今回は話がほとんど進みません。え?いつも全然進んでないって?
おっしゃる通りです。すいません。
では第12話。日常回ですね。どうぞ。
オカルト研究部に所属し、祐斗と模擬戦を行った次の日。
いつも通りに授業をこなし、放課後に。
部室へ向かう一誠と満は、お互いの事を話していた。
「しかしスゲーよな、満は。人間のまま悪魔を倒したんだろ?」
「相性が良かっただけだって。現に木場にはボコボコにされたし。」
「マジかよ!木場のヤツ、強いんだな…」
「ああ。あのスピードはヤバい。一度見てみろ、チビるぜ?」
「誰がチビるか!ったく、あ〜あ。オレにもそんな力があったらなぁ〜」
一誠のその言葉に、首をひねる満。
「あ?お前部長の話聞いてなかったのか?お前が狙われたのは、ヤバいレベルの危険な神器とやらを宿してた所為なんだぜ?わざわざお前を探し出してまでな。」
「そうは言ってもよ、オレは刀なんて持ってないし。そもそも神器とかいうのの出し方もわかんねーし。そっちの方が数倍上じゃねーか。」
「おいおいお前、俺には翼が無いんだぜ?悪魔と違って頑丈なわけでもないから、一発イイのもらったら下手すりゃそこでアウトだしな。あと、刀は自前だ。貰ったわけじゃねぇ。」
隠すの大変なんだぞ、と肩にかけたスポーツバッグを揺らす満。
それでもやや不満げな眼差しをしたままの一誠。
「ったく、そんなに言うならお前も神器を出す練習をすりゃあいいじゃねーか。俺みたいに強く心の中で何かを思ってみるとか、気合の入るポーズをしてみるとか。」
「そっか…よし、やってみるか!案外簡単に出るかもしれないしな!」
「そうだぜイッセー、その意気だ。まあだが、ここには他の生徒も多いし、部室で…」
「よぉ〜しッ…ドラゴン波ァッ!」
満が忠告を言い終える前に、早速と、ポーズをとる一誠。
確か熱血系の人気アニメの主人公の必殺技、「ドラゴン波」のポーズだったはずだ。
また恥ずかしげもなく、と呆れたように一誠を見る満だが、そのポーズを取った瞬間、一誠の左腕に龍の鱗を思わせる形状をした籠手が装着される。
「おお〜ッ、スゲーッ!ほんとに出た!」
「馬鹿野郎おま、隠せッ!バレる、バレるッ!」
周りに人がいる事も忘れ、感動する一誠と、まさかそんな簡単に出るものとは思っていなかったので、必死に周りにバレないようにする満。
騒ぎ立てる二人を部活動をしている周りの生徒たちが何事かと見るが、片方が一誠だとわかると、またか、という顔をして興味をなくし、再び自分たちが取り組んでいる部活に集中していった。
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「あのねぇ、あなたたち…」
「すんません、部長。こいつが言う事を聞かないから…」
「おいミツ!なんでオレだけの所為みたいなこと言ってんだ!やってみろって言ったのお前だろ!」
「ああ、確かに言ったさ!まさかあんな所でやるなんて思ってもみなかったからな!念のため忠告しようとしたけどその前にお前がやらかしたんじゃねーか!」
「んだと!」
「やるか!」
睨み合う二人を見て、リアスはため息をつく。
「やめなさい、二人とも。幸い今回は周りにばれなかったからよかったけど、私たち悪魔の存在は基本的に表沙汰には出来ないのよ。これからは軽率な行動は二人とも謹んでちょうだい。」
「ですが部長!」
「だってこいつが!」
「黙りなさい。確かにイッセーが周りを気にせず神器を展開したのは問題だけど、それまでにあなたたち二人が話していたことも周りの人間には悟られてはいけないことなのよ。その判断が出来ていなかったミツも同罪だわ。」
正論を説かれ、言葉に詰まる二人。
「申し訳ありませんでした。」
「すいませんでした。」
謝る二人。その様子にリアスは頷くと、
「よろしい。確かに問題だったけど、イッセーが神器を展開することができたのは喜ばしいことだし、そのためのアドバイスをしたミツも偉いわ。その神器を見せてくれる?」
「はい、部長!」
そう言って、神器を展開する一誠。
それを見たリアスたちは、
「これは…龍の手(トゥワイス・クリティカル)?」
「おおっ、そんな名前なんですか!で、強いんですか!?」
「能力としては"一定時間、持ち主の力を倍加する"、というものね。使い勝手はいいけれど、それ以上でもそれ以下でもない、言ってしまえば微妙な神器ね。」
「そ、そんなぁ…」
ガックリと肩を落とす一誠だが、満は目を細めつつ、
("一定時間持ち主の力を倍加する"?人間の身体能力を倍加したところで大したことはないはずだ。その程度のものを、"危険だから排除する"?わざわざ探し出してまでか?)
