こちらの方も更新していきます。
今回は完全ギャグ回。
…の、つもりです。
では、どうぞ。
「あっちぃ…。」
「言うなイッセー。…もっと暑くなる。」
季節は移ろい、夏。
強い日差しが照りつける太陽のもと、満たちオカルト研究部は、
「それにしても部長も酔狂な。…プール掃除を引き受けるなんてな。」
1年分の汚れを溜め込んだプールと格闘していた。
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ここで、教会を追放された二人のその後を記しておこうと思う。
教会を追放された二人は、なんと満の住んでいるアパートに引っ越し。
ゼノヴィアが孤児だと知った管理人は快く迎え、また
リアスは二人を眷属に誘い、しかし、二人ともこれを拒否。
理由としては、イリナは神器も聖剣も持たないただの人間が眷属になってもメリットがないというもので、ゼノヴィアは神に祈ることができなくなることを危惧してのことだった。
そこまで言われては仕方ないので、リアスは二人を眷属にすることを諦めた。
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何故満たちがプール掃除をしているかというと、それは簡単だ。
生徒会からの要望だったからだ。
「皆!プール掃除をするわよ!」
とリアスが突然笑顔でのたまったときはついに暑さでイカれたかと考えた満だったが、どうやら生徒会との間で掃除が終わればそのままプールを貸切で使っていい、という裏取引があったことがわかった。
(…そんなにプールを貸切にしたいのかね?)
ややズレたことを考えつつ、黙々とモップを動かす満。
1時間後、満たちの前にはピカピカに磨かれたプールがあった。
「…改めて体力お化けだな。」
ゼノヴィアが呆れたような声を出す。
それもそのはず、満は持ち前の、一誠は以前の特訓で手に入れたスタミナをフル活用してプールを隅から隅まで磨きまくったのだ。
実にイイ笑顔をしながらやり切った顔をする満と一誠。
「いやあ、やり始めるとつい隅々までやりたくなってなあ。」
「はいはい、お疲れ様。じゃあ皆、水着に着替えて集合!」
リアスの指示に従い、それぞれ更衣室に向かうオカ研メンバー。
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「うおい!?なんで祐斗は"その"水着なんだよ!」
「ん?動きやすいじゃないか。」
「えぇ…?」
場所は男子更衣室。
ブーメラン型の水着を着用する祐斗と、それを見てゲンナリする一誠。
「なあ、ミツからも何か言って…ミツ?」
満はその喧騒には目もくれず、ボーッとしている。
「おい、ミツ!」
「…!お、おお、イッセー。どうした?」
「どうしたじゃねぇよ、ミツ。大丈夫か?お前最近変だぞ?」
「そうだね。最近ボーッとすることが増えたよ。どうしたんだい?」
「あー…。なんでもねぇよ。」
「いやあるだろ、なぁ…」
「ダイジョーブ、ダイジョーブ。ほら、さっさと行かねぇと部長にどやされるかもわからん。行こう。」
二人の追求を強引に振り切りながらプールへと向かう満。
心配そうな顔を見合わせる一誠と祐斗だった。
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「さあミツ!一緒に泳ぐわよ!」
「あらあら部長。張り切っちゃって。」
その抜群のプロポーションを紅いビキニに包んだリアスと、負けず劣らずの身体に白いビキニを着けた朱乃。
どちらも布面積は極端に小さい。
「いやいや、満は私と泳ぐのだ。そうだろう?」
「私たち、でしょゼノヴィア。」
競泳水着のような水着を着けたゼノヴィアとイリナ。
ピッタリと身体にフィットするその水着は二人の魅惑的なボディを強調する。
「「「「で、誰と泳ぐの(だ)(です)?」」」」
「えーっと…」
ズイ、と四人に詰め寄られた満は口元をひくつかせて困り顔だ。
目を泳がせるが、どこを向いてもたわわな果実が目に映る。
「見ろ、アーシア。アレがスケコマシと言われる男の末路だ。」
「ほぇー…」
「あはは、満君は大変だねぇ。…ん?」
これ幸いと傍観者に徹する一誠。
その隣に寄り添うアーシア。
苦笑する祐斗。
と、一誠達は4匹の猛獣に詰め寄られている満にテコテコと近づく影を発見した。
クイ、クイ。
「ん?お、おお、塔城、どした?」
満の腕を引っ張るのは学校指定のスクール水着に身を包んだ小猫。
おっかなびっくり、と表すのがぴったりな様子の小猫は、少し顔を赤らめながらも、
「あの…」
と切り出した。
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「うーん、まあベタっちゃあベタだけども…」
「ぷはっ!あのっ!ちゃんとっ!」
「あー、ダイジョブ、ダイジョブ。ちゃんと手掴んでるから。」
小猫が切り出したこととは、泳ぐための練習に付き合ってほしいといったことだった。
小猫のバタ足の練習に付き合いつつ、満はこっそりほっと息をつく。
小猫の提案に渡りに船と、喜んで飛びついた満。
(いやー、マジ小猫ちゃんGJ。まあ、後で大変な目に合いそうだけど…)
チラリと、リアスたちの方へ視線を向ける満。
〈●〉〈●〉
(!?)
