奇跡を呼びし艦娘のIS世界における戦い   作:オーダー・カオス

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 今回から複数の登場人物の目線に入れ替わることになっていきます(今回は2人だけだけど)。
 後、ISのキャラのお互いの呼び方や態度てこれで良かったか忘れてしまいました。
 原作読んだのいつだっけ……



第2話「会遇」

 夜中の10時、私たちはあることを確認するためにISを保管している格納庫へと向かっている。

 

「織斑先生、一体何なんでしょうね?

 今回のISの誤作動て?」

 

 同僚の普段は気が抜けすぎてたまに不安にはなるが、教師としてもIS操縦者としても信頼のおける真耶が格納庫の扉の前までに辿り着くと彼女は不安になったのか私に訊ねてきた。

 無理もない。

 最近はとある出来事でこのIS学園も空気が張り詰めている。

 

「さあな……だが、もしかすると

 侵入者の可能性も捨てられんな……」

 

「し、侵入者ですか……!?」

 

「ああ、なにせ次の入学生の中には世界初のIS適正を持つ男がいるんだ。

 もしかすると、既に何かを企んでいる連中がいるのかもしれない」

 

 私たちが本来ならば、既に就寝時間間近なのにも関わらずこの格納庫にいるのはなぜか起動しているISの状態を確かめるためだ。

 単なる誤作動ならばいいが、IS学園の性質上外部からの侵入者の可能性も捨てきれないのも事実だ。

 IS学園はどの国家も不可侵領域ではあるが、世界中からこの時代最強の戦力であるISが集結するのだ。つまりは技術の宝物庫と言っても過言ではない。

 今では完全にスポーツ感覚で扱われることの多いISではあるが、その実は兵器としてのポテンシャルが強すぎる。

 どこまで行っても結局は科学の発展は軍事利用の面を抱いてしまうのだ。そして、国家はむしろ、そちらの方に強い関心を抱いてしまう。

 そう、だからこそ私と束はあの世界を変えてしまった事件を引き起こしてしまった。

 元々は宇宙開発を目的としたIS。

 だけど、多くの人々はそれを嘲笑った。

 それを憎んだのか、見下したのか、それとも見返したかったのか束はあの事件を引き起こし、私も弟の一夏以外に希望がない世界を逆恨みしてあの最低な茶番を引き起こしてしまった。

 結果は大成功だった。

 いや、さらに180度を超えて世界はさらなる最悪の方向へと向かってしまった。

 ISは束の気紛れか、私のデータを参考にした弊害か女性にしか扱えず、それゆえに既存の兵器を遥かに凌駕するISを扱える者=女性は先天的に優れているという思想が蔓延してしまったのだ。

 今や、女尊男卑の考えは当たり前になってしまった。

 それはいつか、私の大切な弟である一夏にまで及んでしまうのかもしれない。

 まだ、一夏は学生だからそこまでの害は及んでいないのかもしれない。

 しかし、私は自分たち姉弟が少しでも生きていたいと思ったのに結果が何よりも大切な弟を含めた男が生き辛い世界にしてしまったのだ。

 そして、そんな中でなぜか私の弟である一夏がISに適合してしまったのだ。

 それは一夏が世界中から注目が集まることになると同時に一夏が危険に晒されることに他ならないのだ。

 元々、ブリュンヒルデの弟というだけであいつを危険に晒したことがあった。

 だから、私は誓った。

 今度こそ、一夏を守ろうと。

 

「よし、入るぞ……」

 

 仮にこの中に侵入者、ないしはスパイ、ないしは工作員がいても私は負けるつもりはない。

 一夏に危害を加えるのならば、誰であっても私の敵だ。

 私は意を決した。

 

「はい……!」

 

 そして、真耶も私の意を汲みこんだのか頷いた。

 私たちは侵入者のいる(可能性のある)格納庫の扉を開けて中を確認した。

 すると、そこにはISを身に纏った人影があった。

 そのISは形状を見る限りは砲撃戦を主体としたものらしい。

 

 やはり、侵入者か……!!

 

 私はそれを確認してからその侵入者をまず、口で投降させようとした。

 これでも私は世界最強のIS操縦者の名を持つ人間だ。

 相手が私の名前を聞いただけで怯む可能性もあり得る。

 私はそのまま自分の名前を出そうと思った。

 

「……ん?」

 

「……え?」

 

 だが、その侵入者はなぜか私たちの方に向き直り突如として右手を額の方へと持っていった。それはまるで敬礼のようであった。

 

「中華民国海軍所属訓練艦、雪風です!

