贖罪のゼロ   作:KEROTA

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絶対凱歌EDGAR-2 凶刃喝采

「おいシュタイム、火ぃ貸せ。久しぶりに一服したい」

 

 虚空に向かって呼びかける。返事はない。当たり前だ。毎日のように喫煙室共にしていた同僚は一週間前、全身を蜂の巣にされて死んだ。

 

「にしても、病院生活はとにかく退屈だよなぁ。シャロッシュ、こういうときがお前の寒いジョークの活かしどころだろうが」

 

 虚空に向かって呼びかける。返事はない。当たり前だ。くだらないジョークを飛ばして自分たちを笑わせてくれた同僚は一週間前、銃で頭を吹き飛ばされて永遠にしゃべれなくなった。

 

「……隊長、なんか言ってくれよ。こいつら、あんたの命令じゃなきゃさっぱり動きやしねえんだ」

 

 虚空に向かって呼びかける。返事はない。当たり前だ。一癖も二癖もある自分たちを束ねていた上司は、爆弾を至近距離で喰らって腕しか残らなかった。

 

 

 

 ──ああ、くそったれめ。

 

 

 

 生真面目なアルバも、最近恋人ができたと喜んでいたハメッシュも、初任務に意気込んでいたシェシュも、先輩として軍人のイロハを教えてくれたシュモネも。

 

 

 

 もう誰もいない。

 

 

 

 俺だけが残されてしまった、俺だけが()()()()()()()()。その事実が、どうしようもなく重苦しい。

 

 もしも神様って奴が本当に要るのなら、そいつはきっとどうしようもない性悪に違いない。俺の大事なものを、取り返しがつかないほど滅茶苦茶に壊しておきながら──俺にそれを、手放すことさえ許さないのだから。

 

「……くそったれ」

 

 誰もが寝静まった深夜の病院のベランダで、こっそりと吸った煙草(アメリカンスピリット)の味は、生涯舌の上に残り続けることだろう。

 

 へばりつくような紫煙の苦さは、人生で最低最悪の味がした。

 

 

 

 

 

 ──それが彼、スレヴィン・セイバーの背負いし罪。

 

 

 

 

 

 死に損なった敗兵に科せられた、無慈悲にして悲壮なる十字架である。

 

 

 

 

 

 

 ────────────────────

 

 

 

 

 

 ──────────

 

 

 

 

 

 

 

「ッ!」

 

 意識を取り戻したスレヴィン・セイバーが真っ先に行ったことは、自らが置かれた状況のの把握であった。ここはどこだ? あれからどれくらいの時間が経った? 戦況はどうなっている? 

 

 上体を跳ね起こし、周囲に視線を走らせる。清潔感の漂う室内、どうやらここは屋内らしい。まずい、捕虜になったか──とスレヴィンは無意識に表情を強張らせたが、その直後に視界へと映り込んだ人物たちの姿にひとまず彼は警戒を解いた。

 

「ったく……やっと目ェ覚ましたか」

 

「──ミッシェルか」

 

 壁に寄りかかるように立っているのは、彼の幼馴染でもあるミッシェルだった。身体の至る箇所に包帯を巻いているが、特別重篤な傷や欠損は見受けられない。彼女が無事であるということは、少なくとも任務自体は成功したということだろう。

 

 通信が再途絶してからミッシェルたちがどうしていたのか、この場にいないシモンやダリウスがどうなったのか、例のテロリストたちはどうなったのか。

 

 覚醒したスレヴィンの脳裏にいくつもの疑問が浮かび上がり、しかし彼の口をついて真っ先に飛び出したのは現状を把握するための問いであった。

 

「俺はどのくらい寝てた?」

 

「私がこの病室に運ばれた時にはもういたから……ちょうど半日、ってところか?」

 

「……タチバナとルーニーはどうなった?」

 

「集中治療室だ。お前と違って再生能力があるベースじゃねえからな。なんとか持ち直したが──しばらく戦線復帰は難しいだろう」

 

 そうか、とスレヴィンは深く息を吐く。安堵が体に押し寄せ、どっと体を重くする。同僚の死を経験したのは一度や二度のことではないが、何度も経験したいものではない。特に立花東平とエリザベス・ルーニーはとりわけスレヴィンが目をかけている寮生でもある。彼らが無事と分かったことで、大きく肩の荷が下りたような気がした。

 

「起き抜け早々に悪いが、お前には聞きたいことがある──私たちとの通信が途絶してから、何があった?」

 

 ミッシェルが問えば、スレヴィンは怪訝そうに顔をしかめた。

 

「ここに来てから丸半日経ったんだろ? 報告はあがってねえのか?」

 

「U-NASAで襲撃を受けたことは聞いたが、報告してきたのは当事者じゃねえからな」

 

