ハイスクールD×D 〜鬼を継ぐもの〜   作:ルルガルウ

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ルルガルウです。
第27話、投稿していきます。

その優しさは、武器なのか。

どうぞ。


第27話 その覚悟は誰が為に

ここは今回の試合、ライザー・フェニックスとリアス・グレモリーとのレーティングゲームの審判席兼観覧席。

 

「すごいっすね、アレ。駒王学園を再現したんですか?」

「はい。そのようになっております。」

 

会話を交わすのはレーティングゲームの会場が駒王学園そのものを模したものだということに驚く満と、そのことを肯定するグレイフィア。

 

「…この間はすんませんでした。」

「何のことでしょう?」

「いきなり襲いかかっちまったことです。本当はこちらから仕掛ける気なんざ毛頭なかったんですがね、グレイフィアさんを見た瞬間に身体が動いてました。」

「そのことでしたら謝罪はすでに受け取りました。それに、あの程度ではどうにもなりません。」

「…あー、はい。」

 

あの程度では傷も付かぬと、ストレートにそう言われ苦笑する満。

 

「…しかし何故です?」

「何がですか?」

「何故あなたはあの時挑んだのですか?あなたはこちらの実力をはっきりとわかっておいででした。なのに何故です?」

「だから言ったじゃないですか、身体が…」

「恐怖で強張った身体を無理やり動かしてですか?」

「いや、ほら、恐怖から逃げる為に…」

「いいえ嘘です。あの時あなたは死ぬつもりでした。リアス様が割って入らなければそうなっていたでしょう。」

「…別に、身の程知らずだっただけですよ。」

「…そうですか。そういうことにしておきます。」

 

そこで、再びグレイフィアは審判に集中する。

満もモニターを見る。

そこには、今まさに一誠が敵と戦闘していたところだった。

 

□□□□□□□□

一誠たちはフィールドの中央にある、体育館で戦闘をしていた。

防御力の高い小猫を前衛に、スピードの速い祐斗が遊撃。

力を溜めた一誠が本命と、なかなかバランスの取れた陣形だ。

 

(クッソ!こいつら連携が上手すぎる!)

 

しかし、一誠たちは相手のコンビネーションに苦戦していた。

 

(こうなったら…)

「木場!小猫ちゃん!相手から離れてくれ!」

 

2人にそう声をかける一誠。

即座に相手から離れる2人。

一誠は相手の方に赤龍帝の籠手を向けると、

 

洋服破壊(ドレス・ブレイク)!」

 

と叫ぶ。

瞬間、相手の衣服が弾けとび、相手は悲鳴をあげながら身体を隠す。

 

「今だ、木場!小猫ちゃん!」

「あ、あはは…イッセー君らしいね。」

「最低です。」

 

祐斗は苦笑を、小猫は冷たい視線を一誠に向けつつ、動けないライザーの眷属を倒す。

 

「よっしゃ!」

 

思わずガッツポーズをしながら次の戦いへ向かう一誠だった。

 

□□□□□□□□

「…面白い技ですね。」

「あ、アイツ、いつの間にあんな技を…」

 

あんな魔力の使い方を、と感心するグレイフィアと、一誠のあんまりな技に頭を抱える満。

 

「なるほど…相手の装備を破壊することで敵の無力化を狙う…。よく考えられています。」

「いえ違います。アイツは絶対そんなこと考えてあの技作ったんじゃありません。ただのエロ根性です。」

 

その後一誠たちはさらに5人を撃破。このまま順調に行くかと思ったが小猫が撃破される。更に相手の女王と対戦していた朱乃がフェニックスの涙を相手に使われ、撃破される。

どんどん旗色が悪くなるグレモリー眷属。

 

(やっぱ多勢に無勢か。ここを乗り切れるか…?)

 

冷静に戦場を分析する満。

戦いはすでに佳境へ入っていた。

 

□□□□□□□□

「があっ!」

「イッセー!」

 

あの後慌ててリアスの元へ戻った一誠。行かせはしないと道を阻むライザーの眷属達を祐斗が引き受け、リアスのいる屋上へ向かう。

そこにはライザーと一騎打ちするリアスの姿があった。

すかさず加勢する一誠。だが、相手の炎をまともに食らってしまった。

 

「イッセーさん!」

 

吹き飛ばされた一誠にアーシアが駆け寄り、すぐさま聖母の微笑での治療を始めた。

 

「ぐっ…くそ…」

「動かないでください!すぐに治します!」

 

焦る一誠にそれを押し留めるアーシア。

上ではライザーと対峙するリアス。

リアスはその身に宿す滅びの魔力をライザーに当てるが、すぐにライザーは再生してしまう。

 

「リアス。もうそろそろ諦めたらどうだ?自慢の眷属達は敗れ、その魔力も俺には通用しない。この戦いはお父様も魔王、サーゼクス様も見ておられる。醜態を晒すのは忍びないだろう?」

「…うるさいわね。私は諦めるわけにはいかないのよ!」

「何故だ?何故キミはそこまで闘い続ける?そこまでこの婚姻が嫌なのか?」

「それもあるわ。でもね、それだけじゃないのよ!」

 

