今回は日常回。
やってなかった部分をここいらで消化します。
どうぞ。
第31話 逃げられんぞぉ〜
「おいーす、左馬。」
「桐生か、おはよう。」
数日後。
性懲りもなく毎朝満のベッドに裸で潜り込んでくるリアスを理性を全力で振り絞りながら振り払った満は、いつも通りに登校していた。
ちなみに、リアスに頼み込んで家を出る時間はずらしてもらっている。
「よお!ミツ!今日も元気に…」
「してないからな。お前らはどんだけ俺をお前らと同類にしたいんだ。」
朝から下ネタをぶっこもうとしてきた松田をセリフを食うことでやり過ごし、欠伸をする満。
「どうした?ミツ。寝不足か?」
「ん?ちょっと最近朝から重労働をこなしてるんでな。疲れてるんだよ。」
まさかリアスに毎朝全裸で抱きつかれてます、なんて言えばクラス総出で審問会が始まることが目に見えていたので、それとなく誤魔化す。
(その手のトラブルはイッセーの役だろ。)
何気に酷いことを考えつつ、談笑する満。
「ミツ…。」
「うおっ!?も、元浜かよ。ビックリさせんなって…」
「お前が放課後リアス先輩と2人で歩いていたっていうのは本当か?」
「おい、それ本当かよ、ミツ!オレ聞いてねぇぞ!」
登校時間をずらせば変な噂は立たないとタカをくくっていた満は、元浜のその言葉に冷や汗を流す。
「…はい?い、いや、そんなことがあるわけ…」
「いーや。確かな情報だ。ていうか俺が見た!」
「んじゃなんで伝聞の形で伝えた!言え!」
「誤魔化そうとしても無駄だぞ!ネタは上がってるんだ!」
まさに"鬼"の首を取ったかのように勝ちほこる元浜。
これはマズイと、必死に話題を逸らそうとする満だが、
「おい!本当なのかよミツ!」
「ミツゥゥゥゥ!」
「いや怖えよ松田!てかイッセーは面白がってやってるだろ!」
「へぇ。左馬ってグレモリー先輩みたいなタイプが好みなんだ。年上好きなの?」
「い、いやそういう訳では…」
(違うのッ!?)
(いや麗那、何でお前まで…!)
(さ、捌ききれんッ…!)
カオスである。
騒ぐ一誠たちに周りのクラスメイトの注目も集まる。
焦る満。と、そこに、女神が現れる。
「イッセー、アーシア、ミツ。」
「部長!おはようございます!」
「うおおおおっ!リアス先輩だぁぁぁぁっ!」
「煩え浜田!それで、どうしたんです?」
「いえね、今日の部活は少し遅くなるかも、って伝えておこうと思ってね。」
「そうですか、ありがとうごさいます。」
(よし、これで有耶無耶に…)
安心する満。だがそれはフラグだということを満は知らない。
「リアス先輩!ちょっといいですか!」
「ん?何かしら?」
「毎日ミツと一緒に帰っているというのは本当ですか!?」
「おい元浜、何を聞いて…」
「あらミツ。あなた恥ずかしがって登校時間をわざわざズラしてたのに、一緒に住んでることバラしちゃったの?」
「…ええ。バレましたね、たった今。」
女神かと思ったら満にトドメを刺しに来た死神だった。
周りを見れば、質問したくせにフリーズしている元浜。何かを言おうとして舌を噛んで転げ回っている松田。空いた口が塞がらない一誠。冷静にリアスを見ている桐生。
完全に手遅れだ。
「い、いや、別に住んでるアパートが一緒なだけで一緒に暮らしてるわけじゃ…」
往生際悪く、足掻こうとする満。
その行為はアリジゴクにはまった蟻がもがくことと同じだということに満は気づいていない。
「え?何言ってるの。毎朝一緒のベッドで起きてるくせに。朝食も、夕飯も一緒じゃない。」
「いやそれは部長がいつも勝手に…ハッ!?」
周りを見渡せばクラスメイトが全員こっちを見ている。
(ま、マズいッ!)
この時点で言い逃れは不可能である。
冷や汗をダラダラと流す満に、リアスは不満そうな顔でさらに
「っていうか、"リアス"って呼べって言ったじゃない。呼びなさいよ。」
(あ、これ詰んだ。)
数え役満である。
ギギギ、とリアスに顔を向け、SHR始まりますよ、とだけ言う。
あら、とリアスは時計を確認し、満に満面の笑顏で手を振ると、教室を後にする。
「…」
「「「「「「「「「「「…」」」」」」」」」」」
沈黙が教室を支配する。
元浜がポン、と満の肩に手を置き、
「詳しい話は、後で聞こうか。」
「…はい。」
満の審問会出頭が決まった。
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「まったく、水臭えぜミツ。部長と付き合ってんのならそう言えばいいものを。」
「ちげえって言ってんだろ、イッセー。付き合ってなんかいねーよ。」
「お、応援しますから頑張ってくださいね!」
「いやだからアーシア、俺は別に…」
あの後、審問会をやっとの思いで乗り切り、ごまかし続けた満。
なおも追撃をやめない一誠と純粋に応援してくるアーシアを捌きつつ、部室へ向かう。
「いらっしゃい、3人とも。…ミツ?あなた疲れてない?」
「お疲れ様です部長。ええ、疲れてますよ。誰かさんのおかげでね。」
「???」
首を傾げるリアス。その様子に、満は内心で肩を落とす。
(ひょっとしなくてもこの人天然か…?)
