ハイスクールD×D 〜鬼を継ぐもの〜   作:ルルガルウ

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ルルガルウです。
第35話、投稿していきます。

ちょっと今回は趣向を変えてみました。

どうぞ。


第35話 破壊と擬態

初撃は、ゼノヴィア達だった。

同時に繰り出される突き。

その両方を一本の刀でもって防ぐ満。

 

ギィン!

 

「うぉっと!」

 

見た目とは裏腹のその力に、弾かれ後ずさる満。

 

「ゼノヴィア!」

「わかっている!」

 

チャンスとばかりにゼノヴィアが先ほどよりも鋭い突きを放ってくる。

満はそれを斬りはらい、空振りさせる。

勢い余ったゼノヴィアの剣は、地面に突き刺さってしまった。

すかさずそこにイリナが切り込み、サポートする。

満に向かって振るわれた刀を身体を横に一回転させて躱した満は、空振りしたその刀に自らの刀を当て、ゼノヴィアの剣の上に抑えつける。

 

「くっ!」

「お、おおお…!」

 

ギリギリ、カチャカチャと、互いの力のぶつかり合いを示す音が聞こえてくる。

と、そこでイリナが刀を瞬時に紐に変えてしまう。

思わず勢い余る満を、ゼノヴィアが剣を切り上げることによって弾く。

 

「終わりだ!」

「吐かせ!」

 

今度はゼノヴィアとイリナが同時に聖剣を振るってくる。

足払いをするかのように低空から襲い来る2本の刃。

満はそれを弾かれた勢いのまま回転しながら跳び、さながら曲芸のように躱す。

 

「マズイです!囲まれました!」

 

朱乃の焦ったような声が響く。

満が着地した地点は、文字通りゼノヴィアとイリナの立っている地点同士の中央。

図らずも挟撃の形となったゼノヴィア達に、笑みが浮かぶ。

 

□□□□□□□□

「ハアアア!」

「セイッ!」

 

別方向から同時に襲い来る刃。

以前から組んでいたのだろうか、そのコンビネーションは抜群だ。

それを満はなおも一本の刀のみで凌ぐ。

時には躱し、時には受け、時には当て。

時には正面で、時には側面で、時には背面で。

その桁外れの反射神経を以って満は全ての攻撃を防いだ。

 

「おお!」

 

これでも仕留めきれない満にイラついたのか、ゼノヴィアが飛び上がり剣を振り下ろしてくる。

刹那に見切り、その剣の付け根を渾身の力を込めて斬り上げる。

弾かれ、ゼノヴィアの手から離れる聖剣。

上空へ上がったその剣を追う影。

 

「グッ!」

 

ゼノヴィアを空中での踏み台にし、飛び上がった満だった。

地面に叩きつけられるゼノヴィアだが、その表情は笑みだ。

 

(バカめ、聖剣は素質のないものが触れば弾かれる!そうなればイリナの次の一撃で終わりだ!)

 

しかし、ゼノヴィアの意に反し、満はしっかとその柄を握る。

 

「何!?」

「嘘っ!?」

 

こんなところに聖剣の素質があるもの(天然物)がいるのか。

満が握った大剣は今までよりも強く輝いた。

 

□□□□□□□□

"破壊の聖剣(エクスカリバー・デストラクション)は歓喜した。

この男だ。

この男の持つ力だ。

遥か昔、自分を振るっていたのはこの男と同じ力を持つ者だ。

 

嗚呼、何と甘美な破壊の力。

"破壊"の名を冠する自分でさえ、ここまで美しい破壊の力は持ち得ない。

 

また共に戦えるのか。

時空を超え"あの男"の元へ馳せ参じた時のように、振るってもらえるのか。

 

ならば。

 

この男に我が身、全てを捧げよう。

 

□□□□□□□□

聖剣から発せられた光は、満の右手、そこに握られた刀にも届く。

目を開けていられないほどの眩い閃光が走り、止むとそこには、

 

「なるほど…今回はこんな形か。」

 

金色に光る双刀を構えた満がいた。

 

□□□□□□□□

「…イリナッ!」

「っ!はいっ!」

 

イリナは即座に刀を2本に変え、一本をゼノヴィアに渡す。

再び同時攻撃を繰り出す2人。

だが構える刀が二本になり、単純に手数が倍になった満はその全てを防ぐ。

突き出された2本の刀を仰け反りながら斬りはらい、続くもう一撃を今度は下に押さえつけ、踏み台にして跳ぶ。

 

