奇跡を呼びし艦娘のIS世界における戦い   作:オーダー・カオス

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第66話「銀の弾丸」

『敵攻撃部隊及び護衛部隊、接近!』

 

「OK!

 二人とも、そのまま真っ直ぐに進んでくだサーイ!」

 

『『はい!』』

 

 古鷹と夕立から敵の接近を知らされながらも私は二人にそのまま前進する様に言った。

 私が彼女たちに指示したのは彼女たちの勢いを止めない為だけではない。

 

「Fire!」

 

 私は二人の前方の上空目掛けて「三式弾」を放った。

 「三式弾」は敵の攻撃部隊までに存在する無人とも言える空中を過ぎ去っていく。

 そう。先ほどのやり取りで蒼龍と千歳は既に私の弾丸の射線上から攻撃隊を退かせている。

 古鷹と夕立をそのまま前に進ませる。

 この時点で私が二人を支援することを彼女らは察していた。

 「三式弾」が展開され、敵の艦載機数機を巻き込み、敵の戦力を着実に減らす。

 しかし、本当の狙いはそこではない。

 

「GO!」

 

『行きます!』

 

『ぽい!』

 

 私が普段以上に撃ち込んだ「三式弾」は煙幕代わりとなり、敵の艦載機の目を奪った。

 その隙を突いて、古鷹と夕立は敵駆逐艦をすれ違い様に砲撃と雷撃をお見舞いし、そのまま進んだ。

 しかも、それだけではない。

 

『このまま押すわ!』

 

『貰ったわ!』

 

 蒼龍と千歳の攻撃隊が中破していたハ級をそのまま爆撃し、艦戦が黒煙を囲み、その場から出てきた敵の艦載機を次々と撃ち落としていった。

 黒煙の中から闇雲に出てくる敵など、彼女たちの誇る精鋭にとっては絶好の獲物だろう。

 

『追い詰めます!』

 

『いっくよ~!』

 

 既に守りがないのに等しいヲ級目掛けて古鷹と夕立が攻めかかる。

 

 Checkmate!

 

 最初に私が敵の航空戦力を弱体化させ、その隙をあのソロモンの夜戦で活躍した二人が接近し水上戦力を叩き、討ち漏らしと網にかかった航空戦力を蒼龍と千歳が殲滅し、その勢いのままに敵本陣を叩く。

 余りにも理想的な運び方だ。

 対空戦力が半減したままでは敵の攻撃隊の猛威に晒されるのは悪夢だ。

 故に敵にとっては詰みだ。

 加えて、彼女は目の前にはもう一つ悪夢とも言える駆逐艦と古強者の重巡が迫っている。

 

「……叢雲」

 

「はい」

 

 けれども、ここで終わりではない。

 

「今から迎撃を行いマース!」

 

「はい!」

 

 まだ敵はいる。

 ヲ級は倒したも同然だ。

 しかし、その航空戦力は僅かであるが残っている。

 空母の恐ろしいところの一つは仮令、空母という母船を失っても、それらが有する弾丸とも言える艦載機はまだまだ迫って来ることだ。

 むしろ、死兵となった敵よりも恐ろしいものはない。

 

 Silver Bulletは私たちだけが放つわけではないデース!

 

 こちらとしては祈りよりも呪いにしか感じられないが、勝利への執着を見せる敵の最後の弾丸は恐ろしいものだ。

 だから、最後まで気を抜けない。

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