第23話、投稿していきます。
今回は長めです。
そりゃ、比較対象が悪いよ。
どうぞ。
グレイフィアを負け犬の意地とも言うべき執念で追い返した満。
その後リアスに説明を要求し、ここではまずいということで、部室に移動。
そこでリアスはことのあらましを説明していた。
今回の話を要約するとこうだ。
リアスは、純血悪魔、名門グレモリー家の次期当主であり、大学卒業までは人間界で自由に生活できるはずだった。
だかそこに婚約の話が舞い込む。
元々、純血悪魔の血統が絶えることを恐れていたグレモリー家。
そこに、フェニックス家が縁談を持ちかけた。
その結果だった。
それをリアスは当然のように拒否、逃亡。
結果、グレイフィアに追われていた、とのことだった。
「…という訳なの。」
「…へえ。」
説明を終えたのだが、満の様子が何処かおかしい。
「あの…ミツ?」
「ほうほうほう…無理矢理、ふむ…麗那、どう思う?」
「まずは戦力が足りないわね、頭数にしろ、力の質的にしろ。」
「だよなぁ…。今のままじゃグレイフィアさんで全滅だなぁ…。」
「あの、戦力、だとか、全滅、だとか、いったい何の話を…?」
物騒な単語にそこはかとなく嫌な予感がするリアス。
その予感を裏付けるように、満と麗那は同時に答えた。
「「何って、グレモリー邸襲撃計画の話ですけど?あ、フェニックス邸でもいいですね。」」
「やめなさい!」
放っておけばやりかねない彼らに、リアスは全力で止めるよう言う。
「いやだって、俺この前貴族には貴族の筋がある、って言ったんすけど流石にそれは無いですわ。婚約ったって、あらかじめ決められた期間を守らずに、ってのは筋が通らねぇでしょう。」
「全く、契約を重んじるはずの悪魔がよりにもよって"我慢が利かない"なんて理由で契約を不履行だなんて。恥ずかしいとは思わないのかしら。」
「こうなったら、そのライザーとかいうのをこう、キュッと…」
「それよ!」
「それよ!じゃないわよ!なんであなたたちはそっちの方向に行きたがるのよ!」
「だって、悪魔って力こそパ、じゃなかった全てなんですよね?だったらそのライザーとかいうのをシメてしまえば…」
「いや、それができないから言ってるんじゃないの…」
疲れた様子で言うリアス。
「とにかく、今日は助かったわ。まさかグレイフィアに真っ向から挑むなんて…命知らずもいいところだけどね。」
「いやもうあの時ホントは死んでましたし。部長にも助けられました。」
お互いに礼を言い、お別れを言って、自分の部屋に移動する。
せっかくなので、麗那の移動術を試させてもらった。
麗那が意識を集中すると、一瞬で部屋へと移動する。
「ハ…ッ、ハ…ッ。」
部屋へ帰るなり脱力し、へたりこむ麗那。
「あー。大丈夫か?」
「もしこれが大丈夫に見えたら、脳外科を受けることをお勧めするわ。」
「だよな。それじゃ、今日はもう寝るか。ほれ、運んでやろう。」
両手に慎重に麗那を乗せ、ベッドまで運ぶ。
ちなみに、麗那はいつも満が使っている枕の上で寝る。
何故かと聞いても決して答えてはくれないが。
「おやすみ、麗那。」
「おやすみ、満。」
そう言って2人は目を閉じる。
そしてすぐ眠りへと落ちていった。
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夢を見た。
燃えている。
燃えている。
空が。大地が。海が。何もかもが燃えている。
全てを燃やし尽くす、紅い炎。
よく見ると、大地のはずのそれは、ガラスのように滑らかで。
海に見えたそれは、よく見ると内部の炎が映ったもので。
空に見えたものは、漏れ出た炎そのもので。
その紅い炎は、こちらをも焼き尽くした。
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バッ、と跳ね起きる。
時計を見ると、まだ5時半。いつもならまだ寝ているはずの時間だ。
(…なんだったんだ、あの夢は。)
全身がぐっしょり汗で濡れていた。
仕方がないので、シャワーを浴びる。
シャワーを浴びながら、満は考えに耽る。
(…クソッ。まだ震えてやがる…。あの、グレイフィアとかいう女と相対してからずっとだ。)
その手は、細かく震えている。
本能に刻まれた恐怖は、いまだ身体を縛っている。
(しっかりしろ。お前は鬼武者だろうが。)
そう自らを叱咤し、満は風呂から上がった。
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いつも通りに登校し、授業を受ける。
放課後を今か今かと待ち続け、授業が終わった瞬間に一誠たちを置いて部室へ急ぐ。
(あの女は「この場は」と言った!なら、今は…!)
