ハイスクールD×D 〜鬼を継ぐもの〜   作:ルルガルウ

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ルルガルウです。
申し訳ありません、書き直しては首を傾げ、書き直しては首を傾げとやっていたらいつの間にやらこんな時間…
おまけに文字数もかなり多くなってしまいました。


軽めですが、二回目の刀を使った戦闘。
第11話、どうぞ。


第11話 模擬戦

オカルト研究に所属したその夜。

リアスから呼び出された満は、旧校舎の外、すぐ近くにある開けた場所で祐斗と相対していた。

 

「本当にそれ(模擬刀)でいいのかい?」

「ああ。使い慣れてる方がお互いいいだろ。」

 

リアスが満の今の実力を見たい、とのことで、眷属の中でもテクニックタイプであり、手加減が可能な祐斗と模擬戦を行うことになった。

 

ただし、

「鬼の籠手装着状態で戦うこと。」

この条件の元でだ。

 

「いつでもいいよ。」

 

そう言って木剣の二刀流を構える祐斗。

対する満は、

 

(どうする。斬る、じゃダメだろうし…勝ちたい、が妥当だろう。)

 

と、精神を集中して鬼の籠手を現出させる。

 

感情の種類によって性質が変わるといったことはないだろうが、これは模擬戦であり、満は殺意を持って相対するべきではないと感じていた。

 

「行くぜ。」

 

そう言うと、模擬刀を構える満。足を肩幅より少し広く開いて重心を安定させ、刀の先はは足元に向ける。

 

「妙な構えだね。これは面白そうだ。」

「言ってろよ。見せてやるぜ、鬼武者の戦い方を。」

 

言葉はもはや要らぬと、両雄は同時に動き出した。

 

「ハッ!」

 

先に攻撃したのは祐斗だった。

左の剣を満に向かって突き出す。

満はその剣速に一瞬目を剥くが、

 

「よっと。」

 

危なげなく回避する。

なおも祐斗は攻撃を続けるが、どれ一つとして満にはカスリもしない。

 

(…まただ。相手の攻撃が、やけに遅く見える。)

 

この前のチンピラとの喧嘩で起きた、相手の攻撃がやけにゆっくりに見える現象。

それを利用して全ての攻撃を紙一重で躱していく。

 

「どうしたんだい?避けてばかりじゃ模擬戦にならないよ。」

 

回避ばかりの満に、じれったそうに声をかける祐斗。

 

(…のやろ)

 

あくまで余裕を崩さない祐斗の態度に少しカチンときた満は、はじき返してやろうと振るわれた木剣に向かって模擬刀を当てに行く。

 

スカン。

竹を割ったような音が鳴り、木剣が切断される。

 

((!?))

 

驚愕し、距離をとる祐斗。

鬼の籠手の性質を失念していた満は、危うく手首ごと祐斗の木剣を切断しそうになったことに冷や汗を流していた。

 

「…人が悪いな、左馬君。真剣でやるなら、そう言ってくれればいいのに。」

「い、いや、すまん。すっかり忘れてた。この籠手の力は、どうやら刃物の切れ味を上げるものらしい。そっちも、あの時の剣を使って構わない。お互い、真剣でやろうぜ。」

(切れ味を上げる…?模擬刀って、刃を潰してあるのに…?)

「…わかった。」

 

そう言うと、祐斗は昼間創造したものと同じものをその両手に構える。

 

準備が出来たと判断した満は、今度はこちらから斬りかかる。

複数の剣術の基本の型を組み合わせた複合剣術。もっとも使い慣れている剣技でもって攻撃する。

しかし、それらをすべて祐斗に避けられてしまう。カスリもしない、余裕の回避。ある意味で先ほどの焼き回しのような状態だった。

 

「おいおい、どんっ、だけっ、速いんだよっ!」

「これが僕の駒、騎士(ナイト)の特性さ。機動力を格段に上げてくれる。」

「それに、君の剣技は確かに素晴らしいけど、素直すぎるよ。斬ろうとしているところが丸わかりだ。」

「そう、かよっ!」

 

このままでは埒があかないと判断した満は、一旦距離を取る。

 

(…思い出せ。)

 

あの男が使っていた剣技。無駄を一切省いた、戦いのための剣。

 

(アレを完全に再現するのは無理だ。でも、今のままじゃこいつには勝てない。なら…やってやるさ。)

 

再び、斬りかかる。

 

□□□□□□□□

(…?動きが変わった?)