 この度の改修感謝申し上げます!!」

 

 となぜか、侵入者である見慣れないISを身に纏った目の前の少女は敵意を感じさせないような反応を示してきた。

 と言うよりもなぜか感謝された。

 私たちは思いもしない侵入者の行動に唖然とするしかなかった。

 

 

 

「……あ、あれ?」

 

 私はどうやらこの場の責任者ないしは関係者と思われる2人の人物に対して、感謝の意を込めた言葉を告げるもなぜか目の前の2人は私の行動に困惑しだしている。

 

「「「………………」」」 

 

 2人はなぜか、私のことを訝しげに見つつ、私は情報が少なすぎてどう行動すればいいのか解からず、しばらく膠着状態になってしまった。

 

 軍の将校なのに……日本語を理解できない……?

 

 私は一瞬、彼らが日本語を話せない人間なのかと考えて悩んでしまった。

 今や、世界中の海軍には深海棲艦との戦いのために艦娘が配備されており日本は最も艦娘が多く、そのため軍の将校ならば日本語はほぼ共通語に等しいはずなのだ。医者がドイツ語を共通語にするのと同じように。

 だが、どうやらそれは的外れな答えであるのがわかった。

 

(お、織斑先生、ど、どうしましょう……?)

 

 ……あ、あれ日本語?

 

 目の前の眼鏡をかけた方の女性はもう一人のどうやら上官らしい女性に日本語でこそこそ語りかけていた。

 ちなみにこれは集中することで一時的に周囲の音を聴き取りやすくしている。

 盗み聞きみたいで嫌な気分になるのだが、情報が少ないのだ。この場合は仕方がない。

 

(あ、ああ……どうやら、敵意はなさそうだ……

 しかし……あのISは……)

 

 目の前の2人が会話しているのは紛れもなく、私の故郷の母国語だ。

 そして、彼女たちの会話の節々には身に覚えのない敵意と「IS」と言う聞き覚えのない単語がある。

 だが、日本人であるのならばどうして私の言葉を聞いただけであんな反応をするのだろうか。あまりにも不自然ではないか。

 

(そ、そうですね……見たことがないです……

 もしかすると、どこかの国の専用機でしょうか?)

 

(そうだな……

 敵意がないのならば、なぜこんな所に……

 それにスパイの可能性も……)

 

 す、スパイ……!?

 

 私は「スパイ」と言う不穏な言葉に焦りを隠せずにいた。

 一体、どう言うことなのだろうか。

 私はこの格納庫で改修工事を受けたのではないのか。

 それなのに彼女たちは私のことをまるでどこか海外の「スパイ」と疑っているようだ。

 

 こ、この場合……逃げた方が……

 い、いや、それはまずいです。どうやら、目の前の彼女たちは私が敵意を持っていないとは解かってくれています……

 なら、ここは……!

 

「あの~、すみません?」

 

「「……!?」」

 

 私はとりあえず、彼女らが私の処遇のことで相談していることは理解できたので、多少危険を伴うと思うがさらに自分が敵意を持っていないことを改めて表示しようとした。

 

「私は中華民国海軍所属の訓練艦、雪風です。

 あなた方の話しておられる言語を確認したところ、ここは帝国軍が関わる施設と見ました。

 もし、差支えがないのならば、状況の説明を求めます」

 

 と私は自らの所属を包み隠さず明かし、さらに自分が友好的であることを伝えた。

 こうすることで少なくとも自分が自分たちに敵対する者ではないと言う意図は伝えられたはずだ。

 だが、返ってきたのは

 

「ちゅ、中華民国……?

 台湾のことか……?それに……帝国軍……?」

 

「……訓練()

 こんな女の子がですか?」

 

 ……あ、あれ?

 

 目の前の2人は私が提示した情報に再び困惑しだした。

 と言うか、私も2人の反応に混乱している。

 目がきりっとしたどこか、かつて米国海軍の復興に力を入れて帰還してきたあのビッグ7最後の1人の長門さんを思わせる長身の女性は現在私が所属している中華民国の領土に台湾を含めていた。

 しかし、それはおかしいことに思える。

 台湾は帝国の領土であった、決して中華民国の領土ではないはずだ。

 それに彼女は自らが所属している筈であろう帝国の名前に疑問を抱いている。

 次に眼鏡をかけた少し親近感を覚えそうになるほんわかとした女性は私の外見を見て、「こんな女の子が訓練()」と首を傾げた。

 確かに私は駆逐艦の艦娘と言うこともあって、戦艦や空母、巡洋艦の艦娘よりは子どもっぽくは見えるかもしれない。

 艦娘、それも駆逐艦の艦娘を見た目で判断するなど軍に所属する者としてはありえないことだ。それに私たち、艦娘のことはあの大戦の後なのだからよく知られているはずだ。

 明らかにそれは常識的に考えられない。

 あの深海棲艦との戦いは最早、人類史上絶対に忘れない出来事のはずだ。何しろ、人類史上最も人類の存亡に関わった出来事のはずだからだ。

 そして、深海棲艦との戦いに必ず結びつくのは私たち艦娘だ。

 それを知らないとは考えられない。

 さらなる謎に私は頭を悩ませていると

 

「あの~……?