 だからお前の口から聞きたいんだ、とミッシェルはスレヴィンを見据える。

 

「お前らがここまで一方的にやられるなんて、どう考えても普通じゃねえ。少しでもいい、今は情報が欲しいんだ」

 

「……ま、どっちにしろ今できることもねえか」

 

 スレヴィンは起こした上体を背後の壁に預けながら呟く。ミッシェルの話を信じるのであれば、現在の自分たちは軟禁状態。それをどうこうする術など持ち合わせていないし、なにより事を起こすならば機を見計らわなくてはならない。

 

 ゆえに、スレヴィンは淡々と語り始めた。

 

 ミッシェルとの通信が途絶している間に何があったのか──死闘の裏側で起きていた、もう一つの死闘の推移を。

 

 

 

 

 

 

 ────────────────────

 

 

 

 

 

 ──────────

 

 

 

 

 

 

 

 

「くそっ、切れやがった!」

 

 U-NASAの寮監室内、スレヴィンは苛立たし気に通信機の電源をOFFにした。ちょうどミッシェルたちが狂人病の罹患者たちに襲われ、ダリウスの攻撃によって道を切り開いた直後のことだ。

 

 U-NASA寮監室──半ばスレヴィンの私室と化しているこの空間は、平時であれば大量のポルノ誌が詰まれ、特注の『ドリンク型免疫寛容剤』の空き瓶が転がり、自堕落な中年男性の見本のような部屋である。

 

「予想以上に敵の立て直しが早い……相当頭のキレるやつが指揮取ってやがるな」

 

 しかし今この瞬間、寮監室は疑似的な突入班と外部を繋ぐ中継本部としての機能を果たしていた。ポルノ誌は部屋の片隅に積み重ねられ、瓶はU-NASAに返却し、空いた空間にはパソコンを始め大量の通信機材やら、万一に備えての銃火器やらが並べられている。

 

 どこに内通者がいるか分からないが故の、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。それがサイト―66攻略に当たってスレヴィンたちに任されていた役割だった。

 

「タチバナ、回線の復旧はできるか!?」

 

「……すぐには無理ですね」 

 

 隣で電子画面とキーボードを相手に四苦八苦する好青年──立花東平は、難しい表情で答える。

 

「第七特務の人の仕込みにも気付かれて、対策が上書きされたみたいです。時間があればあるいは……」

 

「けど、トーヘイ。ぐずぐずしてたら終わっちまうぞ?」

 

 東平の言葉に、彼の相棒を務めるエリザベス・ルーニーことリジーが声を上げる。

 

「万が一のときには、第七特務とか特別対策室の奴らにアタシたちが連絡してやらないとまずいんだろ? まぁ、ミッシェルさんがいる時点でその万が一もないとは思うけどさ」

 

「そうなんだよね……」

 

 困ったように眉値を下げる東平。こうなることはある程度予想はできていたものの、このまま手をこまねいているだけでは自分たちが外に残った意味がない。少しでも内部潜入をしている突入班の有利になるよう、積極的に動くべきである。

 

「……しゃーねーな。日米合同班の技術チームに協力を頼んでくる」

 

「いいんですか、寮監?」

 

 東平が驚いたようにスレヴィンを見つめる。アネックスの搭乗員であり優秀な技師であるとはいえ、彼らは軍人でもない一般人。それゆえに彼らを頼る、という選択肢を東平は真っ先に排除していたのだ。

 

「緊急事態だしな。あいつらなら信頼できるし、いざという時の裁量は俺に任されてる。んじゃ、ちょっと行ってくるわ」

 

 そう言ってスレヴィンが立ち上がった、次の瞬間。

 

 

 

 轟音と共に、建物が微かに揺れた。

 

 

 

「うわッ!?」

 

「なんだ!?」

 

「──ッ!」

 

 突然の事態に声を上げ、戸惑う東平とリジー。それと対照的に、スレヴィンの状況把握と行動は迅速であった。

 

 音の出どころは、寮棟のすぐ外──スレヴィンは半ば確信めいた最悪の予想が外れているように祈りながら寮監室のドアを蹴破り、玄関の外へと飛び出す。

 

 

 

「……クソが」

 

 

 

 彼の寮監室のドアを開けて真っ先に飛び込んできたのは、跡形もなく吹き飛んだ門や塀の残骸と()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 居眠りか、あるいは運転ミスか。なんらかの原因で発生した不運な事故──などと思えるほど、スレヴィンは楽観的ではない。すぐさま彼は、腰に下げたホルスターからU-NASA支給の拳銃『ファイブセブン・レプリカ』を引き抜く。

 

 スレヴィンの予想を裏付けるように、その直後、トラックの荷台から戦闘服に身を包んだ者たちがぞろぞろと降りてくる。軍人の突入作戦というよりは、ギャングのカチコミを思わせる威圧的で乱雑な動きだ。