 

祐斗は警戒する。

先ほどまでの、身体に染み付いたように滑らかに振るう剣技とは違い、どことなくぎこちなさを感じさせる剣技。

だが、

 

(なんだ、この動き?)

 

徹底的にこちらの回避先を潰すような動き。自分の次の動きのための布石と、相手の回避を妨害一度に行う、まるで祐斗のようなスピードタイプの相手を想定したかのような戦い方。

今は避けることができているが、それは祐斗の力量というよりも、満が扱いきれていないという部分が大きい。

 

(これは…もうこちらの動きに対処しに来ているのかな?でも、それにしてたって動きがぎこちない。まるで、名俳優の動きを中途半端に真似する大根役者のように…)

 

防御のために、襲い来る模擬刀を手にした剣で迎撃する。が、刃が触れ合った一瞬は拮抗するが、祐斗の剣がまるで豆腐を切るように容易く切断される。

 

(…やはり、あれは切断力を上げる程度の生易しいものじゃない。)

 

剣から伝わってきた感触から、祐斗はそう判断する。

祐斗が構えていた剣は、受けた衝撃を魔力に変えて、持ち主に譲渡する性質がある。

 

だが、衝撃を吸収するはずの剣が相手の模擬刀と刃を合わせたとき、衝撃はあったにもかかわらず、自身の魔力が回復した様子はない。ということは、この剣の力が効かなかったということ。

 

(…能力の無力化?いや、姫島先輩の件を考えると破壊かな?)

 

祐斗はそう分析する。結界を破壊し、魔剣をその性質ごと破壊する力。

 

(なるほど。だから切れ味が上がったと誤解したのかな?)

(とすると、あれは破壊の力を最大限に利用するための動きかな。)

 

回避先を潰す剣技。残る手段は、防御しかない。しかし、防御すれば防御ごと破壊される。

 

(…厄介だ。これは。成長したら近接戦では手が付けられなくなる。)

 

あまりにも鬼の籠手の性質と適合した剣技に、祐斗は戦慄した。

 

□□□□□□□□

(よし。少し動き辛いが、出来ないほどじゃない!)

 

満は、夢で見たあの男の剣技をそのまま模倣はできなかった。

模倣するにはレベルが高すぎたし、何しろ夢でしか見ていない。

だが、猿真似レベルでの模倣はできたし、そのレベルでも祐斗はこちらに攻めあぐねているように見えた。

 

(!!)

 

と、祐斗がバランスを崩す。

 

(今だ!)

「もらったぁぁぁぁっ!」

 

チャンスだと判断し、一気に詰め寄って大上段から模擬刀を振り下ろす。

もちろん、当たる前に止めるつもりだったし、これで終わりと確信していた。

 

が。

 

「!?」

 

目の前でバランスを崩していたはずの祐斗がいない。

あるのは先ほど切断した祐斗が持っていた剣。

 

(マズいッ!?)

 

そう思ったときにはすでに、首筋に剣が突きつけられていた。

 

「僕の勝ちだね。」

「…ああ。俺の負けだ。」

 

そのまま両者とも剣を下ろし、お互いに向き合って一礼する。

と、満はその場に座り込んだ。

 

「だぁーっ!負けた、負けたっ!」

 

悔しさと嬉しさが半分ずつ混じったような表情の満。

 

「ふふふ、惜しかったね。」

「よく言うぜ、木場。お前ずっと手加減してやがったな?なんだよあの最後の動き。速いにも程があるぜ。」

「そりゃあ、それが僕の持ち味だからね。油断した左馬君が悪いよ。」

「んなこたわかってらぁ。畜生、悔しいぜ。」

「にしては、なんだか嬉しそうな表情をしているけど?」

「ああ。ようやくわかった気がするんだ。本当の鬼武者の戦い方ってヤツを。」

「それは良かった。次の模擬戦を楽しみにしているよ。」

「おう。次こそ目に物見せてやるぜ。」

 

