トッキーに、G1アイアンハイドがログインしました。 作:イビルジョーカー
2016年初の新作投降ですが、まさかの中の人ネタで『Fate/Zero』と『トランスフォーマー』のコラボww
まだ明確じゃないですけど、2017辺りにまたトランスフォーマーの映画やるみた
いで個人的には楽しみ(まぁ多分ガセでしょうけど)。
それでは、読者皆さんご一緒に。トランスフォーム!!
金色の眠りから覚めて。
この世界には、世の理から外れし『神秘』があった。
その神秘を持って魔導の力を自在に操り、己が後継者へと伝え、この世の外側に存在するとされる万象の大本『根源』へと辿り着くことを最終目標とする者達を『魔術師』と呼ぶ。
世界中に数多くおり、日本にも当然ながら存在しそれなりの歴史を持つ名門も幾つか点在している。
その内の一つが『遠坂家』である。
そして。その遠坂家の第五代目当主こと遠坂時臣には、実はある秘密が隠されていた……。
「……ふむ。やはりと言うか……昔に比べれば良い方だが、人間の身体は違和感が残るな」
時刻は8時30分。窓からの日差しと小鳥の囀りに導かれるようにして、惰眠の海から意識を引き上げた。その後の行動は着ていた寝巻き姿を脱いで自らのトレードマークとも言うべき赤い色彩が目立つ紳士服へと着替え、寝室の大鏡で身嗜みをきちんと。丁寧過ぎるくらいに整える。
「うん。完璧だな」
それらいつもの日課が完了して向かう先はいつも決まっていた。最愛の妻『遠坂葵』と2人の愛娘たちが待つ食堂だ。
「おはようございます、時臣さん」
「「おはよう! お父様」」
夫として、最愛の妻と娘の笑顔は何よりも代え難い至宝をも上回るものだ。そんな喜びを人知れず骨の髄まで味わう時臣は自らも妻と娘
たちに「おはよう」と親愛を込めて朝の挨拶をしてから食卓の椅子へと腰を下ろす。
いつもと変わらぬ食事風景だ。魔術師の家系に生まれた2人の姉妹は、当初は魔術を習うことなどなかった。時臣が魔術の教授を拒否し
平穏な日々を送ってほしいと言う、父親心としての矜持からだった。しかし長女たる姉の『遠坂凛』は魔術を習うと言って聞かず、次女の
妹である『遠坂桜』も魔術を習うことに関しては必死で、それこそ人見知りで気の弱い性格とは思えない程の押しっぷりだった。
必死な愛娘からの一途な頼み。幼くとも半端な気持ちではなく、それを成し得たいと言う明確な意志を感じ取った時臣は渋々ながらも魔術の教授を承諾。2人に遠坂家が代々培って来た魔術を修行と言う形で教え込むことにしたのだ。
それ以降、やはり食卓の話題は魔術の事ばかり。
正直な所もっと他の事にも目を向けて欲しいと思う、時臣にとっては複雑以外の何もない心境だろうか。
「貴方、後でお話が……」
「ん? ああ、アレか……分かった」
食事の最中、妻の葵がいつにもなく神妙な面持ちで時臣にひっそりと話しかけた。その意を言わずとも悟った時臣は承知した。
「どうしたんですか?」
そんな2人の様子が変だと思った凛は可愛らしく頭を傾けながら父と母を見る。妹の桜も同じ様子である。
「ああ、大丈夫。そんな気にするようなことではないから安心しなさい。それより凛、学校の方はどうなんだ?」
「あ……そ、その……」
「お姉ちゃん、少しクラスで浮いちゃってるみたいで……」
「あ、ちょっ、さくら!」
思わず妹を諌めるような口調で言う凛だが、桜の言葉に嘘偽りなどなく事実だ。魔術師の家系として魔術を教示され嗜んでいる故か、何処か普通とは違う雰囲気を醸し出してしまい、そのせいでクラスでも何処か浮いた感じになってしまっているのだ。
「あの……ごめんなさい」
「ああ、すまない。別に責めているわけじゃないんだ凛。ただ、人付き合いも大切だという事を覚えて欲しい。いかに力をつけたところで人間は……人に限らず、明確な知性を持つ生命体は誰かと助け合って生きるものだ。魔術師同士では利益という縁しか絡まないが、そうでない者達とならより良い縁が結べる筈だ。分かったかい?」
「はい、お父様!」
「うむ! よろしい」
元気良く返答した愛娘に思わず微笑む時臣。その光景はごく普通の日常の一ページでありながら、本来魔術師としてはありえない異常な光景でもあった。
「聖杯戦争……もうじき始まるんですね」
「……ああ」
朝食を終えた時臣と葵は遠坂邸の一室にて、お互い腰をソファーに預ける形で座りながら相対していた。ついでに言えば、その空気は非常に重く、正直居心地の悪いことこの上ないだろう。
「葵。私は正直に言ってしまえば……聖杯戦争などはしたくない。遠坂の悲願も私の代となった以上、成就させる気は更々ない」
遠坂の悲願。それは魔術師による血塗られた殺し合いを儀式とする『聖杯戦争』。その戦いに最後まで勝ち残った勝者となり、願望を叶える『聖杯』を降臨させ『根源の渦』へと至る……というものだ。
そもそも遠坂家は『聖杯』と『聖杯戦争』を考えシステムとして構築した御三家の一角。で、あればこそ、願望を成就させる聖杯を用いて『根源に至る』という悲願を成就させようとするのは遠坂の現当主として当たり前のこと。それを自分から放り捨てるかのように発言するというのは異常だ。魔術師としては理に適ってなどいない。
「しかし、『プライマス』のお言葉が真実であれば……聖杯は汚染されている。どうしようもない無限無蔵の悪意に」