 

 

 

「ターゲットはっけーん♡」

 

 

 

 その先陣を切るのは派手な金髪の女。豊満な肉つきだがその肢体はしなやかに鍛え上げられ、露出した肩には髑髏のタトゥーが彫り込まれている。薄化粧が施されたその顔は能面のように無表情。スレヴィンのことをまるで虫か何かのように見つめる眼差しは、とてもではないが堅気の人間には見えない。

 

「何モンだ」

 

 いつでも発射できるように銃を構えながら、スレヴィンは問う。目の前の女はもとより、その後ろに控える部下たちも相当な実力者であることは振る舞いから見て想像に難くない。油断すれば、こちらが狩られる。

 

「どーも初めまして、アタシはガンボルド・ゲレル。後ろの連中は『猛毒部隊(ポイズナス)』──って言えばわかるかしら?」

 

「……『黒幇(ヘイパン)』か」

 

 女──ゲレルの言葉に、スレヴィンは顔をしかめた。

 

 600年前、中華人民共和国で施行された悪法『一人っ子政策』の影響で爆発的に増加した『黒孩子(ヘイハイズ)』と呼ばれる無国籍児たち。

 

 彼らが寄り集まり、6世紀という長い時間と人口爆発という潮流の中で肥大化・強大化した中国系マフィアこそが『黒幇』。金になることならどんな悪事にも手を染める犯罪者集団である。

 

「はい、よくできました♡ 商売相手の中には、目障りな奴を消したいって顧客も少なくないのでね。アタシたちは金と引き換えに、ゴミ掃除をするお掃除屋さんってわけ」

 

「そうかい、だったら他所をあたれ。ウチのゴミは今朝出したばっかりだ」

 

 ゲレルの言葉にスレヴィンは皮肉交じりに返す。

 

「失礼な奴もいたもんだ。どこのどいつだ、頼んでもねえ清掃業者を送ってよこしたのは?」

 

「無駄ですよ♡ 我々が顧客の情報を漏らすことはない。そして更に言えば──」

 

 

 

 ──これ以上、貴方の見え透いた時間稼ぎに付き合う義務もありませんので♡

 

 

 

 そう言ってゲレルは、口元に三日月を描いた。

 

「U-NASAからの援軍を待ってるようだけど……我々は「速く、確実に殺す」がモットーの猛毒部隊♡ 助けが来る前に──貴方というゴミの掃除は終わっている」

 

 そう言ってゲレルは、胸元から通りだしたガム状の変態薬を口に放り込んだ。背後に控える彼女の部下たちもそれに追随するように各々の変態薬を接種していく。

 

 “ヒアリ”、“イエローファットテールスコーピオン”、“タイワンハブ”、“セアカゴケグモ”、“ツマアカスズメバチ”…… それらのベースに共通しているのは、そのいずれも生物大の時点で人体を害する毒を有し、『特定外来生物』に指定される危険生物たちであるということ。故に彼らは『猛毒部隊(ポイズナス)』。

 

 彼らが重きをおくのは戦闘力でも制圧力でもなく『殺傷力』──勝つ必要はない、標的を殺せさえするならば。故に彼らは『粛清部隊』。

 

「──さぁ出番ですよ、猛毒部隊♡ 黒の騎士(ナイト)として、給金分のお仕事はしなければ」

 

 猛毒を宿す軍勢を背に、額に六つの目を出現させたゲレルは淡々と告げる。黒い甲皮と体毛に覆われた腕より生えた、歪曲した毒牙が日光を浴びてギラリと光る。

 

 

 

 

 

 ガンボルド・ゲレル

 

 国籍:モンゴル

 

 MO手術ベース“節足動物型”

 

 

 

────── シドニージョウゴグモ ──────

 

 

 

 

 

「気が短いこった……ま、こんなもんかね」

 

 スレヴィンは呟くと、奥歯を強めに噛み締めた。カチリ──と、奥歯に仕込まれたスイッチが音を立て、電波を受信した腸内のカプセルから変態薬が放出される。服の裾からは薄灰色の触手が三本伸び、瞳孔の形状が微かに変化する。

 

「ふふ……算数もできないのかしら♡」

 

 応戦の構えを見せるスレヴィンを、ゲレルはせせら笑う。数の優位──それを確信しているが故の、揺るぎない勝利への自信の表れだった。

 

「たった一人で、私達とやり合うつもり?」

 

「その言葉、そっくりそのまま返してやるよ」

 

 だが、その事実を前にしてもスレヴィンの表情に焦燥はない。若くしていくつもの死線をくぐり抜けた彼は、毒の軍勢に不敵に笑んで見せた。

 

 

 

 

 

 

 

()()()()()()()()()()

 

 

 

 

 

 

 