目があった。
しかも、先ほど誘ってきた4人共と。
サッと目を逸らす満。
(くわばら、くわばら…。)
割とシャレになってないことを考えながら、小猫の指導に集中する満。
必死にバタ足をする小猫。
真実はさておき、その姿は妹や従姉妹に泳ぎを教えている面倒見のいいお兄さん、といった感じだった。
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「…ロリコン。」
「いやいきなり何だよ。」
小猫が疲れてきたので休憩を入れた満。
さて、自分も泳ぐかといったところで麗那がジト目で話しかけてきた。
ちなみに、麗那もしっかり水着に着替えている。
黒のビキニだ。
「何よ。小猫にばっかデレデレしちゃって。そんなに年下がいいの?」
「あれはだな…!」
「フン。ねえ、ちょっと背泳ぎしてみなさいよ。」
「話を聞けよ。で、背泳ぎ?まあいいけど…。」
麗那の言うことに従って、背泳ぎを始める満。
と、
「よいしょっと。ああ、いい感じだわ。」
「ああ、成る程。こうするためかい。」
水上に出ている満の腹に麗那が寝そべり、寛ぐ。
意図がわかった満は足と腕を動かすのをやめ、ゆったりと水に浮かぶ。
(…平和ね。)
(どうした、いきなり。まぁ、平和だな。いいことだ。)
そして念話で会話をする二人。
(ほんの数ヶ月前までは、こんなことになるなんて夢にも思わなかったわ。)
(何がだ?敵同士だった俺たちが今こうしていることか?それとも、風呂に入るのも一苦労になっちまったその身体か?)
(セクハラよ。…そうね、どっちもよ。それと…)
(それと?)
(あなたに出逢えたこと。)
ポリポリと、頰をかく満。
(…何よ。何か言いなさいよ。)
(いや、まあ…その、なんだ。ストレートに言われると照れる。)
(ヘタレ。まぁ、いいわ。あなたの心労を増やすわけにもいかないし。悩んでるんでしょ、色々と。)
(…さあ、何のことやら。)
(あのね、どれだけ一緒にいると思ってるのよ。丸わかりよ。)
(まだ数ヶ月だけどな。)
(…それもそうね。)
そのまま、会話が途切れる二人。
だが、その沈黙は決して不快なものではなく、二人とも穏やかな顔でプールに浮き続ける。
(…一つだけ、言わせて。)
(…なんだ?)
(…世界の全てがあなたの敵でも、私は、
(…麗那。)
愛おしそうに
満が、何か言わなければと言葉を探しているうちに、
「ねえミツ!ちょっと!」
リアスの呼ぶ声が聞こえた。
それに麗那がクスっと笑うと、
「ほら、お姫様が呼んでるわよ。」
「嫌な予感しかしないけどな。ま、行ってくるわ。」
ザバッ、とプールサイドに上がる満。
その後ろ姿を複雑そうな表情で眺める麗那。
「…あなたはもう、答えを手にしているのよ。」
その言葉は、暑い日差しに融けて消えた。
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「ん!」
リアスは満面の笑みで満にあるものを差し出す。
「…あの、部長。これは?」
「オイル。」
「…どうしろと?」
「塗って。」
「待って。ちょっと待って。」
「ええ、良いわよ。」
ニコニコ顔のリアス。頭痛を感じたかのようにこめかみを押さえる満。
「…部長、オイルを塗るってことは、もう泳がないんですか?」
「え?泳ぐわよ?」
「…OK、それで、プールから上がった後は?」
「もう一回ミツに塗ってもらう!」
「タイムです、部長。タイムを取ります。」
「ええ、認めるわ。」
ニコニコ顔のリアス。頭痛に加え腹痛もブレンドされたかのようなしかめっ面をする満。
(頭痛え…。いや、頭悪い?)