「イリナ、奴は…!」

「うん、"資格者"だね。でも、聖剣を変形させるなんて聞いたこともないよ!」

「その通りだ。しかも、あれは見た目こそ"破壊の聖剣"よりか小さいものの、その力は桁違いだ。少し斬りあっただけでわかる。」

 

ゼノヴィアとイリナの頭にある共通認識が浮かぶ。

この男は危険だ。

だが、上手くこちらに引き込むことができれば、頼もしい味方になる。

瞬時にそう判断し、刀を下す2人。

 

「…?どうした、まだ終わりって訳じゃあるまい。剣を構えろ、視線を上げろ、闘志を燃やせ。さあ、ハリー!ハリーハリーハリー!」

 

そう言う満に慌ててゼノヴィアは言う。

 

「わ、わかった!降参だ!アーシア・アルジェントにも謝罪する!だから剣を下ろしてくれ!」

 

□□□□□□□□

懇願するゼノヴィアに困惑する満。

 

(あん?降参だと?まだお互い傷1つねぇんだぜ?だが…)

 

チラリと部長の方を見ると、コクリと頷く。

 

(受け容れろ、ってことか。…まあアーシアにも謝罪するってんだし、イッセーの不満も無いか。木場は…消えやがった、あの野郎。)

 

周りを見渡すが、祐斗の姿は無い。

 

「…わかった!こちらも武器を下ろそう!」

 

そう言って手に持つ双刀、"天双刃"を刀と聖剣に戻す満。

その光景にますます驚くゼノヴィア達。

オカ研メンバーにホッとしたような顔が浮かぶ。

 

満は、手に持った聖剣を見つめていた。

 

□□□□□□□□

「…アーシア・アルジェント。すまなかった。確かにお前は悪魔をも癒せる力の持ち主だが、その力を以って多くの人を救ったのも事実。だからこそ主はお前を悪魔に転生することを許したのだろう。それを勝手に断罪することは主への裏切り。ここに謝罪を。」

 

そう言ってゼノヴィアとイリナはアーシアに頭を下げる。

その謝罪内容に内心文句ばかりの一誠だが、満に肩を掴まれ、渋々自分を抑えていた。

 

「…ワタシは大丈夫です。頭を上げてください。」

 

アーシアは微笑み、ゼノヴィア達に頭を上げるよう言う。

どこかホッとした表情のゼノヴィア達。

そして満に向き直り、言う。

 

「まさかこんなところに聖剣を扱える者がいるとは。あの2本の刀、もう一度見せては貰えないだろうか。」

「ん?ああ、いいぜ。ほら。」

 

瞬時に天双刃に変える満。

 

「こ、これは…明らかに力が"破壊の聖剣"より上がっている…!斬りあった時に感じたが、なんという聖の気…!」

「これ、下手したら並の聖剣じゃ歯が立たないよ。ここまで力が上がっているなんて…」

 

そこで何やら考え込む2人。

 

「…左馬 満と言ったな。」

「ああ。」

「貴殿は人間なんだな?」

「その通りだ。」

「ならば、頼む。我らに協力してくれ。」

 

そう言って頭を下げるゼノヴィア。

慌てたのは下げられた満と何故かリアス。

 

「お、おいおい待てよ。俺は人間だが、同時に部長の庇護下にいるんだぜ?そっちの立場的に不味くねえか?」

「そ、そうよ!ミツを連れ回すなんて真似…!」

「ちょっと、ゼノヴィア。いいの?彼の言っている通りのことだと思うけど。」

 

イリナがゼノヴィアに問う。

ゼノヴィアは首を振り、

 

「問題無い。どの道このまま奴らに挑めば聖剣を破壊するどころか奪われかねないだろう。ならば、協力を得て少しでも可能性を上げた方がいい。」

「それはそうだけど…」

 

満はイリナと話し合っているゼノヴィアに言う。

 

「…1つ条件がある。」

「なんだ?」

「今から俺が言う奴を1人、このメンバーに加えてほしい。」

「む?誰だ?」

「さっき俺がけしかけたアイツだよ。」

「いいのか?あの実力では、とても…」

「いや。あれはただ空回りしてるだけさ。それに俺が間に入れば、そこまでギスギスしなくても済むだろう。あんたらは聖剣を拿捕、もしくは破壊したい。アイツは聖剣を破壊したい。win-winだろ?あんたらのには手を出させねぇ。どうだ?」