「まあいいわ。今日は、3人に紹介したい人たちがいてね。」
「紹介したい人?」
「ええ、そうよ。ミツ、あなたにはあまり関係ないかも知れないけどね。」
「「「???」」」
「自分の目で見るのが1番よ。ちょっと待ってて…」
そう言って転移陣を展開しようとするリアス。
と、その時部室の扉がコン、コンとノックされる。
「あら、どなたかしら?」
「私です、リアス。入りますよ。」
凛とした声が響き、ある人物が部室に入ってくる。
「…生徒会長?」
「あら、ソーナ。どうしたの?」
駒王学園の生徒会長である。
その凛とした雰囲気とルックスで男子にも女子にも人気だ。
「いえ、お互い、新しい眷属が加わったので、挨拶にと。」
「相変わらずカタイわねぇ。ここではそんな言葉を使わなくてもいいのに。」
親しげな様子で話しかけるリアス。
「いえ。眷属の手前、そういうわけにはいきません。匙、挨拶なさい。」
「わかりました会長!生徒会長の下僕となった、
「…いや、誰?」
「何ィ!?」
(…なるほどな。この学園は、いろんな意味で悪魔が牛耳ってるってわけか。)
騒ぐ匙と一誠を無視して考える満。
眷属と言ったということは、生徒会長も悪魔ということ。しかも、リアスが親しげということはある程度交流があるのだろう。
(さて、ここでちょっと問題になるのが俺の存在だよな…)
魔王であるサーゼクスがこちらに友好的だったおかげで表面上何ともないが、満は上級悪魔の婚約発表会をぶち壊した張本人である。
蒼那からも警戒されているに違いない。
(まいったな、下手をすれば生徒会権限とか…)
満が頭の中でそう危惧していると、蒼那が満に気づいたようで、こちらに近づいてくる。
ビンタの1発は貰うかな、と覚悟していると、蒼那は頭を深く下げてきた。
「左馬 満君ですね。この間は、リアスを救っていただき、ありがとうございました。」
「…え?ち、ちょっと!顔を上げてください!」
突然のことに大慌てする満。
「救ったって…どういうことですか?」
「私とリアスは幼い頃からの友達、いわゆる幼馴染なのです。それで、リアスが望まぬ結婚を強いられようとしていると聞き、心配していたのですが…」
「俺がぶち壊した、と。なるほど、それで救ったと…会長はいつ聞いたんです?」
「あら。私はあの会場にいましたよ。あの熱い叫び、私もしかと聞かせて貰いました。」
「あ、あはは…。そう言われると、は、恥ずかしいですね…」
微笑む蒼那。
照れくさそうに頭をかく満。
その顔にむーっ、と不満気な顔を浮かべるリアス。
穏やかに時間が過ぎていった。
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その後、匙と一誠とアーシアは使い魔の契約をしに行くことになり、それぞれの主と女王、満と共に冥界へ向かった。
「冥界か…」
「ふふ、ミツが来るのは二度目ね。」
「はい、でもあの時はずっと屋内でしたし、戦った場所も結界に囲まれていましたから、こうやって何の仕切りもない空を見ると…」
「ふふ、感動した?」
「いえ、物凄く不安になります。」
赤黒い空を見れば、一般人ならばそう思うだろう。
あらら、と苦笑を浮かべるリアス。
「まあ、別に嫌ではないですけどね。」
「ならよかったわ。」
その後ザトゥージという悪魔が現れ、使い魔の捕まえ方をレクチャーする。
「へえ。ああやって使い魔ってゲットするんですね。」
「あなたはすでにいるものね。」
(そうよ。だからもう一匹…なんて、言わないようにね。)
(安心しろよ、お前以上はいないさ。)
その後、アーシアが服が溶ける液体でできたスライムに襲われたり、そのせいで一誠がブチ切れたり、リアスや蒼那、朱乃が襲われたり、ここぞとばかりに満に抱きつくリアスと朱乃、恥ずかしがりながらも満にしがみついて身体を隠そうとする蒼那に顔を赤くしながら、それでも離れろとは言えない満だったり、その姿を見た一誠と匙に襲われたりと、非常に騒がしい捕り物となった。
ちなみに、アーシアは
…一方、一誠と匙は使い魔をゲットできなかった。
原因は、主に満を追いかけていたからである。
如何だったでしょうか。
今回は使い魔契約のお話でした。
スライム騒動に会長を巻き込んだのは、単なる気まぐれです。
ファンの方、申し訳ありませんでした。
別に会長は満に対して友人の恩人以外の感情は持っていない…はずです。
椿姫さんがいるじゃない!と言う方もおられるかもしれませんが、まあそこは主のプライドということで納得していただければ。
満は犠牲になったのだ…古くから続くラブコメ時空、その犠牲にな…
それでは次回。またお会いしましょう。