第10話、投稿していきます。
今回は合流と、情報共有回ですね。
口調は使い分けているつもりですが、少しわかりにくい部分があるかもしれません。
それでは、どうぞ。
「申し訳ありませんでした。」
「はぁ…。もういいわよ。」
あの騒動から、15分ほど経過していた。
その間、満はオカルト研究部の部員たち(一誠除く)にひたすら頭を下げ、謝り続けていた。
その間、何故あんなことをしたのかの釈明も行っていた。
今朝の一誠の様子がおかしいことに気づき、近くにいたリアスが関与しているのではないかと思い、疑っていたこと。
接点がこれといっていいほど全くなかった祐斗が一誠を教室まで迎えに来て、なおかつリアスの名を出したため、疑いが確信に変わったこと。
部室前にて会話を聞いていたが、断片的にしか聞こえず、リアスたちが一誠を悪魔にするために昨晩襲ったのだと誤解したこと。
リアスたちからしても、満の心境は理解できたし、筋も通っていたが、一つだけ疑問があった。
「その、一つ疑問があるのだけれど。」
「なんでしょう?」
「なぜ、あなた…ミツとか言ったわね。ミツは、何故私たちが悪魔だと言ってもそのまま信じたの?」
「左馬 満です。ミツでも構いませんが。その答えは簡単です。あなた方とは違う存在にではないかと思いますが、一昨日、異形の存在に襲われたためです。」
「…異形の存在?」
「そうです。上半身は裸の女、下半身は人の胴体を歪めたような形で、人の手足のような形をした脚。蛇のような尾。今思えば、まるで蜘蛛女のようだったかにも思えます。」
朱乃は、満の言った容姿の悪魔に覚えがあった。
はぐれ悪魔バイサー。
それほど強い存在ではないが、夜な夜な人間を食い散らかす悪魔として、はぐれ認定をされていた。
すかさずその情報をリアスに耳打ちする。
「ふむ…それで?なぜあなたは変わらずそこにいるの?ミツを悪く言うわけではないけれど、その異形…バイサーと言うのだけれどね、あなたでは到底バイサーからは逃げ切れないと思うのよ。」
さっきの迫力は凄かったけどね、とリアスは付け加えた。
満はそれに頷き、
「はい、結果から言うと逃げ切れませんでした。反撃も試みましたが、文字どおり一蹴され、そのまま喰われるところでした。」
「では何故…?」
「あわや喰われる、といったところで、ある存在が語りかけてきました。」
「ある存在?」
「彼らは、自らのことを"鬼"と呼んでいました。人を守り、神をも斬る、鬼だと。」
「"鬼"…」
「聞き憶えはありませんか?」
「ええ、残念だけどないわね。悪魔にもゴブリンやオーガなどのいわゆる鬼と呼ばれる種族は存在するけれど、ミツの言った存在に心当たりはないわよ。鬼っていうのは基本、人間を襲う側の存在だもの。」
「…」
「別にミツのことを疑っているわけではないのよ?嘘を吐いているようにも見えないし。」
「演技をしているだけかもしれませんよ。」
「あのねぇ…嘘を吐いている本人がそんなことを言うと思う?私を見くびらないで頂戴。」
「…すいません。」
「まぁ、いいわ。それで、その後は?」
「彼らは俺に語りかけ、覚悟を問いました。何かを守り、何かを為すための確固たる意思はあるかと。その覚悟があれば、力を貸すと。」
「それで?ミツは何て答えたの?」
満はそこで黙り、何かを迷うようなそぶりを見せた。
今まで迷いなく話していたというのに、どうしたのか。
疑問に思ったリアスは、問いかける。
「どうしたの?まさか忘れちゃったとか?」
「いえ、一字一句ハッキリと覚えています。覚えていますが…」
なおも言葉を止め、頬をぽりぽりと掻きつつ、視線を逸らしながら言う。
「その、恥ずかしくて…」
その頬は、すでに赤く染まっていた。
その様子を見ていた朱乃は、ニコニコした笑顔で、
「あらあら、それで、何と言ったの?興味あるわあ。」
そう満を追撃する。
もはや羞恥心で顔を真っ赤にした満は、か細い声で、
「あの、笑わないでくださいよ?」
と念押しする。
笑わない、笑わないとすでに笑顔で確約する朱乃。
観念した満は、表情を引き締め、
「俺は守る。家族を。友を。あんな奴らに、奪わせるものか。もしそれが神が望み、世界が望んだことなら。」
一拍置く。
「俺は神だろうが、悪魔だろうが、悉く斬る。世界だろうが、邪魔はさせない。そんなふざけたことは、この俺が許さない。」
と、あの時宣言した通りのことを言った。流石に後半は叫びはしなかったが。
言い切ってから、恐る恐るリアスたちを見る。
引かれていないだろうか。悪魔だろうが斬る、と言ったことで怒ってはいないだろうか。
そんな不安が、満の中で渦巻く。
「へえ…」
「あら、あらあらあら…」
身内に対する親愛の情が深いと言われるグレモリー家の血を引くリアスはその覚悟に深く共感し。
宣言した時の真剣な表情に見惚れていた朱乃は、その後の不安そうな表情とのギャップに頬を染め。
「うん。」
「意外、です。てっきり左馬先輩はクール系だと思ってました。」
