東方人妖伝 ~FantasyTownshipDaily~ 作:通りすがりの人妖
第一話(修行編) 妖力と霊夢の大げさと一月の別れと
今は真昼、愛優は怪我の完治はまだだが、退院はできるほどの回復をしたということで博麗神社に帰ってきたのだ。そして今は真昼(二回目)、愛優と紫と霊夢は夏が近いということで、素麺を食べていた。
「はぁ?俺と霊夢で共同修行?」
愛優は麺を掬い上げた箸を止めて紫を「何言ってんだこいつ」みたいな顔で聞き、霊夢は少し動揺はしたが直ぐにズルズルと食い始めた。
「そう、あなたは気づいているかは分からないけどあなたの妖力はこの私が嫉妬するぐらいあるのよ。それを無駄にする手は無いと私は考えて、今の
霊夢はそれを聞いて愛優を見て驚くが、直ぐにまた食いはじめる。
「・・・でその、何だっけ?よ、妖力って言ったっけ、それって何なんだよ。」
それを聴いた瞬間、霊夢と紫はポッカ~ンと口を空けて愛優を見る。愛優は何故か照れて、顔を赤くして素麺を食う。
「ねぇ・・・それ本気で言っているの・・・?」
霊夢は箸を止めて、真剣な顔で愛優を見る。紫に関しては諦めたように額に手を当てて上を向いている。
「あぁ、そうだけど。そういやこの前、香霖堂に行った時にも霖之助さんにも言われたな。それが何なんだよ、勿体ぶんないで教えてくれよ。」
と、愛優は上目遣いで霊夢を見て素麺を食いながら聞く。
「はぁ・・・妖力を使わずにフランとあれだけやりあうなんて、凄いわねあれでもEXなのにね。」
霊夢は呆れたような顔で愛優を見て、ため息をつく。
「決めたわ・・・愛優は一ヶ月間私の屋敷で修行よ。霊夢、あなたは妖怪退治の仕事が溜まっているから実戦が修行ね。」
紫は相当ショックなのか、低い声で下を向きながら呟く。
「・・・良いわよ、行って来なさいよ愛優。」
霊夢は立ち上がりながらそう言って、食い終わった素麺の器を持っていった。
「良いのか?行っても、寂しくなっても知らねぇぞ~?」
愛優もそういって食い終わった器を紫の分も持っていった。
「大丈夫よ、あなたの依頼が少しだけ溜まるだけよ。」
霊夢は、何も感じていないのか素っ気無く返す。
「それじゃあ、今からもう行こうかしら。」
と、紫はニヤニヤしながら意地悪く言う。すると、紫の思惑通りに引っかかる霊夢。
「はぁ!?そ、それは早いわよ。そ、その準備とかあるでしょ!?だから今日の夜にしなさいよ!」
霊夢は紫に両手を広げて形相を変えて、紫に説得をする。
「何かしら霊夢?行っても良いと言ったのは霊夢よ?何で明日になるのよ。」
紫はニコニコ×ニヤニヤの顔で霊夢は言われて「うっ」となり顔を紫から背けた。しかし、愛優が大きなため息をつく。
「分かった分かった。明日に行くよ。霊夢も紫もそれで良いんだろ?」
「う…うん、まぁね。まだ帰ってきて日が浅いんだし、傷のことも考えたら・・・」
「心配なのよねぇ~」
と紫はうんうんと頷きながら霊夢の言葉を遮り、霊夢は顔を真っ赤にして「なっ」とまたもさっきと同じような反応をする。そして霊夢はゆっくりと愛優の方を見る。
「そうなのか霊夢・・・?もしそうならば後一週間はここにいてm・・・」
「心配は確かにしているけど!私が行ってきなさいって言ってるから行って来なさいよ!」
「「・・・」」
この静まりかえった空気が余計に霊夢の顔を真っ赤に染め上げる。
「そ、そうか・・・なら行くよ。ありがとうな霊夢。」
愛優は早速、屋敷に行く準備をし始める。
お夕方~
「あ~終わった~これで大丈夫だぁ~」
愛優は大の字で寝転びながら、喜ぶ。
「そう、やっと終わったのね。」
霊夢が湯呑みに入っている茶を啜りながら言う。どこかともなく悲しそうにも聞こえた愛優。
「・・・あぁ、やっぱり寂しいか?今なら紫のとこに言って断ることもできるけど」
愛優は目を瞑りながら、ゆっくりと霊夢のことを考えて言う。
「折角、4時間ぐらいかけて準備したのに台無しにする気?それに別に寂しくなんかないわよ、食費とかが弾むだけよ。」
「そうか・・・。あ~お腹が空いちゃったなぁ~どうしよっかなぁ~」
愛優は子供みたいに、そして意地悪に霊夢のご飯を求めようとする。
「・・・はいはい、分かったわ夜ご飯作ってくるから忘れ物無いか今のうちの確かめて置きなさいよ」
と言って霊夢はご飯を作りに行った。すると愛優の目の前にスキマが開いた。
「まるで夫婦ね、端からみたらとても良い夫婦よ」
紫は昼と余り変わらず、ずっとニヤニヤしていたのかというぐらいにニヤニヤしきっている。愛優は紫を変な目で見る。
「んなもんじゃねぇよ、っていうかお前が誘ったせいだろうが。」
「そうかしら?その年になって妖力が何かも分からない妖怪が本気で自分を倒すっていうから、教えてあげるって言ってるのよ。」
愛優は頭の中で無意識に紫の言っていることが正論だと認めたことにより、少しイラッと来た。
