東方人妖伝 ~FantasyTownshipDaily~ 作:通りすがりの人妖
亞義鍍が生涯で戦ってきた自分の数は、19人(174歳)
愛優が現在戦ってきた自分の数は、13人(143歳)
二人は共に大切なものを失い、『アギト化』をした妖怪だ。アギト化した妖怪は紫曰く今はこの二人しか居ないと言う。
***
『アギト化』についての条項
一つ 戦う己の数は、己次第。
二つ 失った大切なものとの記憶を一切忘れると死ぬ。(記憶喪失もふくむ)
三つ 条項二つ目などで死んだ場合、二度とその者の分身は現れない。
四つ 己は突拍子も無く現れる。しかし、昏睡状態や植物状態のみ分身は現れないし消える。
五つ 己の分身は全員何らかの能力を所持しており、倒すたびに倒した分身の能力が発症する。
六つ 最後の己は自分自身が一番妖気を強く感じるので、それを目安とするといい。
七つ 大切な者が被る場合、5割で片方だけが発症する。
八つ 最後の己の姿は―――――
失った大切な者の亡霊(または妖怪)。
***
紫と愛優は『アギト化』について議論をして、条項を定めた。完成をするのに丸五日かかった。理由は意見が余り噛み合わなかったり知っている情報が矛盾していたりなどであった。完成したその夜、愛優は紫と同じように体を伸ばして伸ばして伸ばしまくった。いつの間にか時計の針が四時を超えていた為いつもより全速力でベッドに飛び込んだ。
「っふぅ~疲れた~、確かに完成をしたのはいいものの他に発症した奴もいるんじゃねぇか…?」
ベッドを仰向けで寝ながら、幻想郷の姿を頭の中で描いていく。紫は俺と亞義鍍だけというが、いずれ発症してしまった妖怪や亡霊、人間などにこの情報を伝えたいという思いが強かった。
「・・・紫に頼んで幻想郷中に宣伝しよう・・・」
そう呟いて目を瞑り、明日を待っていた。
次の昼!!
藍は紫に「昨日は夜更かししたから昼におこしてちょうだい」と言われ、橙と昼飯を食い終わり愛優を起こしに行った。寝室のドアを開けるとすでに愛優は起きていて二人は共に「おはようございます」と挨拶を交わした。
「うわっちょっ何取ってんの!?」
愛優は欠伸をして布団を深く被り始め、それを見逃さなかった藍は布団を取り上げようとする。しかし、紫のお陰か力が強くなり布団の取り合いで有利であった愛優が思いっきり取り上げると布団と共に藍が釣れた。
「っひでぶッ!!」
藍が愛優の上にのしかかると同時に変な悲鳴が出た。少し、きまずい姿勢であったが数秒ぐらい見つめ合い(これは…ヤバい…)と思った愛優が先手を取った。
「ゴメン!」
そういって藍は「え?」という言葉さえも言い終わる前に布団と共にベッドの横に放り投げてしまった。藍は投げられた瞬間「きゃーッ!!」という如何にも女子らしい?悲鳴を上げて放り投げなれた。投げた瞬間に愛優は布団ともみくちゃになっていて横からモフモフした尻尾が見えていた藍を見て、触りたい、モフモフしたいという邪念が頭に過ぎった。しかし、愛優は顔を左右に振って邪念を払い、リビングまで降りていってしまった。
「ふぅ・・・藍には悪いことしちまったな…後で謝りながら尻尾をもふもふしよう…」
一人言を言い零しながら、洗面所で顔を洗い、紫のいるリビングへと戻った。紫と愛優は目が合ったと同時「おはよう」と挨拶をして、橙のクッションを抱えたままソファに座り紫と向き合う。
「・・・昨日完成した条項なんだが、妖怪の山の天狗に頼んで幻想郷に広めて貰おう。」
腕を手を組みながら、しかめっ面で紫の顔を見て言う。紫はやれやれと思い、ため息を深くつきながら答える。
「はぁ、アナタは今“ここに”何を目的としているわけ?」
紫はそういって立ち上がって冷蔵庫を開ける。愛優はそれを目で追いかけながら「それは…」と言葉が詰まる。
「そう…貴方は妖力を使いこなすために修行しにきているの。確かに剣術、武術に関してはこの世界で右に出るものは殆どいないわ。しかも、妖力に関しても大分上手くなってきたわ。それでも、貴方はあの子には勝てない。先代の巫女…私の大切な友達には勝てないわ…」
紫はそう言いながら冷蔵庫から、アイスを取り、腕を広げて手のひら上に向けて首を左右に振る。
「…修行はする。決して怠ったりはしない。だから…そのかわりに宣伝を頼む。」