 その刹那、スレヴィンの脇を高速で何かが駆け抜けた。電光石火──そう形容するに相応しい速度で以て、その人物は猛毒部隊の一人に肉薄する。

 

「あ? ──ぐべらッ!?」

 

 そして、猛毒部隊隊員の体は宙を舞った。真っ先に異変に気が付いた隣の隊員もその直後、鋭い打撃によって顎を砕かれて意識を手放す。

 

「リジーちゃん参上っ! のされたい奴からかかってきやがれ!」

 

 ボクシングスタイルでステップを切りながら、手術ベースたる『イエネコ』の特性を発現させたリジーが喜々として吠える。その頭部には猫耳が現れ、ズボンからはみ出した尻尾がご機嫌に揺れている。

 

「ッ、このアマっ!!」

 

 仲間がやられたことに激高した男が、リジーへと突貫する。大振りなその一撃を躱し、カウンターを叩きこもうとした彼女の顔面目掛けて、男は臀部から生えた尾の先端に付属する毒針を高速で繰り出した。

 

 イエローファットテールスコーピオン。

 

 世界で最も危険と称されるこの蠍の毒は、体長10cmにも満たない原寸大時点で、既に人を殺傷するほどの致死性を持つ。人間規格にまで巨大化したそれを、しかも顔面に受けたとなれば落命は避けられない。

 

 

 

「リジー!」

 

 

 

 ──ただしそれは「命中すれば」の話だが。

 

 少女の名を呼ぶ声と共に響いたのは、銃声。一拍の間をおいて、リジーの頭蓋を貫こうとしていた毒針は、蠍の尾ごと男の体から千切れ飛んだ。目を剥く男を拳で沈黙させ、リジーは口笛を吹いた。

 

「ナイス、トーヘイ! 助かったぜ!」

 

「あまり前に出すぎないで! カバーができなくなる!」

 

 遅れて現れた東平が叫ぶ。『ドブネズミ』の特性を発現させた彼は、拳銃による威嚇射撃でリジーの援護をしながら、スレヴィンへと告げた。

 

「寮内の非戦闘員の避難は完了! すぐにU-NASAの応援も駆け付けるそうです!」

 

「よくやった、タチバナ!」

 

 ゲレルは一つだけ、読み違いをしていた。スレヴィンが待っていたのはU-NASAの増援などではない、この二人だったのだ。

 

 地球で有事が発生した際のバックアップ人員『スカベンジャーズ』。先日結成されたばかりのコンビであるが、中々どうして息があっている。まだ一つ任務をこなしただけの新兵だ──などと彼らを侮る気持ちは、スレヴィンの中に欠片も存在しない。彼らならば、背中を任せられる。

 

「俺はあの女を()る、他の連中は任せた! 死にたくなかったら、連中の一撃も喰らうな!」

 

「「了解!」」

 

 同時に返した二人が果敢に挑みかかり、猛毒部隊たちが怒号を上げて彼らを迎え撃つ。

 

 

 

「……それで? 片付けるゴミが増えただけでしょう?」

 

 

 

 乱戦の様相を呈し始めた戦場。その中心でスレヴィンとゲレルは対峙した。じりじりと間合いを詰め、両者は攻撃のタイミングを計る。

 

「まとめてこの世からポイして、それでおしまいです♡」

 

 先に攻勢に転じたのは、ゲレルだった。彼女は低姿勢から大地を蹴るとスレヴィンの懐へと飛び込み、右腕から生えた毒顎を構える。毒液が顎から滴り、落ちた先のアスファルトを溶かした。

 

 世界最強の毒蜘蛛の一種として名を上げられることも多い、『シドニージョウゴグモ』。彼らの牙に備わる毒の名は“ロブストキシン”。霊長類に対してひときわ強い毒性を発揮する、強酸性の猛毒である。

 

「そうかよ、やれるもんならやってみやがれ!」

 

 振り上げられた一撃を触腕によっていなすと、スレヴィンは躊躇わずゲレルの眉間へと銃口を向けた。

 

「お前らにやられるほど、俺達ゃ弱くねえぞ」

 

「上等♡ 速攻で片します」 

 

 マズルフラッシュと共に吐き出される弾丸。それを蜘蛛の知覚によって回避したゲレルはスレヴィンの手から銃を蹴り飛ばし、そのまま近接戦と移行する。

 

 両腕に加えて三本の触腕、圧倒的手数を持つスレヴィンと、全ての攻撃が掠めただけでも致命傷となるゲレル。両者の応酬は長く続いたものの、その拮抗はあまり長くは続かなかった。

 

「っ……!」

 

 ゲレルの毒顎がスレヴィンの触腕を貫いたのである。一瞬の隙をつき、スレヴィンの胴体を目掛けて繰り出されたその一撃。それを咄嗟に防いだ結果もたらされた、致命傷だった。

 

 ──()()()

 

 ゲレルは確信する。既に毒液は注入された、もはやこの男に死から逃れる術はない。

 

 であれば、長居は無用である。戦況は徐々にこちらの劣勢に傾き始めている。これ以上戦闘を続けて、アネックス計画のオフィサー級の戦力が出張ってくれば面倒だ。

 

「終りね♡ 総員、てった「誰が終わったって?」──っ!?」

 

 次の瞬間、ゲレルの視界いっぱいに黒が広がった。不意を突いて放たれたそれはコンマ数秒の間、彼女の知覚を闇に覆う。

 

(しまった――!)