 雪風さんでしたっけ?

 雪風さんはその~……台湾の軍人なんですか?」

 

「え?」

 

 私が色々と混沌としたこの状況の中で状況の整理に追われていると眼鏡をかけた方の女性が私に訊ねてきた。

 私はその質問の意図が理解できない。

 

「え?いや

 私は中華民国の上海に所属しています。確かに帝国との合同演習で台湾には赴きますが……

 それに失礼ながら、台湾は帝国の領土では?」

 

 やはり、おかしい。

 なぜ台湾と中華民国が結びつくのだろうか。

 それに彼女の言い方では台湾が一つの国家にも聞こえもする。

 確かに元々、台湾は中国の文化が強く、合同演習で台湾に赴く時には台湾はそういった土地柄や現地の原住民の人々の風習からある意味本土とは違う国柄に見えなくもない。

 まあ、確かに台湾が一つの国家並の繁栄をしていると言うのならば嬉しいことではあるが。

 やはり、艦娘として戦いに携わる理由はそういった人々の豊かさを守っていくのが大きなことなのだ。

 そういった人々の営みを守る事こそ我々、艦娘、いや、帝国軍、いや、全ての軍務に携わる者としての使命であり喜びなのだ。

 私は台湾の繁栄を確信して嬉しく思っていたが

 

「えっ……!?

 いや、上海は中国の都市では……」

 

 彼女はなぜか中華民国一の海岸都市である上海の名前を聞いて驚愕した。

 何を驚いてるのか私には理解できない。

 

「……?

 中国とは中華民国のことでは?」

 

 私は彼女の反応に当然のように告げた。

 どうやら、私と彼女たちの知識の間には齟齬があるらしい。

 確かに私の知る限りは中国は二つの国家に分かれてはいるが、少なくとも上海を領土下に置いているのは「中華民国」の方だ。

 

「……我々の言う中国とは「中華人民共和国」のことだ」

 

「お、織斑先生?」

 

 私たちの話がこのまま平行線に進みそうになるともう一人の織斑さんという女性がそう言ってきた。

 

「「中華人民共和国」……?

 なぜ、内陸部と北方部に存在する国家が上海を?」

 

 私は今、自分が所属している国家と水面下で敵対している国家が上海を領土にしているかに疑問を抱いた。

 確かにあの国も「中国」ではある。

 だが、内陸部に位置するあの国家が上海を領土下に置くのは無理があり過ぎる。

 

「……その件については後回しだ。

 次はこちらの質問に答えてもらおう。

 貴様のそのISは専用機か?」

 

 織斑さんは私の艤装を指差して訊ねてきたこれを「IS」と呼んだ。

 

「「IS」……?

 失礼ながら、それがこの新しい艤装の名称なのですか?」

 

 私はさらなる謎にぶち当たり、とっさに質問に質問で返してしまった。

 どうやら、この新しい艤装は「IS」と呼ぶらしい。

 

「ISを知らない……?」

 

「それに艤装……?」

 

「な、なんですか?」

 

 私の質問に目の前の2人は驚きを隠せず、いや、この場合はむしろ信じられないものを目にしたような目をしてきた。

 いや、そんな反応をされて困るのは私の方なのだけど。

 

「……もう一度、訊ねたい。

 貴官の所属と名前は?」

 

 私は何で彼女たちが不思議そうに思っているのか理解できずにいた。

 そんな中、織斑さんは先程よりも私のことを軍人のように扱うように訊ねてきた。

 先程までのやり取りでどうやら彼女たちが友軍ないしは帝国軍の人間ではないのは把握できた。

 しかし、だからと言って相手が敵対姿勢を見せてもいないのにここで事を荒立てるのは得策ではないと考えつつもこの状況の打開のためにこれ以上の情報の提示を果たして行っていいのだろうかと悩んでしまうが

 

 仕方ない……

 ここは賭けですね……!

 

 私は自分にとっては忌々しい「幸運」という名前のものに頼るように意を決した。

 

「はい!

 私は中華民国所属訓練艦です……

 そして―――」

 

 先程と同じ現在の所属と地位と

 そして、もう一つの私のことを意味する言葉である

 

「帝国海軍陽炎型駆逐艦八番艦の雪風です!!」

 

 もう自分しかいない私たち姉妹の級名とその番名を口に出した。




 あれですね。
 お互いの基礎知識がかみ合わないと対話て難しいですね。
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