【テスト】ダンジョンで念能力を使う転生者は間違っているだろうか 作:にくきゅうΩ
光に包まれた瞬間自分の周囲は一面薄緑色の壁面に変化していた。
天井が光を発していて、暗くは無いが腕時計をしていない為今の時間は分からない。
どうやら広い部屋の様な場所に転移させられたらしいが、出口は何処だろう。
せめて飛ばすなら街の中に飛ばしてくれと思いつつ、周囲を捜索しながら
彼はここに飛ばされる前にあった出来事を思い出していた。
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家で過ごしていた筈の彼は見知らぬ場所で目覚め、光り輝く人型の
不思議な存在に自分は元の世界で死んだと言われ、お前はもう
元の世界で過ごす事は出来ないと告げられる。
嘘っぽい話だが、彼自身も元の世界で死んだという話には朧気ながら心当たりがあった。
「別の世界に行くなら第二の人生を送る事ができるが君はどうする?」
と言われ、彼は混乱しながらもその提案を了承する。
しかし、送り先の通称【ダンまち】と呼ばれる作品の世界については、青い紐が
流行っていたという情報しか知らない。
元の世界の身体は消滅してしまったからこちらで新しく身体を作り直すという理由で
ダーツで勝手に決められた結果、SAOのユージオというキャラの容姿で決定された。
見た目から判断すれば年齢は15~16歳位の美少年である。
数cmズレていたらエギルというキャラの容姿になってたそうだが、生憎SAOという作品は
主人公がキリトで、前にアニメになったという事やヒロインらしいアスナの蝉ドンに
キバオウという変な髪形のキャラが人気だとしか知らない。でもなんとなく
ズレた事には感謝した方が良い様な気がする。
特典は特殊な能力、特殊な武器と特殊な装飾品を1つずつ与えられた。
ただし、強力過ぎる能力だと魂が耐えられず使えないというケチ臭い仕様になっている。
ちなみに言葉と文字に関してはサービスでなんとかしておくから心配無用らしい。
悩んだ結果、修行次第で誰でも習得が可能なHUNTER×HUNTERの念能力を選択
なお、念能力はその世界にいる神? とやらが与える
使える様になる『スキル』や『魔法』とは別枠の技術という扱いになる。
剣は、柄に青い薔薇の装飾が施された青い刀身の剣を渡された。
どうやら武器に関しては使い手のLVによって使える能力が制限されたり
強化されたりする様で、最初の内は下に記載される性能しかない。
1、斬った相手に与えた攻撃ダメージの5%を回復
2、鞘に肉体の自動回復効果
他にも能力はあるが特典武器はLVを上げないと制限が解除されない仕様で
その代わりに特典武器とアイテムには破損時に修復される機能が必ず備わるそうだ。
LVが高い奴がこの剣を使ってフルに性能を発揮すると凄まじい事になるのでは無いか?
と質問すると、その通りではあるが転送先にいる鍛冶を司る神? と呼ばれる存在ならば
別に作れない武器では無いらしい。
2つ目に渡されたアイテムで白銀の輝きを放っているアームバングルは
精巧な彫刻が施されており、身に付けた人間に合わせてサイズが自動で調整され
状態異常の無効化、念や魔法の効果増強、経験値やステイタスの成長率を
超高補正する性能を備えている。
オマケとして、なにやら金色の鍵を押し付けられたが、謎の存在の解説によれば恩恵を
受けた者が強くなりたいと願った時に特殊な結界が発生し、結界の中にいる者が
使用者を鍛えてくれるという。
但しダンジョン内部では使用不可、結界内部の様子は外からも確認出来るなどといった
デメリットも存在する様で、詳しい事は使用した時中にいる奴に聞けと言われた。
厄ネタの様な鍵を押し付けられた後に謎の存在は、向こうで名乗りたい名はあるかと
聞いてきたので、彼はこの身体の元のキャラの名から一文字消してユージと名乗ると決める。
餞別としてルーリッドという姓を与えられ、ダンまちと呼ばれる世界に送られた。
送られる時になって今思い出したかの様に、この世界には前に送った人間の子孫が存在するので
多分君にも何かの影響があるかも? という話をされたが、直前になってそんなことを
言われても困る。直ちに影響は無さそうなので、今は特に気にしない事にした。
●
気が付いた時、ユージは辺りが薄緑色の壁面の場所にいた。
念能力を使える様になり、チート装備を渡されてこの世界に送られたはいいが、彼は
今居る場所が分からずにテンパっているという状況に陥る。
軽く動揺し、混乱していると不意にビキリビキリという音が響いて辺りを見回す。
判断し、まずは基本四大行の1つ
背負っていた剣を抜いて警戒を強めた。
音は徐々に大きくなっていき、数秒後近くで赤一色の大きな蟻が誕生する。