 

ふむ、と考え込むゼノヴィア。

そして一度頷き、

 

「わかった。」

「ちょっとゼノヴィア!それはとても看過できないわ!」

「しかし、それだけで彼の協力が取り付けられるならば一時悪魔と行動を共にしても主は許してくださるだろう。」

「…もう。わかったわ。よろしくね、満君?」

「…ああ。」

「それと、その聖剣を返してくれ。」

「そうだったな。ほらよ。」

 

そう言って満はゼノヴィアに聖剣を返す。と、

バチィッ!

 

「!?」

 

ゼノヴィアの手が弾かれてしまった。

 

「馬鹿な!私は扱えるはずだぞ!」

 

再び柄を握ろうとしたゼノヴィアだったが、またも弾かれる。

 

「貴様!一体何をした!」

「いや何もしてないぜ?確かに鬼の武器にはなったが、だからって俺以外に触れなくなるなんてことはないからな。」

 

ほら、と自分の刀をゼノヴィアに渡す満。

 

「…確かに。では、何故?」

「破壊の聖剣の方が拒んでいるんじゃないの?」

「それこそ馬鹿な、今まで扱えていたのに…」

「満君のことが気に入っちゃったりして。」

「…聖剣に意思などあるのか?」

「わからないけど、それが1番納得できる理由じゃない?」

「むぅ…」

 

厳しい顔をして考え込むゼノヴィア。

 

「…まあ、いいか。もしもの時は"アレ"がある。」

「そうね。どうせ一緒に行動するんだし、問題ないんじゃない?」

「いや問題あるだろ。」

 

流石にツッコむ満。

なんやかんやあったが、今日はそこでお開きになった。

 

□□□□□□□□

「で、だ。…何でテメェらがここにいる?」

「ん?仕方なかろう、金がないんだ。イリナが全部孤児院に寄付してしまったからな。あ、そこの…ソイソース?取ってくれ。」

 

ゼノヴィアのその言葉に半目になりながら満は言う。

 

「バカかテメェら。何堂々と集りにきてんだ。それと醤油な、ほれ。」

「なんだかんだ言って夕ご飯くれたじゃない。あ、大根おろし頂戴。」

 

のほほんと言うイリナに、ため息をつきながら満は答える。

 

「そりゃあんなに玄関先で腹鳴らされたらな。てかテメェはイッセーの家行けや。幼馴染なんだろ?」

「いやー。ほら、でももうイッセー君には彼女いるっぽいし?アーシアちゃんも私がいると気が休まらないかなーって。」

「俺には遠慮しねぇのかよ。ほれ、大根おろし。」

「おっ、ありがと〜。いいじゃん、チームなんだし。」

「よかねぇよ。」

「というか、どういう状況なの、これ?」

 

呆然と魚をつつきながら、リアスは満に問う。

 

「今更どうしたんすか、部長。今は夕飯で、アジの塩焼き食ってます。」

「そんなことはわかってるわよ!なんで教会の人間が…」

「んなこと言ったらなんで魔王の妹の部長がここに来てるんです?」

「全く問題ないわね、ええ!」

「変わり身速ぇー。」

 

即座に手のひらを返したリアスを呆れたように見つめ、魚をつつく満。

その後ゼノヴィアたちが泊まるか否かで大いに荒れたのだった。

 

その後満は夜中に騒いだとして管理人に説教された。




如何だったでしょうか。

今までとは違い、序盤での登場となった天双刃。
別に2本持ってないと変化できないとかそういうことではないです。

まさかのエクスカリバーゲット。
これは「あれ?新でエクスカリバーでたし、ゼノヴィアのって破壊の聖剣だし、いいんじゃね?」
と思ったからです。

ちなみにアオ兄ィが振ってたのは大戦で折れる前の完全なるエクスカリバー、ってことにしてます。
魔空空間って時空がしっちゃかめっちゃかになってるらしいですし。
で、その記憶が残ってた、と。

満の介入でどんどん原作からかけ離れていき始めました。
ストーリーの破綻だけはしたくないですね…。

頑張って書いていきますので、これからもよろしくお願いします。

では次回。またお会いしましょう。
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