ハイスクールD×D 〜鬼を継ぐもの〜   作:ルルガルウ

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ルルガルウです。
第5話、投稿していきます。

第5話だというのに、原作キャラとの絡みがいまだ敵サイドしかないという事実…!


第1章 旧校舎のディアボロス
第5話 堕天使、遭遇


あの後、遅刻覚悟で学校へ行くか、学校をサボるかの二択を迫られた満は持ち前の面倒くさがりを活かし(?)、学校をサボることに決めた。

とはいえ部屋で腐っていても仕方がないので、バイサー戦で溶けてしまっていた刀袋の替えを買いに町へと出かけることにした。

 

(さて…えーっと、あの店はどこだったっけか…)

 

顔なじみの店長がいるスポーツ用品店の場所を思い起こしていると、ある重要なことを思い出す。

 

(…ん?待てよ、俺、昨日籠手外したっけ?)

 

そうなのだ。昨日の夜の記憶が確かならば、鬼の籠手を付けているのを全く気にせず帰ったはずだ。

だが今、右手を見ても籠手なんて存在しておらず、首をひねる。

外した記憶はない。アパートの管理人に説教を受けていた時も管理人に籠手のことについて聞かれるかと思っていたが、それもなかった。

 

(どうなってんだ?まさか消えてなくなっちまったわけじゃないだろうし…)

 

確かに目には見えないが、わかる。鬼の籠手は満の中に変わらずあるとわかるし、満に強い存在感を感じさせていた。

 

(よくわからんがまあいい。それよりも買い物だ。)

 

気を取り直して、店探しを再開する。

朧げな記憶を頼りに、スポーツ用品店を探す満。

少し迷いながらも、見知ったスポーツ用品店、「スポーツMINO」に着く。

 

「よう。久しぶりだな、満。今日はどうした?」

 

店に入ると、店員らしき中年の男性が話しかけてくる。

この男が、「スポーツMINO」の店長。「三野(みの)」である。

言葉遣いは丁寧とはかけ離れているが、気さくな態度でオススメの商品を紹介してくれる人物だ。

この店で扱っている商品はどれも品質がいいので、知る人ぞ知る名店として、一部の界隈では有名だった。

 

「おやじさん、久しぶり。実は刀袋破けちゃってさぁ…」

 

その言葉に苦笑する三野。

 

「おいおい、またか。お前はウチのお得意さんだが、買っていくものといえば刀袋ばかり。たまには、アレだ。他の商品を買ってくれても…」

「でも別に刀袋以外必要なものなんてないし…今はいいや。他はまた今度ね。」

「それを言われ続けて5年経つんだが…」

 

三野は苦笑を深くし、あまり毛が残っていない頭頂部を撫でる。

満は剣を振り始めてからというもの、この店にたびたび刀袋を買いに来ていた。

 

「まあ、そう言うのはわかってたけどよ。ほれ、いつもの。」

 

そう言って、三野はある商品を取り出す。

デザイン性よりも機能性、耐久性を優先する満はとにかく壊れにくい刀袋を欲しがった。

そこで三野が紹介したのがこの商品だ。

それでも半年もすると破いてしまうので、三野もこの商品を定期的に仕入れていた。

 

「相変わらず変な奴だな、お前は。そいつはデザイン性を完全に無視して丈夫さだけを追求した代物だ。中高生が買うようなモンじゃないんだが…」

「いいじゃん。無骨で。俺は好きだよ、このメーカーのデザイン。」

 

満は三野と会話を交わしつつ、刀袋を購入する。

と、会話の途中で三野がふと思い出したように言った。

 

「そういやお前、今日は平日だが学校は…」

「んじゃおやじさん、さいならっ!」

 

どうしたのか、と三野が聞く前に満はダッシュで店を後にする。

その様子を見て、三野はため息をつく。

 

「あの様子じゃ、まだまだやんちゃは治ってないみたいだな。比叡さん、相変わらず苦労してんだろうなぁ…」

 

苦笑しながら、次の客を待つ三野であった。

 

 

□□□□□□□□

(しまったかな。あれ、管理人さんにチクられたり…するよなぁ、普通。)

 

満は頭をかきながら思う。今日が平日で、学校をサボって来ていることを失念していた。

普通は警察による補導を警戒しそうなものだが、満自身にとってはアパートの管理人による説教のほうを警戒していた。

 

(長いんだよな、あの人の説教。しかもいちいち正論だから耳が痛い。)

 

満はガックリと肩を落とした。恐らく今晩も説教タイムだ。

こうなったらギリギリまで町をうろつこうと決めた満は、商店街の方へと足を向けた。

 

 

□□□□□□□□

町を歩く人々を見て、心の中で見下す。

 

(下等な人間どもが。せいぜいそうやって地を這って暮らしていくがいい。)

 

