ハイスクールD×D 〜鬼を継ぐもの〜   作:ルルガルウ

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ルルガルウです。
今回は第6話、第7話を連続投稿しているので、最新話から読むと展開がよくわからなくなる場合があります。
まず先に、第6話からお読みください。


第7話 躊躇い

満を神器持ちと判断し、抹殺しようとするレイナーレ。

家がバレるリスクを考え、レイナーレの誘いに乗った満。

二人は、並んで商店街を歩いていた。

 

「でね、その時の音が物凄くって!」

「ほう」

 

端から見れば、仲良くデートしているカップルに見えたかもしれない。

だが当事者たちは、とてもそんな心境ではなかった。

 

(どうしようかしら。殺す時間までは考えついたけど、場所が思いつかないわね。面倒くさいから時間になったらその場で殺しちゃおうかしら。)

(コイツの正体はどんなタイプだ?獣か?鳥か?それとも魚か?どういう攻撃をしてくる?どのタイミングで?どう対処すればいい?)

 

天野(あまの) 夕麻(ゆうま)と名乗ったレイナーレは隣の相手の殺す場所の心当たりを探し。咄嗟に(みなみ) 天海(てんかい)と名乗った満は隣の相手の真の姿や攻撃方法、対処法などを考え。

 

気づけば、夕刻。二人は、人気の無い公園に来ていた。

 

「南君。」

「ん?」

 

夕陽をバックに、二人の男女が見つめ合う。

 

「ありがとう、今日はとっても楽しかった。」

「そうかい。そりゃよかった。」

 

まるで恋人同士のように、会話を交わす二人。

 

「南君は、楽しくなかった?」

「いや。なかなか楽しめた。」

「そっか、よかったぁ。」

 

そう言って、満に一旦背を向けるレイナーレ。

 

「あのさ。」

「なんだ?」

「お願いが、あるの。」

 

二人の間で緊張感が高まっていく。

 

「お願い?どんな?」

(…来るか。)

「えっと、それはね…」

 

そう言って振り返るレイナーレ。

 

「しん…」

(死ねッ!神器持ちッ!)

 

そのまま手の平から光の槍を放とうとした瞬間、視界にある人物が映る。

 

(あれはッ!?兵藤一誠!?)

 

レイナーレの本来のターゲット。計画の邪魔になると考え、抹殺しようとしていた人間だった。

 

「…しん?」

(死んでくれる?ってか?)

 

途中で言葉が止まったことに訝しみつつも、いつでも回避行動に移れるよう警戒しつつ話しかける満。

不意をつくタイミングを逃したレイナーレは、

 

「あ、え、えっと…そ、そう!写真!ツーショット撮ってくれないかな!?」

 

そう言って咄嗟にスマホを取り出し、誤魔化した。

 

「ん?別にいいけど。」

(写真だぁ?コイツ、何を考えてやがる?)

 

慌ててカメラを起動し、手招きするレイナーレを見て、さらに警戒を濃くする満。

仕方ないので、レイナーレの隣に並ぶ。

 

(く、くそッ!なんでこの私が人間ごときと写真なんて…)

(どういうつもりだ?写真をとると油断させておいてグサッ、てか?それにしたって怪しすぎる。さっきの振り返ったタイミングを狙えば不意をつけたはずだ。)

 

警戒しつつも笑顔を浮かべ、レイナーレに顔を近づける満。その横顔を見て少しドキッとするレイナーレ。

 

「…撮らないのか?」

「うえっ!?と、撮るよ!は、ハイ、チーズ!」

 

笑顔のまま問う満に、ハッと我に帰ったレイナーレは、カメラのシャッターを切る。

 

カシャッ。

 

「…よく撮れてるな。」(何この眩しい笑顔。まさか、殺す前にツーショットを撮ってコレクションするタイプか?どんな猟奇犯罪者だよ。)

「う、うん。ありがとう。」(こ、コイツの笑顔…あ、ありえないッ!私にとって、「あのお方」だけが至高の存在ッ!)

 

写真に写ったレイナーレの満面の笑みに盛大な勘違いをした挙句内心ドン引きする満と、さっき感じたことを内心で必死に否定するレイナーレ。

 

(こ、こうなったら…!)

「で、電話番号。」

「…へ?」

「だから、電話番号。メアドでもいい。教えてよ。」

「…何故?」

「キミとまた遊びたいからじゃ…だめ?」

 

上目遣いで聞いてくるレイナーレに、困ったような笑顔を浮かべ、考える満。

 

(ますます意味がわからねぇ。殺すならとっとと殺せばいいものを、連絡先を交換してまで引き延ばすメリットは何だ?まさかあんなに殺す気だった奴にたった数時間で情が移ったとかはないだろう。事実さっきまでは殺気ビンビンだったし。)

 

と、そこで満はレイナーレの殺気が消えていることに気づく。

 

(…どういうこった?)

「…そこまで言われちゃ断れないな。いいよ、連絡先を交換しよう。」

 

そう言ってお互いの携帯番号、メアドを交換する二人。

 

「じ、じゃ、また。連絡、するから。」

「…おう。()()な。」

 

そう言って小走りで去っていくレイナーレ。

誰もいなくなった後、今更ながら満の額に冷や汗が流れる。

 

(…危なかったな。)

 

レイナーレが振り返った瞬間、満はその顔に一瞬見惚れてしまっていた。

あの時が殺気のピークだったにも関わらずだ。

 

(もしあの時あの女(天野夕麻)が何か攻撃を放っていたとしたら、俺はそのままやられていた。)

 

直前で思い止まったのか。はたまた何か予想外の出来事が起こったのか。

それは満にはわからないことだったが、一つだけ確かなことは。

 

(また、か。幸運だった。…二度はない。)

 

そのまま、アパートへの帰路に着いた。

帰宅した後、アパートの管理人にこってりと絞られたのは言うまでもない。

 

 

□□□□□□□□

(くそッ!兵藤一誠!どこへ行ったッ!?)

 

満と別れた後、レイナーレは兵藤一誠の足取りを追っていた。しかし、見つけることができない。

満を殺さず別れたのは、兵藤一誠の方が抹殺対象として優先的であったからだ。

 

(くっ…いない。ダメか。)

 

そう判断したレイナーレは、部下を呼び寄せる。

 

「ドーナシーク!」

「ハッ。」

 

現れたのは、長身の紳士風の男。

 

「兵藤一誠。殺しなさい。」

「ハッ。しかし、先ほどまでいたあの男はよろしいのですか?」

 

その言葉にギロリとドーナシークを睨みつけると、

 

「あの男は私が殺す。手出しは許さないわ。」

 

と自らが直接手を下すことを部下に伝える。

その言葉にドーナシークは深く頭を下げると、

 

「では、行ってまいります。」

 

と、闇夜に消えていった。

 

(…あの男、南天海とか言ったか。)

 

脳裏に浮かぶのは、写真を撮った時の笑顔。

 

(あの男だけは、私が殺す。)

 

その光景を振り払うように、レイナーレは決心した。




はい。
第6話と第7話、如何だったでしょうか。

本来なら、第6話、第7話は一つの話の中にまとめるつもりでした。
ですが、少し話が膨らみすぎ、二つに分けさせていただきました。

それと、レイナーレさんの件ですが…
やっちまいました。これはキャラ崩壊に含まれるのでしょうか?
含まれるのでしたら、今すぐタグを追加するんですが…

それでは、皆様。次回までごきげんよう。
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