第8話、投稿していきます。
今回で、やっと"彼ら"が登場します。
(昨日の女…危険だな。目的がさっぱり読めなかった。次に何をしてくるかが全くわからん。)
昨日逢った女の次なる行動について考える満。だが、行動の前後で目的がちぐはぐに見えたり、リスクしかない行動を取ったりと、明らかに矛盾する行為が目立ったためにこれといって思いつくことができなかった。
まるでバ○ト○ンのジ○ーカ○みたいな奴だ、と天野夕麻への評価を下す。
(…しばらくは警戒して過ごす羽目になりそうだ。)
そう締めくくり、一旦考えを止める。目の前には駒王学園の校門が既に近づいていた。
ちなみに、全くの余談であるが。
今朝はアパート前の掃除をしながら駒王学園の方向をじっ、と見続けるアパートの管理人の姿が目撃されたという。
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学校に着いた満は、特に寄り道することなく自分のクラスへと向かった。
教室に入ると、何やら教室が騒がしい。皆窓に集まり、校門の方を見ている。
「えー!?」「そんな!?」「あんな奴と!」
窓から校門の方を見ている皆は、口々にそんなことを言っていた。
(あんな奴?"いつもの三馬鹿"のうちの一人がついに逮捕されでもしたか?)
何気にすごく失礼なことを考えながら、近くの窓から校門の方を覗く。
そこには、「駒王学園の二大お姉さま」と呼ばれる二人の才媛のうちの一人、「リアス・グレモリー」と、自他共に認めるおっぱい好きの、「駒王学園の変態3人組」の一人である「兵藤一誠」が仲良く手を繋ぎながら学校に登校してくる光景が映し出されていた。
そう、「リアス・グレモリー」である。
二日連続で人外の存在に遭遇し、"両方とも絶世の美女の姿だった"ことから、満の警戒はこの学園の女生徒にも向けられていた。
同じ学び舎で学び、共に笑いあう仲間。その中にも人知れずこちらを狙っている存在がいるかも知れず、満は内心では気が気ではなかった。
と、そこで、リアスと別れた一誠が教室に入ってくる。
当然のごとく詰め寄られ、詰問を受け始める一誠。その様子を若干呆れながら見ていた満は、微かな違和感に気づく。
(…ん?)
おかしい。
どこが変わったわけでもないのに、詰問を受け、グロッキー状態になっている一誠から違和感を感じる。
まるっきり違うわけでもないし、雰囲気もいつもとそう変わらない。
ただ、どこか、そう、
ーまるで"あちら"と"こちら"で境界線が引かれ、ズレているような感覚。
(…まさかな。)
そうだ。そんなはずはない。
コイツとはそこそこ長い付き合いだし、そんな様子はなかった。
気のせいに決まっている。
そう自分に言い聞かせるものの、違和感は拭いきれない。
違和感を無視しながら、一誠に話しかける。
「よう、イッセー。朝からご苦労なこったな。」
「あ?おう、おはようミツ。ホントだよ、もうオレヘトヘトだぜ。」
態度に違いはない。返答に違和感はない。
いつもと変わらぬ会話をしつつ、一誠の様子を観察していく満。
守るべき友を疑っているという事実に吐き気すら催しつつ、満は核心に切り込んでいく。
「…んで?なんで自他共に認める変態のお前が、グレモリー先輩と一緒に登校してたんだ?ついにヤッちまったのか?」
「ちょっと待て!なんかイントネーションがおかしいぞお前!」
「確かに朝からはちと重いジョークか。んで、本当のところは?」
「だ、だから違うっつーの!朝登校してから先輩に会って、話してたら手を繋がれて…」
「お前が?年がら年中おっぱいおっぱいハーレムハーレム連呼してるくせに恋愛には妙に奥手なお前が?話しかける?冗談はよせよ、そんな度胸がお前にあるもんか。」
「な、何おう!?み、ミツだって超奥手じゃんか!一緒に日向ぼっこできる奴がいればそれでいいとか何とか言ったクセに!」
「ちょっ、おまっ、バカ野郎!そんな大声で話すんじゃねぇアホ!だから彼女できないんだよお前は!」
「…ちょっと反撃しただけで倍以上に返された。」
なるべく冗談に聞こえるように、さりげなく会話を振っていく。
その中で、満は確信する。
(いつもと同じように見えるが、俺には分かるぜ、イッセー。)
"こいつは人に言えないようなことを隠している。"