「…もし断った場合は?」
「ん?断らないでしょ?」
「いや普通に「断らないわよね?」
「おこと「断らないわよね?」
「きょ「こ と わ ら な い わ よ ね ?」
「…ハイ」
「ん!頼んだわよ。腐っても悪魔なのだから、日光には弱いのよ。」
(腐ってんのは頭じゃないのか…?)
「何か言った?」
「イエ、ナニモモウシテオリマセン。」
観念しつつ、うつ伏せで寝そべるリアスの近くに行く。
そこで満は、改めてリアスの背中をマジマジと見た。
シミ一つない、きめ細やかな白い肌。
暑さからか、それともプールに入ったからか、しっとりと濡れている。
(…まずは拭かなきゃダメだな。)
そう判断し、タオルをとってリアスの背中を優しく拭いていく。
タオルを触れさせた瞬間、リアスはピクッ、と身を強張らせたが、次第に緊張を解いていく。
しっかりと背中を拭いたあと、オイルのボトルを手に取る。
(塗り方わかんねぇ…)
じんわりと満の額に汗が浮かぶ。
どうすればいいのだろうか。
オイルを塗った経験などない満には何もわからない。
(分量は?加減は?温めた方がいいとか、よく振った方がいいとかあるのか?)
(いや、待て、落ち着け。特に何も言われていないということは即ち、別にそのままでも…)
(待て待て、部長はあえて何も言わずに俺を試しているのかもしれん。安易に敵の誘いに乗るんじゃない…!)
どうやら満も暑さで頭が少しおかしくなっているらしい。
この間実に2秒である。
そして、満は顔を上げた。
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ータラリ。
「…っ」
オイルがリアスの背中に垂らされる。
ピクリ、とリアスの身体が跳ねる。
ーヌルリ。
「…ぁっ」
リアスの芸術品のような背中を、手のひらが蹂躙していく。
「ふっ…くっ…」
リアスの押し殺した様な声が響く中、オイルをこれ以上ないぐらい丁寧に塗っている満は、
「…」
無言だった。
その目は鋭く尖り、一切の妥協を許してはいない。
(朱乃先輩、あれは…?)
(…なんというか、乱入しづらい雰囲気ですわね。もしも桃色の空間になっていたら、すかさず干渉しようと思っていたのですが…。)
(なんかミツのやつ、目が据わってません?こう、その、まるで敵を見る様な…)
(…背中に、何か恨みでもあるのでしょうか…?)
(先輩、先輩。それは絶対にありえないと思うんですけど。)
ぬりぬり。
「ひうっ!」
聞こえない。
ぬりぬり。
「ああっ!」
集中は乱さない。
ぬりぬりぬり。
「み、ミツ、もう、もういいか、らぁっ…」
妥協は許さない。
ぬりぬりぬりぬり。
「もう、十分、じゅうぶ…」
ぬりぬりぬりぬりぬりぬりぬりぬり。
「ひあああああっ!?」
何か聞こえるが気にしてはいけない。
(やるべきことは唯一つ。
故に、手が動く。
妥協を許さず、
限界を知らず、
容赦をしない。
この光景を見ていたH.I氏は語る。
『なんてーか、その、エロいとか、もはやそういう雰囲気じゃなくて、鬼気迫るっていうか、ある種神聖さを感じさせるっていうか…』
そして数分後。
「…ッ、…ッ!」
ビクビクと、うつ伏せのまま痙攣を繰り返すリアスがそこにいた。
満はフウ、と一息つく。
「…次は?」
「「「「「「「えっ」」」」」」」
満のまさかの言葉に、全員が驚く。
その目は完全に据わっていて、冗談にはとても思えない。
ナニカいけないスイッチが入ってしまった満を見て、その場の(二人を除いて)皆に冷や汗が浮かぶ。
訪れる沈黙。
「そ、それじゃあお姉さんにしてもらおうかしらぁ?」
「「「「「「!!!」」」」」」
だが、その沈黙を破ったのは朱乃。
((((((マジかよあの女!地雷原にタップダンスをしに行ったぞ!?))))))
