第17話、投稿していきます。
すいません、戦闘はまだです。
このssに付けられたキャラ崩壊タグが唸る…!
それでは、どうぞ。
目の前の堕天使は何なのか。
何故満がここにいるのか。
疑問は尽きることはないが、今の一誠にそんなことはどうでもよかった。
「アーシア!」
祈るように腕を組み、眠るように横たわる少女。
一見すると本当に眠っているように見えるが、横たわっている彼女の背中から血が流れ、血だまりを作っていた。
「アーシア!アーシア!くっそぉぉぉぉ!」
「落ち着けイッセー。」
怒りのまま飛び出そうとする一誠を、満が止める。
「なんでだ!なんでアーシアが殺されなくちゃならない!罪もない、そんなに優しい、心が清らかな女の子がなんで!お前もだミツ!なんで、なんで止めるんだよ!」
「落ち着けと言っているんだ、イッセー。まずはそこの女に聞きたいことがある。その少女…アーシアだったか?その子を助けるためにも必要なことだ。」
アーシアを助けるためと言われ、渋々従うイッセー。
満は目の前の女を睨みつけ、言う。
「そこの少女を殺したのはお前たち堕天使か?」
「ええ、そうよ。」
嬉しそうにそう答える女。
その態度に今すぐにでもぶっ飛ばしたい気持ちになるものの、ぐっと抑える一誠。
「お前が殺したのか?」
「そう聞こえなかったかしら?」
なおも冷静に問いを発する満。
本当は満は一誠よりも激情家だという事を知っていた一誠だが、アーシアを失った悲しみと怒りのあまり、満の違和感には気づいていない。
「…最後だ。お前がここのボスか?」
「ええ。私の名は、レイナーレ。至高の堕天使。あなたたちを死へと誘う存在よ。」
「…そうか。」
ふう、とため息をつく満。
そのまま、隣にいる一誠に耳打ちする。
(おいイッセー。俺はあの堕天使の相手をする。お前はあの少女を連れて外にいる部長の元へ行け。)
(なんでだよミツ!オレだってあの堕天使を許せない!お前一人に任せられるもんか!それに、部長はここにはいない!)
(バカ野郎。お前がここにきた目的はなんだ?その様子を見るに、あの少女を助けるためだろう?部長もそれは承知しているはずだ。それに、あの人が自分の眷属をほっぽってどこかで別の事をしているとも考えられない。)
(でも、アーシアを連れて行ったって…)
(思い出せ、イッセー。お前も一度は殺されてかけているんだ。お前はどうやって生き返った?)
(!!悪魔の駒か!)
コクリと頷く満。
(既に死んでしまった者に効くかどうかはわからない。だが、試してみる価値はある。お前には羽がある。あの少女を運ぶのが速いのは俺ではなく、お前だ。)
(…わかった。だが、アーシアが生き返ったら、オレもすぐに戻る。お前一人じゃ不安だからな。)
(抜かせ。お前の出る幕はねえよ。せいぜいあの娘とイチャイチャしてな。)
「相談事は終わったかしら?」
こちらの内緒話が終わるのを見計らったかのように、レイナーレと名乗った堕天使が話しかけてくる。
「ああ。テメェをぶちのめす算段がな。…行けイッセー!」
そう叫び、レイナーレに斬りかかる満。そちらを見ずに、騎士の駒の能力のスピードを活かしアーシアへと駆け寄る一誠。
アーシアをお姫様抱っこで抱えると、満に声をかける。
「ミツ!気をつけろよ!」
「煩え!とっとと行け!」
そんなことより急げと一誠を急かす満。
それを聞いた一誠は、もう満の方は振り返らずに階段を駆け上って行った。
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目の前で相談事をする満と一誠。
それを見ながら、レイナーレは部屋の真ん中で横たわる少女の事を思う。
アーシア・アルジェント。
生まれつき癒しの力を秘めた神器をその身に宿す、心優しき少女。
その少女がなぜ血溜まりの中で横たわっているのか。
レイナーレの脳裏には、数分前の出来事がぐるぐると回っていた。
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数分前。
アーシアの神器、聖母の微笑(トワイライト・ヒーリング)を取り出すべく儀式をしようとするレイナーレ。
彼女の目的は、この少女を使って癒しの力を手に入れ、至高の存在となることだったのだ。
「…」
十字架に磔にされたアーシアを見るレイナーレ。
美しい少女だった。プラチナを思わせる透き通った金髪に、無垢なるその寝顔。
顔を見るだけでこちらの心も清らかになるような少女だった。
(あの少女を、私が殺す。そして私は至高の存在に…)
(これを止めようとしても、もう遅い。もはや私は取り返しのつかないところまで来てしまった。)
(これは運命。誰にも変えられない。無駄なのよ、満。)
心の中で、そう呟くレイナーレ。だが、
『運命なんて言葉は信じちゃいない。全ては自分の手で切り開くものだ。』
頭の中で、その声が響く。
(…うるさいわよ、満。)
頭の中で、満の笑顔が、真剣な眼差しが、泣いているこちらを見たときの驚いた顔が、何度も何度もフラッシュバックする。
(今更やめろっていうの?このために手を汚してきたのよ?)
