼だ。だがそんな僕らに、シュウは素早く指示を出し、ビクトールは自失しているリオウを気絶させた。
そうして気を失ったリオウと死んでしまったナナミを抱えて、一番近くの虎口の村へと移動した。ゾンビとは兵士が戦った。彼らの多くも死したナナミを見て痛ましい顔をしながら、しかしそれを行った敵に対して怒り、激しく攻撃した。僕達は何とか虎口の村を奪取することができた。
「どういうことだ? 何故お前達がいながらナナミが?」
シュウの言葉に、僕達は説明を強いられた。ことここに至って隠し事などできず、僕はリオウとナナミがデュナン軍から逃げ出したこと。デュナン軍にとってあまりに重大な出来事な為にそのことは仲間内で隠したこと。ゾンビ達がいることは知っていたが、リオウとナナミの二人ならば、最低でも逃げることぐらいはできるだろう、と踏んだので、捜索は後回しにしたこと。そこまで説明したところで、壮年の剣士――ゲオルグ・プライムと名乗った男性(グレミオは驚いていた)――が説明に加わった。地面に横たわるリオウを守ろうと、ゾンビの集団と戦うナナミの姿を遠目に見つけ、急いで助けに入ろうとしたが間に合わなかったこと。最期にはリオウの体に覆いかぶさるようにして彼を守り、ゾンビに殺されてしまったナナミ。リオウにも手を伸ばしたゾンビを剣で切り裂き駆逐したこと。目を覚ましたリオウが自分の横で倒れているナナミを見て、慌てて回復魔法を使い、だが効果がなくその死を確認して発狂し叫びだしたこと。
「……僕のせいだ」
「ぼっちゃん……」
「僕がリオウの捜索を後回しせずに、一番初めにそうしていれば――」
「……やめな、ティル。確かにそれを言い出したのはお前だけど、俺達三人もそれには納得したんだ。実際に、俺も二人なら大丈夫と思っちまった。責任があるってんなら俺達四人全員さ。何より、二人がいないのを知ったすぐ後に、ネクロードのゾンビどもが襲撃してきやがったんだ。仮に、二人の捜索を初めに決定していたとしても、捜す時間なんざなかった」
違う、違うんだよビクトール。僕はリオウが逃げ出すかもしれないと知っていたんだ。この世界で唯一それに手を打てる人間だったんだ。たとえ不審に思われても、リオウが逃げ出すことかもしれないと話して見張りを立てるか、逃げるリオウ達に同行させるべきだったんだ。
「……私だってそうだ。リオウを守る為にデュナン軍に入ったんだ。けど肝心の時に守れなかった。あんただけのせいじゃない」
オウランも慰めるようにそう言う。
「…………仕方のないことだったのかもしれん。リオウはこのティント市国に敵がいると知っていて逃げ出したのだ。『自分達なら大丈夫』リオウとナナミがそう思って逃げたのなら、二人の認識が甘かったということでもある」
そのジェスの言葉に、きつめの視線を向ける人達。だがみなはすぐに気がついた。
「………………だが、これでは……これではあんまりではないか! リオウが、リオウ、が……あまりに……くっ」
ジェスは嘆く。その顔には沈痛な表情があった。
「………………みな、よく聞け。冷たいことを言うようだが、デュナン軍にとって一人の兵士が死んだ出来事にいつまでも落ち込んではいられない。我々は軍なのだ。早急にティントを奪還する行動を起こさねばならん」
シュウがあえて辛い役目を担う。
「ネクロードだ」
ぽつりとビクトールが言葉を落とす。
「ネクロードさえ殺しゃあこの戦いは終わる。こっちにはそれをなせる人間が二人……いや、俺を含めて三人か、がいるぜ」
そこで説明がされる。シエラさんが月の紋章でネクロードの吸血鬼としての能力を封じる。カーンが“現し身の秘法”を封じる結界を張る。ビクトールの持つ星辰剣がネクロードを殺す。
「よし、ならばゾンビどもの相手は一般兵に任せ、その三人を核とした小隊を結成し、ネクロードの元へと送る」
方針は決まった。……いつまでも嘆いてはいられない。リオウには悪いけど、冷たいようだけど、僕だって死ぬ人間には慣れている。戦争ではナナミのように「誰かにとって大切な人間」が山ほど死んでいるのだ。将として兵を背負う人間なら誰もが直面する問題だ。だからいつまでも下は向いていられない。後ろを向いていちゃいけない。生きている以上は前に進むしかない。弱い僕らはそうして生きていくのだ。すまない、ナナミ、リオウ。
虎口の村は人の手に戻った。次は西にあるクロムの村である。休息をとった兵士達と一緒にクロムを攻略する。グスタフさんとギジム、その配下の協力もあり、クロムを何とかその手に取り戻した後だった。リオウが目を覚ましたのは。
§
ナナミ……ナナミ……。どこだ……どこに……。
「お姉ちゃんはいつもそばにいるよ」
ナナミ!