と、疑問に思っていた。
「まあでも、扱いやすい神器には変わりないわ。要は、使い手次第ってことよ。頑張りなさい、イッセー。」
「はぁい…」
一誠を励ましているリアス。その様子を見ていると、後ろから朱乃が満に抱きつきつく。
「!? ちょっ!姫島先輩!は、離れてくださいよ!」
「あらあら、リアスばっかり見てばかりで、つまらないですわ。もっと私のことも見てくれないと…」
「み、見ますッ!見ますから離れてくださいッ!」
「どうして?何か困ったことでもあるのかしら?」
クスクスと笑う朱乃に、顔を真っ赤にしながら満は半ばヤケになり、言う。
「そ、その…」
「その?」
「む、胸が当たってますっ!当たってますからぁっ!」
「あらあら、それのどこが困るのかしら。お姉さん、気になるわあ…」
「〜ッッッッ!?」
そう妖しげに囁く朱乃に、我慢の限界を超えた満は強引に振りほどき、距離をとる。
振りほどかれた朱乃はその場でよよよ、と目元を隠し、
「そんな、振られてしまいましたわ…」
「どこをどう考えたら今ので行けると思ったんだアンタは!というか口ィ!目元隠しても口がニヤついてんのバッチリ見えてんだよ!」
なおも顔を真っ赤にしながらもツッコむ満。泣き真似しながらも笑みを隠せず、クスクスと笑う朱乃。
ふと視線を感じた満がそちらを向くと、射殺さんとばかりに殺気のこもった目でこちらを見る一誠と、呆れたような視線を投げかけるリアスがいた。
「ミツぅ…お前ぇぇぇぇぇ!」
「ちょ、待てイッセー!今のはどう考えても俺悪くねぇだろ!」
「ウルセェェェェ!お前はどんだけ羨ましいことをしてもらったのかわかってねぇのかああああ!なぜあそこで振り払ったァァァァ!?」
「そこかよ!?いや、振りほどくに決まってんだろ普通!?恥ずかしすぎるわ!」
「いや、待てよ。あそこでミツが振りほどかなかったらもっとミツが羨ましいことをしてもらっていたと考えると…よくやったミツ!だが許さん!死ねえ!」
「ふざけんなテメェ!」
取っ組み合う二人。
その光景をうんうん、と頷きながらにこやかに見る祐斗。
「二人は仲良しだね。」
そのセリフにブチ、っと来た満は、
「テメェもその仲間に入れてやるってんだよォォォ!」
「え、ちょ、わあっ!?」
祐斗も取っ組み合いに引きずり込む。
「男って、ホント馬鹿。」
その光景にジト目を向けつつ言う小猫。
オカルト研究部は今日も平和だった。
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その後、一誠に悪魔の最初の仕事であるビラ配りを教え、部室で暴れた罰として男性陣に徒歩で配ってくるよう命じたリアス。
小猫は花を摘みに行っており、部室にはリアスと朱乃の二人しかいなかった。
「どういうつもり?」
「どういうつもり、とは?」
首を傾げる朱乃に、リアスは朱乃に問う。
「ミツのことよ。いくら弄りがいのあるかわいい後輩ができたからって、ほどほどにして頂戴。せめて時と場所を選んで…」
「あら部長。なら時と場所を選べばいいのですね。わかりましたわ。」
「そういうことを言っているんじゃないわよ!だから、その…」
「なぁに、リアス?もしかして嫉妬?」
「違うわよ!」
クスクスと、自らの主を弄る朱乃。
「うふふ、ごめんなさい。だって、あの子弄っていてとてもかわいいんだもの。」
「にしたってTPOをわきまえなさいよ…」
疲れた様子で言うリアス。
「…でも、凄いですわね、あの子。」
「凄い?何が?」
「私の拘束を振り払いました。いくら私の筋力が悪魔としては弱いとはいえ、人間程度の力では到底振り払えないというのに…」
それを聞いて、昨晩の祐斗の話を思い出したリアスは、満が人間ではなくなり始めているという推測に改めて危惧を抱く。
(これは、ますますミツをこちら側に置いておく必要があるわね。)
そう思い、朱乃に話しかける。
「朱乃。」
「何でしょう。」
「話しておきたいことがあるわ。ミツのことよ。」
如何だったでしょうか。
今のところはリアスも朱乃も、満に対してそこまで強い感情というか、好意は抱いていません。
朱乃の満に対する感情は、本文通り「弄りがいのある、かわいい後輩」といったところです。
リアスに至っては、非常に強い警戒心さえ持っています。
まあ初対面がアレだったので仕方がないといえば仕方がないのですが。
気まぐれによる次回予告
またもリアスに呼び出された満は、今度は朱乃と模擬戦をすることになってしまう。
どう見ても戦闘が得意そうな見た目をしていない朱乃に戸惑う満。
そんな満に、轟雷が襲いかかる。
次回 ハイスクールD×D 〜鬼を継ぐもの〜
第13話 雷の巫女
次回もまた、満と地獄に付き合ってもらいましょう。