「……貴方はそれを止めるおつもりなの? 『オートボット』として」
「無論だ。例えこの身が金属ではなく、有機体たる人間になろうとも……私が私である限り、自由と平和を愛する戦士としての誇りは捨て去りはしない」
遠坂時臣。彼の嘗ての名は『アイアンハイド』。
他の人間ならば早々ない……言うなれば『転生者』と類の人間だ。それも生前は人ではなく、遠い宇宙の彼方にある金属の惑星『サイバトロン』に住む金属生命体『トランスフォーマー』である事を踏まえれば二重に驚愕を禁じ得ないだろう。この真実を知っているのは、時臣本人以外に妻の葵と幼馴染の親友である『間桐雁夜』、そして祖父の親友にして元代行者『言峰璃正』神父の三名になる。
その他に知る者はおらず、まったくの皆無だ。
そもそも当然だが、こんな話を証拠もなしに易々と信じる方がおかしいものだろう。だが葵と璃正神父、それに雁夜は時臣の言葉を戯言と嘲笑することはなく……ただ受け入れた。
まさに時臣という人物に対しての、信頼という言葉あってこその成せる器量。しかしそれを差し引いたとしても、言をそのまま鵜呑みに
するのは如何な事だと思うのは無理もないこと。
しかし、上記の三名は時臣を幼少の頃から知る、幼馴染にして妻。幼馴染にして親友。祖父に等しかった恩師。
単純に……それこそ彼等の間で紡がれ築かれた信頼関係は伊達などではないのだ。
「…………もう、本当に頑固なんですね。分かりました。私が送る言葉はたったの一つ……勝って下さい」
「ああ、勿論だ。この戦いにおいて、私は必ず勝ち残る」
そこには1人の魔術師……というより、一人の戦士たる者としての自身と大いなる使命感。それ故に立ち向かう者としての決意があった
。
かくして。時は経ち聖杯戦争が始まる前夜。
遠坂邸の地下に設けられた魔術工房にて、璃正とその息子の言峰綺礼。そして時臣の親友であり、今回の第四次聖杯戦争の同盟者でもある間桐雁夜が立会い人として、時臣が行うサーヴァント召喚の儀式を神妙な面持ちで見守っていた。
「璃正神父。本当に大丈夫なのか? さすがに聖遺物なしで執り行うなんて……」
「うむ、まぁ……それに関しては私も同意見だが、どうしてもと時臣君がな……」
ただ璃正神父と雁夜だけは不安が少し混じっていた。
サーヴァント召喚に欠かせないのは目当ての英霊を引き寄せる為の縁ある品物である『聖遺物』が必要だ。別にそれ無しでも英霊召喚は可能だが、目当ての英霊を高確率で当てるとなると、殆ど運任せのようなものになってしまう。
ちなみに無しで行った場合は強弱の有無を問わず、自分にとって似た性質…あるいは近いものを持った英霊が召喚されることになっている。
いずれにしても、聖遺物無しでの召喚はあまり利巧な手段とは言い難い。
無論それは時臣自身も重々承知。しかしこれは誰に言われるでもなく、時臣自身が強く要望してのことだった。璃正も雁夜も正直な所は反対姿勢だったが、先に折れてしまう結果となり渋々承諾。そして今に至るというわけだ。
「誓いを此処に。我は常世総べての善となる者、我は常世総べての悪を敷く者」
いよいよ、最後の一節が読み解かれる。
「汝三大の言霊を纏う七天! 抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ!」
赤い魔方陣から猛烈な勢いでエーテルの洪水が流れ込み、空気と同化するように地下の工房すべてを満たしていく。
やがて光は人のような足、人のような胴、人のような両手、最後に人のような頭のパーツを形作っていき、人型を完成させる。最後に細かな部分までもが人のそれと同じように再現され顕現する。
現れたそれは、1人の少女。
金紗のような長い髪を少し長めのポニーテールに纏め上げ、炎を思わせるファイアーレッド一色のドレスに蒼銀の甲冑を着込むという変わった風貌。
開かれた双眸は慈愛に満ちた青空を彷彿とさせるもので、その背には剣の尖端から、柄の足までメカニカルなデザインに象られた一振りの剣が装備されている。
その様は、もはや異様を通り越していた。
しかし見た者をある種の勇猛という名の篝火へと誘い滾らせてしまう……例えるならば、まるで活力が注がれるように士気が高まっていくかのようなもの。そんな不思議な雰囲気を纏っていた。そんな己がサーヴァントの姿を見て、時臣の顔は驚愕と共に一つの確信に似た内情が顔に滲み出ていた。
何故? 理由? そんな他者から出てきそうな疑問を無視するように、口から思わず言葉が漏れた。
「こ、コンボイ司令官!」
コンボイ。性別はおろか姿形は違えど、確かにそれは時臣が知る生前の上司して偉大なる英雄の姿だった。
~~ちょっとした人物補足~~
間桐臓見/葵と結婚する前夜、雁夜の協力を得て『ある切り札』を使いこの世から強制退場させた。その為、今作での出番はなし。蟲爺ザマぁww
間桐雁夜/普通にトッキーと親友。人間関係的に言えば至って良好で特に問題もない為『遠坂陣営』に加わっている。
遠坂桜/間桐の蟲爺がいない為……というよりはトッキーことアイアンハイドが子煩悩なおかげで養子には出されていない。
とまぁ、こんな感じです。
こんなんでも面白いと思って見て頂ければ嬉しい限りです。
コレとは別に同じトランスフォーマーでリリカルなのはとのクロス作品も近い内に投降したいと思います。
それでは、フェード・アウト!