美しい女性だった。長い黒髪に、黒い瞳。遠目からでもわかるその抜群のプロポーション。当然のごとく、周りの目を釘付けにしていた。

 

その女性、レイナーレは人間ではない。堕天使と呼ばれる、人ならざる者たちの一人。彼女は、ある目的のために駒王町を訪れていた。

 

もう一度言うが、美しい女性である。その容姿は良くも悪くも目立つ。

いわば美しい花に虫が群がるかのごとく、彼女に声をかける若い男が絶えないのは当然のことだった。

 

「よう、姉ちゃん。君可愛いねー。俺らと遊ばね?」

「すいません、人を待っているんです。」

「いーじゃん。どうせ男かなんかだろ?ほっぽって俺らと遊ぼうぜ、何倍も楽しい体験をさせてやるからさ。」

「うひょー。おっぱいデカっ。そんな格好で、誘ってんだろ、あんた。」

 

まただ。レイナーレは内心でうんざりする。

大概の相手はニッコリと笑い、人を待っていると言うと顔を赤くして去っていくのだが、たまにこういうのがいる。

もういっそ路地裏にでも誘い込んで始末してしまおうかと考え始めたレイナーレだが、彼女が黙り込んだので迷っていると勘違いした男たちは、

 

「ほら、行こうぜ。」

「!」

 

強引に彼女の腕を掴む。そのまま引っ張っていこうとする男たちにレイナーレのイライラがどんどん高まっていく。

 

「ちょっと、いい加減に…」

 

堕天使の力を発揮し、振り払おうとした瞬間、

 

「おい、待てよ。」

 

そう言って彼らに声をかける者が現れた。

 

□□□□□□□□

商店街に着いた満は、違和感を感じていた。

いつもある程度賑わってはいるものの、今日は賑わい方の種類が違った気がしたのだ。活気のある賑わい方ではなく、ざわついたような状態。

 

(なんだ?)

 

疑問に思いながらも、ぶらぶらとうろつき始める満。

商店街に近づくにつれてざわつきが大きくなっていく。

 

「モデルさん?」

「ロケかもよ」

「でも、見たことないよ。あんなに可愛い子。」

 

ざわつきの中からそんな声が聞こえてくる。

 

(芸能人でも来てんのか?)

 

そうしてざわつきの中心へと近づく。

そして満はそれを見た。

長い黒髪の、女性。その女性が、3人組の男に絡まれていた。

それを見た満は、途端に興味を失う。

 

(なんだ、ナンパの類かよ。くだらねえ。)

 

そうして踵を返そうとした満は、ふと思う。

 

(あん?ただのナンパだろ?ならなんでこんなに人が集まって…)

 

満は改めて絡まれている女性を見る。

美しい女性だった。長い黒髪に、黒い瞳。遠目からでもわかる抜群のプロポーションをしていた。

もう一度言うが、美しい女性だった。

 

ーまるで人間ではないかのように。

 

(ッッッ!)

 

満は気づく。気づいてしまう。

 

(昨日の化け物も上半身は「人間とは思えない美しい女の姿」だったッ!まさか、あの女は…!)

 

「アレ」は、人ではない。

人ならざるモノなのだと、理屈ではなく、本能で理解した。

昨日見た化け物の美しさと、目の前の女の美しさが、どうしようもなく彼の中で重なる。

ドッ、と冷や汗が噴き出す。

 

(オイオイオイオイ、マジか。マジなのか。)

 

これは、まずい。

満は、人ならざるモノが何食わぬ顔をして日常に溶け込んでいることと、その事実に気づいてしまったことに対して、叫びだしそうになってしまっていた。

 

守らないと。

守らないと。

彼らを目の前の女のカタチをしたナニカ(バケモノ)から離さないと。

 

満の脳内には、たやすくミンチにされる彼らの姿が鮮明に映し出されていた。

それしかなかった。

だから、

 

「おい、待てよ。」

 

気づけば、声をかけていた。




はい、第5話でした。如何だったでしょうか。
まだ会話しません。次回からになります。
予定では彼女と普通に町を歩いたり、公園に行く予定だったのですが…
満はまだ悪魔、天使、堕天使の三大陣営について知りません。
全部が全部、夢で見た幻魔の類という風に誤解しております。
まあ、初めにエンカウントしたのがバイサーさんだったので、仕方がないといえば仕方がないのですが…

あと、アンチ・ヘイトについてですが、念のためではなくなりそうです。
ネタバレになるからここでは書けませんが…

いつの間にかUAが1500を越え、お気に入りも25件になっていました。
閲覧してくださった皆様、お気に入り登録してださった皆様、本当にありがとうございます。
励みになります。
これからもハイスクールD×D 〜鬼を継ぐもの〜をよろしくお願いします。

✳︎1月7日、誤字修正しました。
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