それはキラーアントと呼ばれるモンスターで冒険者の間では
『新米殺し』という異名を持つモンスターとして有名だった。
元の世界で彼はモンスターと戦闘した経験など勿論無く、戸惑ってる隙に攻撃を
喰らってしまう。
「痛っ……い! ……事は痛いが大した傷になってない?」
初めて見るモンスターにビビるが、キラーアントの攻撃を喰らっても無意識で発動した
次第に落ち着きを取り戻し、目の前の蟻の頭部へ鋭い突きを喰らわせる。
『――』
「凄いな……まるで豆腐を切ったみたいだ」
何が起こったのか理解出来ぬまま双眼から光が消え、キラーアントの身体は
やがて魔石だけを残して灰になった。
「なんだこの石?」
彼は落ちた石が気になったので拾い、あとで 調べる事にして、モンスターを
倒して落ちた色の付いた石を回収し、上着のポケットに入っていた布製の袋に入れる。
先程身体に受けた傷は
斬った相手に与えた攻撃ダメージの5%回復と、鞘についた特性の自動回復効果によって
すでに治りかけていた。
出現する蟻などのモンスターを始末しながら探索を続けるが、ここで困った事態に陥る。
目の前に上り階段を発見するが、オラリオの人間ではないユージは現在の階層の位置を
知らず、上と下どちらが外に近いのかも分からない。
多分探せば下りの階段もあると思うが最終的に探すのが面倒になった彼は、遭遇した
モンスターが弱い方が外に近いと結論付けて階段を駆け上がる。
近くで激しい戦闘音が響いていたので音の大きな方へ進んでいくと、白髪の少年が
人型の黒い影の様な怪物『ウォーシャドウ』2体に挟まれながら戦っていた。
ウォーシャドウの一撃が少年の肩に直撃し、その衝撃で手にしていたナイフが飛ばされる。
不味いと思い少年の近くに駆け寄って、ウォーシャドウの一体を切り殺した頃
白髪の少年は右手で残った敵の頭部を貫いていた。
「助けてくれてありがとうございます!!」
「いや、多分君は俺が助けに入らなくても勝ってたと思うよ……って君ボロボロだぞっ!?」
少年は彼が助けに入る前から無茶な戦いをしていたのか、身体は傷だらけで若干疲れも見える。
「君、ちょっとこれ持ってじっとしててくれ」
背負っていた鞘を少年に持たせ、彼はその間湧き出る怪物を始末していく。
少年の傷は徐々に治っていき、約4~5分後には大体の怪我が治っていた。
「……っ!? ポーションも使ってないのに傷が!!」
「ああ、その鞘には傷の回復効果がある、回復速度は多分ポーション? の方が早いけどね」
それにしてもこの少年、怪物が出る場所だというのにナイフ1本だけでここに来たんだろうか?
そんな装備で大丈夫か? などという昔どこかで聞いた言葉を思い出したが、装備に関しては
剣1本だけで、防具の無い彼が突っ込む資格は無い。
「それより、実は今迷子なんだ、出口はどっちの方向か分かるかい?」
案内を頼めば確実だろうが、どうやら複雑な事情がありそうなので
出口までの道筋を少年に聞いてここで別れる事にする。
話を聞いてみると、どうやら上に昇った彼の判断は正しかったみたいだ。
「あの、僕はヘスティア・ファミリア所属のベル・クラネルって言います、後日お礼をしたいので
所属ファミリアと貴方のお名前を教えていただけますか?」
所属ファミリアという聞き覚えの無い単語が出たが、一先ずこの世界の自分の名前を名乗った。
「僕の名前はユージ、ユージ・ルーリッドだ!」
「ユージさんですね、えーっと……所属ファミリアは?」
「ベル君だったね、悪いが所属ファミリアについては明かせない事情がある。僕は別に
見返りが欲しくて君を助けた訳じゃないから礼はいいよ」
所属という響きから何かの組織であるという事は推察できるが、そのファミリアという
組織に入らずにここに侵入すると罰則が科せられる恐れもある。
それにユージはファミリアに所属して無いので、別に嘘を吐いた訳でも無い。
「じゃあベル君も無理せず頑張ってくれ、無理をしないようにね」
ファミリアの件をはぐらかし、そう忠告して詳しく追及される前にその場を離れたユージは
地上を目指して上の階段へと向かっていく。
途中で遭遇したモンスターは魔石を100個ほど集めた時点で、回収が面倒になり
ユージは残りの回収を放棄して無事に地上へ脱出した。
のちに換金できると知って後悔したのは余談である。
実験として気になる点
・神様的な存在との会話に1話使う気無かったのでなるべくカット
・文章の区切りが苦手なのでおかしい所は無いかが気になる
・そもそも文章におかしい所はないだろうか?
・いきなりキラーアントはやり過ぎか?
・強さの設定
この世界の冒険者は
素の能力と装備補正+恩恵の上昇によるステイタス=冒険者の強さで
今の主人公の強さは
素の能力と装備補正+念能力による強化=今の主人公の強さという感じ