 

 ──実力がほぼ互角の者同士の立ち合いにおいて、勝敗を決するのは僅かな切欠である。

 

 視界が潰されたその一瞬のうちに、スレヴィンの触腕にゲレルの左腕が絡めとられた。すかさず鈍い音が響き、ゲレルの顔が苦悶に歪む。スレヴィンの腹を蹴り飛ばして拘束から逃れたものの彼女の腕は力なく垂れ下がり、風に吹かれるハンガーのように所在なく揺れていた。

 

「──やってくれたわね」

 

「油断する方が悪い」

 

 無事だった右腕で顔を拭ったゲレルは、恨みがましくスレヴィンを見やる。その腕に付着していたのは真っ黒な液体。世間一般に『タコ墨』と呼ばれるものだ。

 

 

 

 例えばスーパーで、例えば魚屋で。誰しも一度は、その生物を目にしたことがあるだろう。

 

 一見するとぐにゃぐにゃとして捉えどころがないこの生物は、その肉体に驚くべき数々の特性が秘められている。

 

 それぞれが自立して行動可能な触腕、変幻自在の体色、柔軟にして強靭な筋肉で作られた体は、強力な自己再生能力で手足の欠損すらも修復する。

 

 肉体だけにとどまらず歯には強力な毒、更には逃走用の墨──およそ一つだけでも強みと言える様々な特性を多数兼ね備えたその生物は、進化の中で最も成功した生物とさえ言われることもある。そしてそれこそが、スレヴィン・セイバーの身に宿った能力。

 

 

 

 過酷な道を歩むスレヴィンに『残酷な使命』と『それを成し遂げる力』を与えし彼らは──果たして神か、それとも悪魔か。

 

 

 

 

 

 

 スレヴィン・セイバー(本名:ピース・ラックマン)

 

 

 

 

 

 

 

 国籍:アメリカ合衆国

 

 

 

 

 

 

 

 22歳 ♂

 

 

 

 

 

 

 

 MO手術 “軟体動物型”

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──────────── マダコ ────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ── 闇夜の海魔(マダコ)臨戦(エンゲージ)

 

 

 

 

 

 

 

 

「──自切で触腕ごと切り離したのね」

 

 スレヴィンの足元には、根本ごと本体から切り離された穴の開いた触腕が転がっている。毒を受けたのならば、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()──言うは易いが、それをなすには優れた反射神経と決断力、そしてそれをなしうるだけの特性が不可欠。

 

「さて、神妙にお縄についてもらおうか! お前のお仲間は、全員寝ちまったぜ?」

 

「勝ち目はありません──投降してください」

 

 見誤った、と引きつった笑みを浮かべるゲレルに、東平とリジーが口々に言う。U-NASAから派遣された重装警備隊の一団も現れた。武力、兵力、あらゆる優位を覆されたゲレルと猛毒部隊の敗北は火を見るよりも明らかだった。

 

 

 

「ふ、ふ……」

 

 

 

 ──だが、その状況下にあって。

 

 

 

 ゲレルは余裕を崩さず、ただ静かに笑い続ける。

 

「……何がおかしい?」

 

 ──()()()()

 

 それは追いつめられたものの目ではない、自棄になった目でもない。この女の目は、まだ死んでいない。

 

「ふふ……失礼。あまりにも、貴方達の発想の貧しさが面白かったもので♡」

 

 それは狩りの成功を確信した、肉食獣の目だ。隙を見せれば立ちどころに食い殺される、捕食者の目。

 

「 まぁ何が言いたいかというと──」

 

 手負いの毒蜘蛛は嗤い、そして告げた。自分たちの喉笛にナイフが突きつけられていることに未だ気付かない、愚鈍な獲物を憐れむように。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「援軍を待っているのは貴方達だけじゃないってことよ♡」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、次の瞬間。

 

 

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

 

「──は?」

 

 

 

 あまりにも非現実的な光景に硬直するスレヴィンたちの前で、頭を失った胴体は糸が切れたマリオネットのように崩れ落ちる。快晴の空の下、アスファルトの灰が赤の海へと染まり──その中を颯爽と、車椅子が駆け抜けた。

 

 

 

 

 

「飛車、参・上っ!」

 

 

 

 

 

 車椅子を繰るのは花柄の美しい和服に身を包みんだ女性だった。猛スピードで加速する車椅子は、瞬きをする間もなく東平へと肉薄する。

 

「なっ──!?」

 

「首、もーらいっ!」

 

 そんな気が抜けるような掛け声とは裏腹に、芸術的とさえ言ってもいい洗練された剣閃が放たれる。殺気も闘気もなく、あまりにも完璧な太刀筋で迫る斬撃。

 

「ッ……!」

 

 それを東平は、紙一重で避けた。

 

(き、奇跡……!)