驚愕するその他。
(ちょ、ちょっと様子が変だけど、珍しく積極的なのだから、このチャンスを逃すわけには…ッ!)
「よ、よろしくお願いしますね…?」
微笑む朱乃だが、対する満は真剣な表情だ。
「…行きます。」
(あれ、もしかして私早まっ)
□□□□□□□□
「え、あの、ちょっと…」
「そ、そんなところ…!」
「おかしく、おかしくなるからぁっ…!」
中略。
□□□□□□□□
「…っぁ、ふっ…」
またもや数分後、そこには痙攣を繰り返す朱乃の姿があった。
「…次。」
ビックゥゥゥゥ!
もはやその場にいるものには恐怖でしかない。
ガタガタと震える残りのオカルト研究部メンバー。
(ほほほらゼノヴィア、ななな何をしてるのよ。いいいってきなさいよよよ!?)
(いや流石にアレは無理だろう!?どう考えても身の危険しか感じないぞ!)
(え、何?まさかオレたちまで標的に入ってるの?マジで?)
(イッセーさん、私怖いです…)
(あはは…どうしようかね…?)
(満って、こういうとき周りが見えなくなるのよね。と、いうより見なくなる、ってとこかしら。)
(((((冷静に分析してる場合か!?)))))
「…皆さん、どうしたんですか?」
「「「「「「!!」」」」」」
そこに、休憩を終えた小猫が何も知らずに戻ってきた。
一誠たちから説明を聞いた小猫は半目になりながら、
「…わかりました。私に任せてください。」
と、満の方へ向かっていく。
「…次は塔城「…眠っていただきます。」
有無を言わさず、小猫の鉄拳が満の頭部をー
「…乱暴なお嬢さんだ。」
「!?」
捉えなかった。
それどころか、いつの間にか組み伏せられ、うつ伏せに寝かされている。
あまりにも早すぎ、また容赦のないその動きにそれを見ていた一誠たちは、満の背中に鬼を幻視した。
「…行くぞ?」
「ま、待っ…!?」
□□□□□□□□
「い、いきなりそんなところを!?」
「っ、くっ、…ぁっ」
「は、激し…ッ」
またもや中略。
□□□□□□□□
「フーッ、フーッ…!」
やはり数分後、ピクピクと痙攣する小猫の姿がそこにあった。
「…」
残されたメンバーはガタガタと身を寄せ合い、震えるだけだ。
(いやいやいやいや、何あれ!?近寄ったらアウトってどういうことよ!?)
(なんという華麗な動き…!これがジャパニーズ・マッサージというやつか…!)
(((そんなわけあるか!)))
もはや現実逃避すら始めたゼノヴィア達。
そんな中、満の様子を見ていた麗那はふぅ、と一息つくと、
「…しょうがないわねぇ。」
満の方へ手のひらを向ける。
「れ、麗那さん?何をなさっているのですか?」
アーシアが不安げに尋ねる。
「ま、見てなさい。転移能力のちょっとした応用よ。」
そのまま麗那は力を込める。
「…他の女とイチャイチャしてた報いよ。精々言い訳でも考えていることね。」
パッ。
満の頭上に、ダンベルが突如出現する。
それを見ていた一誠の見間違いで無ければ、それにはハッキリと
『5kg』
と書かれたプレートが12枚装着されているものだった。
「!?ミツ、避け
ゴシャッ。
なんの前触れもなく頭上に出現した60kgのダンベルは過たず満の頭部に直撃。
プールサイドに真っ赤な大輪を咲かせた。
「ミツゥゥゥゥゥ!?」
プールサイドに、一誠の悲痛な叫びが木霊した。
□□□□□□□□
「なあ麗那。なんで俺は保健室で頭を包帯ぐるぐる巻きにされてるんだ?部長にオイルを塗ってくれと頼まれたことまでは覚えてるんだが…」
「さあ、知らないわ。プールサイドで滑って転びでもしたんじゃない?」
「?あと、なんで部長たちは扉の向こうから顔だけ出してこっちを見てるんだ?」
「さあ?虫にでも刺されたんじゃない?」
「???」
如何だったでしょうか。
こちらの方を更新するのは実に半年ぶり。
もうおぼえてねーよ!と仰る方がほとんどだと思います。
ゆっくり更新だとは思いますが、お付き合いいただければ。
それでは次回。
またお会いしましょう。