やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。短編集   作:うみがめ。

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一色を妹のように扱うと2人がこうなる。

「先輩、シスコンって本当ですか?」

 

「んぁ?」

 

放課後。

今日も今日とて、一色に生徒会の仕事を手伝わされている時に突然一色が聞いてきた。

 

「んぁ?じゃなくてですね、先輩はシスコンだって結衣先輩が言ってたんですけど本当ですか?」

 

……ふむ。

シスコン?って聞かれたら俺は小町を愛してるからシスコンなんだろうな。

「まぁ、そうなのかなぁ?」

 

「えっ?本当ですか?」

 

「まぁ……シスコンか?って聞かれたらシスコンなんだろうな」

 

 

「そーですか!?なら今日1日私を妹として扱って下さい!」

 

 

「……は?」

 

何言ってるのこいつ?

あれか?生徒会長の仕事が忙しくてとうとう頭がいったのか?

なんで「なら私を」っておかしいだろ。

まぁ、たしかにこいつは後輩っていうより妹的な感じかもしれないけどそれはあくまで感じだから事実とは異なります。

 

「は?じゃなくてですね。シスコンなら妹が多い方がいいですよね?それに私って一人っ子じゃないですかー」

 

「一人っ子じゃないですかー当たり前のように言うけどそんなん知らねーよ」

 

「あれ?言ってませんでしたか、私は一人っ子なんですけど、お兄ちゃんに憧れてるんですよねーだからギブアンドテイクですよ」

 

「はぁ、それでなんで俺がお前の兄にならなきゃいけないんだよ?」

 

「だってー、私の周りにいる年上の人先輩ぐらいしかいないんですよー」

 

「葉山か戸部がいるだろ?」

 

「えー、あの2人なんか嫌ですよー」

「だ・か・ら先輩なんです、私のお兄ちゃんになってください」

 

一色はそう言い手を顔の前にあわせ可愛くお願いしてきた。

……こうお願いされちゃあ断れないな。

俺もこいつにはだいぶ、甘くなってきたな。

 

「……はぁ、分かったよ、面倒くさいことはしないからな」

 

「さすが先輩!」

 

「んで俺は何をすればいいんだ?」

 

「はいっ先輩は私のお兄ちゃんになったので私のことを名前で呼んでください」

 

「は?」

 

「ん?先輩って小町ちゃんのことなんて呼んでます?」

 

「小町」

 

「なら私のことも『いろは』って呼んでくださいっ!」

 

……なるほど。たしかに妹である小町は下の名前で呼び捨てにして呼んでるな。

だから一色のとこも『いろは』って呼ぶのが妥当なのか……ってんなわけねぇよ。

こいつはもともと俺の妹ではない!

俺の妹とは小町1人だ!

 

「ダメ……ですか……?」

 

………………………はぁ。

 

「い、い……ろは?」

 

「はいっ!おにーちゃん!」

 

一色のことを名前で呼ぶと一色は満面の笑みになった。

……うん。

なんか、悪くはないかもな。

 

「な、なんかお兄ちゃんって呼ぶのは恥ずかしいですね」

 

一色は照れながら言った。

 

「いや、呼んでくれって言ってないからな」

 

そんな俺の発言には目もくれず一色は決心するかのように。

 

「いえ!私は先輩の妹になるために呼び続けます!あっ、先輩じゃなくてお兄ちゃん!」

 

「はぁ、もうなんでもいいや。それで?もう何もしなくていいのか?」

 

「いえ!次にやってもらいたいことはですねー私の頭撫でて下さい!」

 

…………?

 

「は?」

 

「あのですね、この前にある人から聞いたんですよ。兄妹喧嘩したんですけどそのあとに仲直りしたときになんか頭撫でくれたーってだから私を撫でてください!」

 

「あのな、一色それはきっとアニメなんかの話だ。現実ではそんなことしないぞ?」

 

「え?でも先輩小町ちゃんの頭撫でたことありますよね?」

 

…………なんでそれを知ってるんだよ。

あれ?つうかなんでこいつは小町のこと知ってるんだ?会ったことあったっけ?

 

「なあ?お前って小町と会ったことあったっけ?」

 

「お前じゃなくていろはですよ!」

 

「……い、いろはは小町と会ったことあるのか?」

 

「はいっ!この前に結衣先輩や雪ノ下先輩と遊んだときに小町ちゃんも誘って遊んだんですよ」

「それでそのときに小町ちゃんと仲良くなれました!それに将を射んと欲すればまず馬を射よって言うじゃないですか」

 

「そうか、小町と会ってしまったのか」

 

はぁ、小町に悪い影響がないといいな。

 

「だから、私の頭も撫でてください」

 

「いやだよ、あれは俺の小町に対するお兄ちゃんスキルだからな」

 

「なんでですかー!早くこっちに来て私を撫でてくださいよー!」

 

と一色は机の反対側でバンバンと机を叩きながら駄々っ子のように駄々をこね始めた。

 

「むぅ、ならやっぱり私から動かないとダメですね!」

 

そう言い、一色は椅子から立ち上がりぐるっと周り俺の方へとやってきた。

そして、「よいしょ」と言いポスッと俺の膝の上に座ってきた。

 

「……何してるの?一色」

 

「お前じゃなくていろはですよー」

 

「いろは、何してるんだ?」

 

「だってこんぐらいしないと先輩はダメじゃないですか、だからカモン!頭撫でてください」

 

「いや、つうか重いから」

 

「はっ!?何言ってるんですか!女の子は羽のように軽いんですよ!」

 

「…………そんなに……ダメ……なんですか?」

 

と少し目を潤ませなが俺の方へと振り返りながら聞いてきた。

……頭撫でるのは小町へのお兄ちゃんスキルなんだけどなぁ。

てか、あれ。こいつはなんなの?なんでこんなに簡単に俺の膝の上に座れるの?なんで俺のATフィールドをたやすく突破してくるんだよ。

それにかなり距離が近いから色々と女の子特有の甘い匂いが……。

 

と考えながらも渋々といった感じでいろはの頭を撫でると。

 

「……ふふっ。あ、なんかくすぐったいですね」

 

「ならもういいよな」

 

と撫でるのをやめると。

 

「あーちょっ!もっとですよ」

 

いろはは、俺の手をガシッと掴んでいろはの頭の上に押し付けてきた。

 

「……はぁ、もう少しだけだからな。生徒会の仕事も終わってないんだし」

 

「はいはい、分かってます!」

 

そう言い、撫でてやると嬉しそうに鼻歌を歌いながら答える。

そんなことをしていると、

 

「……会長、比企谷。もう帰っていいよ」

 

と今まで静かに仕事をしていた副会長の本牧がぐったりした感じで俺といろはに言った。

 

「もうお二人がイチャイチャしてるのは見ててしんどいです。あとは私と副会長が終わらせるのでお二人は帰ってください」

 

書記ちゃんもなにかぐったりした感じで言う。

 

どうしてこいつらはこんなにぐったりしてるんだ?そんなに仕事が大変なのか?

 

「あっ!本当ですか?なら今日はお先に失礼しますねー」

 

いろはは、副会長と書記ちゃんの言葉に甘えるらしくパパッと帰る支度をすると。

 

「じゃあ、先輩お二人に甘えることにして帰りましょっ!」

 

「ああ、そうだな」

 

そう言い、いろはは俺の手を握り、さっさと部屋を出ていく。

まぁ、こいつらの言葉に甘えるか。

そして、俺といろはが部屋を出ると、副会長と書記ちゃんの、

 

「「……はぁ」」

 

と重い溜息がきこえた。

 

 

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