 

 永遠の如き刹那、喉の薄皮一枚を掠めて通り過ぎていく刃を見送った彼の体に、どっと脂汗が吹き出した。

 

 立花東平の手術ベースは『ドブネズミ』。

 

 人間とは異なる感覚で生きる彼らの“体感時間”に意識を合わせることにより、彼は短時間であればスローモーションで周囲を捉えることができる。咄嗟に発動したその特性が、彼の頭部を胴体へと繋ぎとめた。

 

(けど、それでも見切れなかった! 今僕がこの人の攻撃をよけられたのは、完全な偶然だ!)

 

 心臓が早鐘のように鳴る。実は今の一撃は躱しきれておらず、漫画のように遅れて己の首が落ちる──そんな展開が待ち受けていたとしても自分は不思議には思わないだろうと、東平は生唾を飲んだ。

 

「お見事。わたくしに刀を抜かせてなお生きていること、賞賛に値します」

 

 ギギギ、と巧みなドリフトで反転し、車椅子の女性は止まった。このままでは不味い──東平は即座に、手中の拳銃を女性へと向けた。

 

 銃声が響く。自らの肩を貫かんと迫る銃弾を()()()()()()()()()()()()()、女性はのんびりと告げる。

 

「有望な前途とあくまで肩を狙った優しさに敬意を表し、命までは取らずに置きましょう」

 

 ――何か、来る。

 

 女の言葉に身構えた直後――東平の体を何かが貫いた。

 

「……!」

 

「タチバナ!?」

 

 スレヴィンはぎょっとしたように目を見開く。東平の体は、地面から生えた水晶のような物体に串刺しにされていたのだ。まるで木のように枝分かれしたそれは人体の急所を器用に避け、しかし腕や腹といった部位を貫通して天へ伸びている。

 

「テメエ、あたしのバディに何しやがんだッ!!」

 

「待て、ルーニー!」

 

 スレヴィンの制止にも耳を貸さず、リジーは車椅子の女性へと突進する。アスファルトを割って迫る結晶の串刺しを猫の身体能力で潜り抜け、車椅子の女性へと拳を振り上げ──

 

 

 

「おっと、ストップだお嬢さん」

 

 

 

 その瞬間、脇腹に強い打撃を受けて真横に吹き飛ばされた。地面を転がったリジーは跳ね起きようとするが、中折れ帽の男がその喉を踏みつける。

 

「か、ハ……!?」

 

「いい筋肉だけど、打たれ弱いな。オリアンヌた──ゲフンゲフン、戦友に比べて鍛え方が軟すぎる。もうちょい腹筋周りを鍛えた方がいい……ま、この状況から生きて帰れたらだけど」

 

 呼吸ができずに暴れるリジーをものともせず、中折れ帽の男は足に加える力を強めていく。

 

「……くそッ!」

 

 躊躇っている場合ではない、もし男が一気に力を籠めれば、リジーの細首が折れてしまう。スレヴィンは右腕で予備のホルスターから拳銃を引き抜き。

 

 

 

 

 

 

 そして、スレヴィンの右腕が()()()()()()()()()()()()

 

 

 

 

「!?」

 

 車椅子の女の仕業か? 

 

 脳裏に浮かんだ推測を、即座に打ち消す。彼女は先ほどから、ほとんど移動をしていない。彼女の武器のリーチでは、あの場所から自分の腕を切り落とすなどできるはずが……

 

 ──いや、待て。

 

 そしてここに至って、スレヴィンは気が付いた──いや、疑問を抱いた。

 

 

 

()()()()()()()()()()()()()()? 

 

 

 

 刀という得物を持っていることから、無意識に先の惨劇の下手人は車椅子の女だと思っていた。

 

 だが違う。あの惨状を作り出すには、女の刀はあまりにも短すぎるのだ。警備隊はみな一撃で、一度の攻撃で同時に命を落とした。

 

 で、あるならば。一撃で、()()()()()()()()()()()()()()()()()()──!? 