「っていうても、俺はまだ・・・何歳だっけ?ええと博麗大結界ができたのは外の世界で、1885年だったよな?だから、今は2016年だろ?それで今年は誕生日がまだだから・・・」
「143歳ね、まだまだ若者よ。私たち妖怪の中ではね。」
紫は愛優が頭を抱えて自分の年齢を数えているところを遮り、愛優の年齢を当てた。
「そうだったそうだった、いやぁ人間だと短いから忘れにくいけど俺たち妖怪は長いからすぐ忘れるんだよなぁ。」
愛優は感心に顔をうんうんと頷きながら言う。
「私は忘れても思い出したくないわね。自分の年齢なんて」
「まぁそれなりに年齢重ねているからなぁ。もしお前が死んだら結界の数は減るよな?どうするんだ?」
愛優の質問に紫はもの凄く焦ったが愛優に何も変化が無いことを確認してから答える。
「び、ビビらせないでくれる!?それにそんなこと考えていなかったわ。」
「…?何でだ?」
愛優はあの時のことを覚えていなくて、意味も分からずに紫が焦っているので愛優も気になる。
「覚えていないの?そうね、確かにあの時の貴方は愛優では無かったものね。」
「そ、そうなのか?良く分からねぇけど、何かあったんだな。」
と言ったところで霊夢が二人分の料理を持ってきた。
「あら、紫もいたのね。でも、紫の分は聞いてないから作ってないわよ。」
そういいながら卓袱台の上にご飯を置き、愛優と霊夢は「頂きます」と手を合わせた。
「いいわよ、別に。妖怪は人のご飯を食っても空腹は満たせないわ。勿論食う妖怪もいるけど、大体は趣味や好みよ。ねぇ?愛優」
と、ご飯をガツガツ食う愛優を見ながら言うが愛優は食うの止めて紫に言い返す。
「・・・俺は、人間の食べ物が好きだからだな。霊夢の手料理はやっぱ上手ぇなぁ。」
そう言うと、直ぐに「おかわりっ!!」と大きな声で空っぽのお椀を霊夢に差し出す。霊夢はそれを受け取り、炊飯器からご飯を3合分ぐらいのご飯をお椀に入れながら「美味しいのは当たり前よ。私が炊いたんだから。」と言って愛優に山のようにご飯が入っているお椀を愛優に返した。それを見ていた紫の顔はまたニヤニヤしている。
「本当に仲良しよね~、今度は貴方達が親子に見えてきたわ。」
霊夢がお母さんで、愛優は息子に見える紫は顔をニヤニヤさせてながら言う。だが見た目では外の世界で言うと、霊夢は高校生だとすると愛優は大学生ぐらいだから端から見るとやっぱり兄妹に見える方が普通だ。
「冷やかしをするだけなら、帰ってくれないかしら?」
「そうね、私はお邪魔虫だったわね。それじゃあ残りの時間を楽しんでね~」
紫は笑顔でスキマの中へと帰っていった。紫が帰ったと同時に愛優はご飯を食い終わり、「ご馳走様!」と手を合わせて言ってから食器を持っていった。霊夢もご飯を食べ終わったので、「ご馳走様」といい手を合わせてから食器を持っていった。
深夜ッスね~
「覚悟はいいかしら?私が教える妖力は殆どの妖怪をしっていることを今になって覚えることはとても難しいことなの。ある国の森に捨てられた姉妹が狼に育てられてしまったの、その二人は牧師に拾われて、人間として育てることにしたけど狼みたく4足歩行で歩いていたのに、急に人間のように2足歩行で歩くことができるのにはとてつもなく時間がかかったのよ。これは外の世界で実際にあった少し有名なお話で・・・」
紫は右手の人差し指を立てて長い長いお話をする。それに聞き飽きた愛優は荷物を抱えながら、大きな欠伸をする。
「要するに、人間の根本的な動作を赤子で覚えてそれに伴い成長はするが、子供、大人になってからその根本的な動作を覚えるには困難ってことだろ?」
愛優はさっさと終わらせようと理解できたことを紫に聞かす。
「まぁ、そういうことになるわね。」
「それじゃあ行くか」
愛優が気合を入れて飛ぼうとした瞬間、「待って!」という声が神社の中から聞こえた。愛優と紫はそれに気づき神社の方へと耳を傾ける。
「何だ、寝たと思ってこっそり行こうかとしたんだがバレちゃったか」
と陽気にいうが、愛優の顔には心配させたくないと書いてあった。
「・・・紫!もしこいつに何かあったらお賽銭箱十箱分のお金を請求するからね!」
霊夢は紫に指を指して言うが、愛優はこいつ呼ばわりされたので、ショックを受けた。
「そうね、愛優に妖力を補えるぐらいのセンスがあれば怪我無しに帰れるわ。」
「そうだ霊夢、心配をするな…。一ヶ月、紫の家におじゃまするだけさ。大げさに考えるなよ。」
愛優は振り返らず、前へと歩きながらそう言い、スキマへと姿を消した。
「馬鹿、心配をするのは私の勝手なのに…」
霊夢は眩しい満月へと手を翳しながら、届くはずも無い言葉を呟いた。
次回へと続く!!
今回から第五伝「東方妖授伝」が始まりました。自分の頭の中では大体のクライマックスが描かれていますが、そこまで辿り着けるかが心配です。まぁ、クライマックスの後の話も考えていますけどねw。それでは、次回も見てくださいね~ジャンケンポn・・・安陪氏ッ