下手な言い訳をするところなんか、わかりやすすぎる。なにより、
(こいつがまず「胸」の話を会話に入れない時点で、丸分かりだっつの)
それでわかる自分も相当コイツに毒されてきているのがわかり、少しゲンナリするが、それよりも一誠が隠していることが気になる。
(もしイッセーが、俺の考えている通りのことに巻き込まれている場合…)
満の目が、鈍く光る。
その目は既に、世界すら敵に回す覚悟を秘めていた。
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同じ頃。丁度リアス・グレモリーも友人と会話をしていた。
「ごきげんよう、リアス。」
「あら、朱乃。おはよう。」
「彼が例の?」
「そう。我がオカルト研究部の新しいメンバーになる子よ。」
「うふふ、随分と可愛らしい子でしたわね。いじめがいがありそう。」
「…やめてあげてね。それだけは。」
「うふふ、どうかしら。…それにしてもリアス、あなたちょっと疲れてない?」
親友であり、最も信頼するものからのその言葉に、リアスは声を潜め、
「…えーっとね、校門からあの子と歩いてくる途中、変な視線を感じたの。」
「変な視線?いつも受けてるじゃない。」
「違うわ。そういうのじゃない。まるで、私を疑い、監視するような視線…」
「…確かに変ね。でも、"気配"は感じなかったんでしょう?」
「ええ。あの視線は人間のものよ。間違いなくね。」
リアスは考える。
言っては何だが、自分はこの学園で大きな人気を持ち、強い影響力を持っている。そんな自分を疑い、監視する者とは?
嫉妬や敵対心ならまだいい。それは視線に込められた敵意でわかる。
だが、あの視線にはこちらを注意深く観察し、見透かそうというような気配があった。
いったい何だったのだろうか…
(ま、いいでしょう。あくまで人間からの視線だったんだし。)
そう思い、リアスはそれについてはこれ以上考えることを止めた。
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一誠に対する違和感を拭いきれないまま、時間が過ぎていく。
気がつけば今日の授業は終わっており、放課後になっていた。
「カラオケでも行くー?」「ゲーセンにしない?」「ゴメン、アタシ部活だわ。」
各々が帰る準備や、部活の準備をする中、満はこの後どうするか考えていた。
(どうする。「連絡する」、と言われた以上、
と、そこで、教室の空気が変わる。
それは、教室にある人物が入ってきたからだ。
金髪。
穏やかな目。
爽やかなルックス。
衣装を変えれば、そのまま王子と言われても違和感のない容姿。
駒王学園の爽やかイケメン王子、
「…兵藤 イッセー君と言う人はいるかな。」
木場は、近くの女生徒に話しかける。
「はっ、ハイ!あそこにいるのが兵藤 一誠です!」
すかさず一誠に向けて指差す女生徒。
木場はそちらのほうに向き、
「イッセー君。」
「何だ?」
若干警戒したような声音で話す一誠。
(いや、あれはただの嫉妬心からくる敵意か。)
いわゆる「リア充爆発しろ」、といったものだろう。
そんなことを考えている間にも、一誠と木場の会話は続いていく。
「僕と一緒に来てくれるかな。」
「何で俺が?」
「部長…リアス・グレモリー先輩が呼んでいる。」
リアス・グレモリー。
その名前が出た瞬間、一気に表情を緩ませる一誠と、それとは逆に、表情を険しくする満。
そのまま木場に連れられ、教室を後にする一誠。
その後を、満は"そこそこ大きなものでも入りそうなスポーツバッグ"を取り追った。
如何だったでしょうか。
満とイッセー君は、変態三人組の残りの二人と違って高校に上がってからの友人、とこの作品では設定しております。
「見た目普通だからムッツリスケベに違いない」と、変態三人組に声を掛けられたことが始まりです。
まあただの設定なので、友人である、というところだけ覚えていただければ。
しかしこの主人公、疑心暗鬼の塊である。
気まぐれによる次回予告
一誠を追い、旧校舎へと向かった満。そこで聞き、目にした真実とは。そして、満はその真実に対してどんな判断を下すのか。
次回 ハイスクールD×D 〜鬼を継ぐもの〜
第9話 真実
では次回。またお会いしましょう。