 

 

 

 

 

 

 

「クカカ……愚鈍に過ぎるぞ、スレヴィン・セイバー」

 

 

 

 

 

 

 

 低い声が響いた。戦場で行動を止めるという己の迂闊さに気付いた時には、既に遅い。

 

「シッ!」

 

 鋭い吐息と同時に、最後の刺客が手中の凶器を振るった。全長10mもの刃渡りを持つ大長剣──常人ならざる達人であっても満足に操れないだろうアンバランスなそれを巧みに操り、その男はスレヴィンの三本の触腕と右足を一瞬にして彼の体から切り取った。

 

 

 

「く、そが――!」

 

 

 

 あまりにも、あまりにも呆気なく訪れた戦闘の幕切れ。

 

 ぐらりと傾く視界、意識が途切れる直前にスレヴィンが見たものは、迫りくる凶器の切っ先と、それを振るう猛獣の如き騎士の姿であった。

 

 

 

 ※※※

 

 

 

「フン……」

 

 シド・クロムウェルは白けたように鼻を鳴らした。

 

 U-NASAの寮監にして、ミッシェル・K・デイヴスの幼馴染であるスレヴィン・セイバー。若いながらも凄絶な経歴を持ち、表沙汰にできないU-NASAの極秘任務をいくつも達成してきたという。さぞや壊し甲斐があるのだろうと思っていたが、とんだ期待外れだった。

 

「まったく、歯ごたえのない」

 

 そう呟いた彼の手中で、10mを超す長剣は生きているかのように蠢き、そして()()()()()()()()()()。間もなく刃渡りが一般的なの西洋剣の長さにまで縮むと彼は刀身の血と脂を払い落とし、口を開く。

 

 

 

「それで──次は貴様らが相手か?」

 

 

 

「そっちがその気ならな」

 

「……フン」

 

 振り向いたシドの背後にいたのは、二人の男性だった。

 

 片方は日本人。スーツの上からでも分かるほどに鍛えられた肉体を持ち、変異したその両腕には危険色に彩られた毒針。

 

 片方はイスラエル人。バンダナを巻いた頭部からは触覚が伸び、黄褐色の甲皮に覆われた両掌には銃口のような孔。

 

 

 

 ──小町小吉と、ゴッド・リー。

 

 

 

 20年前のバグズ2号の生き残りにして、現役のバグズクルーの中でも最強と称される2人。

 

 既に変態を終えた彼らは自然体で、しかし今この瞬間にもシドの命を奪えるよう臨戦態勢で、そこにいた。

 

「クカカ! マーズランキング暫定3位が2人とは、豪勢なことだ──ビショップ!」

 

 楽し気にシドが言ったその瞬間、彼の背後から中折れ帽の男──フィリップが二発の指弾を放つ。

 

 ある条件を満たす者にとって極めて有害な特性を発揮する化学物質。

 

 それが仕込まれた弾丸は空を切って小吉・リーの眉間へと迫り──そして、空中でどろりと溶解した。

 

「おっ?」

 

 驚きの声を上げたフィリップの視線の先にいたのは、体格のいい刈り上げの男性。

 

 小吉たちと同じバグズ2号の生き残りたる、ルドン・ブルグズミューラーだった。

 

「……」

 

 特性である『マイマイカブリ』を発現させた彼は、仲間を凶弾から守ったその特性を、フィリップへと吹き付ける。

 

 口から放たれるは、溶解の霧――咄嗟に横転したフィリップが見たものは、その軌跡上に存在したあらゆるものが一瞬にして腐食していく光景だった。

 

「いやいや……消化液とかいうレベルじゃないでしょコレ」

 

 もはや元となったベース生物すらも凌駕する、超強酸。その威力を目の当たりにしたフィリップは、己を睨みつけるルドンに引きつった笑みを浮かべた。

 

 

 

「とうっ!」

 

 その横を爆走し、車いすの女性──千桐が小吉とリーの背面へと回り込む。彼らを間合いに収めた千桐は、刀の柄に手をかける。

 

 

 

「──させねーよ」

 

 

 

「むむっ!?」

 

 だが引き抜いたその刀は小吉たちとは真反対の方向へと振りぬかれた。彼女の切っ先はコンマ秒前までその場にいた者の残像ごと、虚空を薙ぐ。

 

 プン、と微かな風切り音を立て、少し離れた位置にその人物は姿を現した。背中に生えた四枚の翅、眼球を覆う緑の複眼──『オニヤンマ』の特性を有するバグズ2号の生き残り、トシオ・ブライトである。

 

 千桐がおや、と目を見開くよりも早くその姿は掻き消え――。

 

「――!」

 

「お、反応はえーな。それがあんたの特性か?」

 

 直後、彼女が正面に構えた刀が火花を散らした。鍔ぜり合い――彼女の刀と切り結ぶものの正体は、トシオの腕が変化した"オニヤンマの大顎”。千桐の喉元を食い破らんとする剃刀のような刃と、それを阻まんとする日本刀は拮抗し、歪な音を奏でる。