部室にいる。そう予測した満は、とにかく急ぐ。
旧校舎の敷地内に入った瞬間、感じた。
あの女だ。
グレイフィア。あの女がここにいる。
(クソッ、当たって欲しくない時ばかりッ!)
なるべく普通を装って、部室に入る。
入室した瞬間、グレイフィアはこちらをチラリ、と見たが、後は何事もなかったかのようにそのまま待機。
満もまるでグレイフィアが見えていないかのようにリアスたちに挨拶する。
「お疲れ様です、部長。姫島先輩。」
「え、ええ…」
「お疲れ様ですわ。」
「それで、あちらの方は?」
「(ミツ…?)…あちらはグレイフィア。あなたには先に言っておくわね。彼女は魔王様の女王(クイーン)よ。最強の女王、なんて呼ばれているわ。」
「へえ、
さも彼女を知っていないかのごとく頷く満。
リアスは満がなにをしでかすかわかったものではなく、不安が募る。
と、程なくして他のオカ研メンバーが集まってくる。
「お疲れ様です、部長。それで、この方は…?」
「ええ。みんなにも紹介しておくわね。彼女は私の兄、魔王サーゼクス・ルシファーの女王、グレイフィアよ。」
グレイフィアは一礼すると、
「私、グレモリー家に仕えております、グレイフィアと申します。リアス様のご眷属の皆様、どうぞよろしくお願いします。」
それから満の方にも向き直り、
「昨晩は、失礼いたしました、左馬 満様。リアス様のご学友だったとは知らず…」
(…上手いな。)「いえ、お気になさらず。昨晩は、俺も失礼でした。」
さっそくこちらの手を封じてきた、と満は感じる。
満はこの部室に入ってくるなり、グレイフィアとは会っていない風を装っていた。
だが、皆が集まっているこの場でグレイフィアが顔見知りということをバラした所為で、初対面だからこそできる対応ができなくなってしまった。
(効かなかったとはいえ、流石にいきなり奇襲されれば警戒もするか。)
だが、と満は思う。
(謝ってきた。それは、自分の非を認めた、ということだ。…なるほど、傲慢というわけではないらしい。)
満はグレイフィアの評価を上方修正する。
(うまく誘導すれば、味方になってくれるかもしれない、といったところか。…これは、昨日の対応は全てが悪手になったな。)
内心苦い顔をする満。
「それで、部長。グレイフィアさんが来たのって…」
そう一誠が問うた時、部屋の床に魔法陣か現れ、炎が巻き起こる。
(…炎。昨日部長が言ってたフェニックス、ってやつか。)
ゴオオオ、と渦を巻いた炎が消えると、そこには、
赤いスーツをだらしなく着崩した、見るからに軽そうな男が立っていた。
(さてここで麗那さん。感想をどうぞ。)
(淡々とネタを振るわねアンタ。まあ、正直ないわー。)
念話でコントを繰り広げる2人。
「ふぅ、人間界は久しぶりだな。」
男が口を開く。
「誰だこいつ?」
一誠が首をかしげる。
「この方はライザー・フェニックス様。上級悪魔フェニックス家の御三男であり、純血悪魔であらせられます。」
グレイフィアが説明する。
「そして次期グレモリー家当主の婚約者。すなわち、リアス・グレモリー様のフィアンセでもいらっしゃいます。」
どこか淡々と、グレイフィアはそう付け加えた。
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事情を知らない一誠たちと違って既に事情をリアスから聞いている満は、窓際から部屋の真ん中でふんぞり返っているライザーを冷静に観察していた。
(強い、んだろうな。多分。いや、ほぼ間違いなく。下手をすれば成人悪魔ってのは全員グレイフィアレベルかもしれねぇ。甘く見るべきじゃない。)
初めて出会い、その力を見せつけられた上級悪魔であるグレイフィア。
その実力がまさに悪魔界でも最強の女王ということを知らされてはいたが、それでも上には上がいるという言葉を知っている満は、悪魔界はグレイフィアレベルがゴロゴロいる、まさに地獄のような場所という認識をしていた。
(今ヤツに襲いかかったところで勝てるか?…無理だな。グレイフィアには効かなかった。ならアイツにも効かないだろう。)
比較対象を間違っていることに気づかず、ライザーの実力を考察する満。