「確かに、それなら文句は無いわ。だけど、『アギト化』に関してはまだまだ解明できないことが多いわ。だから、天狗に取材もさせる、そのかわりギャラは貴方が払ってよね。」
「んなもんで済むなら最高じゃねぇか。でも、いくら振っても無音の財布でどうしろと…」
愛優は尻ポケットに忍ばせていた財布を取り出し、ブンブン振っても一切音がしない。それを気にせずに紫は「冷た~い」といいながらアイスを頬張る。
「あぁ、それと藍がしくしくと泣いてたけど、どうしたの?尻尾をもふもふしても、何も話してくれないから
愛優はビクッと体を震わせて階段のところから藍が下を向きながら階段を降りて来るのに気づいた。何で分かったのかと思うより速くに、忘れてたと思うのが速かった。そして、愛優は言い訳を考える。
「あ~、何というか…え~、うん急いでたからさ、後パニックになったから…?」
恐る恐る、愛優は藍の顔を下から覗き顔色を伺うがあきらかに目が潤んでいる。「ううっ」と言いながら、腕で顔を隠す。
「ゴメン、いや悪気は無いのは分かるよ?起こしに来てくれたんだよね?俺も悪気は無いからさ…ね…?」
藍は愛優が聞く度にコクりと頷く。愛優はずっとおどおどした様子で聞いてきたため、紫は何故かツボに入って笑い出す。
「あのねぇ~藍はそういうのに弱いのよ。私の指示で動いたのに、ほかの人に拒否をされるとすぐにいじけちゃうのよねぇ~」
紫は二人を見て笑いながら、説明を入れる。愛優は「そんなことがあるのかよ…」と呟きながら藍を見つめる。藍は未だ淡々と頷いている。
「ううっ、愛優さんは私のことをどう思ってますか…?」
藍は上目遣いで見てくるので逆に愛優は「うっ」という情けない声を漏らした。
「いや…その…優秀…かな…?けど強いていうなら、尻尾もふもふしたいです。」
切実に話すが、藍は涙を浮かべているものの無理に作ったような笑顔で「後者のは無理です」ときっぱりに断った。
「そっか…なら良かったです。いつも…式紙なのに何もできなくてそれで…それで…紫様にもいつも怒られていて…」
藍は静かに愛優の背中に両腕を廻して距離を限りなく零に縮める。
「...って別にこれ、紫がわるいんじゃねぇの?」
紫はあからさまにビクンと体を震わせて、静かにスキマを開き入ろうとする。しかし、愛優はすぐに紫の元へと近づき、紫の能力を宣言して逃げ道を塞いだ。
「藍、悪いのはお前じゃなくてニート(期間限定)で時々ロ理(事長)でBBAな紫のせいだ...」
紫は糞みたいにぼろ糞を言われるが愛優の威圧により、攻撃するという概念が一時的に抹消されてしまった。
「ゑ?つまり…私のせい…?私が悪いの?」
愛優は「YES!!」と万面の笑顔で紫を見下ろす。そこに救世主とも呼べるが愛優と藍にとっては珍客でもあった。
「藍しゃま!何しているんですか!?」
橙がそういって、リビングを走り回りそのまま藍に飛びつく。藍も「橙!!」と言って抱きしめる。
「っはぁ、まぁこんな癒される光景を作ったのもまた紫なんだけどな…いいんじゃねぇの?こんな関係でも。紫は藍に厳しく叱るが、その頑張りを隣で見ている橙が藍を癒す。いいじゃねぇか、一人ひとりが繋がっていてさ...」
愛優はそういって寝室へと戻り、ベッドで寝始めた。
「あっ、愛優!!修行をサボる気ね!いくらいい空気だからって修行はするわよ!」
紫はそういって、愛優が寝ている寝室へとドアを開けて入るがそこには誰も居なくなっており、ベッド際にある窓からの風でカーテンが
次回へと続く!!
人妖さんワールドの独自設定がまた出てきました。藍しゃまは、打たれ弱いというより頑張ってしていることを拒否されたりするとすぐに落ち込みます。しかし、橙により癒し(治癒魔法)を施された場合の変わりようは一目瞭然です。今回は3千文字を越えました(悪いことではないッす)。この次の話とそのまた次の話までは考えているのですか、皆様思うでしょうね。一話と二話(第四伝)の投稿はいつなの?…と。ぶっちゃけ、いいのを思いつくまでは投稿する気が起きません。「新話出す時間あるならリメイク速く投稿しロッテンマイヤーさん!!」という人が3人居るとそちらを優先致します。あ、勿論コメントでお願いします。それではッ!サヨナラッ!!