ハイスクールD×D 〜鬼を継ぐもの〜   作:ルルガルウ

4 / 43
ルルガルウです。
続きを投稿していきます。
申し訳ありません、今回はかなり短いです。
初めての日常回、初めてのイチャイチャ(?)、初めての食事シーン。
満視点が中心ですね。

初めて尽くしの第4話、どうぞ。


第4話 白飯と味噌と黒猫と

あの後なんとか通報されるような事態にはならずにアパートへ帰宅した満。

夜遅かったこともあって、代わりにアパートの管理人にはたっぷりと説教を食らったが。

 

説教を半ば眠りながら聞き流し、自分の部屋へと帰る。

部屋には誰もおらず、シャワーを浴びるのも億劫になり、そのままベッドに倒れ込み、目を閉じる。

すぐに睡魔が満に襲いかかり、満はそれに抵抗せずにすぐに眠りについた。

一介の男子高校生には刺激が強すぎる体験をしたのだ。肉体も、精神も、休息を求めていた。

 

夢を見た。

ある男の戦いの記憶だった。男の背中をまるで、後ろから追いかけているような視点で追従していた。

その男は、侍だった。その男は、ある古びた寺院を訪れていた。

ここに何があるのかは知らないが、その男は酷く焦っているように見えた。

道中、三つ目の忍者のような奴や、ボロボロの侍の格好をしている骸骨などと出くわすが、男は瞬く間に斬り捨てていく。

骸骨たちがが倒されると、赤、黄、青のような光球が浮かび上がり、男はそれを何かで集めていた。

だが、満はその光球には目もくれなかった。より正確には、光球に意識を割く余裕などなかった。

 

見惚れていた。その男の剣技に。

極限まで無駄を省いた、戦のための剣技。敵を斬り、己が主を守るために考え出され、磨き上げられてきた至極の剣技。

(…美しい。)

満には、その男の剣技が何よりも美しいものに見えていた。

 

気づくと、男は既に寺院の奥にいた。

男はそこらにある書物を漁りつつ、奥へと歩いていく。

そして男がある書物を取ると、隠し階段が現れた。男は、更に奥へと進んでいく。

そして、その男はある廟の前で立ち止まった。

ここに何か重要なものがあるというのか。

それがこの男の焦っていた理由なのか。

満は、男の背中越しに、廟の奥を覗いてみた。

 

雷があった。

 

その表現は酷く奇妙に聞こえ、また、満にはそれが何より適した表し方だと思った。

廟の奥に鎮座していたのは、(たま)だった。

青く輝くその珠は、よくよく見れば、その内部にて雷鳴が轟いていた。

と、唐突に男が振り返る。

鋭い目だった。鋼鉄のような硬い意思を感じさせる目だった。

男と目が合い、その右腕につけているものに驚く。

同時に、視界が暗転していく。

 

(おい待ってくれ、ソレは、まさか鬼の…!)

 

 

□□□□□□□□

パッチリと目が醒める。

満の頬を、何かがぺしぺしと叩いていた。

 

「…おい」

 

満を起こした犯人はその声に反応すると、

 

「にゃ?」

 

まるでどうかしたの?とでも言いたげに首を傾げる。

その色は黒だった。

ふと気づいた時には部屋に住み着いていた、黒猫だ。

中々に狡猾な奴で、管理人が近くにいたり、部屋にいたりする時は絶対に出てこない。

 

ちなみに満が住んでいるこのアパートも、一般的なアパートと一緒で、ペット不可である。

どんなに隠れるのが上手くても、毛や鳴き声でわかりそうなものだが、不思議なことに、この黒猫は毛を一本も残さず、柱を使って爪研ぎもせず、ただただ飯時にご飯を集るだけの実に猫らしくない猫であった。

 

「クロ」

 

満は、この黒猫をそう呼んでいた。

黒猫だから、クロ。実に安直なネーミングセンスである。

最初は奇をてらって「シロ」と呼んでいたのだが、シロと呼ぶと何故か不機嫌になって満の所有物をそこらにばら撒き始めるので、クロと呼び名を改めて呼んでいた。

 

「にゃん♪」

 

クロは嬉しそうに一鳴きすると、ベッドから降りて、食卓をぺしぺしと叩く。

 

「…はぁ」

 

毎朝繰り返されるこの行動に、つい溜息をつく。

いつもこうなのだ。朝になるとこちらを起こし、飯をねだる。

まるで毎朝起こしてやってるんだから飯を食わせろと言わんばかりに。

満は寝ぼけ眼をこすりながら朝食の準備をしていく。

自分は目玉焼きと白飯に味噌汁、クロは油を切ったシーチキンだ。

 

「頂きます。」「にゃん。」

 

手を合わせ、食べ始める。

食べている間はお互い無言だ。箸が食器をつつく音と、猫の歯が皿を叩く音だけが響く。

最後に味噌汁を飲み終わり、ほう、と息をつく。

美味い。

この生活も、大分慣れてきた。飯も美味しく食べれるようになってきた。

少なくとも、最初の頃は間違っても一人での食事は…

 

「フーッ!」「うおっ!」

 

いつの間にか、クロが目の前で唸っていた。

こちらを睨みつけ、尻尾を逆立てている。どうやら怒っているようだ。

クロは唸りながら、ぺしぺしとこちらの手を叩く。

まるで、こちらを無視するな、と言わんばかりの行動に、

 

「ああ、すまん。今はお前がいるか。」

 

そう言って、頭を撫でる。

クロは一瞬気持ちよさそうに目を細めるものの、すぐにハッ、と気づいたように頭を撫でる手を叩いてくる。

まだ怒ってますよアピールのつもりらしい。なのに頭を撫でる手を払いのけようなどとはしないのだから、可愛いものだ。

 

食器を洗い、ベッドに座ってぼんやりしながら夢で見たことを思い起こしていると、クロが足の上に乗ってきた。

そのまま足の上で寝っころがり始める。

その姿に苦笑しつつ、手で突っついたりしてちょっかいを出していく。

クロが住み着いてからというもの、なにかとこの小動物に元気を貰っている気がする。

しばらくクロを弄って遊びながら、ふと時計を見る。

 

「あ」

 

時計はすでに10時を40分ほど回っていた。

 

□□□□□□□□

穏やかな雲ひとつない晴天、平和そのものの駒王町。

そんな町を見下ろす、一つの影があった。

 

「クックック、ここで、ついに…」

 

影は、バサリと翼を広げ、

 

「私は、至高の存在となるのよ!」

 

高らかに、そう宣言した。




如何だったでしょうか。
これにて第0章は終わりです。
次回からは第1章、ハイスクールD×D本編に入っていきます。
まぁ、ご覧の通り、主人公の覚醒の都合上、バイサーさんは原作通りの登場はせずに今章でフェードアウトすることとなりました。
グレモリー眷属による集団リンチがなかっただけマシとしましょう。

気まぐれによる次回予告

結局、面倒臭くなり学校をサボった満。
町をぶらぶらと歩く満は、「人間とは思えないほどの美しい女性」と出逢う。
昨晩の経験から、警戒しながら観察する満だが…?

次回、ハイスクールD×D 〜鬼を継ぐもの〜
第5話 堕天使、遭遇

ではまた、次回、満と共に地獄に付き合ってもらいましょう。

✳︎1月7日、本文と次回予告を少し修正しました。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。