そんなことを満が考えているとはつゆしらず、ライザーはのんきに、
「リアスの女王が淹れてくれたお茶は美味しいなぁ。」
などとのたまいながら、リアスの太ももや手を撫で回していた。
青筋を浮かべ、それに耐えるリアス。
「いい加減にして頂戴!」
失敬。我慢はもう既に限界だったようだ。
「ライザー!私はあなたとは結婚なんてしないわ!早く帰って頂戴!」
「まぁ待て、リアス。その話をするにはこの場にはふさわしくない虫ケラがいるだろう?」
「何を言って…」
ゴウ、という音とともに窓際に寄りかかっていた満に突如炎が襲いかかる。
ガラスの割れる音がして炎を纏った何かが外へ飛び出る。
悲鳴をあげるリアス。
仕留めた。
さっきからこちらを見ている
「おやめください、左馬様。」
突然、グレイフィアがライザーの方を向いてそう言う。
全員がそちらを向くと、
雷斬刀を抜き放ち、ライザーの首筋ギリギリで止めているワイシャツ姿の満の姿があった。
満は炎が襲いかかった瞬間、咄嗟にブレザーを脱いで窓の外へ放り、ライザーがそちらに気を取られている隙に床を這うようにして接近。
グレイフィアが声をかけるのがあと数瞬でも遅れていれば、ライザーの首を斬り飛ばせるところまで刀を振り抜いていた。
「「「「ッ!?」」」」
「…何故止めるんです、グレイフィアさん。」
「あなたを思えばこそです、左馬様。そこでその力を使うことは何のメリットもございません。リアス様のことを思うのならば、ここは耐えるのがよろしいかと。」
「…言ってる意味がわからねえな。こちとらいきなり
「私にも立場というものがございまして。これ以上は私がお相手しなければならないでしょう。それはそちらの望むことでは無いのでは?」
「…チッ。せめてブレザー代は請求させてもらうぜ。」
「ご自由に。こちらでお支払いします。」
舌打ちすると、刀を収める満。一礼するグレイフィア。
死なないとはいえ、気づかぬうちに首を斬り飛ばされそうになったことに冷や汗を流すライザー。
その後の話で、リアスの結婚を破棄したければ、それを賭けたレーティングゲームという競技を行うよう魔王から提案されたと、グレイフィアは言う。
途端に気を良くしたライザーは、リアスに向けて勝利宣言。
レーティングゲームに勝てば、リアス・グレモリーの女眷属も自らのものにすることを強要。
それに納得できない一誠がライザーに殴りかかるも、ライザーの眷属に逆に殴り飛ばされてしまう。
ライザーは高笑いをしながら自らの眷属を自慢。それは自分のハーレムだと言う。
ライザーによく似た少女を眷属の中に発見した満は、
(さて、なんかアブない匂いがするんですが。そこんとこどうです、麗那さん?)
(マジでないわ。あれはないわ。ホント何考えてんだか。)
コントをしつつ。
そして、リアス・グレモリー眷属とライザー・フェニックスのレーティングゲームが行われることが、正式に決まった。
ただし、人間である満は参加しないこと。
ライザー側から、そう条件を付けられた。
曰く、
レーティングゲームは悪魔の競技なのだから人間が参加するのはおかしい。
とのことだ。
その場に居合わせた全員はライザーが満の実力と殺気に恐れたのがわかったが、そう言われては誰も文句が言えなかった。
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一誠は不安だった。
何が不安なのか。
それは、レーティングゲームに参加できないと言われても文句を言わず、静かに事の成り行きを見守っている満の様子にだった。
静かな時ほど怖いものはない。
噴火を起こす前の火山を満に幻視し、ぶるり、と体を震わせる一誠。
その予感が間違っていなかったことを、彼は後にその目で思い知らされる。
如何だったでしょうか。
後半は随分と端折ってしまったのですが、レーティングゲームについては修行編にて。
満にとってはグレイフィアさんはある意味トラウマになってます。
当然ですね。
さて、今回はこんなところでしょうか。
では次回。またお会いしましょう。
タイトルを修正しました。なぜか24話になってました。
申し訳ありません。