「リオウのそばには、ずーっと私がいるからね」
「ナナミ!!」
目を見開いた。だけど、そこには。
「起きたかい? リオウ……」
「……オウラン、さん……? …………ナナミ! ナナミはどこに……!」
「リオウ、よく、聞きな」
そっと両肩に手が置かれる。
「ナナミはね……死んだんだ。あんたをかばって、死んだんだよ」
死、んだ。ナナミが、死んだ。ナナミが死んだ? 死んだ? 死ぬ? 何故? どうして? 俺を、かばって?
覚えているのは迫るゾンビ、すまないと思いながら逃げ出す俺達。光る紋章。虚脱する体。そして…………。
「ぅあ、ぁ、ぁぁぁぁ」
うめき声が漏れる。俺はただ、その現実に、声を上げ続けることしかできなかった。
§
「リオウが起きたって!?」
その知らせに動こうとするが、止められる。今はとても話せる状態じゃない、とのこと。
「そうか……」
僕達は今、クロムの村から北東にあるティント市に進攻する計画を立てていた。一般兵は正面から突っ込ませる。ネクロード討伐隊の僕達は少し東にある坑道に入り、坑道の出口からティント内部に進入、ネクロードを殺す。その決行日の前日。夜更けに、
「よっしゃ、準備OKだぜぃ!!」
「ちょっと待って下さい。ええっと、縄梯子、……ランタン、そうそうここの戸締まりも……」
「ほら、威勢よく行こうぜ!」
「僕も本の中の騎士みたいになれますかねぇ」
「必要なのは心に勇気、瞳に希望だ! お前が教えてくれた言葉じゃねぇか。皆に気づかれる前に出発だ! ロウエンのアネキ、必ず助け出すぜ!!」
「じゃあ僕も……グスタフ様、リリィ様はきっと僕が助け出します!」
無茶をやろうとするコウユウとマルロの二人が、家の扉の前で準備をしていた。さらわれたロウエンとリリィを助け出す為とはいえ、勇み足だ。またリオウの時みたいに後悔するのが嫌だったから、僕はグレミオとワカバを急いで呼び、二人の後を追いかけて合流するように伝えた。……この対応をもっと早くやっていれば、リオウとナナミは……。
夜が明けた。ネクロード討伐隊は僕、ビクトール、ルック、ヒックスとテンガアール、カーンとシエラさんの七名だ。
「坑道はティントと繋がっている。そこからティントに行けるはずだ」
グスタフさんの言葉通りに坑道へ。急いで進む。と、途中の道にぽつーんと一人の男がいた。茶色の衣服に黒のローブを纏っている。確か年齢は八十歳を超えているはずだが、どうみても五十代くらいにしか見えないな。早速僕が話しかける。
「あの、貴方は?」
「はっはっはっはっは。我が名はメイザース!! 稀代の大魔法使いである」
「そうですか、凄い魔法使いなんですね。だったら僕らの軍、デュナン軍に入ってくれませんか?」
スカウトは欠かさない。仲間が増えれば、特にこの男のような強い人物が仲間になれば、戦闘や戦争で死ぬ味方が減るのだ。戦闘や戦争で強いなら見逃したりできない。
「ふむぅ、デュナン軍か。いいだろう。この大魔法使いメイザースが、味方になってやろう!!!!」
「そうですかぁ。仲間に。それはありがたいなぁ。戦争では魔法部隊に割り振りますので、是非活躍して下さいね」
「わっはっはっはっは。任せておけぇい!! それでは久々に世に出るのだ。まずは肩慣らしだ」
デュナン城の場所に瞬きの魔法でテレポートして行った。まあ連携が無理な人だからね。この人魔法で辺りを焦土に変えたりするし、下手に仲間として戦うとこっちが危険だ。魔法の巻き添えを食ってしまう。Ⅲじゃあるまいしやめて欲しい。言った通りこの後の戦争で活躍してもらおう。仲間の僕を見る目が心なしか生暖かいものになったようだが、気にしない。
そんなこんなで進む。もう少しで坑道を抜けられる所に差し掛かった時、突然シエラさんが、
「ビクトール。先へ行け」
「なんだよ?? 何かあるのか??」
相変わらず、意外と隙があるビクトールであった。
まあ展開を知っているのに何も言わない僕も僕だが。敵の攻撃が分散してくれるならそれはそれでいいかと考える。ビクトールなら大丈夫さ。信頼しているよ。
