橋の辺りまで何とか戻ってくる。沢山の魔術師と交戦中の守宮さんと、やっと合流出来た。
「あ、流星君。大丈夫、怪我してない?」
「はい、何とか。それよりこれはどういう状況なんですか? 敵が多すぎる気がするんですけど」
守宮さんが心配そうに声をかけて来た。どうして助けに来た俺が相手に心配されているんだ?
「えーとね、取り敢えず後で説明するよ。早く全部倒して、この戦場から脱出しよう。正直疲れちゃったけど、三人も味方がいるなら大丈夫だよね」
「三人? ここには俺とジョーしかいませんよね?」
俺がいない間に他のマスターと共闘関係でも結んだんだろうか。それにしては辺りに姿が見えないような……
「ほら、其処に…、あれ、いないなぁ。さっき大蛇の噛み突きを食らってたから、それでやられちゃったのかも」
「仲間って言ってませんでしたか?」
その言い方はどちらかと言えば敵にするものだと思う。
「ううん、まぁ、色々あって……、あ、ジョー!」
「しゃべってないでさっさとこっちを手伝え! 正直、今すぐにでも戦線を離脱したい!」
盾を展開して必死で魔女達の攻撃を受け止めているのが見える。そういやMAGITIANって今憑依に応じてくれないんだよな。
「後もうちょっと頑張ってくれ! 俺はこっちを何とかしてから行くから!」
「正気かこの野郎! 少しはこっちの立場も考えろ!」
ジョーの怒鳴り声を聞いている間に、さっきの魔術師が登ってくるのが見える。今の守宮さんに、サーヴァント戦まで頼むのは無理だよな……
「おら行け、やっちまえ!」
地を這うように突き進んで来る黒い棘を、左右に飛んで回避する。相手はサーヴァントの力は使えないみたいだし、これなら俺でも勝てる!
『クイーン、一気に行くぞ!』
『了解です。我が心臓はイングランド王の物。肉体がか弱く脆いものであろうとも、王として君臨せん。私は国家と結婚した(アイ・マリッド・ザ・カントリー)!』
「加速、開始(ラッシュ・バースト)!」
両足を地面に叩きつけ、相手に肉薄する。結局自分の戦い方ってワンパターンだよな。
「囲め、斬り裂けぇぇぇぇ!」
周りから覆うように殺到してくる刃。こういう時には―
「人間爆弾(ヒューマン・ダイナマイト)!」
まとめて吹き飛ばし、突破口を開く。力任せでも何とかなる物だな。
「チッ。突き殺せ、真正面から貫いちまえ!」
鋭い槍に収束し、回転しながら抉り取りに来る。甘いな、威力ならこちらの方が上だ!
「迅雷の拳(ライトニング・ナックル)!」
中心でぶつかり合った衝撃で、腕に重い痛みが生じる。コンクリートの壁を、何も考えず殴りつけたら、こんな感じだろうな。
でも、今の激突で相手の魔術礼装は完全に粉砕した。これで相手の攻撃手段はなくなったはずだ。
「竜巻大砲(ストーム・インパクト)!」
続けて一撃を放つ。吹き荒れる風が、相手を大きく吹き飛ばした。
このまま有利に進められたらいいな。俺はそう思いながら、落ちていく相手を追いかけてもう一度下まで降りて行った。
ようやく主人公がまともに戦えています!