そう言うと、満は立ち上がり、祐斗の方に拳を突き出す。

何をやりたいかがわかった祐斗はその拳に自分の拳を打ち付ける。

 

「次は勝つ。」

「"この世界"に入ってきたばかりの新人に、そう簡単に勝ち星はあげれないな。」

 

片方はニヤリと。もう片方はにこやかに言葉を交わす。

リアスも満足したということで、その日はお開きとなった。

 

□□□□□□□□

「で、彼はどうだったかしら。」

「ええ。良くも悪くも実直な剣士、という感じですね。剣に迷いがありません。」

「それにしては、途中の動きがなんだか変な感じだったけど。」

「あれはあれで、強くなる方法を模索し続けていたんですよ、部長。」

「ふーん。まぁいいわ。それで、」

 

満の評価を祐斗から聞いていたリアスは、表情を真剣なものに変える。

 

「…強くなるのかしら?」

 

リアスのその問いに、祐斗も真剣な表情になって答える。

 

「ええ、このまま成長すれば、ですが。下手をしなくても僕を超え、近接戦では手が付けられなくなる可能性があります。」

 

その言葉を聞いたリアスは、ため息をつく。

 

「私の庇護下に入っているとはいえ、将来そのレベルでの強さが見込める者が人間のままとはね…」

「その件ですが部長、彼に関してはすでに人でなくなり始めているかもしれません。」

 

祐斗のその言葉に、リアスは眉をひそめる。

 

「…どういうことかしら?」

「まず、僕の攻撃を全てギリギリで躱したことです。あれは、人間の反射神経で出来ることじゃありません。出来たとしても、相当に経験を積んだ歴戦の剣士が、相手のクセを読んで初めて行えるレベルの回避です。掠らせもせず、それでいてギリギリで避ける。極めつけは、僕の攻撃を目撃してから避けてました、彼。」

「…見てから?祐斗の攻撃を?」

 

祐斗は頷く。

 

「ええ、空恐ろしい気分になりましたよ。まるで、こちらの攻撃がひどくゆっくりに見えるかのように悠々と回避していくんですからね。彼がカウンターが得意な剣士だったら、最初の攻撃で僕は地面に沈んでいました。」

「…なるほど。マズいわね、これは。他の勢力が目をつけたら大変なことになるわよ。」

「はい。将来的にはそのレベルになる可能性があるとはいえ、まだまだ戦いに関しては素人です。攫われて洗脳、なんて可能性は高いでしょうね。」

「かといって悪魔に転生させようとしても、何が起こるかわからない、と。あの殺気を当てられるのはもう二度とゴメンだわ。」

「それなんですが部長。彼がさっきの人間ではなくなり始めている、という事に関連して、ご報告したい事があります。」

「…?報告したい事?」

 

そして、祐斗はリアスにあることを報告する。

 

「…確かなの、それは。」

「はい。僕の推測とはいえ、可能性は高いと思います。」

 

リアスは頭を抱える。

 

「なんなのよそれは。戦闘に関しては彼ほとんどチートじゃない。下手をすれば幻覚系も効かないわよそれ。」

 

悪い冗談だ。強くなった彼がこちらと敵対すれば、冗談抜きでグレモリー眷属は全滅、満一人vs悪魔全体の戦争が起こる可能性がある。

 

「…これは、責任重大ね。」

 

知らず知らずの内に身内に爆弾を抱えてしまった事に、リアスは深いため息を吐いた。




如何だったでしょうか。
満自体のレベルはまだ、全体の下の下、戦闘がかろうじてモノになるぐらいのものです。
スペックはスタミナと頑丈さ以外そこらの中級悪魔と同等ですが、いかんせん戦闘経験がほぼゼロなので、やり合えば普通に負けます。

バイサーさんは所詮は人間、とハナから舐めてかかっていたので負けた、といった感じですかね。

鬼武者も基本は避けて避けて防御して避けて斬る、みたいなモンですし、満には頑丈さはそこまで必要ないかな、と。
なんだかんだいって鬼武者の主人公たちの防御性能異常ですし。

ではまた次回にてお会いしましょう。
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