祐斗はにこやかに、その覚悟を肯定するように頷き。
小猫は満の佇まいとのギャップから、目を丸くして驚いていた。
「だろ?実はコイツ、メチャクチャ熱いやつでさ、昔っからキレると手に負えなくて…」
「お前とはまだ知り合って1年だろ、イッセー。」
「いやいや、それでも十分だっての。女だろうと先輩だろうと容赦なしだぜ、コイツ。いつだっけかなぁ…確かクラスのやつが先輩にカツアゲされてるからって、ブチ切れて締めにいったことがあったよな?可哀想に、先輩泣いてたじゃん。」
「…そんなこともあったな。て言うか、お前もあん時ノリノリだったじゃねーか。青筋浮かべながら笑ってさ。俺より熱い奴がよく言うぜ。」
「いーや、お前の方がよっぽど熱いね。」
「んだと?」
「お?やるか?やめとけよ、悪魔の俺に勝てるもんか。」
「試してみるか?俺だって今は鬼武者だ。」
軽口を叩き合う二人。その中で、気になる単語を聞いたリアスは、
「"鬼武者"?」
と、聞き返す。
そういえば話の途中だったと、今更ながらに思い出した満は、リアスに謝りながら、
「はい。彼らは、俺のことを、人を超え、鬼を超えた存在だと言いました。鬼武者というのは、その時彼らが俺を指して呼んだ名前です。」
「人を超え、鬼を超える…」
「その時、彼らから与えられたのがコレです。」
そう言って満は、右腕を前に出す。一瞬、目もくらむ光が右腕から出たと思うと、その右腕には、眼のようなものがついた奇妙な形状の籠手が装着されていた。
「神器…には、見えないわね。近いものだとは思うけど。」
「その"鬼"とやらの話が本当なら、神器とは真逆の物ですわね。」
「いえ、神器にも神滅具(ロンギヌス)というものが有りますし…あながち真逆の物とも言えないかもしれませんよ。」
「おお、スゲー!なあ、今のどうやって出したんだ?」
「不思議、です。気持ち悪いデザインなのに、不思議と安心感が込み上げてきます。」
「き、気持ち悪…まぁいい。出し方は、さっきブチ切れて出した時に何となく理解できた。この"鬼の籠手"は、強い感情があると出てくるらしい。」
「強い感情?」
「そう。殺してやりたいほどの憎悪とか、世界を敵に回してでも守りたい気持ちとか。」
「へえ。今は?」
「わかってもらいたい、ですかね。この人たちにだけは理解しておいてほしい。そんな感じの感情ですよ。」
「ふむ。それで、バイサーはどうしたのかしら。」
「倒しました。死体は確認していませんが。」
一通り見て満足したのか、リアスが頷き、
「よし、ミツ。あなた、私の眷属になりなさい。」
「謹んでご遠慮させていただきます。」
「即答!?しかも他人行儀!?」
「この力はあくまで借り物ですし…それに、人間だからってくれたんです。悪魔の力を入れたりしたら、どんなことになるか…」
「…それもそうね。"さっき"みたいなのは二度とゴメンだわ。」
「うっ…すみません。」
「その代わり、オカルト研究部には入ってもらうわ。あなたのその力はまだ見ていないからわからないけれど、朱乃の結界を強引に引き裂くレベルだもの。野放しにはさせておけないわ。」
「わかりました。それと、結界って何のことです?壊したような記憶は無いのですが…」
「それはもう、芸術的に破壊してくれましたわよ。どこがどうぶっ壊れているのかが全くわからないレベルで。」
「え、えええ!?そ、その、なんかすいませんでした。」
「うふふ、許しません。どうやって償ってもらおうかしら〜♪」
「か、勘弁してください…」
タジタジになった満に、全員が笑う。
太陽の光を思わせるその朗らかな光景に、
(ああ、また一つ勘違いをしていた。倒すべき"敵"なんてどこにもいない。"守りたいもの"があるだけなんだ。)
人でなくなっても、たとえ悪魔でも、友は友。守りたいと思うことに間違いは無い。それを心で感じた満は、
皆と一緒になって笑った。
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(南、天海。)
気づけば、あの男のことばかり考えている。
あの困ったような笑顔が、横を歩いていた時の穏やかな顔が、写真を撮った時の眩しい笑顔が、何度もフラッシュバックする。
「うるさい、うるさい、うるさいッ!」
苛立ちのままに、そこらにあるゴミ箱を蹴飛ばす。
(もう、立ち止まれないのよ…!)
運命の歯車が、回る。回る。
決着の日まで、後一週間。
はい。如何だったでしょうか。
正直、原作キャラとの絡みはイッセー君が一番楽だったりします。
満とイッセー君を対話させると、高確率で軽口の叩き合いになるからです。
こんなのイッセーじゃない!と思われましたらすみません。
ご指摘ください。キャラ崩壊タグ付けます。
お気に入りやUAが増えているのを見て、幸せを感じる今日この頃です。
相も変わらずお見苦しい文章ではございますが、今後も頑張ってまいりますので、どうかよろしくお願いします。