ビクトールが前に進むと、下の地面からぐぉぉぉー! と地を割って出現するストーンゴーレム。ネクロードの待ち伏せだ。しかしこいつには雷が効果的。……十数年、それ以上の時間が経つのに弱点属性とか良く覚えているよね、僕は。まあそれだけ好きだったということなんだけど。
「散開! 広がれ!」
指示を出す。すると奴は地面を叩いて岩石を隆起させた。強い攻撃。こっち側の味方が回避しきれずに食らう。範囲が広い攻撃だ。鋭く隆起した岩石が体を傷つける。水魔法で回復をしたい。だがこいつは雷が弱点。そして今のルックは左手に雷の紋章を宿している。
「ルック、合わせてくれ!」
「やれやれ……我が身に宿る雷の紋章よ――雷撃球!!」
「水の紋章よ――静かなる湖!!」
「「――雷神!!!!」」
水と雷の合体魔法だ! 傷ついた味方全員を全回復させつつ雷を落とす。おお、効いとる効いとる。その後もルックの雷魔法を主体に攻めた。
「魂の盗人!!」
シエラさんの闇魔法もダメージを与える。
「てやぁっ!」
「ふっ!」
ヒックスとカーンが連続で近接攻撃。ビクトールは背中からガンガンと星辰剣を叩きつけてその体を削っている。
「ちくしょう! なんで俺様ばっかり!」
嘆くビクトール。しかし攻撃はしっかり行って気をひきつけてくれる。こんなでかい魔物によく近接できるなぁ。腕を振り回すのでビクトールと二人は度々攻撃を食らう。僕はこういう相手には魔法を使ってばかり。臆病な僕なのだ。
「――守りの天蓋!」
テンガアールが土魔法で魔法攻撃を防御する。これでやつの口から放たれる熱光線も怖くない。
「――雷撃球!!」
ルックが再び雷撃球を放つ。今度は単体のそれが、とどめとなった。
「ふぅ」
「倒せたな」
少しだけてこずったがゴーレムを撃破した。
「ネクロードめ、つまらぬ罠を」
ビクトールを一人先行させておいてこれである。実にイイ性格をしているシエラさんだった。
「て、てめぇ……この野郎」
「おんしも無事だったからいいじゃろう」
そういう問題ではない。が、
「シエラ様に逆らっても無駄ですよ」
カーンの言葉通りだね。よし、坑道を抜けよう。
薄暗い坑道を抜けるとそこは雪国……じゃなくてティントだ。ゾンビは基本回避。しかし道や階段にもいるので、僕とカーンの破魔魔法でバシバシ倒していく。そして市庁舎の上へ。奴は礼拝堂だろうね。
礼拝堂のある建物に辿り着いた。
「この中じゃのう。わらわには感じられるのじゃ。月の紋章が……」
ここに、奴が……様々な悲劇の元凶。欲望の権化。中に入ると。
「ふぁぁぁぁあん。放してー。帰してぇー」
リリィだ。幼女をいじめるとは許すまじ。
「この野郎め!!! 何が七十番目の花嫁だぁ!? こんな小さい子を捕まえやがって!!!」
叫ぶロウエン。
「私には長き命がありますからね。彼女が大きく育つまで、私がしつけてあげるのですよ」
うーん、実に気持ち悪い奴である。
「気持ち悪いこと言ってんじゃねぇぞ!! あとなんで俺まで捕まえやがるんだ!!! 俺も花嫁にしようってのかよ!!」
あ、ロウエンって俺女だったのね。
「冗談はよして下さい。貴方のように下品な女はタイプではありません」
「俺のどこが下品だ!!」
ねぇ。いいよね男勝りな女性。素敵だと思う。
「てめぇ。このロウエン様に手を出したら兄貴と弟が黙っちゃいねぇぞ」
「ははは、助けなどくるものですか。人間にそんな度胸は……」
すると、礼拝堂の奥側、裏口から四人が。コウユウ、マルロ、グレミオ、ワカバだ。
「ロウエンのアネキ、助けにきやしたぜ」
「コウユウ!」
「リリィ様、グスタフ様の配下、このマルロが助けに参りました!」
「……??? ???????? 誰???」
酷いよこの幼女。
「マ、マルロですよぉ」
「…………もしかして、私を退治にでも来たのですか?」
「その通りだ吸血鬼!」
マルロ無理すんな。