 

 

 

「トシオ・ブライトにルドン・ブルグズミューラー……20年前の戦闘データでは、ベース頼りの素人と記憶していたが。まさかルークとビショップ相手に渡り合うほどに成長しているとはな」

 

「……他所見たぁ余裕だな、騎士様よ?」

 

 愉快そうに喉を鳴らしていたシドだったが、その直後に押し寄せた灼熱に、その場をすぐさま飛び退いた。

 

 視界に広がるは、紅蓮。両手の孔より放たれたそれは、炎と呼ぶも生温い『劫火の波』。巧みに味方を避け、火の海は舗装されたアスファルトと黒の陣営をなめ尽くす。

 

「ぎゃあああああああ!」

 

「アチチチチ!」

 

 逃げ遅れた猛毒部隊の隊員のうちの数名が、火だるまになって悲鳴を上げる。耳障りだ、とシドが手中の剣を振るおうとした直後。

 

「!」

 

 ガギン、という音と共に散る火花。反射で振るったその剣は、接敵したリーのナイフを受け止めていた。

 

「そんな玩具で、俺を殺せるとでも?」

 

「さてな――玩具かどうかは、自分で確かめてみろ」

 

 言うが早いか、リーは両手に構えたナイフを目にもとまらぬ速さで繰り出す。シドはその連撃を捌き、いなしながら冷静に観察する。

 

(――隙が無いな)

 

 特殊合金製ではあるものの、特別な機能は備えていないただの軍用ナイフである。しかしだからこそ、加減しているとはいえ自分を防戦一方に追い込んでいるリーの戦闘力の高さが伺える。加えて――

 

「シッ!」

 

 何かが爆ぜる音、それと同時に爆速で放たれるナイフの刺突。首を傾けて急所を守るものの、躱しきれずにその切っ先はシドの皮を破く。

 

「クカカ、面白い! ガス噴射で攻撃速度を上昇させているのか!」

 

 リーの肘から立ち上る煙を見てその正体を察し、シドは機嫌よさそうに笑い声をあげた。

 

 長年の鍛錬によってミイデラゴミムシとの同調率を高めたリーは、今や自在に高熱ガス『ベンゾキノン』の噴射を操ることができるのである。

 

「いやまったく、大した技量だ。まさか、ここまで肉薄されるとはな」

 

 仕切り直しのため、独特の歩法で間合いを取ったシドは頬を伝う血を舌で舐めとる。それを見たリーが、口を開く。

 

「そこの小僧どもに手を出さず退くんなら、この場は見逃してやる。だがこれ以上暴れるってんなら、覚悟しな──」

 

 

 

 

「灰も残さず、焼き尽くしてやる」

 

 

 

 

「クカカ……いいだろう。乗ってやるとも、ゴッド・リー」

 

 一瞬の沈黙の後、シドが告げる。その言葉に、戦況を見守っていたゲレルが「よろしいので?」と声を上げた。

 

「スレヴィン・セイバーの抹殺が未了ですが♡」

 

「お前の詰めの甘さのせいでな。伸びてる奴らに手を貸してやれ」

 

 シドはそう言うと、通常の刀剣程度の大きさにまで縮んだ凶器を鞘に納めて歩き出す。完全な脱力の姿勢、戦闘続行の意思がないことが見て取れる。

 

「俺としてはこのまま殺し合いたいところだが、キングの任務が最優先だ。ここで無駄に駒を欠くわけにもいくまい。退くぞ」

 

「承知しました……はぁ、結局幸嶋君には会えませんでしたねぇ」

 

 

「はいよー。さーさ、帰りましょ」

 

「了解。ああ、火傷を負った連中は捨ててきなさい。足手まといになるだけですから♡」

 

 指揮官たるシドの言葉に従い、襲撃者たちはぞろぞろと引き上げていく。ほんの数秒前まで殺し合いをしていたとは思えない程の気楽さで。

 

「敵が退いたぞ!」

 

「負傷者を運べ! 病棟に連絡を!」

 

 それと同時にU-NASAの手配していた人員がなだれ込み、負傷したスレヴィンたちの搬送や死体の除去、現場の検証と、夕刻のU-NASA寮前は蜂の巣をつついたような大騒ぎになる。

 

「……」

 

 そんな喧噪の中にあって、バグズ2号の精兵たちは襲撃者達の背からその目を離すことはなく──夕闇の街に消えていくその姿を、穴が開くほどに強く見つめていた。

 

 

 




【オマケ】

フィリップ「どうでもいいけど、中国のマフィアなのに純モンゴル人ってどうなのよ?」

ゲレル「ギクッ……い、いえ、出展元でもいろんな国の無国籍児を取り込んだってありますし♡」



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