そこでリアスはダンッ!と一歩踏み出し、

 

「こちとら意地があるのよ!覚悟があるの!私を信じ、支えてくれる人たちの為に、最後まで諦めない覚悟がね!」

 

そう啖呵を切る。

その啖呵にやれやれ、とライザーは首を振ると、

 

「仕方ないな。そこまで言うのなら、この場で燃やし尽くして…ん?」

 

リアスを攻撃しようとしたライザーだったが、異変に気付く。

 

「なんだ?あれは赤龍帝のガキ?」

 

眼下に、赤い赤い鎧を捉えた。

 

□□□□□□□□

『こちとら意地があるのよ!覚悟があるの!私を信じ、支えてくれる人たちの為に、最後まで諦めない覚悟がね!』

 

リアスの声が響く。

 

(ちくしょう…!)

 

一誠は歯噛みする。

いつもだ。

いつもオレには力が足りない。

だからいつも間に合わない。

だからー

 

(相棒。)

(ドライグ?)

(出来れば使いたくはなかったが…今のこの状況をひっくり返せる力があるといったらどうする?)

(なっ!?使うに決まってんだろ!)

(その力には代償が伴う。それに、使えるのはわずか10秒。)

(…上等だ。10秒もいらねぇ。あの焼き鳥野郎をブチのめすぐらいはな。)

(…よし。ならば今から強制的に"鎧"を起こす。代償はその左腕だ。)

 

そのドライグの言葉を聞いて一誠はニヤリと笑う。

 

(いいぜ、そのぐらい、代償のうちに入らねぇよ!)

 

そして赤龍帝の籠手が輝き始める。

 

「うおおおおお!輝きやがれ!オーバーアクセルゥゥゥゥゥゥゥ!」

 

一誠が吠える。

 

「Welsh Dragon over accelerator!!!」

 

その声に応えるように赤龍帝の籠手から機械音が響く。

 

赤い光が輝き、その光が止むとそこには、

 

(もう一度言う。10秒だ。それ以上は身体が持たんぞ。)

(わかってるさ!)

 

赤い龍を模した鎧を身にまとって立つ一誠がいた。

 

「イッセーさん…?」

「アーシア。離れてろ。」

 

一誠はそう言うと背中のブースターを起動し、ライザーへ向かって一直線に飛んでいく。

 

□□□□□□□□

『うおおおおお!輝きやがれ!オーバーアクセルゥゥゥゥゥゥゥ!』

 

(…)

 

一誠のさらなる覚醒。

それを無言で見つめる満。

 

「ほう。力が大きく上がりましたね。流石は赤龍帝といったところでしょうか。」

「いえ。アレは力が大きすぎです。あれじゃイッセーが持たない。何秒持つかはわかりませんが。」

 

修行の際、解放した力が大きすぎて暴発しそうになった一誠を見ていた満は、あの鎧は危険と判断し、不安に思う。

その不安とは裏腹に、どんどんライザーを追いつめていく一誠。

 

と、そこで満が席を立つ。

 

「グレイフィアさん。」

「なんでしょう?」

「帰ります。」

「なぜです?勝敗はまだ…」

「いえ。この勝負…」

 

「部長の負けです。」

 

満が出ていった後の部屋のモニターには、

アーシアを人質に取られ、時間切れになり倒れ伏す一誠と。

最後まで諦めるものかとライザーを睨みつけるリアスがいた。

 

リアスの敗北が告げられたのは、そのわずか数十秒後のことだった。

 

□□□□□□□□

『こちとら意地があるのよ!覚悟があるの!私を信じ、支えてくれる人たちの為に、最後まで諦めない覚悟がね!』

 

リアスの声が頭の中に響く。

 

「…」

 

帰り道を無言で歩く満。

 

「お待ちください。」

「…グレイフィアさん?」

 

満の前に転移陣が浮かび上がり、グレイフィアが現れる。

眉をひそめる満に、

 

「これを。」

 

と、一枚のカードを渡してくる。

 

「これは?」

「招待状です。ライザー様とリアス様の婚約式の。」

「何かの模様しか書いてませんよ?」

「転移陣のカードです。婚約式の会場が出口に設定されています。本来ならばメッセージカードも同封すべきなのですが、サーゼクス様があなたには要らないだろうと。」

「…なるほど。」

「それと、これを。」

 

と、満に一本の刀を渡してくる。

 

「…これは?」

「あの時あなたの刀を折ってしまいました。そのお詫びと思ってください。」

「なるほど。…あくまで他意はないと。」

「もちろんです。」

「では、ありがたくいただきます。」

「それでは。婚約式の日付は次の日曜日でございます。」

「わかりました。お気をつけて。」

 

グレイフィアと別れ、アパートへと帰る。

出迎えてきたクロの頭を撫で、そのまま机の引き出しを開ける。

そこには、鬼をかたどった仮面が月の明かりを照り返していた。




はい。
如何だったでしょうか。

毎度のごとく大分端折ってしまいました。申し訳ありません。
次回は長くなる予定です。なんてったってアレのお目見えですからね。

では次回。またお会いしましょう。


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