「てめぇ、その首叩き落としてやるぜ!」
コウユウは勇ましく斧を肩に担ぐ。
「そうです。許しませんよ!」
ワカバがそう言った時、紫色の雷が落とされた。マルロは「ひぃぃぃ」と言って下がった。
「やれやれ。僕らも行こう」
「おら、邪魔するぜ!!」
こちらに振り返るネクロード。
「ビクトール!! ストーンゴーレムを倒したというのですか?」
「うるせぇぞこの野郎。こっちはてめぇを倒せると思うと嬉しくて震えるぜ!!」
「吸血鬼が!! わしをたばかった罪は重い。魂の隅々まで後悔させてやるわ!!」
ビクトールと星辰剣が同調している。珍しい。
「ビクトール、ティル。二人まとめてあの世行きにしてやりましょう」
「けっ、そのにやつく笑いを止めてやる。バラバラに切り刻んで! すりつぶして! 日に乾かして! 粉々にして! 土に埋めて! 上から小便かけて! それから掘り起こして! 引っ張って! 伸ばして! 引きずり回して! それからそれからぁ、とにかくてめぇだけは、許さねぇぞぉ!!!!」
途中からなんか変な方向にいっているよ、ビクトール。
「相変わらず下品な男だ。しかし私には二人の人質が……」
その時、ネクロードの足下に、半径二・三メートル程度の魔法陣が形成された。黄色と緑のそれに捕捉されたネクロード。
「こ、れは!」
「コウユウさんとマルロさん、そしてビクトール。良い演技でしたよ。おかげで入念に準備できました」
二人とは別に打ち合わせとかしてないでしょ。あとビクトールは素だと思う。
「貴様、カーン!」
「マリィ家がこの日の為に代々研究を重ねた結界です。これで“現し身の秘法”は使えまい」
「お、おのれ。だが、私には“月の紋章“が……」
紋章の力で魔法陣を吹き飛ばそうとするが、
「我が月の紋章よ。その忌まわしき力を、しばし封じ眠りにつくがよい」
白い光が広がる。シエラさんが本来の持ち主として月の紋章を封じる。これで準備は整った。
「ま、ま、ましゃか!! シエラ長老!!!」
ましゃかて。動揺しすぎだろ。
「四百年前、わらわより盗み取った紋章を返してもらおうかのぉ。その紋章の呪い、そして犠牲になる人をこれ以上広げたくないのでな」
これで奴は終わりだ。
「へっへっへ。さあて、言ってやる、言ってやるぞこんちくしょう! やい! ネクロード!! 年貢の納め時だぜ!!! この時がくるのを待ったぜ!!」
「お、のれぇ……こんなところで。私は、私は永遠を生きる者っ!!!!! 死んでたまるかぁっ!!!!」
さて戦闘だ。と言っても基本は変わらない。ビクトールとヒックスは剣で。テンガアールは守りの天蓋で防御。ルックはさぼっている。そして僕とカーンが。
「「――破魔!」」
ダブル破魔、破魔、破魔。お前が泣き叫ぼうが破魔をやめない!!!!
「ぐわぁあぁぁぁ!!」
効果は抜群よぉ!!
「五百年の終わりだ。吸血鬼!!」
「ひぃぃい」
逃げ出すネクロード。だが魔法陣からは出られない!
「逃げられないと、言っただろう。我が祖父が作り、我が父が伝えた技術。破れるものか」
「ひぃ、シエラ様。お許し下さい。紋章は返しますからぁ」
怯えるネクロード。そこに迫るシエラさん。
「ならば、はようせい」
ネクロードは観念したようだ。奴の体から光が立ち上り、シエラさんに移る。月の紋章が、やっと本来の持ち主に返るのだ。
「わらわの子らと、」
「マリィ家と、」
「ノースウィンドゥの」
「「「仇だ!!!!」」」
ビクトールの星辰剣が奴を切り裂く。首を星辰剣で斬られたネクロードは、その体を消滅させた。
「……終わったの」
「私の長き旅も、ですね」
「ゲス野郎が」
そうして、全ての過去に決着がついたのだった。
後書き
第一稿ではうめき声を上げるリオウを、オウランが優しく抱きしめる文章が存在しました。また、メイザースは最初勧誘されても首を縦に振らず、ティルがクロウリーを引き合いに出して煽り、仲間にするという展開でした。けど、最終的にはどちらも削除しました。