『…よく撮れてるな。』
(…この娘も、あんな体験をしたことがあるのかしら。)
気づけば、儀式の準備をする手は止まり、十字架の元へ歩み寄っていた。
「え?何してんですかアンタ?」
近くでその作業を見ていたフリードが、首を傾げ聞く。
(…私にだってわからないわよ。)
心の中でその言葉に答えながら、アーシアを十字架から解放する。
「ちょ、ちょっとアンタ!」
「煩い。計画は中止よ。」
「中止って…何か不都合なことでも?」
「いいえ。バカらしくなっただけ。借り物の力は、所詮借り物。そんなもので至高の存在だなんて、笑わせるわ。運命は自分で切り開くもの、ってね。私は私の力だけで高みを目指すわ。」
そう言って、アーシアを起こすレイナーレ。
アーシアは、レイナーレの顔を見るなり、
「ひっ…!」
と言って、後ずさる。
それに悲しそうな微笑みを浮かべると、
「逃げていいわよ、アーシア。一誠クンのところでも行きなさい。あなたなら保護してもらえるでしょう。」
「あの…何故、ですか?ワタシを利用するつもりだったんじゃ…」
「…そのはずだったんだけどね、少し予定が変わったの。あなたは用済みよ、どこへなりとも消えなさい。」
そう言ってアーシアを逃がそうとするレイナーレ。
だが。
パン。パパパン。
乾いた銃声が響き渡り、その場から崩れ落ちるアーシア。
その凶行に及んだ下手人は、
「…なんですか、それ。つまんねぇんですよぉ!ここまで来て終わりだぁ?もっともっともっともっと殺して殺して殺して殺して殺し尽くしてやらなけりゃ満足出来ないんですよぉ!」
「フリード!貴様!」
「煩えクソアマ。今までアンタに従ってきましたけど、無理っすわ。甘すぎ。ツメも、覚悟も、何もかんも甘ェ。」
「…消えなさい。今すぐ殺してあげてもいいけど、その顔を見るだけで不快だわ。」
「へっ、言われなくても消えますともさ。せいぜいここで最後の時を楽しむんだな、お嬢ちゃん!んなら、バイチャ!」
そう言って階段を上がっていくフリード。
すぐさまアーシアの容態を見る。
「アーシア!」
「れ、レイナーレ、さま…」
「喋っちゃダメよ!それに、私はあなたから様付けされる資格なんてない…!」
「ふ、ふ…。やっぱり、レイナーレさまは優しい、お、お方なのですね…」
「優しくなんてない、優しくなんて…っ!」
「そんな悲しい顔をなさらないでください。あなただけは、あの人たちとは違って、ワタシを侮辱はしなかった。人間だからって、見下したりはしなかった。」
「やめなさい…!やめて…!」
「ワタシに食事を与えてくださった。女の子なのに辛いだろうと、身を清めてくださった。」
「お願いよ…やめて…!」
「ワタシがこの町でイッセーさんに出会ったように、レイナーレ、さまにもこの町で素敵な出会いがあったのでしょう。どうか、その出会いを大切になさってください。そ、それと、一つだけ、お願いがあります。」
「…なに?アーシア。」
「わ、ワタシと、お友達になってはくれませんか…?」
「わ、私が…?」
「い、いけませんか…?」
「…わかったわ。私は今から、あなたの友。あなたの一生の味方よ。」
「よ、よかっ、た。れ、レイナーレ、さん。」
「なあに、アーシア。」
「ふ、ふふ。な、何でもありません。」
「何よ、変な娘ね。…アーシア?アーシア!」
穏やかな笑みを浮かべたまま、アーシアのその目は二度と開くことはなかった。
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回想をしていると、目の前の相談事が終わったようだ。
「相談事は終わりかしら?」
そう、強気な笑みを浮かべて挑発する。
「ああ。テメェをぶちのめす算段がな。…行け、イッセー!」
そう言って斬りかかってくる満。
その手に持つ刀は、青く、雷光を迸らせている。
(なによ、あなた。自分は人間だから敵わないとか言っといて、こんなすごい力を持ってるんじゃない。)
そう思いながら、
如何だったでしょうか。
ええ、わかっております。
レイナーレさんが変わりすぎィ!っておっしゃる方は多いかも知れませんが、このssを作成している時に、自分の中のレイナーレ像がどんどん変わっていったのが原因です。
まあ、満とレイナーレが先に出逢ってしまったことによるバタフライエフェクトだと思っていただければ。
ああ、やめて!露骨なお涙頂戴とか言って石を投げないで!
では次回。
またお会いしましょう。
誤字修正しました。